福井県坂井市の東尋坊の海で10月、滋賀県東近江市の嶋田友輝さん(20)の遺体が見つかった事件で、嶋田さんが知人の少年ら7人(殺人容疑などで逮捕)から、ハンマーで歯を折られたり、火の付いたたばこを鼻に入れられたり、執拗(しつよう)な暴行を受けていたことがわかった。嶋田さんはその後、東尋坊の崖で少年らに「はよ落ちろ」と迫られ、飛び降りたという。
大津地検は16日、嶋田さんを極度に追い込んで飛び降りさせたとして、17~19歳の少年6人を殺人などの非行事実で大津家裁に送致、とび職上田徳人容疑者(39)(滋賀県長浜市)を殺人罪などで起訴した。家裁は、少年6人について2週間の観護措置を決め、今後少年審判で処分を決める。
起訴状によると、7人による嶋田さんへの暴行は10月16日夜から18日朝の27時間余りにわたって断続的に行われた。嶋田さんは脚を車でひかれたほか、木製バットやフライパンで殴打されたり、ハンマーを口に入れられて引っ張られたりし、歯が折られ、骨折や全身挫傷などの重傷を負った。
嶋田さんは18日午後、東尋坊の崖(高さ約20メートル)の縁に立たされ、後方に立った少年らに、飛び降りるよう命じられたとされる。
少年法では16歳以上の少年が故意に人を死亡させた場合、家裁は原則、検察官へ送致(逆送)すると定めており、少年6人は今後逆送されるとみられる。