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恋愛とじゃがりこ

三谷幸喜の脚本「オケピ!」を読んで、不思議に思ったのが、恋愛とは何だろう、ということだ。舞台伴奏専門のオーケストラの中で、美人のハープ奏者に、指揮者が惚れるのだが、そのハープ奏者はオーケストラの中の男性の半分くらいと寝ている女である。(指揮者はその事実を最初は知らない。)で、そのハープ奏者がそういう女だと知った上で、この指揮者はこの女に未練たっぷりなのだが、これは恋なのだろうか。それとも、他の男同様に自分もこの女と寝たいという欲望、つまり性欲なのか。いったい、恋愛と性欲はどう違うのだろうか。また、このハープ奏者は、一番新しい相手であるトランペット奏者に思い入れがあるようなのだが、これは恋愛なのか、性欲なのか。男から男へ相手を次々に換える女にとって、恋愛とは何なのか。
で、先ほど思ったのが、「じゃがりこ」である。まあ、じゃがりこが何か分からない人は少ないと思うので、説明はしない。私は、じゃがりこにまったく興味がなく、食べてみたいとも思わなかったのだが、ある時、スーパーで安売り(在庫処分)をしていたので、数種類買って試してみると、なかなか美味い。で、しばらくして、その中の「たらこバター味」というのを買ってみたら、これまでのじゃがりこの中で一番美味いと思い、大量に買ってみた。
その後どうなったかは、予想がつくだろう。飽きたのである。「たらこバター味」だけでなく、他の味のじゃがりこもすべて興味も食欲も無くなった。
恋愛というのは、このじゃがりこのようなものではないだろうか。相手に興味を惹かれると、矢も楯もたまらなく、「欲しくなる」。しかし、数回味わえば、飽きるわけだ。だから、次々と別の相手が恋愛(食欲)の対象になる。少なくとも、多情な女性の恋愛は、食欲とさほど差はないし、何なら、アクセサリーや化粧品と大差はないのではないか。で、食われるほうの男も、セックスの相手をして性欲は満足されるから、相手をするのにやぶさかではないし、それが美人の相手ならなおさらだろう。しかし、じゃがりこを食うのと大差はないわけだ。で、いろいろと面倒くさいことが恋愛に付随して起こるが、色好みな種族にはその面倒も気にならないのだろう。女性の中には、死ぬまで恋をしたいという、おそるべき種族もいるようだ。

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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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