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世界大不況を見越して、「2020年版ニューディール政策」を策定せよ

「ネットゲリラ」で冒頭部分が取り上げられていた記事の後半だが、要は、政府が休業補償をしないのは国民がそれを望まない(「働かざるもの食うべからず」精神がある)からだ、という趣旨だと読み取れる。まあ、新潮社のネットマガジンだし、書き手は元経済官僚だから政府擁護が基本姿勢であるのだろう。
「働く」ことと引き換えに休業補償をするなら、「政府の指示通り」には働けない人には出さない、という成り行きになるのが日本政府の性質としてありそうなことだと思うが、この筆者はその点には触れていない。その辺が官僚的作文なのだろう。
そもそも、ここで例に出している農家の作業補助員としての中国からの「農業研修生」など、研修生とは名ばかりの超低賃金奴隷労働で、多くの脱走者を出していることは有名な話だ。
まあ、第一次産業を復興すること自体には私は賛成だが、こういう欺瞞的な形(その場しのぎ)でやるべきではないだろう。
ルーズベルト(ローズベルトという言い方には私は馴染めない。)大統領のニューディール政策の一環として大々的な公共事業が行われたことは、この際、想起すべきだろうが、コロナパンデミックの下で出来る公共事業は何があるのか、多くの人の意見を聞きたいところだ。
れいわ新選組や共産党などで、コロナ対策とコロナ後の対策を大きく打ちだしたらどうか。

(以下引用)

【コロナ禍】政府はなぜ休業補償に消極的なのか 「働かざる者食うべからず」の歴史的背景


4/12(日) 11:32配信


デイリー新潮


「働かざる者食うべからず」

 貧困の公的救済に関する歴史に詳しい奈良大学教授・木下光生氏は、「日本の社会は恒常的で十分な生活保障を良しとする歴史的教訓を積み重ねてこなかった」と主張している。

 木下氏によれば、江戸時代、貧困に陥った者が村の公的救済を受ける場合、金銭的な負担のない施しよりも低利な貸し付けをあえて選ぶことが多かったという。「タダで助けてもらう」ことに対する忌避感が社会全体に広がっていたからだろう。

 労働に対する社会の価値観も公的救済についての考え方に影響を与える。

 日本の庶民史に詳しい歴史民俗学研究会代表の礫川全次氏によれば、「戦後の奇跡の復興という成功体験によって、日本人の間で『勤勉性』という価値観は不動のものになった」という。1970年代から欧州では「勤勉」は反社会的な行為であるとの考え方が広まったのに対し、日本では過労死など数々の社会問題を生み出してもなお「勤勉」に対する評価が変わることはない。

「働かざる者食うべからず」という格言は新約聖書の一節に由来する。聖パウロがキリスト教の信者に対して怠惰な生活ぶりを戒めるくだりがもとになっているが、キリスト教徒の比率が1%程度に過ぎない日本で、この教えが本家以上に堅く守られているのはなんとも皮肉な話である。

 しかし愚痴を言っているばかりでは何も始まらない。

 労働を通じて組織に忠誠を尽くすことを重んじる日本社会で休業補償制度を導入するには、「社会の中で新たな役割を与える」ことを条件として金銭給付を行うやり方しかないのではないだろうか。

 すぐに思いつくのは、休業により手持ち無沙汰となったマンパワーを新型コロナウイルスの感染拡大抑制の最前線に投入することである。医学的な知見を必要とする業務は無理だが、保健所やコールセンターで大量に発生している事務的・肉体労働的作業を担う即戦力として期待できる。

 さらなる活躍の場もある。フランスの農務省は7日、仕事がなくなった労働者に対し、夏が近づくにつれて労働力の確保が急務となっている農家で働くことを呼びかけたところ、20万人以上から応募があったという。

 日本でも新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国などからの農業研修生の来日が困難となり農家は深刻な労働力不足に悩んでいる。農林水産省も今年から若年層に加え中年層の就農を支援する動きに出ている。

 農業の担い手になってもらうことなどを条件に休業補償を行えば、社会の反発を回避するとともに日本の食糧安全保障に資することになり、一石二鳥である。

 政府と地方自治体は直ちにこの案を検討すべきではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所上席研究員。1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)、2016年より現職。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年4月12日 掲載


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