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「情」と「情感」

前項を書いたついでに、井口博士のブログ記事を載せておく。
本当は、日本人と西洋人の脳の機能の違いを書いた記事を載せたかったが、どの記事だったか忘れたので代用だ。要するに、日本人は認識と判断の間に「情」というフィルターを通るが、西洋人はそれが無い、ということだ。だから判断が早い。これはスポーツや競争事では有利に働く。で、西洋人の特徴は「我」の塊であるということだ。これも相手を思いやる「情」をさしはさまないことになる。で、「情緒」というものも思考の中に存在しないから、彼らの作品には(超一流の作家の作品を除いて)たいてい「余情」が無い。まあ、そこまでは井口博士は書いていないが、「情」という要素の有無は彼我において大きな相違がある、とは言えるだろう。私流に言えば、恋愛が即座に性行為となるのも、情というフィルターが存在しないからだ、と思う。情とは「ためらう」ことから生まれるのである。それが「余韻嫋嫋」ということである。雨が降る、ああ憂鬱だ、面倒だ、ではなく、雨の美しさを感じること、これが情感だ。

(以下引用)

【かずもとちゃんねる】「日本人は情の人である」:岡潔「情と日本人」の朗読


みなさん、こんにちは。
最近、高知の横山さん
から、岡潔先生の「情と日本人」というパンフレットが届いた。
これは1972年3月12日にお話された内容で、その一部が抜粋されたものである。
今日は台風11号のせいで、強風と雨が来ていたので、恒例の朝のゴミ拾い散歩は中止。
これを、朗読の形で読んでみることにした。
ほぼテイク1のものであるが、一応YouTubeにアップしたというわけである。以下のものである。
【かずもとちゃんねる】「日本人は情の人である」:岡潔「情と日本人」の朗読_b0418694_13223976.png
日本社会が欧米と比べて、安心安全神話がなりたつ。
それは、日本人が情の人だからである。
だから、外人がヒッチハイクすれば、その人をできるだけ助けようとするし、外人が道を聞けば、いっしょに目的地まで歩いてやる。
普通の日本人は、みなそんなふうのである。
なにも宮沢賢治の「雨にも負けず」に限った話ではない。
インドネシアで独立に困っている人あれば、行っていっしょに戦ってやり
韓国に近代化で困っている人あれば、行って韓国を近代国家にしてやり
中国にインフラで困っている人あれば、行ってODAで無償援助してインフラ整備してやり
アメリカに金欠で困っている政府あれば、行って米国債を買ってやり
アフリカに井戸が作れず困っている人あれば、行って井戸をいっしょに掘ってやり
ブラジルにバレーボールで困っている人あれば、行って近代バレーを教えてやり
タイにサッカーで困っているチームあれば、行って日本サッカーを教えてやり
。。。
とまあ、こうしたことを見れば明らかなように、これが日本人は情の人だというゆえんであろう。
みな基本的に欧米人のやる五分五分の交渉と言うよりは、自分が損をしてもやってやる情の厚いものである。
つまり、理屈というのはなく、情緒的な行為である。
だから、宮沢賢治も本人は共産主義者であったにせよ、詩の内容は、彼が共産主義者だからというようなものではなく、情の日本人としての考えから出たに過ぎない。
日本人の共産主義者の場合も共産主義に理屈で賛同というよりは、かなり情緒的に賛同している面が強い。
だから、簡単には抜けられないのである。
長年のうちに、情が移っているからだ。
つまり、普通人も宮沢賢治も共産主義者も、日本人はみな情の人なのである。
しかしながら、岡潔先生がいうように、日本人も長年の西洋化により、情がにごっているので、自分自身で自分が情の人であるという認識がない。
だから、海外の人達に、世界でいちばん大事なものは情なんだよ、というふうに説明できない。
岡潔が言うように、日本人の情に一番近いものはヒューマニティーである。
しかし、外人はこれを簡単にないがしろにする。
それは、ウクライナとロシアの戦争で証明済みだ。
どちらの国々も一般国民がいて、みなエリートと同じヒューマニティーを持っている。
しかし、エリートは一般人のそうした情の部分を簡単に無視した。
情け容赦ない命令や決断を下す。
もし、彼ら支配層に情という概念があれば、そしてそれが人本来の本分何だという認識があれば、岡潔が行ったように、簡単に戦争になることはない。
お互いに相手を慮ることが可能になるからである。
この宇宙は情で出来ている。
これが岡潔の宇宙論であった。
いまこそ、全世界の人間は、岡潔の情の世界の考え方を学び、身につけるときだろう。
弥栄!

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それだけで人生は生きるに値します。

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