「NHKオンライン」か何かの記事だが、いい着眼だと思う。
避難所生活というのは、「生き延びるのが仕事」であって、ほかにはすることも無いだろう。そして、誰もがストレスで精神をギスギスさせているはずだ。そういう時に気分を一新させてくれるのが娯楽である。
避難所に、趣味で落語などをやっている人でもいたら、落語の素晴らしさを生まれて初めて知る人も出てくるのではないか。音楽は、人それぞれの趣味がかなり違っているだろうから、人によっては騒音以上に不快な場合もあるだろうが、アナログゲームなどは誰でもすぐに参加できる。子供でも七並べや神経衰弱などはすぐに理解できる。少し年齢が行けば、ポーカーやブリッジなどもいい。将棋もすぐにできるだろうし、小盤面の囲碁もいいだろう。
昔はテレビゲームが無かったから、こういうアナログゲームはどこの家庭でもたいていやっていたものである。トランプセットがひとつあれば、暗い避難所生活も娯楽の場になる。
今時の子供なら、テレビゲームでRPGに親しんでいるだろうから、自作のテーブルRPGを作成して子供たちで遊ぶという手もある。まあ、遊び事というのは、いくらでも自作できるのである。(たとえば、道中双六というのがあるが、それをRPG化するわけである。「人生ゲーム」も要するに道中双六のバリエーションにすぎない。)
北海道を突然襲った地震から1週間。電気がない生活で人々の心を癒やしたのはトランプやボードゲームでした。「娯楽がないと人間でいられない」災害時にも遠慮することはありません。(ネットワーク報道部記者 後藤岳彦・高橋大地・松井晋太郎)
ゲームが変えた避難所の雰囲気 「電気も無く、食べ物や飲み物も店から消えて夜の暗闇に感じる不安と恐怖、なれない環境でのストレスでギスギスしていた。そんな時だからこそ人と人とのコミュニケーションや笑いが必要で、その手助けとなったのがアナログゲーム。本当にいいものだと感じた」 北海道で震度7の揺れを観測した地震のあとに投稿され、話題になったツイートです。 「アナログゲーム」とは、電源が必要ないカードやボードゲームのこと。 ツイートをした北海道に住む20代の男性に話を聞きました。 地震の後、道内は停電。男性は、携帯電話の充電のため避難所を訪れた時に、たまたま手元にあった「モノポリー」などのゲームを取り出したところ、人だかりができるほどの人気に。 男性はいったん自宅に戻り、趣味で保管してあったほかのゲームおよそ20セットを持ってきて、ルール説明をしながら配ってまわりました。
まもなくそこかしこで笑い声が聞こえるようになるなど次第に避難所の雰囲気が変わってきたといいます。 男性は「テレビゲームも好きですが、停電してしまえばただの重いもの。一方、アナログゲームは電源も要らないし、人とコミュニケーションを取る1つのツールになりえます。多くの人が一緒になってわいわい楽しんで笑っている姿を見て、アナログゲームの魅力を改めて感じました」と話していました。
防災袋にトランプ!? 共感するツイートも多数投稿されています。 「うちも暗闇で懐中電灯で照らしながら人生ゲームやって家族で爆笑してました」 「防災袋にトランプ入れてる。娯楽が無いと人間でいられないと思う」 「『トランプやオセロなんて災害時に非常識』って思ってたけど、人間だもの、息抜きも必要」
避難所でゲームを用意するところも 避難所がゲームやおもちゃを用意した所もあります。 むかわ町にある穂別町民センターでは、近くの観光施設の担当者などが、ボードゲームやぬいぐるみ、絵本などを持ち寄り、自由に遊べるようにしました。 「オセロ」や「UNO」といった定番のゲームはもちろん、「ニムト」「ハゲタカのえじき」といったカードゲームなども置かれ、避難した人たちにも評判だと言います。 ゲームを用意した、むかわ町穂別地球体験館の野田亜衣さんは、「子どもたちも携帯用ゲームを持ってきたようですが、電池が切れてしまうので、カードゲームなどをやろうと言って楽しんでくれていました。大人も子どもも一緒になって遊べるのがよかったのではないでしょうか」と話していました。