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《記者会見詳報》「断言する。これは殺人事件。被害者が可哀想だ」木原誠二官房副長官の妻を担当した取調官・佐藤誠警部補が語ったこと
木原誠二官房副長官 ©共同通信社
〈「オマエなんて、いつでもクビ飛ばせるぞ!」自宅に向かうと木原副長官は怒鳴り…“妻の元夫怪死事件”全容を“捜査一課伝説の取調官”が実名告発!〉 から続く 【写真】都内で記者会見を開いた“捜査一課伝説の取調官”佐藤誠警部補 2018年に再捜査が始まった、木原誠二官房副長官の妻X子さんの当時の夫、安田種雄さん(享年28)の“怪死”事件。X子さんの取り調べを担当したのが、警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係の佐藤誠警部補(当時)だ。 7月28日、その佐藤氏が都内で記者会見を開いた。会見場には140人を超える報道陣が殺到。会場が満員で入れず、急きょ会場側が用意したライブ配信用モニターで会見を見守る記者も多かった。 1983年に警視庁に入庁し、昨年退職した佐藤氏。問題視しているのは、7月13日に開かれた、露木康浩警察庁長官の定例会見での発言だ。露木氏は種雄さんの不審死について、「適正に捜査が行われた」「事件性は認められない」などと説明していた。 会見冒頭で、佐藤氏はこう述べた。 「断言する。これは明らかに殺人事件だ。それを『事件性がない』と言うのは、被害者が可哀想だ、と思った。だから文春の取材にも応じた。『退職した警察官がべらべら喋るほうが怖えじゃねえか』という意見もあるかもしれない。ただ、俺は『被害者が可哀想』と思っちゃったんだ」
「終わり方が異常だった」
2018年10月上旬からX子さんの取り調べをスタートさせた佐藤氏。だが、10月下旬に突如、上司だった佐和田立雄管理官(当時)から「明日で調べは終わるぞ」と告げられたのだ。 「終わり方が異常だった。殺人事件は時効がないので、自殺(と結論づける)か(犯人を)捕まえるか、どちらかしかない。灰色はない。10月24日から国会が始まるというのはあったが、12月に国会が閉会すれば再開すると思っていた。しかし、全く再開する様子もないまま自然消滅した」(佐藤氏)
「事件性は認められなかった」に佐藤氏は…
種雄さんの遺族は先日、大塚署に再捜査を求める上申書を提出。だが7月24日、大塚署で、警視庁捜査一課の特命捜査第一係長から「捜査を尽くした結果、事件性は認められなかった」と告げられていた。これに関して、佐藤氏はこう憤った。 「殺人事件はホシ(容疑者)を捕まえることも大事だが、一番大事なのは遺族なんだ。(再捜査が開始してから)5年後に突然『事件性がない』と言われれば、怒っちゃいますよね。だっていままで放っぽっていたんだから。さらに、自殺という証拠がない。『遺書がある』とか、そういうものもない。それでは遺族が納得するはずがない」 さらに、業務上知り得た情報を漏らすことで、地方公務員法に触れる可能性があることについても質問が飛ぶと、 「当然、(その可能性については)分かっている。ただ、(取材に応じたときの)気持ちは今も変わりません」(同前) 佐藤氏はこの会見に先立ち、「週刊文春」の取材に18時間にわたって応じている。その全容については、現在発売中の「週刊文春」(8月3日号)、「 週刊文春 電子版 」で読むことができる。