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主要死因別死亡率の長期推移

「悪性新生物」とは癌のことで、癌の増加は社会の高齢化のためと解説の中で説明されているが、字数の関係で省略した。

(以下引用)




 死因別死亡率の長期推移の図は、克服すべき病気の種類が過去から大きく変貌を遂げている状況を示している(死亡率全体の推移は図録1553参照、主な傷病の患者数は図録2105参照)。なお、ここでの死因は、死亡診断書の死亡理由のうち直接死因ではなく原死因を適用するものとされている。

 戦前の死亡原因としてもっとも深刻だったのは、肺炎や胃腸炎といった感染症であった。肺炎とここではあらわしていない気管支炎を合計すると1899年から1922年まで第1位の死因であった。特に1918年から20年まではインフルエンザの世界的な流行(いわゆるスペイン風邪)があり、日本でも高い死亡率を示した。平凡社大百科事典よれば「世界中でこのインフルエンザにより、約2500万人の死者を算したと推定され、細菌学的医学の勝利に冷水をあびせ、大戦の死者をはるかにしのぐ伝染病の猛威のまえに、「疫病の時代はまだ去っていない」と疫学者をして嘆じさせた。日本でも罹患者2500万、死者38万余というこれまでにない惨禍をもたらした」とされる。

 感染症が猛威を振るっていた時代における大都市の平均寿命の低さについては図録7254参照。戦前の食中毒死者数の多さについては図録1964参照。

 1930年代から戦後しばらくは結核が死因第1位となった。戦後、結核に有効な化学療法が開発されたのを契機として、BCG接種による予防、ツベルクリン検査、全国民一律の胸部 X 線検査による患者発見、さらに化学療法による治療をあわせてた対策により結核事情は一変した。日本の医療機器において X 線検査装置をはじめとする画像診断機器が世界的な競争力を有している(ただし普及版において)のも当時の取り組みが元である(図録5400参照)。また、この時の成功体験がかつて医療費問題のひとつとして大きくクローズアップされた検査漬けにも結びついた。

 第2次大戦後、栄養状態の改善やサルファ剤、抗生物質などの出現にともない感染性疾患が大幅に減少し、結核対策も進んだ結果、これらに代わって悪性新生物(がん)、脳血管疾患、心臓疾患など老化と結びついた疾患が増大してきた。1957年頃からこれらは3大成人病と称され、主たる克服対象となった。その後、1996年ごろからは、3大成人病をはじめとして糖尿病、慢性肝疾患などが、永い年月を経ての各個人の生活習慣とそれらの疾患の発症との間に深い関係があることが明らかになってきていることから、成人病は新たに「生活習慣病」と称されるようになった。

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