忍者ブログ

沈黙の音

やはり北村薫の「八月の六日間」からの引用。


歌舞伎では、雪の音を太鼓で表す。たんぽ槍のように、綿を入れて先を丸くしたバチで、大太鼓をゆっくり、

………ずん、ずん、ずん。

と打つ。


歌舞伎はほとんど見たことがないが、そういう場面は見たことがあるような気がする。嘘の記憶だろうか。
何はともあれ、「雪の音」という、実際には存在しない「音」を、現実の音で表現するというのが面白い。
漫画などで、音がしない情景を「シーン」という擬音で表すのに似ている。(ちなみに、これは「シンと静まり返った」という表現から来ていると思うが、この場合の「シンと」は擬音ではない。「森閑とした」から来たものではないか。)

サイモンとガーファンクルに「サウンド・オブ・サイレンス」という名曲があるが、まさに沈黙にも音があるわけだ。

拍手

PR

この記事にコメントする

Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー

02 2024/03 04
S M T W T F S
8
26 28 30
31

カテゴリー

最新CM

プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

ブログ内検索

アーカイブ

カウンター

アクセス解析