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「集団免疫」とは何か

「JBプレス」記事で、わりとまともな内容だと思うが特に珍しい記事ではない。
これを転載したのは、すぐ下に引用するこの部分のためである。

(以下一部引用)
 高齢者施設などのなかで、すべての収容者に一律に打たなければ予防接種の疫学的意味がないといった医療統計的な考えに基づいて、100歳老人にも例外なく、原則収容者全員に一律の接種を行うことは、是とされることなのか?

(引用終わり)

ここに興味を持ったのは、「高齢者施設での予防接種」が、社会全体の統計的モデルになるのではないかと思うからだ。言い換えれば「集団免疫」という考え方への疑問が私にはあるのである。そもそも、「集団免疫」とは厳密にどういう意味であるのか、私は分からないし、ネットで調べても説明は出てこない。「集団免疫は集団で免疫が付くことでしょ」という解釈でいいのなら、それでは「集団で免疫が付く」とはどういうことか、私は理解できないのである。集団全員が免疫が付くということか。何やら、接種率が8割を超えたら集団免疫が成立するとか何とかいう怪しげな説が大手を振って罷り通っているが、そんなのは科学的に証明されているのか。集団の8割が免疫が付けば、残りの2割も免疫が付くというのなら、まるでオカルトである。あるいは、集団の8割が免疫が付けば、疫病(新コロ)は自然終息するということか。それなら、特にワクチンを打たなくても、毎年のインフルエンザ(ワクチン接種者は人口の一部だろう。8割もいるはずがない。まあ、2割から3割と見るが、その連中もちゃんとインフルエンザにかかる。)と同じことで、新コロも自然終息するわけだ。何もワクチンを作って逆に変異型を増やす必要は無い。
高齢者施設の話に戻るが、「すべての収容者に一律に打たなければ予防接種の疫学的意味がないといった医療統計的な考え」というのがあるなら、それを拡大した「社会の全員に打たなければ予防接種の意味がない」と言い出す人間が出て来るはずである。つまり、「ワクチン警察」の登場であり、政府による「予防接種の強制」である。これは新型コロナの何倍も恐ろしい事態だと私は思う。要するに、政府の判断で容易に人権が停止できる、ということなのである。
ついでに言えば、ワクチンを2回接種してもPCR検査で陽性になったという事例が頻発しているはずだ。(おそらく、接種者にはPCR検査をすることも滅多にないと思う。したら、何かがバレるからだ。)その意味することは、「PCR検査が無意味」か「ワクチンが無意味」のどちらかであるはずではないか。(ワクチンは重症化を防ぐ意味がある、という説も、まあ、製薬会社の言葉によれば、ということで、溢れるほど報告されている重篤な副反応やワクチン死亡者とどちらがリスクが大きいか、分かったものではない。私はもちろん、ワクチンの危険性がはるかに大きいと思っている。)

(以下全文引用)


 5月26日に公開された厚生労働省の厚生科学審議会。分科会調査報告として「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000784439.pdf)の内容が波紋を広げています。


 この内容を検討してみましょう。


 報告によると、令和3(2021)年2月17日から5月16日までの、ファイザー・ワクチン接種直後に発生した死亡例は55件報告されています。


 また5月17日から21日までの間に医療機関あるいは製造販売業者から報告された事例が30件あった。


 合計85人の方が、ワクチンを接種した直後に亡くなっています。


 この数字、少ないものではありません。また一つひとつ検討してみると、いろいろな意味で深刻な現状が浮かび上がってきます。


 その最たるものは、上記55件について「専門家の評価」の結果でしょう。


◎ワクチンとの因果関係を否定できない(ある)もの・・・0件


◎ワクチンとの因果関係を認められない(ない)もの・・・0件


◎評価不能なもの・・・55件=100%


 何も言えないのです。全面的に「判断不能」状況のまま、物事が進んでいる。


 そこでまず、これら合計85件の死亡例を年代別、男女別にグラフにして検討してみましょう。


2~5月の日本国内ワクチン接種後死亡者の年代分布と男女比

© JBpress 提供

 青で示したのが男性、オレンジが女性の死者になります。


 20代から100歳代まで分布していますが、50代以上に関しては、年齢が高くなるにつれて死者が多くなっているのが明らかです。特に90代の女性死者が突出して多い。


 卒寿を超える長命に恵まれながら、このような折に命を落とされる人の相対的な割合が高い。言葉を失います。


 男女比の問題は一概には乱暴なことが言えません。そもそも60代以上になると女性の平均余命の方が長いので、男性の絶対数が減ってきます。


 実際、100歳代で亡くなっているのは女性2人だけですが、明らかに男性高齢者の絶対数が少ないことを念頭に置く必要があるでしょう。


「高齢者の命を救え!」という掛け声で、高齢者から順にスタートしたはずのワクチン接種。


 確かに統計的には有効である「らしい」ことが、米国などのケースで見て取れます。


 しかし、治験なし見切り発車で進められている今回の接種、セキュリティの確保はまだほとんど手つかずの状態というのが実のところでもある。

またしても繰り返される「予防原則」の罪

 これらの実数を見て私がまず想起したのは、2011年3月11日の東日本大震災直後に発生した、急ぐ必要ない「緊急避難」で落命された被災地高齢者のケースです。


 移動そのものが生命のリスクに直結する人も例外とせず、一律の措置を講じる過ちについては、尊敬する同僚の哲学者、一ノ瀬正樹さんが「いのちとリスクの哲学」の中で詳しく論じておられます。


「予防原則」つまり、リスクがあるとされた場合は、一律に予防措置をとるのが万能の正義のように受け止められる過ちが、多くの「震災関連死」を生み出してしまいました。


 一ノ瀬さん、島薗進さんとご一緒して私も編著に加わった「低線量被曝のモラル」でも強調した点ですが、過ぎたるは及ばざるがごとし、いや及ばざるにむしろ劣ります。


 高齢者施設などのなかで、すべての収容者に一律に打たなければ予防接種の疫学的意味がないといった医療統計的な考えに基づいて、100歳老人にも例外なく、原則収容者全員に一律の接種を行うことは、是とされることなのか?


 これは生命倫理の重い問題でして、私たちグローバルAI倫理コンソーシアムのAI生命倫理コアで国際的に検討し始めたばかりの問題でもあります。

接種が増えれば副反応も増える

 今回の厚労省発表データから、もう一つ特徴的なデータ挙動を取り出してみましょう。1日ごとに、積算死亡者数をプロットしてみると、以下のようなグラフが得られます。


 3~5月の日本国内ワクチン接種後累積死亡者

© JBpress 提供

 一見して明らかなことは、ある時点で死亡者数の増加率が急変していることでしょう。


 あくまで5月末の厚労省発表データをもとにプロットしたもので、何の作為もありませんが、4月20日頃を境に、積算死亡者数の増加割合が増えているのを確認、ため息をつかざるを得ませんでした。


 これは政府が接種を加速している中で、ある意味当然のことでもあります。


 接種数を増やした。それで、副反応の発生数も上がった・・・ひとまずはそのように読むことができます。


 確かにこの時期以降、高齢者施設などで大規模な接種が行われ始めました。


 と同時に、私は死亡者の個別プロファイルに目を通して、一定の疑問を持たざるを得ないのです。


 以下、元資料から抜き書きしてみます。


既往症:高血圧、脳梗塞、ワレンベルク症候群 併用薬:バイアスピリン


既往症:大動脈解離 併用薬ビソプロロールフマル酸塩2.5㎎


既往症:統合失調症


既往症:アルツハイマー型認知症・慢性心不全・陳旧性心筋梗塞


既往症:片頭痛 併用薬:ベンゾジアゼピン系睡眠薬


 今回公表された、2月以降ワクチン接種後に亡くなられた方の既往症と、併用薬のごく一部を引用したものです。


 率直なところ、どうしてこんな状態の人にも接種したのだろう(?)と読めるようなケースもあったのではないか。接種率アップに急ぐ面があったとは言えないだろうか?


 例えば併用薬との負の干渉、こんなものは事前に実験して確認できる種の問題ではありません。


「ワクチンと食べ合わせの悪い薬」や「打たない方が良いと思われる基礎疾患」といったものの一覧は、どこにも存在しない。


 出たところ勝負というか、ワクチンを打ってみたら、結果として様々な副反応が出てしまった、というあるがままが、資料には85ケース列挙されている。


 良くも悪くもこうしたデータが公開され、今回、ワクチンと基礎疾患や併用薬に伴うリスクが知識構造化されて、


「このような基礎疾患を持つ人は、XX社ワクチンの接種を避けた方が安全」


「このような併用薬の投与を受けている人は、YY社ワクチンの接種は控えましょう」


 といった基礎的なセキュリティ情報が得られている。


 通常5~10年以上を要することも不思議ではないワクチン確立、今回は特例措置で、このような状態になっている。その現状を直視する必要があります。


 社会的には、顔のない統計において、ワクチン接種率が上がればパンデミックの収束が早まる期待が持てます。


 しかし、一人ひとりの命は、取り換えが利くものではなく、重篤な副反応があれば取返しがつくものでもありません。

接種リスクを低くする「知識構造化」

 予防接種法はワクチン接種を決して義務付けてはおらず「努力義務」(第九条)


(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000068)


 と規定しています。この報告書に記されたような状況を、自分の問題として回避する、現状で可能な予防措置として、リスクの評価を上げておくべきでしょう。


 ご自身やご家族に既往症や併用薬がある場合、どのメーカのワクチンでどのような事故が起きているか、チェックしておくのが安全でしょう。


 転ばぬ先の杖とも言います。リスクが高いと考えられる場合には、安全を優先する判断も、当然下されるべきでしょう。


「予防接種法」は、その判断を保証しています。


 また行政には、ワクチンのセキュリティ改善を念頭に、接種マニュアルを更新し続ける責任と必要があるでしょう。




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