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哲学者と幸福度

例によって思いつきだけの浮遊思考を書く。
哲学とは、幸福に至る道を見出す試みだ、と定義するなら、はたして幸福な哲学者がどれくらいいたか、という単純な疑問を呈してみたいのである。
私の、何の根拠もない推測によれば、幸福だったと思われる哲学者は

1。ソクラテス
2。プラトン
3。デカルト
4。ディオゲネス
5。ヴォルテール

後、名前は失念したが、「快楽主義哲学の祖」である人物くらいだ。ただし、この快楽は「思考する快楽」「哲学自体の快楽」であったという。その点ではデカルトと同じである。

一方、幸福でも不幸でもない哲学者が、宗教者も含めるなら

1.仏陀
2.アリストテレス
3.ショーペンハウアー

など。ショーペンハウアーなどは「厭世哲学」と言われているが、その書いた内容は、何だか楽しげに思えるのである。つまり、この人生の悲惨など、どうでもいい、という雰囲気がある。その点では仏陀に似ている。
その一方で、キリストなどは、不幸な感じがする。何か、人生が思いのままにならない、という雰囲気が満ちているからである。
つまり、ここで私が言うのは、前に書いた「幸福の方程式」の基本形、

H=A/B

すなわち、現実を理想で除した割合の数字によって人生の幸福度と不幸度は決まる、ということなのである。
そういう意味では、ソクラテスは、「自分の希望する人生を十全に生きた」から、最高度に幸福な人間だろう、と私は思うのである。彼が自殺を強いられたから不幸だとは私は思わない。その死は、彼が望む人生のありかたを最高度に実現する形の死であったから、その死でさえも幸福なのである。これが、私がソクラテスを最高に幸福な哲学者ではなかったかと言う所以である。









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英国瞥観行その12(番外編) パリ瞥観行

パリには実質1泊2日、その前(行き)と後(帰り)は夜行バスの車中泊である。ほとんど眠る余裕は無いから、体力に不安のある人にはお勧めしない。若い人なら、ロンドンとパリ往復で1万円程度だと思うので、英国旅行のついでにパリに行くとか、その逆とかもするといい。もっとも、例によって私の場合はお膳立ては全部女房がやってくれたのだが。最近はネットで飛行機予約も旅館予約もすべて済むようだが、私自身はネットでの買い物すらしたことがない。新しいものが嫌いで苦手なのである。間違って、銀行預金を全部引き出されたりしないのか、そんな不安を誰も持たないのだろうか。
まあ、パリでは、パリに泊まったこと自体が収穫のようなものだ。日本語も英語もほとんど通じなくても、旅人として数日を過ごすだけなら、さほど問題はないのではないか。もっとも、アクシデントが起こったら、最低でも英語はできないとマズイだろう。
パリの印象は、ロンドンほど観光客に優しく親切ではないな、というものだが、一般庶民は気さくで親切であるのはロンドンと同様だ。こちらが道に迷っているようだと見ると、こちらには通じないフランス語であれこれ教え、面倒を見ようとする。まあ、有難いことではある。あちらの言っていることは何となくは分かる。
美術館ではルーブル美術館はもちろんだが、モネの「睡蓮」の絵を二つ展示しているだけ、という珍しい美術館にも行った。そこでの荷物検査(身体検査)のため、入館するまで2時間近くかかったような気がする。それでいて、見るのは絵が二つだけwww まあ、そのモネの絵もたいした絵ではない、と私は思った。
後は凱旋門とエッフェル塔、ノートルダム寺院のほか、パリ近郊のベルサイユ宮殿にも行った。ベルサイユ宮殿は金ぴかの外見、豪華な内装だったが、この旅では豪華な宮殿には食傷気味であった。毎日暮らす場所ではない。あんな住居ではかえって気が休まらないだろう。なお、ベルサイユの庭園を見るのが楽しみだったが、入園料をケチった女房の強硬な意見で、見ることはしなかった。家具や内装や人ごみや祭りに興味のある女房と、庭園や公園や人気の無い自然に興味のある私とでは、見たい場所が違うので、どちらかを見てる間は、もう一方は我慢、ということになるわけだ。それで時には険悪な雰囲気になるので、そういう場合はどちらかが折れるしかない。
パリで泊まったホステルのフロント係の若者は日本の漫画が好きだ、と言っていたようだが、私はフランス語はもちろん、英語もできないので、それ以上の話はできなかった。なお、もう一人の若者(二人でフロントにいた)も「合気道」を習っている、ということで、植芝盛平などという名前が話の中に出たりした。日本文化はフランスの若者には親しまれているようだ。
テレビがつまらないのはイギリスもフランスも同じだが(これは言葉が分からなくても、ちゃんと伝わるものだ。)フランスの子供向け教育番組では、アメリカ開拓史の中で、インディアンを白人(主にイギリス人www)が滅亡させたことを堂々と放映しているのが面白かった。同じ欧州でも、他国の悪行は公然と非難するわけである。


パリの面白いところは、歴史的な偉人の名が、政治的偉人、文化的偉人とも通りの名につけられていることで、私たちが泊まった通りは「ヴォルテール・バスティーユ」という通りだった。なぜヴォルテールとバスチーユが結びつけられているかは不明だが、私はヴォルテールは大好きな思想家・作家であり、フランス革命も大好きなので(革命の発火点となった)バスチーユの名も当然好きだ。これは、偶然ではあっても、何かの天の配剤に近い、と思うことにする。私に、日本のヴォルテールを目指せ、ということかwww

シャンソンを聴きに行く余裕は無かったが、地下鉄の通路でアコーディオン弾き(の乞食)が、見事な「パリの空の下セーヌは流れる」を弾いていたのを聞いたので、それで本場のシャンソンを聞いた、ということにしておく。おひねり(と言うかお布施というか)を置くだけの気が廻らなかったのを少々後悔している。(というより、そういうことをつい恥ずかしく思う性格なのである。)





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原発の「地震対策」(笑)

川内原発のことは「徽宗皇帝のブログ」にも書いて、幾つか追記もしたが、それとは別に注目すべき発言が下にあるので、別記事としてここに書く。
ここに書かれていないことだが、私の推測を言えば、稼働中の原発というものは、地震で自動停止になるようにしても、燃料が冷却するまではかなりな時間がかかるのではないか。つまり、安全に停止状態になるのに時間がかかるので、自動停止にしても安全にはならないのではなかろうか。だから、緊急停止しても無駄。完全に原発が壊れ、大災害を引き起こすまで待つのが原発村の「地震への備え」である、ということ。(笑)原発が大災害を起こしても、上級国民は誰一人責任など取らなくていいのはフクシマで証明済み。
いや、笑い事ではないが、彼らが頑なに原発を停止させない、そして原発の自動停止も無い、という事実を見ていたら、私にはこの推測はかなり蓋然性が高いように思えるのである。



(以下「阿**」から引用)





9. 2016年4月15日 20:34:26 : wnHjy1vFyB : o3c48gJ6Zfg[8]
川内原発は昨夜から震度4の強い揺れを何度も受けているのに一度も緊急停止
されない。
新幹線も緊急停止する揺れに対して無反応。

緊急停止=自動停止機能が働いて無い!⇒暴走中と言う事だ!


チェルノブイリの様に、緊急停止出来ず、原子炉が大爆発してしまう。


世界一危険な原発=川内原発



10. 2016年4月15日 21:35:44 : 1bnuc4oApk : g8n07L2RqIQ[4]
>>9
鋭い。
本来なら、自動停止してるはずだよな。
制御棒が入らないのか?

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英国瞥観行その11

これはエジンバラの、私たち夫婦が泊まったホステル(まあ、安価なホテル、くらいの意味だ。夜中にゴキブリか妖精が出たりする。)の傍の舗道風景である、朝の6時7分、朝の散歩に出た際のスナップである。
これを載せたのは、車の停め方(駐車仕方)に注意してもらいたいからだ。これはイングランドでもだいたい同じだったが、自宅に駐車場を持っている家は少ない。ほとんどが路上駐車である。(写真の、車の下に書かれたラインに注意。つまり、公道上が駐車場。)かなりの大邸宅でも、車は路上駐車なのである。それだけ、道路幅が大きく作ってあるわけだ。日本のように、自宅やその近くに駐車スペースが無いと車も買えない、というのとはまるで違う。日本でも逆に田舎に行くと、路上駐車が当たり前になるが、それはそれで問題もある。火事や事故の際に救急車やパトカーが交通困難になることなどだ。だが、英国の路上駐車は、最初からそういう前提で道路幅が大きいから、そういう問題はないと思う。(通常の道路混雑の際の緊急車両の交通困難は別問題である。)
英国の交通事情も、いいことばかりではない。たとえば、田舎道でも、道路のほとんどは路側(ろそく)に停められない。駐車禁止の標識があるわけではないが、道の両端が少し盛り上がっていて、「車を停めるな」と言わんばかりなのである。だから、路側に車を停めて風景を眺める、ということがやりにくい。そもそも、連中に、風景を眺めるという趣味があるのかどうかも疑問だが。田舎道でも制限スピードの上限が高いので、下手に道横に車が止まっていると事故のもとでもある。











(サムネイル表示ではありません。つまり拡大は不可能。ブログに載せる写真としてはそのほうがいいかと思うので、まあ、今後はそれで行く予定。)

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学校の「体育」と本物の体育

古本屋で買った、甲野善紀の「表の体育 裏の体育」がなかなか面白かったので、それに触発された浮遊思考を少し書いておく。
肥田春充という人物のことはずっと前から知ってはいたが、面白い。その「体育法」、まさに「体を育てる」体育、というのが興味深い。私が考えている理想的体育というのが、まさにそれなのである。つまり、「最高の体、最高の健康」を作るものだ。
それは一般の「スポーツ」とはまったく無関係で、記録も勝敗も他者との比較も無い体育だ。現在の、学校教科の「体育」の中で言えば、「準備体操」や「ラジオ体操」がそれに近い。スポーツの中で言えば、せいぜいが空手の「型」などが、記録も勝敗も無い「体育」だと言えるだろうか。後は、水泳も陸上もすべて、他者との比較、記録との戦い、勝敗だらけである。つまり、劣等感と優越感の場である。
繰り返す。「体育」とはまさに「最高の体、最高の健康」を作るためのものだ。もちろん、その最高、とは個人の可能性の範囲内のものである。
ただ、その肥田春充の後半生は、かなり神秘主義的傾向があるようで、言葉は科学性や合理性を説いているが、言葉とは裏腹に、まるで宗教的な「悟り」の話が大半になっている。つまり、「心身一如」ということなのだろうが、初期の「超健康体」を作る、という目的からはだいぶ逸れているように思える。言葉自体がファナティックな感じがするのである。むしろ、前半生において、彼が虚弱児から頑健な体になるように特訓した、その特訓(という言い方は「苦行」めいていてミスリードさせそうだが)の内容こそが知りたいのだが、それについてはあまり書かれていないようだ。
後半生における「臍下丹田に気を集める」みたいな話になると、とたんに馬鹿馬鹿しく感じるのは、私がこの手の話に詳しくないからなのかどうか。それで足下の厚板を踏み破ったとか何とか言われても、「それがどうした」である。家の床を踏み抜いたら、かえって困るだろう。格闘でもするなら、そういう能力も役に立つだろうが、「体育」とは無関係な話だ。まして、晩年における「超能力」の話になると、どうも山師くさく感じてしまうのである。
だが、肥田春充が自分の体を見事に改造した、というのは事実だと思う。それはまさに「体育」なのである。体育は自分でやるものなのだ。

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英国瞥観行その10

ドーヴァーに行ったのは旅行の最後のあたりで、それより先にスコットランドとパリに行っているので、本当はそちらの記事から先に書くのがいいとは思う。まあ、どうせ適当に書いている記事である。
下の写真は(再びサムネイル表示にした。クリックで拡大できます。)エジンバラの隣にある町、リンリスゴーの湖畔の廃城、リンリスゴー城である。何しろ廃城なので観光客もあまり来ない。実に心の落ち着く風景で、にぎやかな場所の嫌いな人にはお勧めだ。ここはスコットランドのメアリー女王(エリザベス1世に殺された、いわゆる「ブラッディ・マリー」の語源だとかいう人であるようだ。)の生まれた城らしい。まあ、英国史には疎いので、話が「らしい」とか「ようだ」の連発になるのは仕方がない。
スコットランドはイングランドとは兄弟国のようなもので、仲がいいのか悪いのか、よく分からない。エジンバラ城も行ったが、英国政府から粗末な扱いをされているなあ、という感じである。イングランド内の城と比べて、実に質素な城だ。城の中に大砲がやたらと多いのは、イングランドとの未来の戦いに向けてのものではないか、というのは私の邪推かwww
エジンバラの感想は、「乞食が多い町だ」である。ロンドンでも数人見たが、ロンドンより多い。それと、緑は多いが、公園が「プライベートパーク」だとか何とか言って立ち入り禁止であるのが不愉快であった。町並みはロンドンより美しい。道路が広く、石畳で、建物が古雅である。海辺に近いのも風情がある。






(拡大可能)


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英国瞥観行その9

これはドーヴァー城。ただし、外から見ただけである。ドーヴァーの白亜の土壌など、知識でしか知らない。
なお、サムネイル表示に戻っているので、悪しからず。
イングランド南部は、ほとんど見ていない。せいぜい、カンタベリーだけである。カンタベリーでは、この見るからに東洋人の私が、観光客の若い女性から地理を尋ねられるという面白いことがあったが、それも私が見るからに信頼できそうな風貌をしているせいだろう、と少し自信を持った。爺イであるだけで信頼感がある、という意見には与さない。
ドーヴァーの白い崖は見られなかった。それだけが心残りである。
あ、カンタベリーは城砦都市であり、その面影は残っている。
田舎に行けば行くほど、中年老年女性は脂肪太りしているようだ。もしかしたら、英国の最大の問題がそれではないか。
イングランド南部に行く前にスコットランドに行ったが、それは次回にでも書く。







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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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