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大人のいない社会はどういう社会になるか

「東洋経済オンライン」2014年12月26日記事。平川克美×小田嶋隆「復路の哲学」対談(1)「そして日本からオトナがいなくなった」より抜粋。
今の日本を考える上での、いい「思考素」となりそうな発言なので、備忘として。
対談の他の部分で、年を取ることに否定的な今の社会の風潮への疑問も提示しているが、その疑問にも同感である。

小田嶋隆の「自分たちは団塊の世代の残した瓦礫の上を歩いてきた」には、皮肉な気持ちも含まれているように感じる。壊すのはいいが、お前たちは何を作ったのだ、という気分があるのではないか。実際、今のこの地獄的日本を作ったのはほとんど団塊の世代である。もっとも、そのレールを敷いたのはそれより年長の「戦争に行かなかった連中」であり、戦前戦中から続く利権階層だが。


(以下引用)

..

小田嶋:僕らは平川さんたち団塊の世代がいろんな権威や旧弊的なものと戦い、壊して来た瓦礫の上を歩いて来た、という世代です。一方、今の若い人たちは「何にもなくなったあとの世界」で生まれ、大人になってきたという側面があると思うんです。ここには実は、けっこう大きな断絶があるような気がしています。

いちばん大きいのは、僕らは家父長制的な、縦社会の圧迫を受けてきた経験を持っていますが、今の40代より下の世代だと、そういう縦社会の理不尽な圧制をあまり受けずに育って来たんじゃないか、ということです。

実は、そういう人が中核を占めるような社会で何が起きるのか、ということは歴史上例がないわけで、いわば社会実験をやっているような状況にある、といってもいいと思うんです。

『昭和残侠伝』で

平川:そういう権威主義的な秩序を壊して来た世代の人間が言うのもなんだけど、「かつて、自分たちの社会にはこういうものがあった」ということを知っておくということは、大切なことだと僕は思うんです。今の日本、今の家族、今の社会みたいなものがずーっと、当たり前のように続いて来たかというと大間違いで、いろんな経緯があって今がある。そのことを知っているか知らないかは、生きていく上で大きな違いを生む気がします。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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