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バイアスのかかった中庸

  1. 「私はいかにして、「党派的だ」と非難されるのを心配することをやめ、党派的発言を愛するようになったか」というタイトルの小論を思い付いた。もちろん、映画「Dr Strangelove」の副題のもじりである。党派性を避けようとする心性そのものが、思考を正常な論理展開から捻じ曲げ、「無理に作った中庸」という奇妙なものにする、ということもありそうだ。
  2. 小田嶋隆 @tako_ashi 9時間前
  1. というよりも、「党派性」というワードを攻撃し、一般人が党派的に振る舞うことへの警戒心と恐怖心を広める言説の普及に腐心しているのは、つまるところ世の中から党派を根絶することによって利益を得る党派、すなわち「現体制」(ステイタス・クォー)だったりするわけですね。
  1. 党派性こそが諸悪の根源であるかのような言説を躍起になって広めようとしている人々の狙いは、多少とも党派的な立場に依拠してものを言っている人間のすべてを「何かに取り憑かれた狂信者」扱いにすることを通じて、起こっている議論そのものを封殺することなのではあるまいか。
  1. 党派性から逆算して問題への解答を導き出す態度や、党派への忠誠を再優先事項として現実への関わり方を決定する生き方が非人間的であるのはもちろんだが、一人の人間が特定の問題について自分の考えを深めた結果として、一方の党派を支持するに至るなりゆきが他人に非難される筋合いはない。
  1. 党派性そのものを悪と決めつける言説は、人々の論争的な問題への関与を抑圧する結果をもたらす。というのも、政治的なイシューは、多かれ少なかれ人々を党派的な立場に分断する傾きを持っているもので、とすれば、党派性を禁じられた人間は、自発思考を断念せざるを得なくなるからだ。
    1. 誰であれ特定の問題について自分の考えを表明すれば、当然、支持なり不支持なりの立場を選択することになる。このこと、つまり、一人の人間が2つの対立する立場のうちの一方に立つことを余儀なくされるなりゆきを「党派性にからめとられる」てな調子で安易に非難する人間を、私は信用しない。



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酔生夢人
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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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