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沖縄の「テンプラ」

「ネットゲリラ」氏がこんなことを言っているのだが、



日本の食文化は世界的にも高い水準にあるので、いまさら外国から何か持って来ても、定着はムズカシイ。いっそ、不味いと評判のイギリスからフィッシュアンドチップス持って来たらいいんじゃないかw 日本人が作ったら、フィッシュアンドチップスも美味しく化けるだろうw


これ、すでにあります。
沖縄ではこれを「テンプラ」と言う。要するに、白身魚やイカのテンプラである。なぜだか、それ以外のテンプラはほとんど見ないので、沖縄ではこれが「テンプラ」。
本土のテンプラとは違って、衣が厚い。衣自体に味があるので、それでいいわけだ。小腹がすいたときは、お菓子よりも、このテンプラを買って食べることが多かった。砂糖だらけの菓子類よりは、体に良かったのではないか。
「フィッシュアンドチップス」となると、「チップス」つまりポテトフライも必要だが、そんなのは不味く作るほうが難しい。問題は「フィッシュ」のほうだけだろう。で、それは既にあるわけだ。まあ、沖縄に行ったら、一度は食べてみるといい。素朴で美味い。(今思い出したのだが、白身魚やイカ以外に、サツマイモのテンプラもあったようだ。つまり、「チップス」も既にあったわけである。これぞ、まさしく「沖縄のフィッシュアンドチップス」ww)
衣の薄い、ツユだかタレだかに漬けて食べる上品な本土の天麩羅も美味いものだが、それではおやつ向きではない。
なお、今では探すのも難しいが、(泡瀬近くの某店ではまだ作っているようだが)沖縄の稲荷ずしも独特の味で美味いし、巻きずしも昔は美味かった。おそらく、使っている酢が今とは違っていたのだろう。そういう庶民の貴重な「食物文化遺産」は、全国展開弁当チェーンやスーパーの惣菜に駆逐されて消えてしまったようである。
「沖縄テンプラ」もやがて消えていくかもしれない。
那覇の国際通りあたりで、「沖縄フィッシュアンドチップス」として、売店を作って売ったらどうか。もちろん、新聞紙に包んで売ればいい。観光客はかえってオシャレだと思うかもしれない。

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病原菌ウヨウヨ

なるほど安倍総理や自民党が国民の生活をどん底に陥れつつあるのは、そういう国防上の理由があったのか。侵略しにくいというより、「侵略に値しないゴミ屋敷」にしているわけだ。有り難や、有り難やwww


敵から見て侵略しにくい国を作るためには、なによりもまず国民にとって住みにくい国を作るべきではないのか。


なお、ツィートの中の「脅迫」は「強迫(観念)」の書き間違いだろう。私はスリッパ恐怖症ではないが、スリッパよりも、家の中でも靴下をはく主義である。何しろ、猫がいるから、猫トイレに入って足も洗わないケダモノと同じ床を歩くしかないwww まあ、靴下だってすぐに汚れるわけだから、ただの気休めだ。病院の中だって、どうせ病原菌ウヨウヨだ。日本もウヨウヨだww


(以下引用)


                 さんへの返信

  1. たしかに防犯上は完全無欠ですね。 RT 現物を見ると“これは最強のセキュリティ対策だな…”と思わされるのがゴミ屋敷です
  2. 17件のリツイート 16 いいね
  3.  
    1. さんへの返信
    2. まっすぐにスリッパを履けない仲間を増やしてくれそうな、いいお話ですね。 RT 下宿時代、生足で廊下用のスリッパを履いたときにプチッという感触があって、半分つぶれた巨大ムカデが逃げて行ったことを思い出すと…
    3. 8件のリツイート 13 いいね
    4.  
    1. さんへの返信
    2. 靴を脱がせるタイプの居酒屋は要注意ですね。 RT うちの息子は高校時代に2度も自分の靴の中のゴキブリを踏み潰すという得難い経験をしてましたw
    3. 9件のリツイート 9 いいね
    4.  
    1. スリッパの中にゴキブリというお話は、2例ほど聞いたことがある。ちなみに私は、ヒトサマの家で出されたスリッパは、一度蹴飛ばしてみてからでないと履けない仕様の人間ですので、取り扱いには注意を要します。
    2. 19件のリツイート 24 いいね
    3.  
    1. スリッパの中に潜んでいたセキセイインコを履いてしまったT君は寝込んだそうだ。
    2. 10件のリツイート 21 いいね
    3.  
  1. さんへの返信
  2. そうです。スリッパはあらゆる小さな生き物の王国なのです。 RT スリッパに潜んでいた蜂に刺された事があるので、良く分かりますw。
  3. 8件のリツイート 13 いいね
    1. スリッパの中に何か生き物が潜んでいるかもしれないという脅迫は、一度身についてしまうと二度と完全には離れることがないので、これを読んだみなさんが共有してくれるとうれしいです。
    2. 56件のリツイート 54 いいね
    3.  
  1. 敵にから見て侵略しにくい国を作るためには、なによりもまず国民にとって住みにくい国を作るべきではないのか。
  2. 34件のリツイート 39 いいね
  1. 庭にヒグマを放し飼いにしつつ、応接間のソファの下にブラックマンバを住まわせて、でもって風呂場にニトログリセリンを備蓄しながら、玄関のスリッパの中にサソリを仕込んでおけばまずは安心して暮らせるのではなかろうか。
  2. 44件のリツイート 32 いいね
    1. 仮想敵国よりも強力な軍隊を持つまで安心できないという理屈で軍備増強をすると、当然、四畳半にドーベルマン的な展開になって、と、モンティ・パイソン的なリアリズムからして、飼い主は、隣国の軍隊にではなくて、自分の部屋の中のドーベルマンに噛まれて死ぬことになるのが正しい結末だと思う。
    2. 304件のリツイート 202 いいね
    3.  
    1. さんへの返信
    2. たしかに、四畳半のアパートにドーベルマン放し飼いにしておけば安心ですね。 RT まあしかし、強い人とは喧嘩しないけど、弱い人とは喧嘩するというのはよくあることですね。
    3. 16件のリツイート 11 いいね
    4.  

  1. 「軍隊の存在は戦争のためではなくて、各国が連携した抑止のためだというのが21世紀の軍事的常識」みたいなお話もそれはそれでお花畑なわけで、軍隊は、持つ側が抑止のためだと言い張っても、周辺国にとっては脅威に見える。それが「家に鍵をかけること」と「軍隊を強化すること」の違いだと思う。


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無人レジの拡大は何をもたらすか

後日考えるための資料として保存しておく。
雇用問題に関する暗い未来が予感される。もちろん、庶民のさらなる貧困化の予感も。


(以下引用)




ユニクロ系、究極の人員削減施策が始動か…ほぼ手間ゼロの画期的セルフレジ開始の狙い
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 ファーストリテイリングが展開する格安ファストファッションチェーン、GU(ジーユー)の4店舗で実験が始まったセルフレジ。昨年夏からGU全店、今年6月からユニクロ全店に順次導入するとのことだったが、かなり遅れているようだ。実験店の一つである横浜市の港北ノースポート・モール店では、ほとんど稼働していなかった。セルフレジがあるのかどうかさえもよくわからなかったが、今年6月からその店でも本格稼働するようになった。


 スーパーマーケットなどのセルフレジは、客自身がバーコードをスキャナーに当てて読み取らせる方法が一般的だ。セルフレジに近いものとしては、バーコードは店側のレジ係が読み取り、清算(支払い)だけ客が自身で行うという半セルフ方式もある。


 GUのセルフレジはもっと進んでいる。客はレジ前に行き、コインロッカーのようなボックスに商品を入れる。すると瞬時に読み取って、画面に商品名や値段、合計金額が表示される。客はそれを確認し自分で清算するというものだ。


 画期的なのは、商品を一つひとつスキャンしないで済むことだ。スーパーのレジは、10商品あると10回スキャンをしなければならないが、GU式はボックスに入れた商品をすべて瞬時に読み取ることができる。


 自動認識の媒体には、昔の入学試験などでよく使われたOCR文字、マークセンテンス、バーコード、QRコードなどのほか、SuicaのようなICカードもある。GUなどで使われている媒体は、Suicaと同じ無線を使用する電子タグ(IC チップ入り非接触タグ)と呼ばれるものだ。無線でデータを通信するので、接触する必要がない。


 画期的といったが、このシステムは最近開発されたわけではなく、30年以上前に完成されていた技術だ。著者は会社員時代、自動認識業界にいたことがある。昭和の時代には、バーコードはすでに広く使われ一般的になっていた。普及間もないその時代に、あれだけ便利なバーコードだったが、業界はそれに満足していなかった。一つひとつの商品をスキャンするのではなく、一度にすべての商品を読み取りたいという需要が非常に大きかった。


 人間の欲求はとどまることがないが、バーコードの自動読み取りが便利だからこそ、それ以上のものを求めた。自動認識の発展形を要望する声は、流通業界やFA(ファクトリーオートメーション)業界だけでなく、ほとんどの業界で湧き上がり、その企画・開発に各企業はしのぎを削った。


 その需要に応えて、ICチップを商品に取り付けて瞬時に読み取るシステムも開発された。著者も当時、同業者の人たちと、そのシステムが公開された展示会に出かけ実演を見たことがある。システム的に問題はあったが、著者も含め一緒に見た同業者の人たちも「レジ時間の短縮など、省力化には強力な武器となることは間違いない」という感触を持った。


●問題はコスト


 そこで問題なのがコストだった。それも、システムやハードではない。媒体のICチップ(ICタグ)のコストである。


 システムやハードの導入は一時的な費用だが、ICタグはリサイクルもできないわけではないが、消耗品として考えなければならずランニングコストになる。約30年前当時、ICタグ1個10円で、さまざまな業界の人たちが「それは高すぎる。とても導入できるコストではない」と開発企業に詰め寄った。なぜなら、「コストさえクリアできれば普及することは間違いない」と直感したからだ。


 すると、開発企業の担当者から返ってきたのは「来年には5円くらいになると思います」という返事だった。「それでもまだ高い。せめて1円か2円でないと無理だ」というのが、業界共通の感触だった。ちなみに、その1年後に5円になることはなかった。


●利益面でのメリットがないのに、なぜ?


 ビジネスホテルでもセルフレジは急速に進んでいるが、どの業界でも「慢性的な人手不足」「人件費の節減」「現金を従業員に触れさせたくない」といった課題を少しでも解決したいからこそ、便利なシステムを導入したいのだ。棚卸、在庫管理や店間移動などの効率化では、物足りない。


 ファストリも、同じ課題を抱えている。その課題を解決する妙案がセルフレジだ。しかし、ユニクロも含めた全店舗で展開できるのだろうか。できないとすれば、その理由は、ICタグのコストに尽きる。GUが採用するのは「ICラベル」だが、果たしていくらで仕入れているのだろう。ラベル代だけでなく、それを貼付する手間もかかる。


 1枚1円+貼付代1円の計2円で済んだとしても、高額商品なら吸収できるかもしれないが、低額商品のGUには負担がかなり重い。もちろん、それ以外にシステムやハードの費用も発生する。


 では、なぜ全店舗展開が遅れているのだろうか。それは、省力化のメリットが利益として反映されていないからだ。それでもセルフレジを展開したいのはなぜか。


 それは、顧客に対するイメージ戦略もあるが、何よりも望んでいるのは「他社の皆さん、ぜひ採用してください」という思いしかない。その他社というのは、衣料品業界ではない。食品・日用品を扱う流通業界全体に対してだ。他社が利用することで、ICタグのコストを下げたいのだが、衣料品業界だけでは規模が小さい。これを流通業界全体で使ってくれれば、コストが劇的に安くなる。


 ただし、業界がICタグを採用したセルフレジを導入するには、今でも大きな壁がある。それについては別の機会で解説するが、それを承知でファストリは挑戦している。


© Business Journal 提供

●小さな革命


 バーコードを媒体としたPOSシステムを最初に本格導入したのは、セブン-イレブンである。その当時「こんなもの成功するわけがない」という声が大きかった。しかし、しぶしぶの企業もあったが、業界をあげて協力して成功の道をつかんだ。その結果、セブンだけでなく、流通業界全体の発展に自動認識システムは多大なる貢献をした。


 人の目に触れるというのは、大きなインパクトを与える。どんな方式だろうが、セルフレジが流通業界に小さな革命を与えることは間違いない。そして、遅かれ早かれ業界全体に普及していくだろう。


 しかし、その反面として「雇用が失われる」という大きなデメリットもある。たとえば、セルフレジの導入で、ファストリの従業員が半分に削減されたとすると、それは社会にとっていいことなのだろうか、危惧すべきことなのだろうか。どんなものでも、便利なものを求めれば、その反動は必ずあるものだ。
(文=垣田達哉/消費者問題研究所代表)




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カネはどこにあるのか

これだけ役員報酬を払うカネがあるなら、料金値下げをしろ、と誰も思わないのだろうか。いや、こういう社会の在り方自体を貧乏人たち(つまり国民の大半)は不満に思わないのだろうか。
昔なら、「マリー・アントワネットとルイ16世の首を斬れ」となったところだ。



(以下引用)





格差どこまで…「役員報酬トップ30」凄まじい“富の集中”

 ため息が出る数字だ。2016年3月期決算企業の有価証券報告書がほぼ出揃い、東京商工リサーチが30日の段階での高額役員報酬をまとめた。別表は上位30人のリストだ。

■上位10人中6人が外国人

 最高は退任したソフトバンクグループのニケシュ・アローラ前副社長(48)で64億7800万円。昨年のオリックスの宮内義彦元会長(54億7000万円)を抜いて、歴代最高となった。

 2位は同じくソフトバンクのロナルド・フィッシャー取締役で20億9600万円。3位はアオイ電子の創業者で6月末で会長を退任した大西通義名誉会長で11億6800万円。特徴的なのはトップ10のうち、ナント6人が外国人だったことだ。東京商工リサーチ情報本部・坂田芳博氏はこう言う。

「昨年の大半は『退職慰労金』などをもらった役員が上位にきていたが、今年は業績に連動しています。外国人が多い理由は、グローバル化が進む中で、日本市場より海外の市場開拓を進める企業が多いからでしょう。外国人が持つ人脈や能力に対する期待が込められています。外国では日本のように生涯ひとつの会社にいるという感覚はない。いい条件を出した会社に転職したりヘッドハンティングされたりするため、高額化するのでしょう」

                                


アローラ前ソフトバンク副社長は64億円!(C)日刊ゲンダイ


 役員報酬を開示した2442社のうち、1億円以上を受け取った役員は211社、414人で、昨年(413人)を上回り過去最多。このうち2年連続で1億円以上の役員は307人もいた。1億円以上の人数が一番多かった会社は三菱電機で23人。昨年(23人)に続き、2年連続で最多だった。

 こうしてみると、億万長者は増えているものの、ごくごく一部の会社役員に“富”が集中し、その状態が継続していることがよくわかる。

「会社の業績を上げるため、設備投資するのと同じように、人への“投資”が発生しているのだと思います。ただし、実績を上げられなければ、株主総会で批判が出ます。カルロス・ゴーン氏も、当初は日産を立て直したことが評価されていましたが、最近は『もらいすぎでは』と言われています」(坂田芳博氏)

 サラリーマンの実質賃金は5年連続マイナスなのに……。格差がスゴイ勢いで拡大している。






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才能

神か悪魔があなたに才能を与えると言う。
次の中から選ぶならどれか。

1)カネを儲ける才能
2)天才的な芸術的創造あるいは科学的創造をする才能
3)幸福になる才能


まあ、カネが無ければ死ぬしかないから、幸福も何もあったもんじゃない、とも言えるのだが。


(以下引用)SF作家山本弘のブログより。



2016年07月01日

60歳になっての雑感

 少し前、「ハヤカワ・SF・シリーズ総解説」の原稿を書く関係で、昔のSFを何冊か読み返した。

 そのうちの1冊がロバート・シェクリイの短編集『宇宙のかけら』。僕としては、収録作の中の「千日手」と「ポテンシャル」が気に入っていたから買ったのだが、今回、読み返していて、「炭鉱者の饗宴」という作品が妙に気になった。
 金星の砂漠地帯で金鉱を探す男の物語。1959年に書かれた話だから、金星は大気が呼吸可能、人間が生身で生きられる環境で、原住生物もいる。しかし主人公は乗ってきた地上車のタイヤがパンクしてしまい、途中から砂漠を徒歩で進まねばならなくなる。
 彼は携帯テレビ電話を持っていて、いつでも文明社会と連絡が取れる。しかも、この世界には瞬間移送システムもある。生物だけは送れないが、電話で注文すれば、水だろうと食料だろうと道具だろうと、すぐにロボットが届けてくれるのだ。
 金さえあれば。
 主人公は金鉱探しに財産のすべてを注ぎこみ、今は一文無しである。だから車のスペアタイヤも、食料も水も買えない。金鉱を見つけずに帰っても破滅が待つだけ。だから何としてでも金鉱を見つけなくてはならないのだ。地層の特徴からすると、この先には必ず金鉱があるはずだと信じて進み続ける。

 思ったのが、これってまさに現代社会そのものだな、ということ。
 携帯電話が普及しているのもそうだが、こちらから店に買いに行かなくても、欲しいものがあれば何でも届けてくれるというのが、まさに現代じゃないか。そう、何でも手に入るのだ!
 金さえあれば。
 ものはある。食料も余っている。でも、金がないので手に入らず、砂漠でもないのに野垂れ死にしてゆく人がいる。それが現代。

 僕の信念は「小説家とは金鉱掘りである」というものだ。
「ここに金鉱があるはずだ」という当たりをつけて探しに行く。ちょこっとだけ金は見つかるが、大当たりとはいかない。しかたなく、そのわずかな金で食いつなぐ。そして新しい金鉱を探す。今度こそすごい鉱脈を掘り当てて、大金持ちになってみせるという夢を抱いて……。
 でも、なかなか鉱脈は見つからない。

 さて、なぜ今回、「炭鉱者の饗宴」が気になったかというと──

 
この前、60になったんですよ、60に!

 気が遠くなりそうな数字だよ、60。

 何よりショックだったのは、映画館に行ったら、シニア料金で入れたこと。普通料金より700円も安いの。
 でも安いからって嬉しい気がしない。シニア料金というものはずっと前から知っていたけど、自分がそれで映画を観るようになるなんて、遠い先のことだと思っていた。突然、「僕はもうシニアなんだ!」と実感して、感慨とかいう以前に、軽く絶望を覚えた。

 自分はSF作家として新米だと、ずっと感じていた。僕より上には小松さんと筒井さんとか星さんとか、すごいベテランがいっぱいいて、足元にも及ばないと思っていたから。
 ところが気がつくと、もう僕より上の人がかなり少なくなってきている。 僕もそろそろSF界の長老グループに入りかけているではないか。

「おお! だったらそろそろ、威張ってもいいんじゃないか?」

 と浮かれかけて、はたと気がついた。僕が小松さんや筒井さんとは決定的に違う点があるということに。
 長編処女作『ラプラスの魔』を発表したのは1988年。それから28年も作家を続けてきた。
 でも、28年間に一度も大きな鉱脈を掘り当ててない。いや、『MM9』は鉱脈かなと思ったことはあったんだけど(苦笑)。
 それでも、次こそは鉱脈に当たると信じて書き続けてきた。
 でも、当たらない。
 他人に恨みをぶつけることもできない。ヒットが出ないのは僕自身のせいなんだから。

 現状維持ならまだいい。近年は出版不況で、どこの出版社も本の初版部数を絞っている。毎年毎年じりじりと減ってきて、僕がデビューした当時の1/2とか1/3ぐらいになっている。
 つまり、同じペースで本を出し続けていても、収入が半分とか1/3とかになっているのだ。そりゃきついわけだ。

 同業者のツイッターとかを読んでいると、しばしば心配になる。あれ? この人、もうずいぶん長く本出してないけど、食べていけてるのかなと。
 そして思い出す。そういう人たちはたいてい、他に職業を持っている兼業作家か、夫婦共働きか、独身だということに。
 僕みたいに既婚者の専業作家は、実は少数派だ。

 家族を養うって、かなり重たいことなんである。
 うちは娘が一人だけど、学費やら何やらで、年に100万円以上は軽く吹っ飛ぶ。独身者に比べて、経済的に大きなハンデがあるのだ。娘が社会に出て、自分で稼ぎはじめるまで、まだ何年もかかる。
 だから僕は書き続けるしかない。 本を出さないと、妻や娘を養っていけない。でも、同じペースで書き続けていても、収入はじりじり減る一方。今度こそ一発当てたいとあせる。でも、やっぱり当たらない……。
 これはね、心理的につらい。
 つらくてもやめるわけにはいかないってことが、さらにつらい。
「炭鉱者の饗宴」の主人公の心境がすごくよく分かる。

 実は今年の4月から6月ぐらいにかけて、けっこう経済的にきつかった。
 どうにか所得税は確定申告で還付金が出たけど、市民税・府民税、国定資産税、国民年金、国民健康保険とかで、ごっそり取られた。娘の大学の学費もあった。そのうえ、病気になって入院したし、冷蔵庫が壊れて買い直さなくてはならなかった。何でそんなに出費が連続するんだ!

 自信を失い、夜中に思わず妻に弱音を吐いてしまった。もうだめかもしれない。今はまだどうにか食いつないでるけど、いずれ君らを路頭に迷わせるかもしれないと。

 そしたら──

 数日後、妻が札束の入った封筒を差し出したのである。貯めていたへそくりだという。

「はい、大事に使ってね」

 と笑顔で言う妻。
 僕はむちゃくちゃに感動してしまった。
何だよ、お前! 山内一豊の妻か!?

 誕生日にはケーキを買ってくれた。今年は「60」というローソクのついたケーキだ。妻と娘が「ハッピーバースデー・ディア・パパ♪」とデュエットし、「60歳おめでとう!」と言ってくれた。


 涙が出そうだった。
 経済的に苦しくなってるからって何だ。僕のことを愛してくれている妻と娘がいるというだけで、十分すぎるほど幸せじゃないか。
 くじけかけてたのがバカみたいだった。この2人のために、もっともっとがんばらなくちゃと思った。

 そりゃあ、依然としてつらいですけどね。
 でも、もう後ろは向かないよ。



 カクヨムに投稿しはじめたのも、ちょっとでも知名度が上がることを何かやろうと思ったから。
 1人でも2人でもいいから、僕の本を買ってくれる人を増やしたい。この業界で生き残って、家族を養ってゆくために。


タグ :作家の日常









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危険な薬






(*Yahoo!など配信先でご覧の方は、こちらで一覧リストを見られます。gendai.ismedia.jp/articles/-/48812

「週刊現代」2016年6月11日号より


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放射能汚染列島へまっしぐら

どこの公共事業の盛り土に使うんだよwww




(以下引用)


原発汚染土:「8000ベクレル以下」なら再利用を決定



毎日新聞 毎日新聞
毎日新聞




 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の汚染土などの除染廃棄物について、環境省は30日、放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下であれば、公共事業の盛り土などに限定して再利用する基本方針を正式決定した。同省が非公式会合で盛り土の耐用年数をはるかに超える170年もの管理が必要になると試算していたことが発覚したが、基本方針では「今後、実証事業で安全性や具体的な管理方法を検証する」と表記するにとどまり、管理期間には言及しなかった。

 福島県大熊、双葉両町にまたがる中間貯蔵施設に保管される除染廃棄物は最大2200万立方メートルになると見込まれる。国は2045年3月までに県外で最終処分する方針で、できるだけ再利用して処分量を減らしたい考え。

 基本方針では、再利用は管理主体などが明確な公共事業に限定し、1メートル離れた場所での追加被ばく線量を年間0.01ミリシーベルト以下に抑えると明記。同8000ベクレルの汚染土を使う場合、50センチ以上の覆土をし、さらに土砂やアスファルトで覆う対策を取るという。

 ただし、原子炉等規制法では、制限なく再利用できるのは同100ベクレル以下。環境省の非公式会合で、同5000ベクレルの廃棄物が同100ベクレル以下まで低下するには170年かかる一方、盛り土の耐用年数は70年とする試算が出ていた。

 基本方針では、再利用後の管理期間の設定や、管理体制の構築について触れられておらず、原子炉等規制法との整合性を疑問視する声も上がっている。環境省側は「管理期間や方法については、モデル事業を通じ、今後検討を進める」(井上信治副環境相)との姿勢だ。【渡辺諒】



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