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日本語について

まあ、まったくの暇つぶし記事なのだが、私は日本語というのは機能性が抜群だと思っている。外国人が習得するのは簡単ではないかもしれないが、表現力という点では世界最高の言語だと思う。つまり、「表記性」が最高なのである。漢字で主要部分が即座に伝わるから、漢字だけ目で拾っても、大体の趣旨は推定できる。そして漢字は象形文字だから、視覚で即座に意味が伝わる。また、意味が分からない漢字でも偏と旁に分解してその関連を考えれば、意味が推定できる。
ところが、漢字には同音が多いから、耳で聞くとどういう漢字か分からないことが多い。中国語はそれを四声という音の高低で判別できるようにしているが、外国人には四声は習得困難である。
で、日本語表記の優れているところは、漢字以外に平仮名、片仮名があることで、その補助によって文章の印象が柔らかくなる。平仮名や片仮名だけでの表記も可能である。
下の詩は山村暮鳥の詩で、小学校の国語教科書でもおなじみだろう。引用のために詩の本体がブログ画面から右側にはみ出してしまっているが、まあ、記憶で補えばいい。



  風 景  
    
純銀もざいく


 


 



           山 村 暮 鳥

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ひばりのおしやべり
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
やめるはひるのつき
いちめんのなのはな。


 


 


 

まあ、日本語の欠点は、聴覚的な美しさに欠けるところかと思うが、私のように軽度難聴だと、それはほとんど問題にならない。読むのに適し、話すのにはあまり優れてはいない言語だろう。
しかし、音韻性に関しては七五調や押韻などで補助できるところもある(上記の暮鳥の詩がまさにそれ。)し、私のように、読むだけで音を想像すれば十分という人もいるのではないか。

下の詩は八木重吉の詩で、「雨の音がきこえる」は大島弓子の初期漫画の題名でもある。
表記に少し注意すると、3行目と4行目は「音」「働く」「静かに」をひらがなにしている。それが、まるで、注意しないと聞こえないかすかな雨の音のように柔らかに感じるのは私だけだろうか。

 


雨の音がきこえる


雨が降っていたのだ


あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう


雨があがるようにしずかに死んでいこう







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HN:
酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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