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文化価値と経済価値

とある出版会社の廃業についての「ネットゲリラ」記事から抜粋転載。
まあ、細木数子の本のような糞みたいな出版物を出していた会社のようだから、廃業(正確には売却)はむしろ慶賀すべきことだが、問題は、ある種の企業や文化がIT文明によって消滅してしまうということだ。
出版業は消滅してはいけない文化だと思う。私は「情報」はネットで得ることが多いが、娯楽としての読書は紙の本でないと困難に感じる体質である。ただし、漫画を読むのは紙媒体でも電子媒体でもほとんど変わらない。時には電子媒体のほうがいい場合すらある。しかし、文字の本を読むのは紙の本でないと十分に味わえない。まあ、アナログ録音のレコードでないと音楽を聴いた気がしない、みたいな迷信的な感覚かもしれないが、これも習い性である。
社会の技術革新によって、それまでの古い技術やそれに関する商売が消えていくというのは基本的には変え難いことではあるが、それは古い技術やその製作品に価値がないということではない。単に、「経済的効率(カネになるかどうか)」だけの話なのである。そこを間違うと、古いものにはすべて価値が無い、というドグマに支配された狂信者になる。


(以下引用)




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昔、ある専門雑誌でライターやってたけど、ある日、S社長が、もう紙の時代じゃない、ITの時代だ。
というわけで、IT関連の人たちが大量に雇い入れられ、それまで雑誌をやってた人たちの上司になった
(ここがすごいとこだよ。新しい人たちが突然入ってきて、上司になるんだよ)。
ずいぶんいろんなドラマがあったと思う。雑誌はどんどん潰れ、社員はIT関連の仕事にまわされた。
けどIT上の商売って、けっきょく成立しなかったんだよね。
けっきょく紙の雑誌は大量につぶれるし(まだ黒字の雑誌もいっぱいあった)、ITでの雑誌展開なんてぜんぜん儲からない。ユーチューブのように大量の視聴者がついてきてくれれば、広告料で儲けられるけど、専門誌の情報をITで売って儲けようなんで無理なんだよね。
インターネットが発展していくと、多くの専門家の人たちが専門的な有益な情報をタダでHP上に書くようになり、わざわざ金払って有料サイトで情報得る人はいなくなった。
それから多くの貴重な論文が、今、インターネット上でタダで見られる。また多くの研究者たちは最新の研究を論文にする前にアーカイブに投稿するから、最新の研究動向もタダで見られるようになった(分野にもよるけど)。
けっきょくその会社、今、細々と単行本を売ってるみたい。
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この会社、ムックとか新書とかの中間本が得意だったんですねー。
ベストセラーもその辺から大体出ていて
逆に本チャンのハードカバーとか雑誌はどれもイマイチです。


電車の中でリーマンは、七十年代から八十年代くらいは新書持ってるのが多かった。九十年代になって漫画雑誌ばかりになり、今はみんなスマホですからね。まあどこの出版社も部数減で業界全体が縮小整理の方向でしょう。ここは先鞭をつけたということです。


今後IT化と人口減が直撃する大衆向け産業はつぎつぎと同じことになっていくでしょう。出版の次は服飾関係だとも言われてますね。
その次は多分不動産。その次の次は多分テレビとコンテンツ産業全般(報道も含む)です。


まあどれも東京の地場産業でもあり、大衆操作の道具でもあったんであたしとしては祝着至極という部分もあるが、多様性を失うのは問題ですな。


そうそう、かつて本屋で最も売れる棚に並んでいた新書はどんどん隅に追いやられてコーナー自体消滅したりしてます。








古本屋などの検索情報、機構がデジタル化、ネット化されるのは良いんですが、コンテンツそのものがデジタル化される、というのは一寸、悪くはないんですが、デジタル化されないものが破棄されるような懸念がありまして、古本とか、レコードとかCDとかの古い音楽とかが段々となくなっているような気がしまして。
 
古本とか、古い録音とか、て言うのは文化だと思うんですが、あれは絶対に残るような仕組みができてほしい、と思います。全てがデジタル化されると良いのでしょうが、ところが、必ず漏れるものが出てきますよね。でも、それ、後年、誰かが欲しいと思うとか、でも、その時、すでに、時お寿司。あるいは、音の場合、デジタル化していくと、変わるんですよね。勿論、アナログ録音自体、実際の音とは違うのは違うんですが。でも、その録音芸術とか、録音文化、って言うのもあるんじゃないかと?写真とか、映像とかも。
 
検索は楽です、古本屋や中古レコード屋以外でも検索できると言うのは。それは良い。加えて、コンテンツそのものも失うことのないように、なんとか、是非。

新しいものはデジタルで良いですよ。
古いものの保存。





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