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気の赴くままにつれづれと。
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週末のマスコミ報道も「朝日叩き」が中心だった。「朝日叩き」に対する懸念や反発の声も、ネットの中で一部ながら出始めている。1週間前、池上彰に対する批判の記事を書いていたときは、まさか9/11に朝日の社長の謝罪会見するとは思わなかった。あれほど呆気なく全面降伏して、右翼媒体による袋叩きと吊し上げの前で惨めに平身低頭するとは思わなかった。私は、この国のファシズム化の計測について他の者より敏感で、客観状況を正確に捕捉していている自信があり、したがって誰よりも早く、一般の者が聞けば「オオカミ少年」的な誇張に聞こえる悲鳴と警告を発していたつもりだったが、どうやら事態は私が思っていたよりも速く進行している。次に何が起きるか分からない。朝日が陥落した。安倍晋三の前に屈服した。これ以降、もはや政権を正面から批判する記事や社説は書けないだろう。安倍晋三と右翼に抵抗する言論の拠点が崩れた。顔面を思いっきり殴られて、前歯と鼻骨を叩き折られた。面相はもう元に戻らない。何度も紹介しているF2の『ヒトラー 権力掌握への道』を見て欲しい。1930年代半ば、ナチス支持に傾斜しながらも、ドイツ国民はあのような戦争に巻き込まれるとは思っていないのである。空襲され、占領され、国を二つに割られ、ソ連兵にレイプされという悪夢を予想していない。戦争になる。ファシズムの次は戦争だ。中国と戦争を始める。全面戦争になり、総力戦となり、核戦争になる。
この国の人々には危機感がなさすぎる。左翼もリベラルも、あまりに安穏として、今日と同じ明日が続くと思っている。平和の空間の中で惰眠を貪っている。アベノミクスがどうだとか、デモを文化として定着させるだとか、そんな気楽な四方山話をして無駄に時間を過ごしている。今の時代環境こそがファシズムだということ、ファシズムの次は戦争だということ、その事実への正しい認識と自覚がない。ファシズムは足下まで来ているのではない。もう腰までずっぽり浸っている。もうすぐ首まで漬かる。そして戦争に突入する。悲観して正直に言えば、ファシズムを阻止するとか反撃することはすでに難しく、個人にできることは戦争から逃げることだけだ。脱出のみだ。F2の番組はこう説明していた。(1)裕福なユダヤ人は、全ての資産をナチスに渡すことと引き換えに、海を渡ってアメリカに逃げた。(2)貧しいユダヤ人は、強制的に東ヨーロッパに追放され、開戦後に捕獲されて収容所に送られた。(3)抵抗した社会主義者たちは、西の国境から脱出し、フランス占領後に捕まった者は収容所に送られた。とても印象的で、歴史の真実がよく分かった。お金のある者だけが(1)が可能だったのだ。ハンナ・アーレントは(3)の西へ逃げた組で、危機一髪、占領下のフランスで捕まらずに米国へ逃れた一人だ。戦争が始まれば、中国と尖閣で軍事衝突を起こせば、国内は戦時体制下になる。まともな人権の保障などなくなる。
朝日を転覆すること、ファシズム政権の抵抗勢力にとどめるのではなく、牙を抜いて屈服させ、翼賛勢力に調教することは、安倍晋三ら右翼にとっての積年の政治事業の里程標だった。重要なロードマップ上のチャレンジだった。執念深く狙い続けてきた政治課題だった。それを今回、安倍晋三のチームは首尾よく達成した。このサクセスは、集団的自衛権の行使容認の突破に匹敵する快挙だろう。朝日を叩き落としたことで、ファシズムの側にとって戦争への障害は小さくなった。安倍晋三の「千年王国」の行く手を阻む邪魔者が消えた。ネットで「朝日叩き」に加担協力した左翼やリベラルは、朝日の従来の存在意義を過小評価しすぎている。朝日の重要性を正しく測定していたのは、左翼ではなく右翼の方だった。例えば、橋下徹の慰安婦問題の騒動のとき、タイミングよく国務省のサキの会見で質問を発し、米国政府による批判のコメントを取ったのは朝日の記者である。当然、あの場面は(国務省と朝日との間で)事前に準備された政治であり、当日のアドリブでも偶然でもない。あの一幕が、昨年の慰安婦問題の政治戦の攻防でどれほど決定的な一撃となったか。朝日の地位があり、米国政府の信用があったから、それが可能だったのである。東京新聞はあんな場に記者を出せないし、共同通信は保守だから質問をしない。橋下徹や百田尚樹が血相を変えて朝日を罵倒するのは、ヒステリーの発作ではなく理由と意味があるのだ。
米国政府から見て、朝日は日本のNYTなのであり、NYTの位置づけで対日工作に利用する。親米派に飼育し、米国の都合のいいように変質させつつ、朝日と読売で臨機応変に使い分ける。昨年の慰安婦問題でのサキの一撃は、私の観測では、サキの方から朝日に打診して質問をさせている。安倍晋三の歴史認識の暴走に歯止めをかけ、日韓関係のこれ以上の悪化を防ぐべく、ケリーとサキは橋下徹を屠りに出た。その結果、河野談話を見直さないという政府発表になった。映像を見れば分かるとおり、サキは原稿を読み上げている。朝日も往年の論調と較べればずいぶん保守に寄り、霞ヶ関の代弁者の姿に変わり果てたが、それでも読売とは区別される報道スタンスを保持していた。今回、高市早苗のネオナチ問題について、DCの朝日の記者がサキに質問する場面がなかった。その政治が出現しなかった。もし実現されていれば、そこから国内で騒動が起こり、高市早苗の進退問題に発展し、安倍晋三は窮地に立たされていただろう。国務省の定例会見でそれがイシューにならなかったのは、米国の対日政策が昨年とは変容している点もあるが、二つの「吉田」問題で朝日が炎上し、安倍晋三に白旗を上げたからだ。牙を剥く意思と気力を失ったからだ。左翼とリベラルは、高市早苗の問題の静寂について、こうしたリアルな分析視角を持たなくてはいけない。Twの小さな池で日本の左翼が騒いでも、米国政府を動かす力にはならないのである。
右翼が朝日を集中攻撃するのは、朝日が政治力を持っているからである。政治的な影響力や説得力は、そのときの社会のイデオロギー座標軸において、より中心点に近い勢力や論者が持つ。だから、右翼は共産党ではなく朝日を標的に据えるのであり、権力や暴力で朝日を脅し、朝日を巧妙に調略して、その言論姿勢を変えさせようとするのだ。実家に放火されて全焼させられたのは、志位和夫ではなく加藤紘一だった。今度の朝日の問題は重大だ。状況をよく注視していなかったが、どうやら、幹部の中に安倍晋三の手下がいて、社内メールや幹部会議の情報をすべて外に筒抜けに出し、内側から朝日を瓦解させていた者たちがいる。しかも、その工作員が決して少数ではなく、一気に内側から攻略していた。社内で権力闘争になり、内部の中枢の動きが丸裸にされるのだから、朝日が頑張ろうとしても頑張りようがない。崩壊、落城だ。戦前の日本共産党と同じだ。8/5の訂正報道は突然の意外な出来事だったが、検証すれば、その経緯の真相が分かるかもしれない。嗅覚に謀略を感じるのは私だけだろうか。7/1に集団的自衛権の閣議決定があった。それまで半年間、朝日はずっと抵抗の論陣を張り、反対派の先頭に立って安倍晋三を牽制していた。7/1に敗北が決まり、朝日の反安倍記者は天を仰いでいたはずだ。それから1ヶ月後、8/5に訂正報道が出た。7/1の後、潜伏していた親安倍派が蹶起し、社内で権力闘争に出る謀略を起こしたのではないかと推測する。
社長の木村伊量が、果たして親安倍派の裏切り者なのか、それとも朝日正統のリベラルなのか、よく分からないし、現時点で立場を判別する情報に接していない。ただ、8/5の訂正報道から9/11の謝罪会見まで、あまりに素早い流れだった。社長の謝罪会見など、余程のことがない限りあり得ない。脱税で摘発されたとか、幹部が殺人を犯したとか、刑事事件なら話が分かるが、誤報で社長が謝罪会見の針の筵に座るものか。しかも、二つの「吉田」問題のうち、吉田調書の方は誤報なのかどうか実は微妙で、今後の調査で真実だったという結果になるかもしれない問題だ。吉田昌郎の証言がすべて真実であれば、朝日の「命令違反」の報道は誤報だが、吉田昌郎が嘘をついている可能性もある。吉田昌郎が嘘の証言をし、福一の関係者が口裏を合わせている疑惑も否定できない。吉田昌郎は病死していて、死人に口なしである。事故後、右翼媒体のプロパガンダで吉田昌郎は神様に化けていた。吉田昌郎の証言を全て真実だと信用できるのか。鵜呑みにしてよいのか。その点は、この「命令違反」の問題を考える上で一つのポイントだっただろう。だとすれば、朝日はこの件で社長が謝罪する必要はなかった。朝日側に踏ん張る余地はあった。あっと言う間に謝罪に追い込まれたのは、吉田証言の問題と二つが重なり「合わせ技」の図になっていて、そこへ池上彰の事件が起き、朝日の権力闘争に完全に決着がついたからだ。リベラル派が殲滅された。今後の人事で反安倍派は一掃されるだろう。
社長の木村伊量や政治部長の曽我豪は、安倍晋三と何度も会食を重ねている。話の中味は外に漏れない。おそらく、安倍晋三は繰り返し朝日に要求したはずだ。そろそろ、吉田証言は誤報だったと発表してくれんかと。朴槿恵と青瓦台が頑固だから、日本側の思惑どおりに首脳会談を応諾してくれないのだと。慰安婦問題の善処を要求して引き下がらないので困っていると。朝日が32年ぶりに「吉田証言は虚報だった」と言ってくれれば、青瓦台を揺さぶってこちらへ引き寄せられると。このことはアーミテージ閣下も強くお望みなのだと、一肌脱いで日韓外交に貢献してくれと、そう安倍晋三に要請されたのだろうと想像する。8/5の吉田証言の訂正報道が、日韓関係を考慮しての決断だという言い訳は、9/13の社説にも書いていた。木村伊量の方も、7/1の閣議決定を経て、これ以上抵抗しても窮屈だし、安倍晋三と癒着する翼賛仲間に入ろうと、そう方針を決めたのではないか。いずれにせよ、7/1、8/5、9/11とあっと言う間の進行だった。7/1と8/5の間に、この推理に少し根拠を与える紙面事実がある。7月中旬だったか、横田滋・早紀江の二人が1面から3面に大きく登場した日があった。まるで読売か産経かと見まがうような、北朝鮮拉致事件のプロパガンダの紙面を見た。それを見たとき、ああ、7/1を受けて朝日も変わるんだなあと苦い感触を覚えたものだ。横田早紀江の宣伝報道も、おそらく、安倍晋三が会食時に朝日に注文した事案の一つだったのだろう。この事件は、まさにファシズムと戦争へ向かう政治の一里塚である。象徴的な事件だ。イラン軍のフィールーズアーバーディ統合参謀本部議長が、「テロ組織ISISの掃討を口実に、シリアとイラクの主権を侵害することは、正当化できない」と語りました。
ファールス通信によりますと、フィールーズアーバーディ統合参謀本部議長は、アメリカと一部の西側・アラブ諸国が、パリでの会合で、テロ組織への攻撃を口実に主権を侵害しようとしていることについて、「アメリカとその同盟国のパリ会合での決定は、国際法規に照らし合わせ、シリアとイラクの合法的な政府と調整した上でのものであるべきだ」と語りました。
さらに、「軍事専門家は、空爆はテロの解決法ではなく、テロとの全面的な戦いにおける軍事行動のひとつに過ぎないことを知っている」と述べました。
また、「アメリカとその同盟国の地域でのこれまでの行動は、様々な陰謀や大中東計画の真の目的が、彼らの思い通りに国境を調整し、政治的な統治を作り出すことにあることを示している」と述べました。
モンサントのビジネスモデルが崩壊中。
モンサントと言えばラウンドアップをかけても枯れないラウンドアップ・レディー #遺伝子組み換え 大豆。しかし、この特許はブラジルでは2010年で切れて無効という裁判所の判決を受け、もうその特許料(ロイヤルティ)は徴収することが違法状態。アルゼンチンではそもそもその特許料が認められていない。
つまり、モンサントは世界最大の遺伝子組み換え生産地域の南米で特許料が取れなくなっている。
この事態に対して、特許権を回復するためにモンサントは古い2つの技術を組み合わせ、ラウンドアップ耐性大豆に、虫が食べたら死ぬ害虫抵抗性Bt毒素を組み込んだ。古い技術を混ぜるだけで新しい特許に。特許ロンダリング!
大々的に宣伝した南米専用第2世代ラウンドアップ・レディー大豆、Intacta Pro RR2。これなら前のものと違うから(あんまり違わないけど)特許料が取れる。これでモンサントのビジネスも安泰…、と思ったら、このIntactaを中国政府が許可しない(日本政府が即承認したのはいつもの通りだが)。アルゼンチンやブラジルから大臣が中国に飛んでも中国政府は受け入れない。「中国が買わない大豆なんて作らない」。中国は最大のお得意様だから。しかし、オバマとの日中会談で押し込まれ、中国は承認した。
これで一件落着と思ったら、Intacta、売れない。
なにせ、高い。このIntactaを使うとNonGMの大豆よりも高くつく。しかも安くしか売れない。そんな大豆誰が作るんだ。しかもブラジルでは2010年以降に不正徴収した特許料をモンサントは払い戻せ、という判決を受けているのに、モンサントは払おうとしない。これにブラジルの農家も怒っている。困ったモンサントはIntactaを買ってくれればその分、割引すると言っているが、そんな姑息な態度にさらにブラジル人は怒ってしまった。
こんなんで「未来の大豆」は全然売れていない。実はこのIntacta、従来の遺伝子組み換えよりもさらにBt毒素が入っているので健康被害はさらに懸念が多く、これがどんどん日本に入ってくることを僕は恐れていた。実際にすでに入っているはずだが、その量は思ったよりもずっと少ないようだ(だからいいというものではないけど)。
こんなことがあって、モンサントの株価が下がっているという分析。
Why Monsanto (MON) Stock Is Down Today
http://www.thestreet.com/story/12874694/1/why-monsanto-mon-stock-is-down-today.html
(ただし、ラウンドアップの売り上げは世界的に伸びているので、とりあえず当面の売り上げや株価はそう落ちないだろう)
しかし、これで終わらない。モンサントの悪夢はさらに続く。BtコットンやBtコーンがブラジルで効かなくなり、Bt毒素を食べても死なないスーパー害虫が現れて、巨大な被害が出てしまい、農民たちは弁償を求める始末(モンサントだけでなく、デュポンなどでも同じ被害を作っている)。しかし、どの企業も弁償に応じていない。
そんなんでモンサントと南米農民との関係はさらに悪くなっている。
さらに輪をかけるのがラウンドアップ耐性雑草の拡大。当面はラウンドアップの使用増につながるけれども、結局、ラウンドアップをかけても効かないのであればそれこそ枯れ葉剤を使うという話になって、ラウンドアップの比重が減ってくる。
しかし、モンサントのラウンドアップは遺伝子組み換え作物だけに使う農薬ではない。中米でもスリランカでも慢性腎炎という通常は稀な病で農場労働者が多数死んでおり、ラウンドアップとの因果関係を指摘する研究が発表され、エルサルバドルとスリランカがラウンドアップの使用禁止を決定した(圧力に屈して禁止されていないが)。
ラウンドアップがいかに環境を破壊するか、健康被害に関わっているかを指摘する調査結果が続々と発表されている。これまでは米国政府の政治力などで世界的な禁止という事態はまだ生まれていない(まだ禁止はまだ例外的だ)が、ラウンドアップの旗色は急速に悪くなっている。
ラウンドアップはモンサントの稼ぎ頭。これが世界的に禁止されればモンサントの株価はジェットコースター的墜落となるだろう。
いずれにしてもイスラエル企業とモンサントには投資お勧めできません。まぁ誰もしないだろうけど。

「ゲスくて有能」なタイプの営業マンなら「常識だろ」と言うでしょうが、
一般人には意外と知られてない、とても効果的なエグい販売テクニックを一つご紹介。
たとえば、どこで買っても150万円ぐらいする、いい感じの自動車が、
90万円で売っている。
破格の安さだ。こんな安いの見たことない。
これほど明らかにお買い得のやつは、めったに出くわさない。
店員に確認してみても、この値段で間違いはないと言う。
見ているうちに、他の客が、こちらに近づいてくる。
あちらの客が、この値段に気がついたら、先に買われてしまうかもしれない。
これを逃したら、こんなチャンスは二度とやってきそうにない。
そこであなたは、他の客に買われる前にと、
即座に購入契約書にサインする。
店員が、その契約書を持って、店の奥へと入っていく。
契約の手続きをするためだろう。
店員が出てくるまでの間、
あなたは、超お得な買い物をしたことで、最高の気分になっている。
いまや、「ほぼ自分のものになった」自動車を眺めながら、
その自動車を使って行う、いろいろなことを空想する。
この自動車の後部に、子どもたちを乗せよう。この広くて快適なスペース、広い窓、高い天井、子供たちは大喜びするだろう。妻も喜ぶだろう。そうだ、これだけ広ければ、自転車も載せられるぞ。いや、バーベキューセットだって載せられる。海に遊びに行く時も、旅行に行くときも、たくさん荷物を載せても、とても快適だぞ。ほう。カタログを見ると燃費もすごくいいんだな。衝突時の安全性も高いのか。これは、普通の値段で買っても悪くない買い物だぞ。
。。。
かなり時間が経ってから、
ようやく店員がでてくる。
そして、店員が申し訳なさそうに告げる。
「大変申し訳ございません。
上司に確認いたしましたところ、この値段は、担当の者のミスであることが分かりました。
正しい値段は。140万円でした。」
しかし、自分がその車を買うと、どんなに素晴らしいことになるのか、
それがどれだけ自分の生活を豊かにするのかの理由を、
脳内で大量に創りだしてしまっていたあなたは、
140万円でもその車がお買い得に見えるようになっている。
「140万円でも、一般に売られている150万円よりは、
まだ安いじゃないか」などと、自己正当化を始める。
だから、140万円であることが分かっても、あなたは
その車を買うことにしたのだった。
しかし、そもそもあなたは、90万円だからこそ、
その車を買うと決めたのだった。
なのに、その「そもそもの買う決意をするに至った根拠」が崩れたというのに、
あなたはその車を買うという決意を変えなかった。
これはなぜだろうか?
その理由は、あなたは買う決意をしてしまった後、
たくさんの「他の買うべき根拠」を自分で作り出していたからだ。
そして、それらの「根拠」は単なる空想でもなんでもなく、
紛れも無く事実であり現実だったからだ。
家族が喜ぶのも、天井が高いのも、自転車やバーベキューセットが載せられるのも、燃費がいいのも、全て「事実」なのだ。
「90万円」と誤表示したミスは、偶然起きることもあるし、
意図的に起こされることもある。
しかし効果は同じだ。
この卑怯な販売テクニックの1つ目のキモは、
「客の誤解」から「訂正」までに、
しばらく「時間」を置くことだ。
店員が奥へ行って、なかなか出てこなかったのは、
この「時間」を作るためだ。
この時間を置くことによって、
客は、「その商品を自分が買うべき理由」をどんどん頭のなかで増殖させていく。
客は、自分の「これを購入することに決めた自分の判断は正しい」という
自己正当化のための証拠と理屈をありとあらゆる記憶から引っ張ってきて、
どんどん組み上げていく。
その結果、自分の信念を揺るぎないものにする。
それが狙いなのだ。
2つ目のキモは、
「すでに店員は撤回と謝罪をしている」ということだ。
店員は潔く自分の間違いを認め、それについては、誠実な謝罪をしている。
もはや、少しもウソをついていないのだ。
誠実に間違いを認めて謝罪している店員を、
これ以上責めることは難しい。
3つ目のキモは、
この「勘違い&撤回」テクニックを使っても、
詐欺で訴えられることはほとんどない、ということだ。
本当に価格表示ミスだったのか、狙ってやったのかを、
証明することは非常に難しいからだ。
ほぼ完全犯罪が、簡単に成立してしまうのだ。
4つ目のキモは、
その客自身が創りだした「購入すべき理由」は、
全て事実だということだ。
事実なので、否定のしようがない。
5つ目のキモは、
それらの「買うべき理由」は、店側が洗脳によって客に刷り込んだのではない、
という点だ。
客が、自分で自分を、勝手に洗脳しただけだ。
客が自発的に「その車を買うべき」という強固な信念を育て上げたのだ。
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もちろん、
「ここまでゲスいことをやってまで、売上を上げたいとは思わないわ」
という営業マンも多いだろう。
しかし、これをやる営業マンは結構いる。
それも人格破綻者などではなく、普通に気のいい人だったりするので油断ならない。
一方で、一消費者としては、このテクニックは知っておくにこしたことはない。
知らなければ、こういうテクニックを平然と使ってくる
「騙される方が悪いんだ」「授業料だよ」という営業マンのカモにされるだけだからだ。
もちろん、この記事へコメントをする人は、
「こういうテクニックを使う営業マンは、人間性を疑うよね」
「うちは、絶対こんな汚いことはしませんから」
というポジショントークのコメントをした方がいい。
実名を明かしてネットをしている人なら、
なおさらである。
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