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「ポエム」が嘲笑の対象になったこと

小田嶋師が自分のツィートを引用したものだが、広告コピーの文体についての実に素晴らしい分析である。(この「コピー」という言葉自体、何とかならないか。複写の意味の「コピー」と紛らわしくて困る。)ただし、「ポエム」という言葉の価値を低下させた責任の一端はそれを揶揄的な意味で使ってきた小田嶋師にもあり、それは本来のポエム(詩)にとっては非常に迷惑なことのはずだ。小田嶋師も本来のポエムというものが好きだからこそ大衆芸術の中のポエム(ポップスの歌詞など)はよく引用し、活用してきたはずである。
なお、糸井重里の「責めるな。じぶんのことをしろ」は、「責める」という行為自体を責めることで「(政権や上級国民の)犯罪や不道徳性を責める」ことまでも禁圧するという後世に残る名コピーかもしれない。彼の最高傑作ではないか。いや、あの戦争中のさまざまな戦争遂行コピーと同様に後世に残るという意味である。

(以下引用)



「責めるな。じぶんのことをしろ。」もポエム的なもの言いで、誰が誰に対して「責めるな」と言っているのかが明示されていない。誰のどんな行動を責めてはいけないのかも説明していない。「じぶんのこと」が、誰にとっての「じぶん」のどんな「こと」なのか。解釈はすべて受け手に丸投げされている。
引用ツイート
小田嶋隆
@tako_ashi
·
主語や目的語を省略することで、明快な論理とは別建ての情緒や感覚のための余白を確保するのが、日本語における詩的な文章の伝統だった。その曖昧さを商品の宣伝に応用したのが広告文案業者で、彼らが洗練した発話者と受話者をボカす用語法が、いま「ポエム」という言い方で揶揄されている。





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