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他の組織の人間を平気で傷つける組織は自らの下部の人間も守らない

「The Page」というウェブ雑誌の記事の一節だが、いい指摘だと思う。
宮川君が個人的に被害者家族に(おそらく関学関係者も含めて)謝罪に出向いていたことを関学側が「宮川氏が不利益をこうむる可能性がある」として公表しなかったのは賢明な判断で、かつ紳士的な振る舞いだったと思う。宮川君がこうむる不利益とは、たとえばマスコミの非常識な追求であり、日大上層部からのさらなるハラスメントである。
「大学と部は違う組織である(から大学とは無関係な事件だ)」という日大側の言い草が、日大上層部の無責任さをよく示しており、被害者側の関学のほうが相手校の学生のことを真剣に思いやっているのに対し、日大側が自学の学生を単なる鉄砲玉扱いにしていたことがよくわかる。兵士を赤紙一枚の値段としか見なかった旧陸軍と同じ体質である。

モラルとは、孟子が言うように自然な状態の人間性(惻隠の情など)であり、モラルを失った組織は人間性を失った組織であるのは言うまでもない。(カネと権力、地位への欲望が人間から自然な人間性を奪うのである。)


(以下引用)




そして、もうひとつ、この日の会見では驚くべき事実が明らかになった。

 宮川氏側の 弁護士が、日大総務部の聞き取りに応じた際に、大学側が「大学と部は違う団体である。組織である。あくまで大学としてお聞きしたい」と説明した部分だ。


 日大アメフット部は、大学側が統括、監督責任を持っている学内のクラブ活動団体である。日大の有志やOBが集まって学外で行っているスポーツクラブでもなんでもない。100人を超える選手の練習場所を確保して、選手の一部をスポーツ推薦という形で入学させている。それを「大学と部とは違う団体」と語っているとすれば、日大アメフット部は、いったい何なのか。


 日大アメフット部を統括、管理する責任のある大学側が、まるで、それらを放棄したような発言であり姿勢である。学内ナンバー2の立場にある常務理事の内田氏が監督をしていた団体には、モノの言えない学内構造でもあるのだろうか。大学側が、その活動内容と実態を把握せず、コントロールできないような組織が、対外試合も含めた部活動を行っていること自体が大きな問題だろう。


 会見を受けて「激しい怒りを覚える」というコメントを発表した被害を受けたQB選手の父親、奥野康俊氏は、「監督やコーチが最初から自分の息子を怪我させようとしていた。絶対に許されないことだ。このような指示を出すこと自体あってはならないことだし、さらに強制し追い詰めるやり方は社会のルールをまったく逸脱している。こうしたことが学校の中でおきていたこと自体が信じられない」とも語った。


 学校内で“反則行為の教唆”が起きたことが問題なのだ。


 この日、日大の広報部に何度も電話をしたが、一度としてつながらなかった。また広報部が「質問は文書にてお願いします」ということだったので、先週の木曜日に送ったが、今なお、ナシのつぶてだ。夜になって公式コメントを出したが、今なお、監督、コーチの反則指示を認めていない、という矛盾したもので、本来、学生を守らねばならない立場の大学が迷走している。


 内田前監督の正式な記者会見をいったいいつになれば行い、今回の問題に対する大学としての見解、対応、そして学校側の処分、また今後の方針などを、いったいいつになれば“世間”に明らかにするつもりでいるのだろうか。日大は説明責任をまったく果たしていない。


 対して、ここまで2度会見を開いている関学大は、この日、「宮川氏が不利益を被る可能性がある」として、18日に直接謝罪を受けていた事実をここまで公表してこなかったことを<お詫び>として謝罪していた。教育機関としての理念や姿勢が、この対応ひとつとってみればよくわかる。
 




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