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言葉に対する繊細さの欠如

私もつい口を滑らせてしまう軽率な人間だが、公職というか、重要な地位にある人間は、言葉に気をつけるべきである。
茨城県取手市教育委員会の「いじめによる重大事態に該当しない」という言い方は、「中島さんの自殺は重大事態に該当しない」と言っているように聞こえてしまう。
さらに言うなら、「いじめであれば重大事態」「いじめでなければ重大事態ではない」と言っているとも聞こえ、実際その意味であるとしか思えない。では、誰にとっての「重大事態」か、と言えば、学校や教育委員会にとっての重大事態であることは明瞭である。つまり、「この事件では我々には責任は無い」と言っているわけだ。そのニュアンスが聞く人に強烈に伝わったから、問題になったのではないか。
要するに、「語るに落ちる」ということであるが、事態の紛糾は、言葉づかいをもう少し注意深く考えていたら避けられたことでもあるだろう。
言葉に対する無神経さ、というのは、前回の記事に書いた、歯医者志望の高校生と回答者の歯医者との論争の原因でもあった。つまり、日常的に見られることなのである。


(以下引用)

「いじめ該当しない」撤回=配慮欠いたと謝罪―市教委、中3自殺・茨城

時事通信 5/30(火) 22:39配信

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 茨城県取手市で、2015年11月に同市立中学3年の中島菜保子さん=当時(15)=が自殺した問題で、市教育委員会は30日、臨時の会議を開き、昨年3月に「いじめによる重大事態に該当しない」と議決したことについて、撤回した。

 市教委は「いじめはあった」としている。

 矢作進教育長は「非常に遺族に対して配慮に欠けた議決になっていた。本当に申し訳ない」と謝罪した。

 市教委によると、文部科学省から県教育委員会を通して、いじめ防止対策推進法の「重大事態に該当しない」とした文言を撤回するよう指導があったという。

 中島さんの両親は、第三者委員会の調査は中立性や遺族への配慮を欠いているとして、調査中止と解散を文科省と市教委に申し入れていた。市教委は昨年3月、「いじめによる重大事態に該当しない」と議決した上で、第三者委を設置していた。

 市教委は、同委員会の調査中止と解散はしない方針だが、31日に行われる文科省のヒアリング調査の結果を踏まえて今後の対応を決める。 



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