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出来ない生徒が躓く理由

これは、すべての教師と父母父兄に読ませるべき文章である。

(以下引用)特に注意したい部分は赤字にした。

2018-03-17

アホの子教えるのは楽しかった

学生時代バイト個人指導塾講師をやっていて、座ってられない&話が聞けない中2とか、アルファベットのaとdとbの区別が付いてなくてbog とかdopple とか平気で書いちゃう中3とかを担当していた。


そういうレベルの子供でも、ちょっとした一言というかきっかけが見つかれば変わるし、偏差値27から50超のだいたい普通レベルまでもってくことは、片手間の個人指導大学生バイトでも割と難しくなかった。


逆に私にとっては、普通の子を出来る子にする方が簡単じゃなかった。本人に勉強への自発的意欲があって家庭の協力があれば偏差値60超くらいまではいけたけど、そこから先は元々の素養がないとダメかなぁという感じだった。個人的な体感だと65を超えるのは元々の素養が大きく左右するなぁと思っていた。


アホの子普通の子にする役目は、他のバイト講師仲間の誰もがやりたがらなかった。私はアホだったからそっちのが性に合ってたのもあるが、アホの子普通に近づけていくことで、どんどん目に見えて変わっていくのがすごく楽しかった。こういう言い方はあまり正しさがないとは思うのだが、アホを普通にする方が、普通を出来るにするよりも賞賛されやすかったし、本人からも周囲から感謝されやすかった。労力に比して賞賛感謝が多いバイトだなーとあまり倫理的でないことを考えていたし時給の昇給も早かった笑


アホの子へは、勉強理解を促すための教え方とか理解させ方以前に、取り払ってやらなくてはダメなことがある。


彼らは、勉強=キライ、怒られる、自分が惨めになるだけ、といった思い込みがある場合が多いどうせ分からないのだから頑張るのは無駄、と思うらしい。で、Togetterでまとめられてた子のように無意識アパシー状態なる子が多かった。


なので、まずは、間違ってくれないと先生が困る、と言うようにした。


あなたが間違ってくれないとどこが分かっていないのか先生が探せないから、間違ってくれないと困っちゃうんだよー、と言う。でなぜその間違いをしたのかを、問い詰めるのではなく一緒に探していこー!というスタンスで接していた。


なんで間違ったの?と聞くのは子供たちにとっては死刑宣告に聞こえるようだった。この人も結局私を救ってくれる人ではない、と思われ閉じられてしまう。実際に最初の頃に担当した子供の中にはそうやって閉じられてしまった子もいた。


よく考えたら、間違ったところや間違った理由自力で分かったらアホじゃないし人の手助けはいらないはずだ。アホの子だって一丁前の中学生なのだから、できることな同級生女子大生()の塾講師にアホを晒したりしないでカッコつけたいはずだし、自分で分かることができるようになりたいはずだ。


aとdとbの区別が付かなかった中3には、なぜこの3つがごっちゃになるのかを見つけてやった。まぁ簡単なことで形が似てるからなのだが、彼は自分が混在させてしまアルファベット同士の形が似てることすら気づいていなかった。


aはアタマが短いけどdはアタマが飛び出してるかごっちゃになるんだよ!だから書く時にアタマ飛び出すか飛び出さないかに注意すればいいよー、と言っただけなのだが、次の週にはbとd問題勝手クリアしていて、普通綴り間違えなくなったし音読もできるようになっていた。


さすがにこの時は、私サリバン先生かよ!と図に乗ったが、26文字中のそれも比較的頻用するアルファベット3つが見分けられないまま放置されてりゃ勉強嫌いになるよなぁとかわいそうにも思った。もっと早く誰か気づいてやれなかったのかよーオトナー。


一次方程式で硬直する別の子は、単にxとか英語が突然出てきた!ずるい!と思考停止してただけだった便宜上記号から怖がらなくてもいいと理解できた後は数学だけじゃなくて英語の成績も人並みになったし、英語の成績が良くなったら国語社会も急に頭に入るようになったと言っていた。


びっくりするレベルで出来ない子は、こちらが想像できない些細なところで驚くほど繊細につまづいているケースが多かった。だから学校先生から見落とされ続けてたか対応しきれなかったんだろう。あと、そういう子は大抵、家の環境はあまり良くない傾向は確かにあった。貧困家庭、片親、離婚再婚で家にいづらいとか。


そういう子が、アホの子から普通になることのインパクトは大きい。劣等感と、どうせここから抜け出せないという無力感と共に生きてきた子にとって、普通になるということは、普通の将来を考えられるようになるということだ。アホ高じゃなくて普通高校行ける、普通高校行ければまともな就職もできるんじゃないか?という希望だ。


私が面倒見たアホの子たちは2年間で6人いたが、高校行けないかもしれないところから普通レベル公立普通科や商業科に進めて、それぞれ今は会社員などをやっているらしい。地元から生徒のお母さんに会ったりして近況を聞けたのだ。


adb区別の付かなかった中3は、なんとホテル系の専門学校に進んで大手ホテルチェーンでフロントをやってるらしい。立派になって先生は嬉しいよ

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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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