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紳士とケダモノ

「erectlonic jounal」(綴りは不確かだが、適当に書いておく。)から転載。
面白い情報を含んでいる記事なので転載したが、趣旨に賛同しているわけではない。「ユダ金に支配された『知性派』」と、「市民の生活向上のために戦う『反知性主義者』、もしくはポピュリスト」とどちらを選ぶべきか、と言えば、後者だ、というのが私の考えだからだ。ここで「反知性主義者」とは、インテリの詭弁に誤魔化されまい、とする健全な市民感情のことだ。マスコミがそういうユダ金支配のインテリの巣窟であるなら、この「反知性主義」を健全だ、と私が言うのは当然だろう。
従って、この文章の論旨にはどちらかと言うと反対だが、悪しきポピュリズムの典型として橋下徹を出しているのには賛成だし、ヒューイ・ロングという人物については初耳なので興味深い。
この文章ではトランプの差別主義者的な面(粗野な面)が問題視されているが、紳士服を着たケダモノが跳梁跋扈する政界や経済界に対する彼の率直な攻撃がアメリカ国民の多くの心を捉えてきたのではないか。
紳士的な言動をしていても、ウォール街のパペットにすぎない政治家が人民のために働くはずはないだろう。
本来は人民の立場に立つはずの民主党の大統領候補がウォール街のパペットのヒラリー・クリントンであるなら、本来は資本家のための政党である共和党の候補でも、金持ち攻撃をし、アメリカの戦争への批判をしているトランプを選ぶほうがマシではないか。


(以下引用)

2016年08月29日

●「ヒューイ氏とトランプ氏の類似点」(EJ第4349号)

 「トランプ候補VSクリントン候補」──どちらが勝利を収め
るかは今のところ不明です。確かにクリントン氏が現時点では大
幅にリードしていますが、予備選のときと違って投票行動が行わ
れたわけではなく、現状ではクリントン氏の支持率が少し高いに
過ぎないからです。
 ただ、トランプ氏のような破天荒な候補者が、なぜ共和党の指
名候補者になれたのかについて熟考すべきです。それは、アメリ
カという国が変化しつつあることの証であるからです。米国の変
化は、日本に対して直接的な影響を与えるので、検証してみるこ
とにします。
 「トランプ現象はオバマが作り出したもの」といわれます。そ
れは、オバマ大統領の共和党に対する厳しい非難と批判にひとつ
の原因があります。オバマ大統領の次の発言です。
─────────────────────────────
 共和党は、アメリカのドアを閉めてしまい、外国からの移民を
排除しようとしている。アメリカの精神を踏みにじっている。共
和党に政権を渡してはならない。       ──日高義樹著
          『トランプが日米関係を壊す』/徳間書店
─────────────────────────────
 大統領は党派性の強い発言は控えるべきです。民主党出身の大
統領であっても、民主党の党首ではありますが、米国国家全体の
元首であるからです。これでは国民の半分を占める保守派のアメ
リカ人は全部、本当のアメリカ人ではないといっているようなも
のです。こういうオバマ大統領の存在が、トランプ氏という特異
のキャラクターを持つ政治家を生み出したのです。
 実は、トランプ氏のような政治家の出現は、はじめてのことで
はないのです。それはヒューイ・ロングという民主党の政治家の
ことです。彼は、1930年代にルイジアナ州の知事を務めてい
たのです。
 当時ルイジアナ州は貧困のドン底にあったのですが、ロング知
事は積極的に公共投資を行い、多くの道路建設を行い、生産地と
市場を結んで、交通事情を一変させたのです。当然多くの州民は
職を得て、暮らし向きは改善します。そして、ロング知事は石油
会社と上流階層を徹底的に批判し、主として農民たちに受ける政
策を次々と打ち出したので、洲民の喝采を浴び、支持率はますま
す高くなったのです。
 しかし、そのウラで議会をはじめとする洲の重要なポストを腹
心で固め、反新聞法をつくって検閲評議会を発足させ、言論の自
由をも規制するようになります。そして、最終的に州内のすべて
の公務員を自由に任免できる権限を手にして、裁判所の判事まで
腹心で固めることによって、司法を意のままにしたのです。州内
の各市もロング知事の軍門に下り、独裁体制を確立します。
 さらに時のフランクリン・ルーズベルト大統領に対決姿勢を打
ち出し、ニューディール政策とウォール街を敵に回して「富の共
有」計画を説いたのです。このロング知事のやり方はヒットラー
のやり方に酷似しています。ヒットラーも、公共投資を行い、ア
ウトバーン(自動車高速道路)を建設し、国民に仕事を与えるこ
とからはじめています。そのためヒューイ知事のやり方は、「ア
メリカのワイマール化」と呼ばれたのです。
 ここで大事なことは、政治家が人々の支持を得る手段は、富を
独占する金融資本と大企業を徹底的に敵視し、公共事業と福祉政
策で、経済的な弱者らに「施し」を与えることです。それにロン
グ知事は、教育の無償化にも踏み込んでいます。まるでトランプ
氏の政治姿勢とこれまでに口にしていることと、サンダーズ氏の
説く政策と同じです。しかし、ロング知事は暗殺され、独裁体制
は、ルイジアナ洲にとどまったのです。このロング知事のような
政治家の手法は「ポピュリズム」と一般的に呼ばれますが、これ
について、評論家の副島隆彦氏は次のように述べています。
─────────────────────────────
 ポピュリズム populism とは日本では単なる「大衆迎合主義」
「人気取り政治」の意であるように理解されている。日本を代表
する『読売新聞』のトップである渡邊恒雄氏のような人物からそ
のような誤解をしている。ポピュリズムとは、アメリカの中西部
の草の根の大衆たちが抱いている、ワシントンやウォール街の権
力者や財閥に対する根本的な不信感に基づく感情を代弁する思想
運動のことを言う。日本でポピュリストとされる小泉純一郎前首
相は、本当の意味でのポピュリズムとは正反対の人物だ。
 アメリカで、このポピュリズムを歴史的に体現すると言われる
のが、ヒューイ・ピアース・ロング(1893年~1935年)
である。彼は、大恐慌の時代に政界で活躍した人物だ。その政治
姿勢は日本でいえば田中角栄に相当する。
                   http://bit.ly/2bH7cjy
─────────────────────────────
 ルイジアナ州のロング知事の独裁体制については、ルーズベル
ト大統領が本気で軍事介入を考えたほど、深刻なものであったの
です。いわばアメリカ政治の危機だったといえます。そしてロン
グ知事の死後80年の年を経過して、再び同じような人物があら
われたことになります。それだけ米国が傷んできた証拠です。
 日本にもヒューイ・ロング知事に似た人物がいると指摘する人
がいます。それは橋下徹前大阪市長です。類似点を上げると、弁
護士資格を取得して活躍し、刺激的な演説をして支持者を増やし
政敵たちを口汚い言葉で攻撃する。そして批判する新聞を槍玉に
上げて攻撃する──確かによく似ています。
 その橋下元市長は「政治は最終的には独裁ですよ」といったこ
とがあります。独裁者というものは、眉間にシワを寄せた強圧的
なイメージの人物ではなく、親しみやすい顔をして、どこか憎め
ない人物が多いと示唆する人がいます。確かに、橋下氏もトラン
プもそういう人物に近いところがあります。ヒューイ・ロング氏
(添付ファイル参照)も、まさしくそういうタイプの人物です。
            ──[孤立主義化する米国/034]

≪画像および関連情報≫
 ●トランプ現象とヒューイ・ロング/三浦小太郎氏
  ───────────────────────────
   アメリカ大統領共和党候補のひとりドナルド・トランプの
  言動は、あまりに低レベルな差別主義と大衆迎合が目立ち、
  ほとんど「ギャグ」の世界に近いものとなっている。こうい
  う人物がもしかしたら大国アメリカの指導者になる可能性が
  あるかと思うと、正直、民主主義というものの恐ろしさを感
  じざるを得ない。共和党有力者が保守本流からネオコンまで
  一致団結してトランプだけは候補にすまいと動いているのも
  当然だろう。
   かつてオバマとの大統領選で、共和党のマケイン候補の演
  説会場で、あるマケイン支援者(もしかするとベイリン副大
  統領候補の支援者か)の女性が、「私はオバマは信用できな
  い、彼はアラブ系だから」という声を発した時、マケイン氏
  が直ちに、「奥さん、それは違いますよ。彼は家庭を大事に
  する立派なアメリカ国民だ。ただ、たまたま政治的意見が私
  と違うだけだ」とたしなめ、レイシズムにはっきり拒否の姿
  勢を示したのに感動した私としても、アメリカ共和党の名誉
  のためにもこういう人物が大統領候補に選ばれないことを望
  む。しかし、ここで押さえておかなければならないのは、ト
  ランプの発言の中には、民主党のサンダース、そして現代ア
  メリカを「99%の民衆と1%の富裕層&支配者」の対立と
  見なして草の根の運動を繰り広げた人たちの声をも代弁する
  要素が含まれていることだ。    http://bit.ly/2bHcgop
  ───────────────────────────

ヒューイ・ロング元ルイジアナ州知事.jpg
ヒューイ・ロング元ルイジアナ州知事
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 孤立主義化する米国 |

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