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気の赴くままにつれづれと。
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調べ物をしていて偶然Googleにひっかかっただけなのだが、あまりにも美しい文章。うつくしくかなしい文章。
円谷幸吉の遺書
父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。干し柿、餅も美味しゆうございました。敏雄兄、姉上様、おすし美味しゆうございました。克美兄、姉上様、ブドウ酒とリンゴ美味しゆうございました。
巌兄、姉上様、しそめし、南ばん漬け美味しゆうございました。喜久蔵兄、姉上様、ブドウ液、養命酒美味しゆうございました。又いつも洗濯ありがとうございました。
幸造兄、姉上様、往復車に便乗させて戴き有難ううございました。モンゴいか美味しゆうございました。正男兄、姉上様、お気を煩わして大変申しわけありませんでした。
幸雄君、秀雄君、幹雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、良介君、敦久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正祠君、立派な人になって下さい。
父上様、母上様。幸吉はもうすつかり疲れ切つてしまつて走れません。何卒お許し下さい。気が休まることもなく御苦労、御心配をお掛け致し申しわけありません。幸吉は父母上様の側で暮らしとうございました。
もう、呪われてしまいそうなくらい美しい。魂をとらわれて閉じ込められてしまいそうなくらい美しい。川端康成の評がほぼすべてを言い尽くしているので転載。
川端康成は、『円谷幸吉選手の遺書』において、「繰り返される《おいしゅうございました》といふ、ありきたりの言葉が、じつに純ないのちを生きてゐる。そして、遺書全文の韻律をなしてゐる。美しくて、まことで、悲しいひびきだ」と語りました。さらに「ひとえに率直で清らかである。おのれの文章をかへりみ、恥ぢ、いたむのは勿論ながら、それから(川端)自身を問責し絶望する」、そして「売文家の私はここ(幸吉の遺書)に文章の真実と可能性を見えたことはまことであった」と文豪川端康成を感嘆させました。
陸上自衛隊 三等陸尉 円谷幸吉 1968/01/09
[http://npo-kazokusou.net/column/life004.html]より
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