避難所生活というのは、「生き延びるのが仕事」であって、ほかにはすることも無いだろう。そして、誰もがストレスで精神をギスギスさせているはずだ。そういう時に気分を一新させてくれるのが娯楽である。
避難所に、趣味で落語などをやっている人でもいたら、落語の素晴らしさを生まれて初めて知る人も出てくるのではないか。音楽は、人それぞれの趣味がかなり違っているだろうから、人によっては騒音以上に不快な場合もあるだろうが、アナログゲームなどは誰でもすぐに参加できる。子供でも七並べや神経衰弱などはすぐに理解できる。少し年齢が行けば、ポーカーやブリッジなどもいい。将棋もすぐにできるだろうし、小盤面の囲碁もいいだろう。
昔はテレビゲームが無かったから、こういうアナログゲームはどこの家庭でもたいていやっていたものである。トランプセットがひとつあれば、暗い避難所生活も娯楽の場になる。
今時の子供なら、テレビゲームでRPGに親しんでいるだろうから、自作のテーブルRPGを作成して子供たちで遊ぶという手もある。まあ、遊び事というのは、いくらでも自作できるのである。(たとえば、道中双六というのがあるが、それをRPG化するわけである。「人生ゲーム」も要するに道中双六のバリエーションにすぎない。)