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議論のできる社会とできない社会

「逝きし世の面影」から転載。
筆者である宗純氏の意図がよく分からない記事だが、興味深い。別に新しい知見があるわけではないが、大事な問題を扱っていると思う。
私が問題にしたいのは、「ユダヤ人殺害やホロコーストは無かった」という「ナチスおばあちゃん」の主張が「憎悪扇動罪」にあたる、ということだ。記事中の該当部分を先に出せば、

ハーバーベック被告はドイツ憲法裁判所に控訴し、自身の意見は同国における言論の自由に当たり、その権利は法律で保障されていると主張していた。
だが判事らは、ホロコーストの否定は言論の自由の権利によっては保障されないとの判断を示した。
判事らは、「虚偽や、故意に事実を歪曲させたデマの流布は世論形成に益をもたらさない。よって、言論の自由の権利には該当しない」と文書で発表し、「ナチスによる大量虐殺を否定する行為は、公の議論で不穏な状態を招いてはならないという範囲を逸脱している」と述べている。

ということである。だが、その意味することは何か。この老女の言動は誰への憎悪を誰に対して扇動しているというのか。
このナチスおばあちゃんの言動は明らかに、ナチス党員だった夫の名誉回復のためである。ナチスのユダヤ人政策(それはだいたいにおいて事実が伝えられているとは思う。)の非人道性はともかく、その心情はよく理解できる。仮に、彼女が「ユダヤ人は(民族として)悪辣そのものであり、絶滅させるべきだ」と主張しているなら、これは文句なしの「憎悪扇動罪」だろうし、いくら老女とはいえ、禁固刑を受けても仕方がない。
私が問題にしたいのは、その発言が事実に基づいているかどうかが問題にされているのではなく、ナチスに関する真偽判断の議論をすること自体が問答無用で犯罪扱いされている、ということだ。
「ホロコースト」があったかどうか、と言えば、おそらくあっただろう。その証拠もたくさんあるはずだ。だが、だからと言って、「ホロコーストは無かった」という発言が問答無用に犯罪とされることのほうが、私には恐ろしい。それは形を変えれば、いつでも「人権や民主主義を口にする者は犯罪者であり、問答無用で処刑してよい」ということにもなるからである。
私はネトウヨの歴史歪曲発言をいつも苦々しく思う者だが、そうした議論ができる社会でないとダメだと思っている。私自身は天皇という存在は日本の政治の最大の特長、利点だと思っているが、天皇否定の発言や議論が自由にできないといけないと思っている。それと同じである。


(以下引用)




「ナチスおばあちゃん」に禁錮2年6月、ホロコースト否定は「言論の自由に該当せず」2018年8月7日(火) The Telegraph(テレグラフ)

ナチス・ドイツ(Nazi)のホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)を公共の場で否定した罪で有罪判決を受け、言論の自由を理由に控訴していたドイツ人のウルスラ・ハーバーベック(Ursula Haverbeck)被告(89)がこのほど、同国最高裁判所にホロコーストを否定する行為は言論の自由には該当せず、「治安を脅かしている」との裁定を下され、禁錮2年6月の量刑を言い渡された。
「ナチスのおばあちゃん」の異名を持つハーバーベック被告は、ポーランドのアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所におけるユダヤ人殺害やホロコーストは「歴史的に証明」されていないと主張する一連の記事を右翼雑誌「Stimme des Reiches(帝国の声)」に発表した罪で5月に有罪判決を受けていた。
ドイツでは、ホロコーストの否定は憎悪扇動罪に当たると見なされ、最長5年の禁錮刑が科される
ハーバーベック被告はドイツ憲法裁判所に控訴し、自身の意見は同国における言論の自由に当たり、その権利は法律で保障されていると主張していた。
だが判事らは、ホロコーストの否定は言論の自由の権利によっては保障されないとの判断を示した。
判事らは、「虚偽や、故意に事実を歪曲させたデマの流布は世論形成に益をもたらさない。よって、言論の自由の権利には該当しない」と文書で発表し、「ナチスによる大量虐殺を否定する行為は、公の議論で不穏な状態を招いてはならないという範囲を逸脱している」と述べている。
ハーバーベック被告は長年にわたり、かつてのナチス体制を支持し、元ナチス党員の亡夫ベルナー・ゲオルク・ハーバーベック(Werner Georg Haverbeck)とともに「Collegium Humanum」と呼ばれる右翼の「教育施設」を共同で創設したこともある(同施設は現在、運営を禁止されている)。
ハーバーベック被告は、ドイツのナチス体制下において、ユダヤ人やその他の迫害を受けた人々に対する組織的な大量虐殺は行われなかったと主張し、国内のさまざまな裁判所から複数の有罪判決を受けてきた。そのうちの一つでは、ホロコーストを「史上最大で最長のうそ」と呼んだことで有罪を言い渡されている。
8/7 AFPBB News
デーリー・テレグラフ1855年に創刊されたは英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版テレグラフを立ち上げた。
★注、
日本は犯人引き渡し協定をアメリカとしか結んでいないので安全だが欧州諸国間では学術研究でも問答無用、例外なくドイツの『ホロコースト否定は禁固5年』の厳罰に処せられる怖ろしい仕組みがある。(欧州のネオナチから見れば東京裁判で認定されている『南京大虐殺』やヒロヒト天皇の弟の三笠宮まで怒った人体実験の『731部隊』を公然と否定しても許されるる日本はまさに天国そのものである)

『1970年代に新しく作られて造語「ホロコースト」の不思議』

日本人的な常識では『人の噂も75日』で、何があっても大抵のものは数ヶ月で、長くても数年で忘れられる。
我が国では、どんな重大なミスも犯罪も、解決していても解決していなくても、しばらくたてば『そんなのもあったよねぇ』程度の小さな扱いになり忘れ去られる。
直接の関係者を除けば、突き詰めれば大抵の人にとって『どうでもいい』ことなので、『過ぎてしまえば みな美しい』と美化されるか『無かった』ことになる。
『苦しみ』がつきまとう『記憶力』よりも、生残る為には『不都合な事実』を無かった事にする『忘却力』こそが精神衛生上は大事なのだ。『先送り』および『美辞麗句』との合せワザで使われる場合が多い、日本人の最終兵器である『忘却』の力は凄まじい。
日本人にとっては『思い出はすべからく美しい』のである。
ところが、困ったことにグローバルスタンダードは180度逆で、記憶が薄れるどころか、勝手に自己増殖する。残酷でおぞましい過去の記憶が、人々によって繰り返し繰り返し再生産されるのですから恐ろしい。

昔のユダヤ人の悲劇ではなく今のパレスチナ人の悲劇と密接にリンクしていた『ホロコースト神話』 

そもそも『ホロコースト』という言葉はユダヤ教の経典である旧約聖書の中の『神への犠牲』(生け贄)の意味であり以前の歴史ではまったく使っていません。昔に(ユダヤ人大虐殺の言葉はあったが、)『ホロコースト』は無かったが、世界的には70年以降、日本では80年に入ってから公式の言葉とされた。
全米各地に『ホロコースト』記念館が出来たのも、同じくアメリカの各大学に数千の『ホロコースト』を専門に扱う学部が出来たのも最近の話である。昔から在ったわけではまったく無い。
具体的にはイスラエル軍の先制奇襲攻撃による第三次中東戦争後に、そのイスラエルのアパルトヘイトを隠蔽する『煙幕』目的で、イスラエルやアメリカによって政治的に新しく創作されていたのである。
★注、
『イスラエルのアパルトヘイトと一体不可分のホロコースト神話』の他には、それまでのユダヤ人大虐殺に替えてホロコーストの言葉を新しく創作した目的とは、最大の2000万人の犠牲を出したソ連(無神論の共産党)や二番目の800万人のポーランド(カトリック)の次の3番目の600万人のユダヤ教徒虐殺を行ったドイツ(プロテスタント)との第二次世界大戦(欧州)の宗教戦争の側面を隠す目的や、冷戦を継続するためにWWⅡで果たしたソ連の功績を隠すとの邪まな目論見が考えられる。



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