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個人と国家の「従属と保護」という見えない社会契約

「蚊居肢」に引用された柄谷行人の「交換様式」論の一部で、後の部分は読むのが面倒くさい議論だし、直観的に、不毛な観念論だと思えるので、読み飛ばした。
下の部分はその中で理解しやすい部分で、簡単に言えば、「この世の人間関係はすべて『give and take』であり、それは個人対国家の関係でも同じだ」ということだろう。それは、国民の従属と国家による保護の形になる。
つまり、国民に保護を与えない国家は存在する価値はない、ということだ。それは税金を取るだけの有害な存在、時により国民を大量に殺す怪獣になる。

(以下引用)


 「マルクスが『資本論』で注目したのは、交換様式です。そして、それがもたらす物神的な力です。そう考えたマルクスが参照したのは『リヴァイアサン』で、国家という怪獣について論じたホッブズです」



 「国家には力がありますが、それが武力によると思ってはいけない。武力があっても、国家は続かない。国家が存続するためには、武力ではない何か別の力が必要です。そのことを見抜いた人が、ホッブズです。ホッブズが洞察したのは、国家の〈力〉が、それに従えば保護されるという〈交換〉によって成り立つということです



 「同様にマルクスは、貨幣の力が、商品の交換に根ざすことを見た。『資本論』で交換様式という観点を取ったとき、すでにマルクスは、ウェーバーやフロイトが気づいていたにもかかわらず、それを宗教や無意識に求めた問題を、交換、すなわち、広い意味で〈経済的〉な観点から説明できると思っていたわけです」

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