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「世に倦む日々」氏の「芥川賞」への認識

「世に倦む日々」氏のツィートだが、私は芥川賞を「日本語の文章の才能と技量で卓越している」作家への賞だと思ったことがないので、こういう見方もあるのか、と思った。どちらかと言うと、「純文学」というジャンルの新人賞というイメージであり、日本語能力は「卓越している」のではなく「合格レベル」でいいのではないか。たとえば中国人作家が日本語を勉強して日本語で書いて芥川賞を取ってもおかしくないと思う。韓国人作家はこれまで何人か受賞していると記憶しているが、記憶違いだろうか。そしてそういう作家たちは「日本語の文章の才能と技量で卓越していた」のだろうか。そうではなく、作品内容に見られる作家としての能力の高さ(特に人間理解の深さ)が純文学界で「新人賞」レベルに達しているということだろう。
なお、プロ野球の新人王と同様、賞を受けた人間が文学者として一流になるかどうかは不確実であり、賞の選考には話題性と出版社の商魂がからんでいるのは周知のとおりである。他業種で既に有名な人間が芥川賞を受賞する率が高いのは多くの人が感じていると思う。

(追記)関係ない話だが、日本人の日本語能力の低下という点では通底しているようだ。私も(老眼&乱視なので)、「挙」と「拳」の違いが一読してでは分からなかった。「拳」の漢字の筆順など、どう書くのだろう。そもそも学校で習った記憶の無い漢字で、せいぜい「北斗の拳」でしか知らない人も多いだろう。今どき「拳闘」など死語だろうし、「拳銃」も死語だろう。そもそも、この問題を作った人自体が、「かきょ」を「かけん」と読んでいた疑いすらある。そうでなければ、漢字変換で「きょ」で「拳」の字が出て来るはずがない。

 また、世界史Bでは中国の官吏登用試験「科挙」が「科拳」と誤って印刷されるミスがあり、問題訂正文が配布された。


山本八重さん @aizu_sniper_yae

科拳(とが こぶし) 平安初期に中国へ渡った学僧・宇曽が日本へ伝えた拳法である。 その特色は贖罪のため硬い岩に拳を打ち続ける珍しい鍛錬法にあり、罪の意識の重い者ほど強力な必殺拳を得るという。 因みに中国では誤字で「科挙」となった説が支配的である。 民明書房刊『世界の怪拳・奇拳』より twitter.com/YahooNewsTopic… pic.twitter.com/j3GZhv2YKb


  2023-01-14 23:32:34
誰も不快にさせないキャラクター @Basil_VRetC

文を極めた果てに辿り着く武の境地 それこそ失われし伝説の中国拳法「科拳」である ──民明書房刊『隋朝宮廷異聞』より




(追記)古本屋で気まぐれに買った三島由紀夫の「命売ります」という「大衆小説」を先ほど少し読んだのだが、三島の文体の装飾性を(おそらく意図的に)まったく消去した文章で、これを三島が匿名で出していたら、はたしてこれが三島由紀夫の作品だと気づいた読者がどれほどいただろうか、とふと思った。で、大衆小説家として三島がデビューしていたら、作家として成功していただろうか。私は非常に疑問に思う。大衆小説家として成功するのは、純文学小説家として成功するのとは別の資質が必要であり、その両者を兼ねているのが世界的文豪だろう。志賀直哉なども、大衆小説を書く才能の無い人間だった。「赤西蠣太」など、その無惨な例だろう。人物名に海産物の名前をつける程度が、そのユーモアのレベルなのである。山本周五郎だったら、同じアイデアではるかに面白い作品を書いたと思う。もっとも、大衆小説の人気作家になるのにユーモアが必須というわけではない。



(以下引用)





昨夜のNHKの「プロフェッショナル」。面白かったけれど、少し違和感が残った。校正者に文章を手直ししてもらって喜んでいる芥川賞作家って。日本語の文章の才能と技量で卓越しているから、その賞を取れるのではないのか。そもそも編集者は何をしているのだろう。編集を外注しているということか。

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