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「或る時」

「おもかげ」から、或るドイツ詩人の「ある時」の文語訳を、時間が無いので30分で口語訳してみる。(今訳し終わって、どういう詩か分かった。最後の一句が素晴らしい。)
詩人の名はエドゥアルト・フェラント、詩の原題は「Einst(いつかあるとき)」である。


 或る時

墓場の前にふたりは立った
接骨木(にわとこ)の花は匂い
夕暮れの風に草葉はそよぐ

乙女はささやく声も細く言う

私の身がこの世を去った後
詠んだ歌だけが残り
あなたは広い世に取り残され
共に語らう友もなく
思い寝の夢に私を見たなら
接骨木の花と薔薇の花が
囲んだ墓場を訪ね来て
緑の草葉を寝床にし
匂い良い花の一束を
私に向けて手向けてくださるなら
馴れた足音に私は目を覚まして
静かに忍び寄って
心を隔てず囁きましょう
共に世にあった時のように
過行く人々のことを思うでしょう
接骨木の花を静かに
緩やかに揺らす夕風だね、と
生きた世にいるように何事も
聞かせなさるなら私もまた
夢見たことを語りましょう
その時互いに心が静まり
目を覚ました星に気がついて
「さようなら」と、とても静かに言いましょう
あなたは元気を取り戻し夕暮れに
帰りなさるでしょうあなたの家に
私は再び花の底に











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「悪いのはこのお手手ね、メッ!」指パチーン

非常に面白い。というか、興味深い。
アメリカの、何百ドル以下の窃盗は重罪扱いしない、というのと対照的だ。ちなみに、そのために小売店の廃業が相次いでいるという話である。

(以下引用)




【悲報】クソガキ、万引で指4本を失ってしまう・・・。



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1: 風吹けば名無し 2020/09/23(水) 08:43:50.12 ID:UJJ3suDXp
スーパーマーケットなどで万引きをして捕まった少年。きちんと謝罪し、反省の色が見られたとしても、それでも拷問ともいえる厳しい刑罰は必要なのだろうか。驚くようなニュースがイランから伝えられ、波紋を広げている。


■万引きの初犯にも厳罰
イラン・西アザルバイジャン州オルーミーイェで昨年11月、ハディ・ロスタミ、メーディ・シャラフィアン、メーディ・シャヒヴァンドという10代の少年3人が万引きで捕まり、少年刑務所に投獄されていた。

万引きの初犯で10ヶ月間も服役するなど日本では考えられないことだが、イランは「それだけ」で少年たちを釈放してよいのか、さらに審議する極めて厳しい国だ。

■卓上丸ノコに血しぶき
3名は少年刑務所での服役に加え、体罰として利き手である右手の指4本を、卓上丸ノコで切断されることになった。

古典的なシャリーア(イスラム法)を支持するイラン最高裁は、「それだけは勘弁してやってほしい」と懇願する家族や人権擁護団体の訴えを退け、イスラム刑法278条に基づく指の切断は妥当だとして刑の執行を指示した。

少年たちはすでに4本の指を失っている可能性が高いと報じる海外のメディアは多い。


(中略)

■古き悪しき時代に逆戻りか
今、世界の主要メディアが「ただ残酷。やり過ぎだ」といった批判を込めてこの件を報じているが、イランの刑法に詳しい専門家は「指の切断という刑罰が執行されるためには、犯罪の内容および被告人について計13の条件を満たしていることが必要となります」と語っている。

近年は、ほとんどの裁判官が『13のうち1つを満たしていない』といった判断を下し、刑が安易に執行されないよう抑えていたという。古き悪しき時代への逆戻りを心配する声は多い模様だ。

https://sirabee.com/2020/09/22/20162413035/

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一犬虚に吠えて、万犬(世界のマスコミ)が吠えた新コロ騒ぎ

「櫻井ジャーナル」から転載。冒頭部分が無いほうが読みやすく、新コロ騒動が世間を騒がし始めた頃からの内容としてまとまりがいいと判断して省略した。冒頭部分は、新コロ騒動の準備段階で、水面下の部分だ。「準備段階」とは、当然、この騒ぎが意図的操作で、詐欺だったということだ。世界各国の政府とマスコミが協力したのだから、犯人は当然DSである。ビル・ゲイツという小物が表に出て旗振り役をした。表に出るのだから当然小物である。

(以下引用)

2019年12月に武漢で発見された肺炎患者と同様、翌年の2月4日には横浜港から出港しようとしていたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で現れた患者の症状もSARSと似ていたようだ。非常に危険な伝染病が出現したような印象を持った人は少なくないだろう。そしてWHO(世界保健機関)は2020年3月11日に病原体が特定されないままパンデミックを宣言、騒動が始まる。



 しかし、世界規模で武漢やクルーズ船のような患者が出てくるようなことはなかった。例えば、ドイツではSARS-CoV-2の危険性は通常のレベルを超えていないと指摘し、戒厳令的な政策を推進したことは間違いだとする内務省の報告書がリークされた。シュピーゲル誌によると、​内務省はこの文書についてステファン・コーンという内務省の官僚が個人的に書いたものにすぎないと弁明しているが、実際は同省のKM4というチームが作成したともの​だという。



 イギリス政府もSARS-CoV-2に過剰反応するべきでないと考え、3月19日にCOVID-19をHCID(重大感染症)から外している。エボラ出血熱のようなウイルス性出血熱やペスト、天然痘などとは違うと宣言したわけである。



 WHOやアメリカのCDC(疾病予防管理センター)はパンデミック宣言を正当化するため、2020年4月、医学的な矛盾がなく明白な別の死因がないならば、あるいは適度な確かさがあるならば、COVID-19を死因としてかまわないと通達した。



 また、パンデミックを演出するため、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査も利用された。これは特定の遺伝子型を試験管の中で増幅する分析のための技術だが、増幅できる遺伝子の長さはウイルス全体の数百分の1程度にすぎず、ウイルス自体を見つけることはできない。



 増幅の回数(Ct値)を増やしていけば医学的に意味のないほど微量の遺伝子が存在しても陽性になり、偽陽性も増える。偽陽性を排除するためにはCt値を17以下にしなければならず、35を超すと偽陽性の比率は97%になるとも報告されている。



 ちなみに、2020年3月19日に国立感染症研究所が出した「病原体検出マニュアル」のCt値は40。Ct値をこうした数値に設定したならPCR検査は無意味だが、結果だけは出るので人びとを騙す材料には使える。この検査技術を開発、1993年にノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリスもPCRをウイルスの検査に使ってはならないと語っていた。



 実は、PCRを診断に使う危険性をアメリカの有力紙も指摘している。例えばニューヨーク・タイムズ紙は2007年1月に掲載した記事で、​PCRのような高感度の簡易検査は、伝染病が蔓延していると誤って判断させる原因になりうると警鐘​を鳴らしている。



 「パンデミック」と聞き、黒死病のように人びとが次々と死んでいく光景を連想する人もいたかもしれないが、そうした事態にはなっていなかった。パンデミックを宣言できたのは「新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)」が流行(2009年1月から10年8月にかけての時期に)する直前に定義の変更があったからだ。「病気の重大さ」、つまり死者数が多いという条件が削られていたのだ。



 パンデミック騒動を利用し、少なからぬ国が監禁政策(ロックダウン)をとり、社会の収容所化が進んだ。生産活動や商業活動は麻痺、個人経営の店や中小企業を中心にして経営状態が悪化し、倒産に追い込まれるケースも少なくない。サプライ・チェーンはダメージを受けた。



 また個人を監視、管理する仕組みの導入も図られている。その核になるシステムはデジタルID。欧州委員会は2019年に公表した指針の中でEU市民向けの「ワクチン・カード/パスポート」を2022年に導入する計画を立てている。



 こうした騒動を利用してWEF(世界経済フォーラム)は資本主義の「大々的なリセット」を主張している。その​WEFを率いるクラウス・シュワブは2016年1月にスイスのテレビ番組に出演、そこでマイクロチップ化されたデジタル・パスポートについて話している​。まずチップを服に取り付けるところから始め、次に皮膚や脳へ埋め込み、最終的にはコンピュータ・システムと人間を融合するというのだ。一人ひとりの感情を監視するだけでなく、思想や記憶の管理も考えている。



 しかし最大の問題は、COVID-19を口実にして人びとが接種させられた「COVID-19ワクチン」にほかならない。



 医薬品業界で研究開発に関わってきたサーシャ・ラティポワの分析によると、「COVID-19ワクチン」の接種計画はオバマ政権の時代にアメリカの国防総省が始めている。



 この「ワクチン」計画は、2015年9月に国連で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と関係している。「SDGs(持続可能な開発目標)」を実現するため、個人を特定するためのシステムに記録されていない人びとを管理する必要があるとされ、デジタルIDの導入が進められることになった。



 「将来の『疾病X』の発生は避けられない」と「予測」し、将来のウイルス侵入に対する永遠の警戒を呼びかけているCEPI(感染症流行対策イノベーション連合)は今後、「ワクチン」計画で中心的な役割を演じると考えられている。



 この団体はWEF、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム・トラストなどによって設立された。ウェルカム・トラストの理事長だったジェレミー・ファラーは現在、WHOの主任科学者だ。



 ウェルカム・トラストは2020年5月、ウェルカム・リープなる会社を創設しているが、そのCEOに選ばれたレジーナ・デューガンはアメリカ国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)で長官を務めていた人物である。



 ​ジョー・バイデン政権は今年7月21日、生物学的脅威や病原体に対する備えと対応を指揮するというOPPR(パンデミック対策対応室)の発足とポール・フリードリックス退役少将のOPPR初代室長就任を発表​している。これもCOVID-19とアメリカ国防総省との関係を示していると言えるだろう。




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貧乏人による極貧層叩き

これは、批判する方に無理があると思う。意図が何であれ、貧困世帯には給付金は有難いに決まっている。それを、少し上の層の人間が嫌がるのは、自分が恩恵を受けていないからという醜い嫉妬心だろう。そういう精神が、福祉政策をどんどん削減し、生きにくい世の中を作るのである。
まあ、「FLASH」という雑誌(ネットマガジンになっているかも)は、意図的にそういう操作をしているのかもしれない。つまり、社会福祉政策への反感を煽るための記事である。
ついでに言えば、貧乏人への給付は確実に消費に回るから景気には好影響を確実に与えるのである。それは企業や一般労働者にも良いことなのだが、自分への直接的利益しか理解できない低脳も多いようだ。


(以下引用)

岸田首相「家計支援は低所得世帯だけ」に非難轟々…実態は「高齢者へのバラマキ」選挙対策


配信

SmartFLASH

写真:AP/アフロ



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ベクルリーにビックリー!!!

一治療当たり24万7000円!!!

(以下「大摩邇」から転載)


やはり金のためですな。仁術が算術に変わり果てたんです。

donのブログさんのサイトより
https://ameblo.jp/don1110/entry-12822157103.html
病院もビジネスですからね
<転載開始>

  



  

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盗侠行

何か創作的な作業をしないと頭が寂しいので、鴎外の詩集「おもかげ」から、少し珍しい物語詩を口語訳してみる。ただし、図書館の返却期限が明日なので、今日中に出来るかどうか。意味不明の部分はほとんど適当訳である。つまり、「超訳」だ。原詩はウィルヘルム・ハウフの「隊商」である。話の意外な展開(ただし冒頭は淡々としている。)が非常に面白い物語詩だ。

盗侠行     (夢人注:「行」は物語詩の意味。白楽天の「琵琶行」など)

平原のような砂漠が天に接し、太陽は焼けるようだ。
馬や駱駝の列が長々と続き、塵煙が起こる。
目路の限り朦朧として人は見えない。
ただ馬の鈴の音が遠くからも耳に入る。
烈しい風が一陣、地を払って吹き、
刀槍の輝きを目をぬぐって観る。
駱駝の背は隊商の舟であり
砂を渡るのは海を渡るのに似ている。

突然、一頭の馬に騎った者がこの旅群に近づくのが見えた。
巨きな眼、竜のような髭、そして名馬にまたがっている。
体は巨大でたくましく、
その姿はいかにも勇者である。
守兵は肝が潰れ、心は恐慌状態だ。
戦おうとする者も、ただ衆を頼むのみ。

騎士が笑って言う「驚き疑いなさるな」と。
「単身で旅群を脅かすのは不可能な企てだろう。
お聞きしたい、商旅の主は誰であるか」と。
「拝謁して、お話したい」と。

すでに日は中天にある。
一族の帳幕(天幕群)に旗を立てる。
守兵が客を導いて天幕に入る。
大商人の老翁ツァロイコスは美々しい服装である。
この人は成年後に左腕を肘から失っている。
憔悴した顔立ちで、憂いがある様子に見える。
客は一礼して来到した理由を語る。

「私もまた砂漠を旅する者である。
かつて巨盗のために生け捕られ、
今は囲みを脱して万死を免れた。
お願いしたい、あなたが私を商旅の仲間に入れてくれることを。
その恩は子孫の末まで忘れないだろう」と。

ツァロイコスは喜んで同行を承知した。
数日も轡を並べて旅し、主客は仲良くなった。
或る日、正午に天幕を貼り
主客は大飲し、酔いを尽くした。
ツァロイコスは言う「万事、ままならないことが多い。
どうか、私の家が衰え、また盛んになった話を聞いていただけないか。」

「私の家は今はコンスタンチノープルにある。
私は幼くして医者の道を学び、成長して商人となった。
毎年、万里の砂漠を渡り、
今はまさにメッカから故郷に帰ろうとしている。
私はかつて店をフィレンツェに開き、
布衣を売り、また薬湯を売る。
或る人が、手紙を投じて夜間に私を招いた。
ひそかに病者の室に私を招くのである。
この夜、空は寒く、肌が震えた。
剣を帯びて独りヴェッキオ橋の霜を踏む。
月はアルノ河の水に映り、波を金色にしている。
寺院の鐘の音が遠くに聞こえ、夜はまさに半ばである。
突然、巨人が私の背後に立ったのが分かった。
赤いマントと金糸の縫い飾りが月光に映えている。
顔半分は覆面をし、眼光が炯々としている。
手にした千金の袋を側に置き、
告げて言う、「私の妹は旅の途上で死んだ。
故国の老親は心を痛めることだろう。
我が家には決まった礼がある。
妹の頭部を断ち切って
故郷に送り与えて弔いの礼をさせたい。
あなたが手を労してそれをやってくだされば、
千金を送ってその謝礼としたい」と。

私は既に巨人が語るのを聞き、
金を好む心が動き、詳しい話を聞かず、
男に従ってすぐに死体を納めた部屋に入った。

かがり火の光は薄く、縫い取りをした絨毯が床を覆っている。
私はかつて外科の術を学んで習熟し、
人の手足を切るのは普通の技である。
短刀を提げてためらい、死体の顔を眺めた。
黒髪がふさふさと顔を取り巻き、顔色は青白い。
短刀が一閃して首の骨に入る。
思いがけなく、鮮血が傷から流れ、
痛苦を訴える細い声を聞く。

振り返ると巨人は既に逃亡していた。
私がこの美人を自分の手で殺したのである。
夢か、現実か、私は狂ったのか、狂っていないのか。
フラフラと家に帰ったが、逃げる方法もない。
身は獄舎につながれ、刑場に上る。
幸い、親友がいて、
金品を官吏に送って法を曲げ、
役人は私の左腕を肘から断ってフィレンツェから放逐する。

悄然として故郷に向かい、市の境を出て
よろめきながら、かろうじてコンスタンチノープルに入った。
誰かが私のために、彫刻を施した屋敷を準備してあった。
手紙に、これを贈ると書いてあった。
その筆跡を今でも忘れようか。
ヴェッキオ橋で私を欺いて殺人を行わせた者が
私のために家を贖い、生活の安楽を計ってあったのである。
いまだにその巨人が人だったか鬼だったかは知らない。
その心の良し悪しもわからない。
しかし、その巨人を恨もうとは思わない。
この不思議な出来事が、その後の人生の福をもたらしたのである。」

客はこの話を聞いて涙を流し、
惻隠の心が腸を絶たんばかりであった。

突然、危急が悲しみを散らす出来事があった。
守兵が顔色を失った様で来て報告した。
前方に一隊の兵士の群れが見える。
砂漠の盗賊以外の何者でもない。

世間ではその首魁の名を伝えている。
オルバザンと言って、山をも抜く力がある。
獰猛な獣をもとりひしぐ力があるが、
その心中には威徳があると。
報告の言葉が終わる前に、旅群が驚いたことには
明らかになった賊兵の数はまさに無数であり、
隊伍は厳粛で刀槍も見え
こちらの天幕群に迫るように見える。

客は緑の旗を出し、旗竿の頭に挿し
笑って言う、君たちは慌てる必要はないと。
商旅の人々がどうしてたやすくその言葉を信じられようか。
手には銃や槍を提げ、憤怒の気持ちが胸に満ちる。
だがどうしたことか、群盗は向きを変えて過ぎて行き、
緑の旗の不思議な威力で災難は去った。

紅い日が西に沈み、涼風が吹いて
列を整えて隊伍は天幕を畳み巻く。
これからまた数十里を踏破し
砂漠を渡り終えて山脈を見る。
緑樹や流水が故郷の友に似て
路がカイロに近づいて初めて愁いの眉を解く

隊旅が客に恩があることは、その深さは海のようで、
客がいなければ、まさに天幕に巣を作った燕の危うさだっただろう。

送別の宴を新たに高殿に開き
ツァロイコス翁は杯を手にして待つこと長い。
沓(くつ)の音高く階段を踏み
突然、片手で幔幕を持ち上げる。
紅いマント、金糸の縫い取り、顔の半分は覆っている。
彼はどうしてここにいるのか。
マントを脱ぎ、顔を表すと、我が客である。
ツァロイコス翁の心は乱れて麻のようである。
客は翁に言う、私を覚えていますか、と。
ヴエッキオ橋のほとり、アルノの水の岸を。

「私の先祖はフランスの名族でした。
父母は先祖の産業を継いで家産を減らし
家をアレキサンドリアに移して日月を送っていました。
兄がいて、両親に期待されておりました。
私はフランスに遊学しました。
ちょうど乱賊が蜂起した時節に遭遇し
アレキサンドリアに帰って父母の面倒を見ようとしました。
両親のもとで暮らすのは望むところでした。
ところが、家中に出来事があって、
一門はほとんど滅びていたのです。
兄は隣家の娘をめとろうとし
その結婚が間近になって破談されたのです。
その娘はまさに妙齢で容色は美しく
薄衣を着て宝石で飾り
狂った蝶が花を追うような浮気者でした。
早くから、遊び人の青年と私通していたのです。
その遊び人の家は大富豪で、
彼自身も好い風貌をしていたのですから、娘がなびいたのは当然でしょう。
隣人はもとはフィレンツェで商売し
家を挙げて故郷に帰り、息子もそれに従ったのです。
兄はこの密通を聞いて憤怒し、
ただちにこのことを書状に書いて官司に訴えました。

隣家の父は富み、身分も高かったので
汚吏は舞文曲筆して兄を罪に落とし
死罪にした上でありもしない罪を兄と父に負わせたのです。
重なった厄運は悲しむ以外にはありません。
続いて老母も発狂して死に
私はひとり、家族との別れを悲しむのみ。

骨身に刻まれた恨みの種は隣家の娘にあります。
ひそかにフィレンツェに渡り、これに復讐しようと考えました。
金を投げ出して門番を買収し、屋内でひそかに行動する便りを得ました。
そしてついに、あなたを誘って恨みを晴らすことができました。
この秘策は今に至るも人は知りません。
あなたのために屋敷を買ってあなたの徳に感謝し
そして身をくらまして異国に移りました。
異郷の純朴な気風を愛して
同志を集めて財産を増やす土台を作ったのです。

さて、私の従者が輿を準備して私をずっと待っています。
これであなたとお別れしたい」

ツァロイコス翁は男が語るのを聞いて涙を流し
禍福のもつれる様を嘆くのみ。
貴君のために富貴になって二十年
とっくに恨みは氷解してあなたを咎める気はまったくない。
貴君の国はどこで名は何と言う。
今日、君と別れるのが名残り惜しい。
客は翁の左の肘を取り、笑って言う。
「私は、かの大盗賊オルバザンです」と。















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ネットゲリラ氏の死の謎

「鳶の羽」から転載。
元気な様子で病院に行き、そのまま病院で死亡……。

(以下引用)



   小形克宏さんが、ツイートしています
20230115SS00013
   

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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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