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戦争は勝っても負けても(一部の人間を除いて)損しかない

阿部知二他編の「西洋故事物語」の中にこういう一節がある。

ナポレオンの遠征をふくめて、ロシアは史上三度大きな外敵の侵攻をこうむっている。すなわち第一次大戦中カイゼルによるものと、第二次大戦中ヒトラーによるものとがそれである。
カイゼルがロシア侵攻を決意したとき、「北方の城壁」とあだ名された名将ヒンデンブルクは、切にこれに反対し「ロシアを敵とするものはかならず敗北するであろう」とまで極言した。彼はナポレオンの失敗をふりかえってこの言を吐いたのであろうが、その正しさは、ドイツにとって不幸にも二度にわたって立証されたわけである。

「ロシアを敵とするものは、かならず敗北するであろう」の例外が日本となるわけだが、あれは実質的にはロシアの内乱(革命)による停戦であり、引き分けである。日本はほとんどロシアの内部に侵攻していない。しかも、停戦の時点で日本はほとんど戦争継続の余力が無かった。だから、ロシアの賠償も最低限で承知し、その内情を知らない日本国民が怒って日比谷焼き討ち事件などを起こしたのである。
つまり、相手が欧州国家である場合、ロシアは一度も敗北していない。
さて、ウクライナ戦争に戦車を送ることでドイツは戦争当事者となった。今度はどうなるだろうか。ロシアもウクライナが戦場である間はNATOと五分かもしれないが、NATOがロシア領内に侵攻したらどうなるか、見ものである。
日露戦争はイギリスが日本を焚きつけたものだ、という事実がある。西洋の新聞にはその風刺画が載っていたのを世界史の教科書で見た人は多いだろう。今度もまた日本がそういう道化役にならないことを願いたい。ユダ金ヤコブ・シフへの日露戦争の債務の償還は昭和末期までかかったのである。つまり、それだけ長い間日本国民の税金が日露戦争の後始末に使われたわけだ。
勝海舟は「高い運上(税金)は国を亡ぼす」と言っていたという。(「安吾史譚」より)

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