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「この世界の片隅に」

映画がヒットしてほしいのはもちろんだが、原作の漫画ももっと多くの人に読まれてほしい作品である。戦時中を舞台にした作品と聞くと「火垂るの墓」のような悲惨なドラマを想像して最初から敬遠する人は多いと思うが、この作品が描くのは「人が生きて平凡な生活を送れることの幸せ」なのである。戦争は、その幸福を奪う理不尽な存在として現れてくるだけだ。
原作の漫画の良さは、頭のいい人たちが語ってくれているが、一つだけ言いたいのは、全体に流れるほのぼのとしたユーモアと上品な笑いである。幸福な日常は戦時にもあった、ということが、凡百の戦争映画や戦争漫画、戦争小説では描かれていない。この作品はその幸福を描くことによって、逆に戦争の非人道性を浮かび上がらせてくるのである。
読んでいて、思わず微笑んでしまう、「楽しい」作品であり、そして悲しい作品なのだ。


(以下引用)


主演声優を務めたのんも登壇。生きることの大切さを描く「この世界の片隅に」完成披露舞台挨拶

2016年09月09日 19:04配信
主演声優を務めたのんも登壇。生きることの大切さを描く「この世界の片隅に」完成披露舞台挨拶

左から片渕須直監督、のんさん、こうの史代さん



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9月9日(金)、スペースFS汐留で劇場アニメ「この世界の片隅に」の完成披露舞台挨拶が行われました。


本作は、こうの史代さんの同名漫画をアニメーション映画にしたもので、激化していく戦中の広島県呉市を舞台に明るく前向きに生きる主人公・すずを中心に描いた作品。監督は映画「マイマイ新子と千年の魔法」やテレビアニメ「BLACK LAGOON」などを手がけた片渕須直さん。2015年に行われたクラウドファウンディングで3000人以上が参加し、制作決定に至ったことも話題になりました。


舞台挨拶には片渕監督とすずを演じる女優の のんさん、そして原作者のこうの史代さんが出席。


片渕監督は、原作を読んだ時に、自分の手で映像化させたいという強い思いを抱いたことを振り返り、「6年間いろいろなことがあり、やっと完成しました。クラウドファウンディングでもたくさんの方に協力いただいたこと、感謝しています」とコメント。


また、「マイマイ新子」で昭和30年の山口県を描いたことを踏まえ「昭和30年ならまだ実感としてわかったんですが、昭和20年がどのような時代だったのかというのは未知のものでした。ただ、今と同じ時間の流れの中に昭和20年があったということを自分たちなりに残しておきたい、捉えたいという思いがありました」と、制作にあたった強い想いを明かしました。


本作で声優初挑戦・アニメーション作品初主演となった のんさんは「戦争がすぐ隣りにある。この作品を見て、普通の生活が大切なんだと改めて思いました」と感想を述べ、また自身が演じたすずに対しては「ぼーっとしてるけど、実は気が強くてパワフルなところに共感しています」と共通点を挙げました。


片渕監督は「アフレコでは、のんちゃんからはたくさん質問をもらいました」と振り返ると、のんさんも「何でも質問させてもらいました、すみません」と笑顔で小さく謝罪。それに対し片渕監督は「いえ、質問の答えを考えていくうちに、自分もすずや作品の本質を改めて捉え直す事ができたんです」と返し、「それはエンディング映像に活かすことができました」と打ち明けました。


こうのさんは「映画化のお願いを片渕監督から手紙でもらいました。うれしくてその手紙はしばらく枕の下に入れていました」と笑顔で述懐。片渕監督も、のんさんへオファーした際の返事をメールで本人からもらったそうで「心のこもった丁寧な文章で、プリントアウトして、懐にずっと入れていました」と嬉しそうに告白しました。


最後のあいさつでは、のんさんが「普通の生活をして、生きるということ。そのことの大切さを思って、涙が溢れてくるような素敵な作品。ご家族で見ていただけたらなと思います」とコメントし舞台挨拶を締めくくりました。【取材・文=細川洋平】





■劇場アニメ「この世界の片隅に」


2016年10月 テアトル新宿他で公開


スタッフ:原作…こうの史代(「この世界の片隅に」双葉社刊)/監督・脚本…片渕須直/キャラクターデザイン…松原秀典/プロデューサー…丸山正雄・真木太郎/アニメーション制作…MAPPA/プロデュース…GENCO/配給…東京テアトル/後援…呉市・広島市/製作:「この世界の片隅に」製作委員会



リンク:「この世界の片隅に」公式サイト


    公式twitterアカウント・@konosekai_movie


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酔生夢人
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仙人
趣味:
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自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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