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雷と名句への文句

深夜に目覚めて、寝床の枕元にあった、図書館貸出の漫画本(水木しげるの貸本時代の漫画)などしばらく読んで、少し眠くなったので再び寝ようとすると、窓の外で稲光がした。と言うより、目を閉じようとした時に窓に光が走ったので、雷光だな、と分かったわけだ。光と音との時間差から見ると、数キロ先での雷か。もっとも、ここは安全、とも限らないだろうが、心配しても始まらない。野原や運動場では雷は突起部(人間など)に落ちるだろうが、街中ではどこに落ちるかか分からない。まあ、高い建物に落ちるだろう。
それで、避雷針は、「雷がその針に落ちるためのもの」なのに、「避雷」というのは変だなあ、と思ったり、昔の人(ユダヤ・キリスト教)は自然災害を神の仕業と考えたのなら、神こそが悪の創造者だと思わないのは頭がおかしくないか、などと思っているうちに少しうとうとし、目が覚めると稲光は止んでいた。
ああ、終わったな、と思った時に、「寒雷やびりりびりりと真夜の玻璃」という俳句を思い出し、「真夜」って、変な言葉だな、と思ったのだが、自分の覚え間違いだろうか、と思って起き出してネットで確認した。
まあ、間違いなく「真夜」であるようだ。しかし、「深夜」でもなく「真夜中」でもなく「真夜」という字は、この俳句以外で使われたのを見たことがない。音数を整えるための造語だろうが、「真夜」があるなら「偽夜」もあるのか、と、少し文句を言いたい。
もちろん、この句が名句であるのは確かだが、私は日本語破壊行為にはいつも不満があるのだ。
ついでながら、雷でガラスが音を立てたりはしないだろう、とも考えたが、先ほど調べた俳句関係の記事でも、同じ事を書いていた。まあ、これは日本語破壊ではなくイメージの問題だから、特に問題ではない。問題になる問題と問題にならない問題がある。私は名句に文句は言うが、セロニアス・モンクに文句は言わない。(「せろにあす」→「文句」にかかる枕詞。©筒井康隆)

なお、どうでもいいが、ねずみ男は大卒らしい。知ってましたか? 怪奇大学の不潔学科を卒業し、なまけ学を研究し、なまけ博士という博士号も持っているということである。

(以下引用)オノマトペは知っているが、「オノマタベ」は初耳だ。小野又兵衛。

寒雷やびりりびりりと真夜の玻璃 加藤楸邨


真夜の玻璃
真夜中のガラス窓のたてる音
大きな寒雷に実際は聞こえていないガラスの悲鳴
びりりびりり のオノマタベはなかなか言えない
(小林たけし)

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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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