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歌とノスタルジー

「谷間の百合」さんのブログ記事(前半のみ)だが、私もこの「東京大衆歌謡楽団」はごひいきで、いつか書こうかと思っていたが、動画のコピーの仕方が私は運任せなので、できなかったww
私が「夜来香(エーライシャン)」や「蘇州夜曲」など、戦時中の歌が好きだということは何度か書いたが、それより古い日本の歌謡も好きなのである。たとえば、黒澤明の「生きる」の中で、志村喬がブランコに乗って雪の中で「ゴンドラの歌」を歌う場面は涙無しには見られない。日本の歌謡に限らず、たとえばロシア民謡の「カチューシャ」とか、イギリスの戦時歌謡の「遥かなティペラリー」とか、あるいは日本の唱歌とか、好きである。「無法松の一生」で、子供が歌う「青葉の笛」なども好きだし、あるいは浅草オペラの「ディアボロの歌」とか、ノスタルジーを掻き立てられる。まあ、要するに「大衆歌謡」が好きだ、ということだ。その点、「ムード歌謡」などは酒や化粧の匂いがしてあまり好きではないwww
ちなみに、私は音痴だが、ディック・ミネの「或る雨の午後」だけは歌えるし、自分でも悪くないと思っているww 歌など、ひとつ歌えればいいのである。

「東京大衆歌謡楽団」

「ネットゲリラ」のコメント欄に、初めて聞く名前でしたが「あさみちゆき」という女性の歌が紹介されていて、なんとなく癖になりそうというかこころに沁みる歌だなと思いながら聴いていました。
ところが、動画サイトに彼女の曲とともに次々と上がってきたのが、これも初めて聞く「東京大衆歌謡楽団」というバンドの動画でした。
その動画の一つを下に貼りましたが、これを見た人はまず何を感じたでしょうか。
高島4人兄弟のバンドで、兄弟はそれぞれ別の音楽をしていて、とくに長男でボーカルの孝太郎さんはロックが好きだったそうですが、転機になったのが「誰か(たれか)故郷を想わざる」という歌だったそうです。
西条八十作詩、古賀政男作曲の戦前に流行った曲です。
その歌が少年のころを思い出させ、それに家族の風景が重なり、さらにそれは故郷としての国に繋がっていったということでしょうか。
お年寄りが一様に言うのが「最後は家族なんだ」「家族が大事なのだ」ということだったそうで、そこには社会によって家族が分断されたことへの悲しみと怒りが込められていたのではないでしょうか。
最初は老人の真摯なというかこころを刺してくるような視線にたじろいだということですが、その視線が何かを理解する手掛かりになったということでした。
老人はカラオケで懐かしい曲を歌っても満たされずに不完全燃焼で終わっていたのだと思います。
つまり、より多くの人となつかしさを共有したいのです。
それは同年代の人間だけではなく、日本人として日本という故郷を多くの人と共有したいということです。
その思いにかれらは気がつきそれに応えたのです。
こういう歌が内包しているのはだれのこころにもある故郷なので、老人と若者の区別もありません。(外国人の区別もないでしょう。)
哲学的な兄弟のインタビュー記事からわたしは多くの示唆を得ましたが、その記事を見失ってしまいました。
記事が見つかればまた書くことがあると思います。
わたしが感動し興奮したのは、このバンドが、DSがやろうとしている人類の画一化、平準化へのささやかな抵抗の方法と方向を指し示しているのではないかと思ったからです。
演芸はテレビ局と事務所によって恣意的権威的に運営され、そのテレビ局や事務所を監督統制しているのがDSです。
そんなテレビ局に認められるために芸人や歌手は必死なのです。
それしか念頭にありません。
たけしさんが言っていましたが、猿回しの猿です。
猿はどこを向いているのかということです。
演芸の原点が見失われています。
「東京大衆歌謡楽団」がこの先どうなっていくのかは分かりませんが、かれらが原点を逸脱することはないと思いたい。



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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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