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午前4時の寝床の中の浮遊思考

午前2時ごろ、目が覚めてそのまま起きてブログなど書いていたのだが、寒いので寝床に逆戻りして枕元にあった倉橋由美子の小説を読んでいると、「ながめつつ思ふもさびし ひさかたの月の都の明け方の空」という和歌が出て来た。面白いような、平凡なような印象の和歌だが、誰の歌だろうか。「月の都」は、「月に照らされた都」の意味だろうが、そのまま、「月にある都」と、かぐや姫みたいなイメージでも面白い。「さびし」と、感情を直接に言うのは詩歌としては稚拙だろうが、かえって素直でいいとも思える。問題は「思ふ」の対象が示されていないことで、詠み手は誰を、あるいは何を「思って」いるのか。それとも、漠然と脳裡を流れる想念に身を任せているのか。
そこで、この短編集の書名は何だったか、と表紙を見てみると「よもつひらさか往還」という題名だった。そういえば、この題名が気に入って、これまで読んだこともなかった倉橋由美子の作品を市民図書館から借りたのだった。(倉橋由美子という名前の硬質性だけは好きだったが、面倒くさい内容の小説を書く人ではないか、と敬遠していたのである。)
その「よもつひらさか」というのは、黄泉(よみ)の国と現世の関門みたいな坂だと思うが、その書名を見た時に連想したのが「平坂読」という名前だった。ひところ売れたライトノベルの作家で、私はその作品はほとんど読んでいないと思うが、彼のブログは非常に気が利いていて面白かった。
で、その「平坂読」というペンネームは、実は「よもつひらさか」から作った名前ではないか、というのがこの時に頭の中に浮かんだ浮遊思考である。とすると、平坂読氏は、ゲームとアニメと漫画とSF小説で頭脳が作られているというライトノベル作家全体の印象に反して意外に文学的(抒情的)感性の持ち主だったようだ。もちろん、「読」は「黄泉」だという前提だ。

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酔生夢人
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男性
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趣味:
考えること
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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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