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Mercy Pity Peace and Love

「マイケルと読書と、、」の過去記事の中に、ウィリアム・ブレイクの詩を自分で訳してみる、というのがあって、面白そうなので、管理人氏(女性らしい)の試訳はあまり読まないで、私も訳してみる。こうした英語の原詩に触れる機会は少ないし、頭と感性のいい体操である。
そもそも、私の英語力は中学レベルなのだが、短い文章の翻訳程度の頭脳労働は好きなのだ。
先に、原詩の部分だけをコピーしておく。と言うより、訳詩の部分をカットして載せておき、その一連ごとに私の試訳を挟む形で作業をする。

訳し終えて感じたのは、人類はウィリアム・ブレイクの時代より精神的に退化しているのではないか、ということである。この闘争と不幸に満ちた世界のどこに「慈悲、憐憫、平和、愛」があるだろうか。そして、キリスト教世界でブレイクのような言葉を出す人がどこにいるだろうか。



The Divine Image
(神のイメージ)

To Mercy Pity Peace and Love,
All pray in their distress :
And to these virtues of delight
Return their thankfulness.

慈悲、憐憫、平和、そして愛に向かい、
すべて人はその苦悩の中で祈る:
そしてこれらの嬉しき「良きもの」に対し
人は感謝で応える。

For Mercy Pity Peace and Love,
ls God our father dear :
And Mercy Pity Peace and Love,
ls Man his child and care.

なぜなら慈悲と憐憫と平和、そして愛は、
我らの親愛なる父である神だから:
そして慈悲と憐憫と平和、そして愛は、
その神の子なる人であり、人への神のいたわりなのだから。


For Mercy has a human heart
Pity, a human face :
And Love, the human form divine,
And Peace, the human dress.

なぜなら慈悲は人の心を持ち
憐憫は人の顔であるから:
そして愛は人格的な姿の神性であり、
平和は、人類の衣装であるから。

Then every man of every dime,
That prays in his distress,
Prays to the human form divine
Love Mercy Pity Peace.

この世の片隅にあって
その苦悩の中で祈るすべての人は、
人間的な姿を取った神性に祈るのであり
それが愛、慈悲、憐憫、平和である。

And all must love the human form,
In heathen, Turk or Jew.
Where Mercy, Love&Pity dwell,
There God is dwelling too.

だからすべて人は人の姿をしたものを愛さねばならない
異教徒も、トルコ人も、ユダヤ人も。
慈悲と愛と憐憫が住まうところには、
神もまた住まうのである。








(以下引用)






対訳 ブレイク詩集が疑問だったので自分で訳してみる[2]
f0134963_12293570.jpg


[1]の続き


下記は『無垢の経験の歌』の「無垢の歌」から、[1]で紹介した「人の姿(The Human Abstract)」に対比する

「神の姿(The Divine Image)」という詩です。

英文は、対訳ブレイク詩集(岩波文庫)から書き起しましたが、日本語訳は「私訳」なのでご注意くださいませ。
 
The Divine Image
神の姿


To Mercy Pity Peace and Love,
All pray in their distress :
And to these virtues of delight
Return their thankfulness.

憐れみ、同情、平和や、愛、
そういった苦悩から人は祈り
そして、それらの美徳の喜びに
人は感謝のきもちを返す

For Mercy Pity Peace and Love,
ls God our father dear :
And Mercy Pity Peace and Love,
ls Man his child and care.

憐れみや、同情、平和や、愛は、
親愛なる父である神からのもので
憐れみや、同情、平和や、愛によって
父の子である人間は受けとめられる

For Mercy has a human heart
Pity, a human face :
And Love, the human form divine,
And Peace, the human dress.

憐れみは、人の心臓であり
同情とは、人の顔
そして愛は、人の神聖をあらわし
平和は、人の衣装である

Then every man of every dime,
That prays in his distress,
Prays to the human form divine
Love Mercy Pity Peace.

誰もがあらゆる場所で
苦しいときに祈りを捧げている姿が
ひとの神聖であり
愛や、憐れみ、同情や、平和でもある

And all must love the human form,
In heathen, Turk or Jew.
Where Mercy, Love&Pity dwell,
There God is dwelling too.

だから、すべての人の姿を愛さなくてはならない
異教徒も、トルコ人も、ユダヤ人も
憐れみや、愛や、同情があるところには
神もまた住んでおられるのだ

(訳:yomodalite)

☆William Blake “A Divine Image”(『無垢の経験の歌』)に続く


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仙人
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考えること
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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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