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天国の鍵41

その四十一 二つめの詩

 おたがいの知っていることを教えあおうという少年チャックの申し出を、ハンスは承知する(OKする)ことにしました。アルカードもいずれ行ってみたいと思ってはいますが、これからアルカードまで旅しても、ソクラトンに会えるかどうかわからないのですから。
「わかった、じゃあぼくから言おう。これは、グリセリードのロンコンからもらった巻物だ」
ハンスは巻物を広げて、それをながめながら、パロに何度も言ってもらって暗記している詩を読みました。
「賢者の庭、黄金の戸口の中、
七つの噴水のそば、見張るはヘスペリアの竜。
聖なる見者の夢の中、
永遠に燃える枝のように、アジアの教会の印のように、
あの栄光の噴出が現れる。
魔法の水を三度、
翼竜は飲み干さねばならない。
その時、うろこははじけとび、心臓は二つに裂けるだろう。
放たれた流れに聖なる形が現れ、
太陽と月に助けられ、
魔法の鍵はお前のものになるだろう」
聞き終わって、チャックはむずかしい顔で考えこみました。
ハンスが、チャックに知っていることを言うようにさいそくすると、彼は自分の巻物を広げて読み上げました。
「古き山々のあいだ、頂きは太陽に近く
久遠の流れは黄金の河となり
地の王侯の無数の宝を流す。
されど、驚異の石輝く古き山々を求めんとすれば、
遥かまで、彼方まで
未知の国を越え、海を越え
人は彷徨を余儀なくされん」
ハンスは、肩にとまっているパロにその詩を覚えてもらいました。
「この詩はわかりやすいな。ようするに、天国の鍵があるのは、未知の大陸、つまりロータシアだということだろう」
ハンスが言うと、チャックは答えました。
「たぶんそうだろうが、ぼくの勘では、ただそこに行くだけでは天国の鍵は得られない気がする。つまり、むだな彷徨(ほうこう、さすらうこと)をしてしまうんだ」

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HN:
酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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