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死刑なんて生ぬるいんじゃね?

「2ちゃんねる」系のサイトから転載。
死刑制度については、コメント13の意見はなかなか鋭いと思うが、しかし日本という「非法治主義社会」、つまり権力が恣意的に法を運用している社会では、冤罪の可能性があまりに高すぎて、今の状態では死刑存続(肯定)論には賛成しがたい。そして、ビートたけしの意見に近いかもしれないが、死刑が社会的に最適な「極刑」だとも思わない。もちろん、国家経済的に言えば、無期懲役も金の無駄遣いである。
私が提案するのは、入れ墨、手足や耳・鼻の切断などであるが、後者は単に事故で不具になった人間が犯罪者と間違われる恐れがあるから、入れ墨刑と併用するのがいいだろう。ファッションのタトゥーとの区別が難しい? まあ、親から貰った大事な体にタトゥーなど入れるような阿呆どもにかまう必要はない。
終身刑と強制労働との併用も悪くない。ただし、犯罪者に食と住を与えるのは刑罰にならない、という意見もあるだろうから、職にありつけず、食と住を求めて監獄に入りたいために罪を犯す人々は、「自己申告」によって、特に罪を犯さなくても監獄に入れるようにすると良い。これこそ今の日本に最適な「福祉政策」でもある。(笑)なお、昔のイギリスには「破産者監獄」というようなものがあって、破産した人間を家族とともにそこに収容したという。日本でもそういうものが必要だろう。あるいは「救貧院」というものもあったようで、これは「年越し派遣村」の親戚だと言える。 
ところで、日本を半分滅ぼした「原子力村」の東電や官僚たち(ついでに小泉、竹中)はまだ起訴されないのかね? 当然、死刑相当のはずなのだが。殺した人間の数から言えば、一人当たり、10回ずつ死刑になってもいいところだが、人間は一度しか死刑にできない、というのが死刑制度の欠陥だ。



(以下引用)

ビートたけしが死刑制度に異論 「死刑が極刑とは思えない」「被害者遺族が刑執行のボタンを押すのはどうか?」

1:ぱぐたZφ~社会篇◆FdDsU0B5ivx5 2014/04/08(火)22:38:59 ID:???
ビートたけしが死刑制度に異論 「死刑が極刑とは思えない」「被害者遺族が刑執行のボタンを押すのはどうか?」

7日放送の「TVタックル」(テレビ朝日系)で、ビートたけしが犯罪者の更生や死刑について意見を述べた。

同番組は「日本の死刑制度どう考えますか!?」をテーマに議論をする構成で、世界的には死刑制度が廃止に向かう中、日本ではいまだ85.6%が賛成している現状が紹介された。

番組冒頭で、たけしは「死刑というのはダメなんですよ。それは、死刑が極刑とは思えない。そんなんじゃすまない」と、日本の死刑賛成多数の現状に異論を唱えた。

罪を犯した人にはもっと生きてもらい、人間とはなにか?命とはどういうものなのか?を学ぶ意味では、死刑ではなく終身刑のほう適しているのではないかとした。

さらに「中には(自分が)死にたいから、人殺しして殺してくれってやつが出てくるとこれどうなんだっていうことになってね。人権とかそうじゃなくて、もっと更生のさせ方が、もっと罰せられる方法があるんじゃないかと」と話した。

スタジオでは賛成派と反対派に分かれ、議論が展開されたが、実際に拘置所内で刑を待つ死刑囚や、刑が実行される様子など、ショッキングな内容も紹介されていた。

〈以下略〉

ソース
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/8715787/



 

     
3:名無しさん 2014/04/08(火)22:41:18 ID:Hcl8H6RH7
でも終身刑に使うお金とか考えるとコロコロしたほうがいいんじゃないかって思う
4:名無しさん 2014/04/08(火)22:42:28 ID:Mfjzr2K1d
仇討ちの復活だろ。
近代国家において、いかなる仇討ちがありうるかを論じるべき。
5:名無しさん 2014/04/08(火)22:46:31 ID:Rww1L162u
終身刑を与える価値もないやつが居るんだよ
6:名無しさん 2014/04/08(火)22:47:40 ID:ICxpt7iU6
(*´ω`*)間を採って、拷問付き終身刑でお願いします。
7:名無しさん 2014/04/08(火)22:49:29 ID:WwXtKqzS4
>「中には(自分が)死にたいから、人殺しして殺してくれってやつが出てくるとこれどうなんだっていうことになってね。

安楽死合法化しようぜ!
9:名無しさん 2014/04/08(火)22:51:43 ID:pYRRalXjy
死刑絶対反対!
人類にはまだ克服できない病気がたくさんある
人体実験用の「丸太」として人類全体のために利用するべきだ
10:名無しさん 2014/04/08(火)22:53:05 ID:8A9Y2iyYe
執行のボタンはネットに公開。
時間になると押せるようになる。
間違いなくポチる奴殺到。
12:名無しさん 2014/04/08(火)23:08:23 ID:8AIgonNzO
人権剥奪こそ極刑だろ
13:名無しさん 2014/04/08(火)23:08:39 ID:ZYJLObeiR
■冤罪の可能性がある
すべての刑罰に冤罪はあるので死刑に限って反対する理由にならない。
さらに現行犯も死刑にできなくなる矛盾。
■命は取り戻せない
取り戻せないことを論点にするなら時間も取り戻せない。
ならば懲役も反対しなければダブルスタンダートである。
■死刑廃止は世界の潮流である
嘘。死刑廃止は90国、死刑存置は97国。
さらに、潮流とやらで内政を決定しなければならない理由は主権国家である以上まったく無く、
仮にそうならば真っ先にあなたは9条の廃止と軍隊を持つように主張しなければダブルスタンダートである。
■抑止力が無い
嘘。非常に大きな抑止力があると証明されている。(一件執行されるたびに殺人が5件減少する)
■国が殺人を容認するのはおかしい
刑罰は殺人では無い。正当な司法である。ならば懲役は監禁、罰金は恐喝になる。
■犯罪者にも人権がある
自然権以外の人権は国が保障したものであり国の法に反した者の人権を制限することは何も矛盾が無い。
■終身刑でいいだろ
日本の刑務所は"満員"を超えて116%の収容率になっている。場所が足りない。税金も無駄。
さらに、死刑になるような凶悪犯罪に対する罰がその程度では国民が納得しない。
国勢調査で8割の国民が死刑を望んでいると出ている。
■自分がいつか殺人を犯すかもしれないだろ!
犯しません。普通は加害者になることよりも被害者になることを心配します。
■刑務官がかわいそう!
職業選択の自由が日本にはあります。
■野蛮!
日本は世界のどの廃止国よりも犯罪率の低い国です。ちなみに廃止国は現場で射殺しています。
日本では正当防衛で撃っただけで問題になります。
29:名無しさん 2014/04/08(火)23:56:10 ID:sslX7DSn5
>>13
一番最後目から鱗だわ
確かにそうだよな
15:名無しさん 2014/04/08(火)23:09:46 ID:FIaBnNsn8
冤罪がなければ
死刑囚の人権なんて無視して
モルモットが最適なんだけどね
16:名無しさん 2014/04/08(火)23:12:02 ID:GDOTwcBds
人権尊重で死刑反対って意見が嫌なんで、
人権じゃなく死刑より生かしたままで死刑よりももっと苦しめる極刑というならありだな。
18:名無しさん 2014/04/08(火)23:16:51 ID:zjwYmw8Kn
もしも自分の身内に危害が及んだら、喜んで加害者の首に縄掛けて引き摺ってやる。
一瞬じゃ終わらせない、ジワジワとな。
19:名無しさん 2014/04/08(火)23:22:32 ID:2NIcQgsix
うっせーな
奇を衒った解決法なんて要らねーよ
反対派の主張なんて言い掛かりなんだから奴らは納得させなくておk
20:名無しさん 2014/04/08(火)23:23:35 ID:tKRrFZ3uW
人権剥奪して過酷な強制労働をさせるのが一番役に立つ極刑だと思うが
21:名無しさん 2014/04/08(火)23:27:39 ID:YNBUbpyW2
いや、自分の手は汚したくないわ
なんで死刑囚のクズのために嫌な思いしなきゃなんないのさ
23:グナッシー 2014/04/08(火)23:35:43 ID:qxErD3aBV
>>21
おいらが肉親殺された遺族だったら、刀で切り刻んでやりたいがね。 

ボタン押させてくれたら有りがたいよ。
22:名無しさん 2014/04/08(火)23:34:04 ID:708IAc06P
仇討ちっていうのは少しでも相手と戦って止めを刺すから意味があるのであって
袋かぶって椅子に縛られてる奴をスイッチ一つでやっても気は晴れないと思う
24:名無しさん 2014/04/08(火)23:36:27 ID:zPUOPXmvE
東南アジアで地雷10個除去したら死刑から仮釈無しの無期懲役に減刑とかすればいい
25:名無しさん 2014/04/08(火)23:47:41 ID:pnD8Vzu0p
自己の欲や利益の為に他人の生きる権利を奪っておいてのうのうと生き長らえるなんて許せない。
死刑反対の人間て被害者の人権をどう捉えているのか疑問。
これじゃほんとに殺ったもんの勝ちみたい。
26:名無しさん 2014/04/08(火)23:49:12 ID:SOcrCMKSA
反対派の人権派弁護士JJIはいかにもサヨクっぽくて、
鳩山(弟)に向かって「あなたね~」って言ってた。
自分は先生と呼ばれたいが、他人を先生とは呼びたくないんだなと思った。
27:名無しさん 2014/04/08(火)23:52:35 ID:6nQU95b8w
>たけしは「死刑というのはダメなんですよ。それは、死刑が極刑とは思えない。そんなんじゃすまない」

同感。
30:名無しさん 2014/04/08(火)23:56:27 ID:w3eAyg5WH
死刑でいいよ、年間で300万もかかるんだぜ?
一人養うのにさ
40:府肉◆HUNIKUxL/w 2014/04/09(水)00:08:17 ID:PucTEkqGN
>>30
まあそれは大げさに言ってる数字だけどな
実際は100万以下
32:名無しさん 2014/04/08(火)23:58:15 ID:pYRRalXjy
自分の子供を殺されて、反対派から賛成派に豹変した弁護士がいたような
死刑がなかったら光市事件の被害者は犯人を殺すだろうね
33:名無しさん 2014/04/08(火)23:58:30 ID:dRSmZxJPv
目には目を。今は贖罪までリーズナブル過ぎる。
34:名無しさん 2014/04/09(水)00:01:26 ID:exZWGYBzr
死んだ方がマシという辱めを与え続けるってのはどうだ?
38:名無しさん 2014/04/09(水)00:06:55 ID:nbqgpwoUa
>>34
グアンタナモのような収容所を作るか、脳みそ弄って自由意思を無くしたうえで
死ぬまで肉体労働に従事させる動物にするかどっちかだな。

死刑より重い刑が作られなければ死刑はなくならんよ。
35:名無しさん 2014/04/09(水)00:04:50 ID:iV05CGEJB
もし俺が家族を殺され、
犯罪者の死刑ボタン押せるなら、
高橋名人並みに連打するわ。
41:名無しさん 2014/04/09(水)00:10:10 ID:U11FWlZRC
>>35
いやいやw
押すよ?押さないよ?どーしよっかな?
これを繰り返して精神的苦痛を与えつつ殺す
36:名無しさん 2014/04/09(水)00:05:04 ID:S5wKLy7Wb
なんで反日左翼が死刑反対してるんだろう
日本人を大量虐殺する計画でもあるの?
37:名無しさん 2014/04/09(水)00:06:48 ID:iV05CGEJB
>>36
ヒント
犯罪者の大半がテョン
オウムや日本赤軍の残党。
39:名無しさん 2014/04/09(水)00:08:03 ID:S5wKLy7Wb
>>37
あーそういうことかw
42:府肉◆HUNIKUxL/w 2014/04/09(水)00:10:34 ID:PucTEkqGN
犯罪者を出した一族に責任が及べば自浄作用が生まれる気がする

ただ、どうしようもない理不尽に遭遇した時犯罪に手を染めることもあるとは思う
自分勝手な池沼が起こす犯罪とは質が違うものってあると思うわ
そういう人はだいたい自決してしまうことが多い気がするが
45:名無しさん 2014/04/09(水)00:13:41 ID:DA5yQ3BNs
>>42
東野圭吾の『手紙』がそんな内容だったよ
殺人犯した兄のせいで仕事も友達もなくして苦悩する話
48:名無しさん 2014/04/09(水)00:26:35 ID:K8QOqmv3Q
死刑・人体実験刑で生き残ったら終身刑・人権剥奪刑を本人に選択させればいいんじゃないの?

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桜散る中で

「竹熊健太郎ツィッター」から転載。ツィッター特有の不要情報(連絡用の情報)をカットした結果、箇条書きが見づらいのはご容赦願いたい。



日本で生まれ、日本で育ち、日本語以外は満足に会話が出来ず、日本を愛し、日本で生活基盤を築いた人間


であるのはほとんどの人間がそうだろう。いくら「国際化」を叫んでも、ほとんどの人間は日本語で考えるしかなく、日本語しか本当には理解できないのである。そういう人間が外国で暮らす苦労や苦痛は容易に想像できる。
外国に脱出する、という選択ができるのはさまざまな意味で恵まれた人間(恵まれたと言うと語弊があるかもしれないが)だけだろう。もっとも、たとえ放射能に汚染された日本でも、この国の自然や文化は、少なくとも表面的にはまだ維持されるだろうから、残り少ない余生を外国で苦労して生きるよりは「少しずつ転落しながら」この桜の国で生きていく、という選択をするというのも愚かではないと思う。桜の花びらが落ちていく「秒速5センチメートル」くらいの落下速度で、「無為」によって不幸になることを選ぶという選択だ。




(以下引用)




竹熊健太郎《編集家》 @kentaro666 4月5日

  1. 今年に入って様々な局面で風雲が急を告げてますね。私の周囲は、既に3人、国外脱出を決行しました。準備中も掴んだ範囲で2人。とんでもない事態が、深く静かに進行しています。 私は、考え中です。
    1. 日本で生まれ、日本で育ち、日本語以外は満足に会話が出来ず、日本を愛し、日本で生活基盤を築いた人間が、私が知る範囲で、5人もこの国を見離す事を考え初めてます。 大変な事が起き始めていると私は思います。
    1. 私もできることなら脱出したいです。暮らしにくくてストレスたまります。でもな…。この国、そのままにすると世界中に迷惑かけそうで…。
     
    1. . もはや民主的な方法でこの国を良くする事は不可能だと私は思います。武力革命以外の方法を私は思いつきませんが、私は暴力が大嫌いです。
                              
  1.                           
    1. 直感ですが、そもそも日本から脱出した位で何とかなるとも思えないんですが。全世界的な崩壊過程で、早いか遅いかの違いだけでは?
     
    1. まぁ、そういう側面もあるかもしれませんが数年でも他の国に住んでみると日本の、特に東京の異常さを身にしみて感じます。生きにくい社会だなと思います。
                              
    1. はい。しかし日本よりマシな国はまだあるだろうと思いますよ。少なくとも私には、この国は最低最悪です。
                              
  1.                           
  2. だから、良い点だけを利用するっていうのが賢いやり方です。海外にも軸足を置いておくことは必要ですが、あくまで海外に本拠をおくといつ排斥的な運動に巻き込まれないともかぎりません。反日運動と嫌中韓運動はカードの表裏なのです。








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所有権とは何か

「武田邦彦のブログ」から転載。
この世の罪悪はすべて「執着」から起こると私は思っているのだが、執着の最たるものが所有への執着だろう。だが、いったい、「所有」とは何か。「所有権」とは何か。
いったい、私が何かに対して、所有権を主張できるだろうか。すべては私がこの世に生まれる前から存在し、誰かが手を加えて付加価値を付けたものだ。我々が手にするすべてのものは、最初にそれを作った人間が「永遠の著作権や永遠の特許」を所有していれば、誰も手にすることはできないのである。茶碗一つにしても、「土を焼いて土器や陶磁器を作ること、茶碗形の形を作ること」を誰か一人の占有物としていれば、我々の手に入ることは無かったわけである。
発明者や発見者が「所有権」を放棄したからこそ、それは人類全体のものとなり、人類の文化と文明を発展させ、人類を幸福にする役に立ってきたのである。
だが、今の時代は、「所有」や「財産」が一部の人間によって特権的に占有され、その範囲がどんどん拡大されることで、相対的に人類全体の貧困化が進んでいる。著作権など、「新しい所有権」の設定はその一つだ。
我々は、「所有権」というものを自明の前提とせず、根本から考え直す時期に来ているのではないだろうか。それによって、人類全体の精神的・文明的次元上昇が起こるだろう、と私は考えている。


(以下引用)



五条川の桜・・・人間の活動と報酬





 



「20140404527527.mp3」をダウンロード



 


日本中、どこを歩いても見事な桜の時期になりました。多くの日本人が「ああ、日本に生まれてよかった」と思う時期でもあります。


 


そんな中、名古屋の少し北に、大口町、江南市、そして岩倉市を流れる五条川という川があります。そして、「五条川の桜」として知られる桜並木は、桜自身が見事であるとともに、桜が散り始めると川面いっぱいにピンクの葉が散り、それがゆったりと流れる風情は何とも言えず、中部地区で知らない人はいないほどの名所です。


 


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今から約60年ほど前、ある人が当時の村長に就任、次の年から「みんなが一緒に交流できるところがあるとよいのだが」と考え、五条川の堤に桜の苗木を植え始めた。


 


当時はまだ戦後間もないころなので、みんな、桜を楽しむような余裕はない。「日影ができる」とか「土手が弱くなる」などとお役所はなかなか苗木を植えるのを認めない中、嘆願を繰り返し、自費で苗木を買って、植えていった。


 


それが今では全長が実に27キロメートルに及び、3500本の桜が咲き誇る。


 


彼の名前は社本鋭郎。彼は、村が大口町になった時の初代町長だが、就任する時の条件は「無報酬」だった。そして後年、「なぜ、苦労して五条川に桜を植えたのですか?」と聞かれて、「川への恩返しです」と答えている。


 


今では、日本の桜の名所100選に選ばれ、見物人は数知れない。多くの人の心を癒し、桜の下で花見を楽しみ、観光業も潤っている。でも、それは「結果」にしか過ぎない。


 


人間の文化は誰でも生み出すことができ、それは人間共通の財産だ。決して、五条川の土手に社本さんの親族がロープで囲って、入場料を取っているわけではない。あんなに苦労し、自腹を切り、植え続けた桜がこうして多くの人に楽しみと人生を与えたとしても、それは無償なのだ。


 


人間の知が働く学問、心の活動がもたらす文化と芸術、そして鍛錬による素晴らしいスポーツ・・・それらはみな人間共通の財産であり、その作品を作ってくれた人に深い感謝の気持ちを持つ人が多くても、それがなにかの報酬と結びついたものではない。


 


社本さんの名前は五条川の桜とともに永遠に多くの人の心に刻まれ、尊敬される。それで、それだけで人間の活動は良いのだ。


 


振り返ると、私たち科学者は一所懸命、夜の夜中に寒いキャンパスの中で一人、かじかんだ手でグラフにプロットする。そして、仮にその成果が出ても、それは「こんなに楽しい時を与えてくれた自然への恩返し」だから、名誉も地位も何も求めない。


 


それこそが人生である。


 


(平成2644日)


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安藤昌益のこと

年をとって頭がボケてくると、最初に忘れるのが人名だと聞いたことがあるが、この前は、ジブリの映画音楽で有名な久石譲(被災史上ではない)の名前がなかなか出てこず、今朝は、寝床のなかで、江戸時代の日本の共産主義者、あるいはアナーキストともいうべき、ある偉人のことを考えながら、その名前がまるっきり出てこず、とうとう俺もボケてきたか、とがっかりした。幸い、先ほどその名前を思い出したので、忘れないうちにメモとしてこの文章を書いているわけだ。ついでに、ネット上から、その人物、「安藤昌益」について書かれたものを転載しておく。ウィキペディアなどの方が詳しいだろうが、あまり長い紹介文よりも、下のような短い文章の方が読むほうにとっては簡便だろう。
なお、私が安藤昌益の思想の中で一番好きなのは、「聖人ほどの悪党はいない」という思想である。なぜなら、聖人(堯舜など、古代の聖人・聖王や、孔子など)こそが、庶民から収奪して、王侯貴族が遊び暮らす社会システムを作り、それを強化するための思想を作ったからである、というわけだ。





(以下引用)赤字部分は夢人による強調。武士=官僚・支配階級、百姓町人=一般国民と言い換えれば、これは現在でもまったく同じ。







 「今の世の中は間違いだらけだ。少しも働かない武士が、働く百姓や町人から年貢や金をしぼりとって暮らしている。こんな世の中ではなく、みんな働き、みんなが助け合う世の中にしたいものだ。
 江戸の町の中で、こう書き続ける一人の町医者がいました。机のそばには、それまで書いたものがうず高く積み上げられています。
 この町医者こそ、30歳を過ぎた孫左衛門でした。彼は今では、安藤昌益と名乗る学者でした。
 
 --わしが今書いているものを読んだら、将軍や大名どもは、驚いて腰を抜かすだろて。次には、わしの首でも切れとでも言うかな--

 身分が高いもの、低いものなどという考えは間違っている。将軍も、武士も、百姓も、みんな同じ人間ではないか。わしは、人間に上も下もなく、みんなが額に汗して働く新しい世の中をつくりたい」(「おはなし歴史風土記」歴史教育者協議会編より抜粋)

 安藤昌益の研究は、秋田県出身の思想家・狩野亨吉(こうきち)により始められ、主著「自然真営道」の研究が世に出て、江戸中期における特異な思想家として注目された。(右の写真は、安藤昌益の墓。大館市仁井田の温泉寺に建つ)
 狩野亨吉と安藤昌益については、「秋田県散歩」(司馬遼太郎著、朝日新聞社)に詳しく記されている。その一部を抜粋してみる。

 「ともかくも大館の町を歩きつつ思うのは、狩野亨吉のことである。
 彼が、明治30年代、官を辞し、古本の山にうずもれつつ、幾人かの知られざる思想家を発見したことは、明治期の偉業のひとつである。
 そのなかでも、もっとも数奇だったのは、江戸中期の安藤昌益(1703-62)の発見といわねばならない。

 昌益は、在世中も無名の人だった。
 明治32年、狩野亨吉の手もとに筆写本の膨大な著作がやってくるまで、この名を知るものはだれひとりいなかった。
 いまでは、内外に昌益の研究者が多く、それに安藤昌益全集が2種類も出たりしている。また中・高校の教科書にも出ているらしく、日本史上の人物としては知名度が高い。・・・

 昌益はこの大館市でうまれたのである。仁井田という在所に生まれ、晩年、八戸から生家に戻って、病死した。墓は、仁井田の温泉寺にある。・・・

 昌益の著述は、すべて漢文で書かれている。
 それも悪文だった。用語なども典拠を踏まえない自家製のことばが多く、さらには漢文の初歩的な文法まで無視して書くという、いわば言語表現の上での無茶者だった。
 --これは、バカだ。
 と、魚屋(自然真営道の本を持っていた)の息子は思ったにちがいない。また古書籍商の朝倉屋も、この悪文を見て商品価値がないとみたに相違ない。・・・

 安藤昌益は、狩野亨吉ほどの人の眼力をくぐらねば、評価されなかったであろう。すでに評価されてしまった後世で、昌益はえらいというのは、コロンブスの卵と同様、簡単なことだが、はじめてナマの稿本を見、悪文と戦った人は、えらい。悪文の中からその思想を汲み上げ、評価するというのは、容易なことではない。・・・

 昌益の思想ははちきれるほどにふくらんで、噴火をつづけている。それを表現するのに、自分の言語的な陶冶(とうや)を待つなど、こういう天才にとっては無意味で、じれったく、どうでもよかったはずである。地殻を破って爆発しているのに、表層の整理整頓などかまっていられないという気持ちがあったのに相違なく、ここに徹底的な独創者としての爆発的なばかりの粗野さがある。・・・

 亨吉は昌益について
「不文なる昌益」とか「破格的人物」とかいう。さらには、
 安藤昌益は狂人ではなかったか。
 とも設問している。・・・

 昌益は「自然真営道」のなかで
 「百年のちの人に読んでもらう」
 という意味のことを何度も書いている。これも、計算と胆力から出た気配りに相違ない。そうなれば、昌益としてもはや憚るところがない。・・・

 いずれにしても、秋田県で「県北」といわれるやや僻地視されているこの山間の小盆地が安藤昌益と狩野亨吉という二つの大きな精神を生んだということに驚くのである。」




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政治は弱者を守るのが最大の使命

「カマヤンの燻る日記」から転載。
「霊告」というくらいだから、何かの「預言」(「予言」ではない)だろう。まあ、お告げをしたのが狐か狸ではないか、という疑いもある(筆者はかなりの田舎に住んでいるようだし)のだが、幸福の科学の総統の馬鹿預言よりはマシだろう。(あの阿呆面や言動を見て、その正体が分からない信者たちは、まったくのガイキチである。)
さて、私は共産主義は実現不可能なファンタジーだと何度も言っているが、日本共産党は応援している。何でも反対の永遠の野党であり、その存在そのものが自民党政治を温存させており、自民党の補完勢力だ、とかいう俗論にはまったく賛同しない。だが、指導部の一部には教条主義者が多分多いのだろうなあ、とは思っている。マルキストという連中は教条主義を宿命的体質として持っているのではないか。
それはともかく、現在の日本の政党の中で唯一、野党らしい活動をしてきたのが日本共産党ではないか、と私は思っており、選挙でもしばしばこの政党に投票した。これまで何度も生まれては消滅してきた偽野党に投票したことはほとんど無いし、その点では自分の投票への後悔は一度も無い。世間の多くの人々が、選挙のたびに生まれる偽野党に騙されるのを見ては、日本国民はまったく学習しないなあ、とあきれている。
もちろん、日本共産党を全面的に肯定しているわけではないし、何よりもその選挙戦術やマスコミ対策のへたくそさは目に余る(まあ、マスコミ自体が保守政党と同じ穴のムジナだから仕方が無いのだが)とは思うが、その真面目な政治姿勢だけは本物だ、と思っている。何より、世間から「アカ」だとして爪弾きにされる危険を冒して、共産党政治家として活動しているその勇気と、社会的弱者への愛は尊敬する。昔なら、小林多喜二の例を見るまでもなく、政府や右翼の手で殺されかねない活動だし、それは共産党シンパも同様だろう。
私が共産党ファンであるのは、あるいはただの「弱いものファン」であるだけのことかもしれない。何しろ、大昔の(「赤ヘル」以前の万年最下位時代の)広島カープ、今の横浜DeNAなどを応援するような人間なのである。もちろん、パリーグは全体が「弱いもの」だから、パリーグは全体として応援している。
ということで、記事とはまったく無関係な駄弁を書いたが、「強いものを応援して、それが勝つと、自分まで強くなったような気分になる」というのも精神衛生的にはいいかもしれないが、本来の日本人ならば「判官びいき」こそが普通だったのではないだろうか。
まあ、今の日本人は精神そのものが日本人ではなくなっているのではないか、ということだ。
政治は弱者を守るのが最大の使命、などと書くと、弱者がやたらと権利を主張してウザイと思う人もいるだろうが、国民の99%までは本当は弱者なのである。一見強者に見える「勝ち組」も、本物の強者にとって都合がいいから、当座だけ強者の下っ端として扱われているだけだ。それは、猪瀬や渡辺(こちらはまだ事件渦中だが)などの政治家や、ホリエモンなどの新進企業家が簡単にその地位を追われることを見ても分かるだろう。ユダ金が本当に認める「道具」は失脚することは無いのである。いきなり日本で飛躍的な発展をしてその分野でナンバーワンになった企業の経営者などはそれだろう。政治家の場合は、安倍だろうが麻生だろうが、彼らの都合次第で切り捨てである。




(以下引用)

2014-03-30

[][][]次の衆院選の予言など 23:49 次の衆院選の予言などを含むブックマーク 次の衆院選の予言などのブックマークコメントAdd Starshigeto2006

もうすっかり政治の世界のことなんて判らなくなっているけど、霊告が耳元でガンガンと囁くのでここにメモしておくけど。

1

次の衆院選では、少なくとも得票数で野党第一党は共産党になると思う。


で、与党第一党、当然自民党なんだが、自民党は前回よりもっと得票を減らすと思う。


共産党は得票数ではけっこう行くんだけど、選挙制度上議席数自体はそれほどじゃなくて、他の野党を全部まとめあげたらどうにか政権党が狙える、くらいの議席で。

2

民主党と共産党の協議が山になるんだが、民主党党首はその時、「共産党とだけは組むわけにはいない」という信条なタイプで。


で、共産党の方も、若手はマトモなんだけど、老齢な人々がお馬鹿で国民を失望させる選択をしまくって、そういう共産党内部のなんかアレな指導体制が色々露わになって。

3

国民が全く関心を持っていない政党助成金是か非かみたいな、んなもん共産党貰えよ的なことがムダに政治争点になって。


みたいな。

4

第二次麻生内閣か(第三次安倍晋三内閣の可能性も少しだけある)、共産党連立内閣か、が日本人の選択肢、みたいな。


共産党連立内閣になった場合、自民党党首はまた谷垣禎一になって。

5

こんな霊告を得ました。


とりあえず共産党若手は今から真剣にその時に向けて布石を打っておくことを願う。年寄りはきっとバカだ。


そういう俺は熱烈な枝野幸男支持者なんだが、民主党は解党寸前な程度にまでその時議席を減らしている。


共産党との連立をすれば政権党入りが狙えてもきっと共産党との連立に対して民主党はゴネる。そのゴネは自民党政権樹立をアシストする。




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金儲け主義の食い物にされる被災地

「長周新聞」から転載。
少しお堅い記事だが、こういう真面目な記事で、しかも大マスコミがけっして触れない真実を書いた記事は大事である。「長周新聞」は、貴重なネット媒体だ。
色字部分は私が強調したものである。
記事の中で、海岸を砂浜のままに残すべきだ、というボランティアグループの言い分は、勝手なものだが、一般論としては正しいと私は思うので、何とも判断できない。確かに、よそ者が勝手なことを言っている、という感じはあるのだが、海岸(砂浜)に所有権などあるべきではないだろう。そして、護岸工事などで固められた海岸線の醜さは、大きな問題の一つである。まあ、詳しい状況がこの記事だけでは分からないのだが、住民側の言い分だけを全面的に信じる必要はないだろう。そもそもインタビューに答えた「住民」が漁師なら、漁師としてのポジショントークしかしないだろうし、すべての住民が同じ意見であるということもないだろう。
細部について、そうした疑問も少々あるが、全体としては非常に素晴らしい記事だと思う。なお、これも一般論として言えば、私は環境保護団体とかNPOとかNGOとかボランティアグループという存在については、非常に胡散臭いものと見ている。社会に必要な存在ならば、ボランティアの形ではなく、ちゃんと金銭の出し入れを明確にした利益組織(もちろん、利益ゼロでいいが、働く人間への給与や雇用期限はきちんとするべきだ。)にするか、政府が責任を持った組織にすべきだ、というのが私の基本的な考えだ。


(以下引用)*画面が重なって見にくいので、記事をかなり下に移動してあります。











































































































































3年たっても更地のままの被災地
東北現地取材
             国民守らぬ政治の姿を象徴    2014年3月14日付


 3年前の地震・津波によって、宮城県では人的被害と同時に基幹産業である水産業も壊滅的な被害をこうむった。あれから3年の歳月が流れたが、いまだ厳しい復興の途上にある。当初から建築規制がかけられて住民が戻れないことや、水産業復興特区をはじめとした漁業復興のあり方を巡って大きな矛盾が生じてきたが、今なお多くの漁港が壊れたままの状態で、市街地もまるで復旧が進んでおらず、がれきが撤去されただけにすぎない。復興庁を頂点にして県や基礎自治体がその補助金を受ける形で復興の旗を振ってきたものの、巨大防潮堤や新規の市街地開発など、ゼネコンや住宅メーカー、新規参入企業のビジネスチャンスをつくることばかりが優先的に進められ、肝心な住宅再建や水産業復興が後回しにされた結末をまざまざと突きつけている。誰のためのなんのための復興なのかが転倒し、住民不在できわめて冷酷な放置状態が続いている。


 
 風評被害でワカメの値暴落

 宮城県の沿岸では今月に入ってワカメ漁が始まった。牡鹿半島の小渕浜では、復旧工事の終わらない浜で賑やかに収穫作業がおこなわれていた。沖からとってきたワカメをメカブと葉に分け、さらにボイルして塩蔵ワカメにしていく作業が同時におこなわれ浜は活気に満ちていた。
 しかし、生産者の努力によって漁業生産を再開し、品薄で単価も良かった1年目と比べて、昨年、そして今年と浜値が下がっており、「先を考えたときに喜べない…」と不安が語られていた。福島原発事故による風評被害で、買い手から敬遠されているのも心配の種になっていた。震災前3年間の平均価格と価格下落分の差額を東電が補償することも先月決まったばかりだった。
 生産者の男性は「誰がこんな補償を望むだろうか。問題は生業としてなりたたなくなることだ」と語気を強めていた。震災後、被災地が三陸ワカメの養殖に手がつけられなかった間に、商社を通じて中国産ワカメが大量に国内市場に流入し、シェアを奪った。そのうえ風評被害までが加わって値が戻らない。震災前に1㌔700円台で取引されていたのが現在は600円台まで下がっており、550円が採算ラインといわれている。純利益に換算すると微微たるもので、とても生活再建できるようなものではない。
 今期も仲買から「去年の在庫があるから今年は安い」といわれ、漁がはじまる前から布石を打たれていること、このような現象が来年、再来年に落ち着くとも思えず、見通しがたたないことが漁師たちのなかで語られていた。風評被害だから安いのではなく、むしろ福島事故を逆手にとってメーカーが買い叩いている構造や、取引先の切り替えを指摘する関係者もいる。安く買い叩いておきながら、スーパーの店頭には通常の価格で並んでいくといわれていた

 勝手に「砂浜再生」 ボランティアへ苛立ち

 宮城県の沿岸部では漁港の復旧がほとんど進んでいない。漁港復旧の進捗率を見ても福島県30%、岩手県59%なのに対して、宮城県は12%で遅れが際立っている。沿岸部を回っても、応急で積み上げられた土嚢が海との境界線を仕切っているだけであったり、まるで手つかずの状態だ。
 宮城県は全国でも有数の漁港数を誇り、その多くが被災した。震災後、村井知事が漁港集約を打ち出し、その後反発を受けて4港を除いて残りのすべての漁港は復旧すると方針転換したものの、岩手県側とは明らかに違いが出てきている。自治体関係者に尋ねたところ、業者数も、生コンをはじめとした資材も圧倒的に不足しており、苦労していることが語られていた。石巻市では漁港を一つ一つ入札していては技術者も足りないため、いくつかの浜をまとめて発注し、そのなかで順番に復旧工事がおこなわれているが、円安などによって資材が高騰し、予定価格と実費に大きな差額が生じることとなり、入札不調もあいついでいる語られていた。今後はさらにオリンピック関連の仕事が東京で発注されることが疑いなく、東北の復旧はさらに後回しになると危惧されていた。
 沿岸部でも水産業復興特区の先進地に指定された牡鹿半島の桃浦地区などは、漁港の復旧も早かった。しかし同じように小さな浜である近隣の十八成浜に行くと、まるで放置されている。「選択と集中」によって切り捨てられた浜は、いつになったら元の姿に戻れるのかすらわからない。
 十八成浜は集落の中心部が津波で失われた。住んでいた人人は少し高台にある仮設住宅で3年間住んでいるが、かつての居住地は建築規制がかかったままなにも手が付けられない。人の姿も業者の姿も見えない。近隣の浜や他の地域の宅地造成に向かうダンプが行き交うが、この浜の復旧のために足を止める者はいない。異様な静けさが浜を覆っていた。
 このなかで震災後、十八成浜に乗り込んだボランティアが勝手に復興計画をつくりあげ、現地住民の要望とはかけ離れた砂浜(ビーチ)再生事業を動かし始め、反発が強まっている。ボランティアグループが呼び込んできた「カタールフレンド基金」なる資金の運用は却下されたものの現在でも砂浜再生事業は動いており、津波によって押し寄せた砂浜のまま残すこと、「砂浜のままでいいじゃないか」と身勝手な環境保護活動を展開していることに住民は苛立っていた。
 道路沿いの防波堤も黒い土嚢が積まれたまま放置され、道路も整備されないまま放置。建築規制によって居住空間の再建にも手が出せず、「砂浜再生」のおかげで復興計画が前に進まない。そのうち住む人がいなくなってしまうことが危惧されていた。外来種が乗り込んできて、「東南海地震が起きたときの訓練」をしたり、被災地を弄んでいることについて強烈な批判が出ている。住民が望む復興が否定されて、なぜよそ者が望むビーチにされなければならないのか、である。

 雄勝町 住民のおよそ9割離散

 復旧に手が付けられない現状は雄勝町でも同じだ。雄勝町と女川町を結ぶ道路はほとんど工事も終わって整備されているが、雄勝町の中心部は2年たっても3年たっても変化がなく、広大な更地のままだ。破壊された漁港にもまったく手が付けられていない。震災後多かった県内外からのボランティアやマスコミ、「観光客」の姿もがた減りしており、仮設商店街や仮設診療所がぽつんとあるのみ。地場商店・企業がわずかに建物を建てているだけで、家の基礎を残した更地が広がっている。4000人いた人口のうち、町がおこなった調査で「戻りたい」と応えたのは1割といわれ、放置すればするほど人口流出を招いている。防潮堤の建設も進んでおらず、学校の修復も手つかず。宅地造成の山を切り開く工事もまったく始まっておらず、「今後1、2年ではどうにもならない…」と話されている。若者は他の土地で生活を再建し、故郷への帰還を望んできた高齢者さえ戻れない状態だ。
 仮設商店街で店舗を再開した男性は、「市も大変だというのはわかっているが、それにしても進んでない。年寄りにとっては、生きている間に戻れるだろうか…という感じだ。雄勝はもともと人口も少なく、重要な施設もなかったので後回しになっているのだと感じている」「もとの場所で商売をしてもいいなら戻りたいが、みんながここで暮らさないのなら商売は成り立たない。動くに動けない状態だ」と話した。「人がいて、コミュニティがあって初めてそれを守る防潮堤も道路も必要になってくる。人が住むことを否定して町の再生もあったものではない。26万人がいまだに戻れないという非常時に、あまりに責任がない復興策だ」と語っていた。
 建築規制がかかったままの浸水区域について、石巻市では駅前整備、商業施設用地整備、学校、医療機関の整備、公園の整備が計画されている。公園の整備は市街地では南浜公園、中瀬公園などが計画され、牡鹿半島部にも、鮎川浜地区、雄勝地区、北上地区を拠点にした公園などの整備が復興計画にあげられている。浸水区域は住民を追い出した後、みな公園だらけにする構想で、住宅再建よりも公園作りの方が優先順位が高いという、言葉を失うような「復興」が進められている。
 漁業者を含め、多くの被災者が3年間も仮設住宅や借り上げ住宅で暮らし、先の見えない生活をしているなかで、宙に浮いた復興計画ばかりが出され、住民の意見に聞く耳を持たない。初めは行政に対して意見をあげていた住民のなかでも、あきらめに似たような心境が語られていた。
 ある漁業関係者は、「これまで“町を元気にしよう”“みんなで盛り上げましょう”といわれてきた。しかし“町から出て行かないでください”といいながら何も進まない。国の制度に合わせた復興ではなく、被災地の復興に合わせた制度をつくるべきだ。今後も工事は遅れて、6年、7年、10年かけてコンクリートの立派な漁港ができたとして、そこで誰が漁をするのだろうか。人を住ませないようにして六㍍もの防潮堤をたてて、いったい何を守るのだろうか」と語った。
 「コンクリートから人間へ」どころか、「人間よりもコンクリート」が目前で繰り広げられる。国が責任を持って被災地を立て直すと思ったらまるで被災者には関心がなく、「創造的復興」といって、いつまでも創造や空想、妄想で街作りの夢を思い描き、事態はなんら前に進まない。なぜ産業を復興し、住民が元に戻って生活することをさせないのかという矛盾が極点に達している。

 石巻の水産加工 2年後には借入れ償還

 石巻市の水産加工団地では、以前と比較しても再建した企業は増えているように見える。ただ、自治体関係者によると震災前にあった207社の企業のうち、再建したのは54・1%の112社。あくまでも再建した企業数であって、その経営内容については明らかでない。昨年、政府のおこなった売上高調査では、東北被災地で復興した中小企業の回復率は37%と低く、なかでも回復がもっとも遅れているのが水産・食品加工業で、その回復率は14%にとどまっている。国、県、事業者負担の各種補助金を請けながら、多くの企業が再建してきたが、内実は厳しいことが語られていた。
 従業員を多く雇ってきた企業では、従業員が集まらないことが経営者たちの悩みになっている。津波への恐ろしさが頭から離れず、海の近くでの仕事を嫌う流れもあったり、莫大な補償を手にして働く意欲を失った人たちがいることも話されていた。
 再建し、工場内の機能を100%稼働して、経営的に安定しているところは1割に満たないといわれ、それは津波保険に入っていたからだという。国や県からの補助金を受けて立て直した企業にとっては、2年後から借り入れの償還がはじまるため気が気でない心境が語られていた。過剰投資している企業も複数あり、それらの支払いが困難になることも話題にされていた。
 「3年たった今よりももっと状況は悪くなると思う。水産会社だけでなく、基幹産業がだめになれば石巻市が破綻してしまいかねない。二次災害だ」と危機感を語る経営者もいた。別の経営者は、「テレビでいう復興は表面的なもので、再建といっても箱の部分だけ。みんな内実は大変だ。水揚げがあって市場が動き、加工、資材、トラックが動き、働く人がいてはじめて食堂や出前も成り立つ。今は運送業者も魚が半分、土木が半分で仕事をしていると聞く。とにかくできることをはやくしてほしい。かさ上げ道路も着工は来年で、完成がいつになるのかわからない。町づくり云云といった次元の話ではないんです」と話していた。
 補助率の低い小さな企業や商店、また震災前は賃貸だったことで補助金を受けられず、店舗や土地を抵当に借金をして再建した会社など、業種や規模によってさまざまな困難を抱えながら懸命な営業がやられている。津波がなにもかも奪っていったなかで、被災者の多くが再び起き上がり、郷土の立て直しに全力を注いでいる。「これで潰れたなどといったら、応援してくれる全国の人人に恥ずかしい」「東北は食糧基地。一生懸命おいしいものをつくって、全国の人に食べてもらう。そのために頑張る」と語る食品加工業者もいた。
 市街地では、浸水区域の地価が下落したことで、住宅メーカーや不動産関係者が土地を買いあさってきたことも語られていた。


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日本を国民の手に取り戻すための原点

「神州の泉」記事を全文転載。
まさに我が意を得たり、である。小泉改革以降の政治状況を明確に説明し尽くしており、我々が常に立ち戻って自分の方向を確認する原点となるような一文だ。
人間の頭はそれほど強いものではない。容易に騙され、誤魔化される。毎日毎日発生する膨大な出来事や、そのニュース報道に圧倒され、目の前の情報を処理することに追われて、一番大事な事柄を忘れがちなものだ。そうした人間の知性の脆さを熟知し、世界支配の手段を提示したのが「ユダヤプロトコル(シオン長老の議定書)」であることは何度か書いてきた。
そうした支配に抵抗するには、常に自らの足元や出発点を確認することだ。
下の一文は、そうした確認のための貴重な文章である。
なお、「修正資本主義」とは「資本主義と社会主義の結婚」である、という事をこの一文は明確にしていないのが欠点だ、と私は思う。資本主義と社会主義は対立概念ではない。「自由主義」つまり「資本家の最大の自由を要求する思想」と社会主義とが対立するのであり、資本家の行動を規制する政策や、資本家による収奪や圧迫から一般庶民を守り、社会福祉などによって富の一部を庶民に還元する政策はすべて社会主義的政策なのである。
我々は日本を国民の手に取り戻さねばならない。「日本を取り戻す」のが自民党や、そのスポンサーの財界であってはならないのである。




(以下引用)

2014年3月27日 (木)

グローバリストたちの詐術に騙されてはならない!

 

筆者は第二次小泉内閣になる2003年ごろから、この内閣が、20世紀終焉まで続いていたそれまでの政治形態とはまるで異質なものになっていることを肌で感じていた。それまでは政権が打ち出している「構造改革」を文字通りに解釈し、ああ、小泉さんは良いことをやっているんだろうなくらいにしか思っていなかった。


その当時、政治にはノンポリ(nonpolitical)と決めつけていいほど無関心であり、さまざまな政治案件についてはマスコミが大騒ぎするような事柄にしか興味を持たなかった。たとえ興味を持ったとしても、大手新聞やテレビ報道を鵜呑みにするだけで“なぜだろう?”と、その案件を自分の頭で考えることもなかった。竹中平蔵流のグルーピングで言うなら、自分は紛うことなきB層市民だった。政治に関してはマスコミや政府発表のままにただ流されるだけの病葉(わくらば)市民だったのである。


この当時、筆者は餅は餅屋に、政治は政治屋にと真面目に思っていたので、まさか、時の政権が国政方針で国民を裏切ることなどあろうはずもないと思い込んでいた。政治家(官僚もそうだが)には欲得ずくで動く奴もいるから、中には汚職、背任(トートロジーか?〉等で税金を無駄遣いしているのもいるんだろうくらいの認識しかなかった。


内閣は行政権をになう最高機関であり、政治家としての職能集団、権力集団のトップにある。だから基本的な大枠では時の政権が善政志向だと思っていた。まったくおめでたい限りである。


2003年ごろからだったと思うが、小泉内閣が放っていた何とも名状しがたい薄気味悪さ、まがまがしい有毒のオーラが自分の中では無視できなくなっていた。理屈は全く分らなかったが、この政権はおかしい、どこかで決定的に間違っている、それも国政の基本レベルで方向性が完全に狂っているんじゃないのかという疑念は強まっていた。それが何に起因するのか、どこがどうおかしくなっているのかなど、ポリティカル(あるいはエコノミカル)に捉えることは全くできなかった。そういう違和感を保ったまま、胃の内容物が消化できない息苦しさがあった。


この暗鬱たる思いは2005年の郵政選挙にいたる郵政民営化騒動で決定的な確信に変っていた。この頃になると、関岡英之氏の「拒否できない日本」(文藝春秋)、藤原肇氏の「小泉純一郎と日本の病理」(光文社)、佐藤優氏の「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」(新潮社)など、小泉政権をディープに分析した本がちらほら出始めていて、自分の中でもやもやとしていた疑念が次第に鮮明な映像を結ぶようになっていた。特に関岡英之氏の「拒否できない日本」は目からうろこであった。


見えてきたものは、この日本はアメリカ政府の意のままに改造されつつあり、その事実は巧妙な仕掛け(擬制)によって、ベールに包まれている。これが次第に見えてきた風景の骨格だった。小泉政権の不穏当な政治出力は日米関係のメカニズムにあった。「拒否できない日本」で浮き彫りにされた「年次改革要望書」の存在は、このベールをはがす嚆矢(こうし)となったような気がする。


米国による日本の対日改造は、表面的には日米構造摩擦が鎮静化したように見えていた1990年代の初頭から着々と進められていた。日米構造摩擦と称する、日本の市場属性だけが問題視された二国間の軋轢は、かつては大声で怒鳴り合っていたのだが、バブルがはじけた辺りからそれはすっかり消えていた。だが、水面下ではアメリカの市場開放要求はより具体性を帯び激しくなっていた。その事実は政府やマスコミは徹底して沈黙した。


アメリカによる潜行的な対日改造計画は、主にアメリカと意を通じた官僚が中心となって進めていた。だが、官僚の中にも良識派がいて国民から見えない部分で日本を守ろうと、売国派官僚と暗闘を繰り返していたきらいがある。大蔵省、厚生省、通産省などの良識派官僚は1998年のノーパンしゃぶしゃぶ問題を象徴として完全に抵抗力を殺がれてしまった。このようなハニートラップだけじゃなく、当時の良識派官僚は目に見えない弱みを握られて、一網打尽に無力化されたように見える。


1994年から始まった潜行性の対日改造計画は、おそらく米国の思い通りには華々しい成果を得られなかったものと見える。その理由が上述の官僚たちの暗闘にあったものと思える。ところが、ノーパンシャブシャブ問題を頂点として良識派が駆逐されてしまったことを契機に日本は対日改造の妨害勢力が弱まってしまった。この流れのなかで小泉・竹中構造改革が始動したのである。つまり、目立たず潜行的だった対日改造イシューは、小泉政権によって露骨にかつ先鋭的に表舞台に登場し、あろうことか国策となってしまったのである。


1990年代初頭から2001年までは、国政として日本に新自由主義を執行させる準備段階の時期であった。この間、日本防衛派と売国派の水面下の暗闘で防衛派が敗北したことをもって、小泉・竹中構造改革路線が発動できたということもできる。


以上のように、小泉政権が醸し出した強烈なネガティブ・イメージは日米関係の根深すぎるメカニズムにあった。皮肉にも小泉純一郎氏を総理大臣に祭り上げたのは、橋本経世会に恨みを持っていた田中真紀子氏であったが、橋本経世会は曲がりなりにも真紀子氏の父親・田中角栄が敷いた「公平配分」体制を担保し、維持していた最後の政治潮流だった。


小泉純一郎氏は厚労大臣当時の郵政族への恨みから、田中真紀子氏はロッキード疑獄で父親が刑事被告人となった後、田中派を乗っ取った竹下派(橋本経世会へ続く)への恨みがあり、この両者がシナジー効果を発揮して小泉総理大臣が誕生した。


このこととアメリカの政治干渉は直接関係はないのだが、アメリカが新自由主義を日本国政に反映させるには小泉氏は格好の人材だったわけである。個人的な怨恨であろうが何であろうが、小泉氏はそれまで続いた日本型の修正資本主義をつぶした。これが「自民党をぶっ壊す」ことの実効的な政治結果であった。旧田中派型の修正資本主義には政官業の鉄のトライアングルという癒しがたい病弊が付きまとっていた。既得権益層が利益を貪っていたのである。


しかし、それでもこの体制は公平配分を担保していて、国民は何とか中流生活を維持できていた。小泉氏が橋本経世会を潰したことで、それまで残存していた所得再配分システムが壊され、新自由主義の構造改革によって世の中は傾斜配分に変容した。株主資本主義によって労働分配率は低下した。ここにいたり、日本は「1%対99%」の二極分化社会に向かって急速に傾いていった。この間、派遣法改正や会社法改正、三角合併解禁等による外資勢の侵入とともに格差の階梯はますます高くなってしまった。


1998年から2010年まで毎年3万人を超える自殺者が出ているが、そのうちの1万人は経済苦の自死であった。これが何よりも日本社会の変容を物語っている。新自由主義者(グローバリスト)の言い分には基本パターンがある。それは我々が、構造改革という進歩へ向かうのか、あるいは遅れた旧社会主義体制に逆行するのかという、単純化した二項対立的な進歩史観へ持って行く説明である。これがいかに悪質であるか説明する。


この説明パターンは竹中平蔵氏の真骨頂でもあり、そのキーワードは「抵抗勢力」である。竹中氏が好んで口にする言葉はイノベーションである。これは新しい発想、革新的な手段・方法の創造、新機軸等を意味し、一見良い響きを持っているので聴いた人はごまかされる。イノベーションを行うためには旧来の考え方が抵抗となって進歩を阻害する。


だから旧体制を刷新するために創造的破壊(シュンペンターの援用なのか?)を行う必要がある。年間3万人を超える自殺者を恒常的に出すような痛みが国民のための創造的破壊であるはずがなく、それはグローバル企業の収奪体制を構築するための破壊なのである。言わば、向こう側の都合でエマージング・マーケット(新興市場)を日本に創出するための破壊であるから、それまで国民を守っていた規制や法制度を変える必要があった。


これが竹中氏に代表されるグローバリストたちの二項対立的な進歩史観である。要するにイノベーション(刷新的変革)か、旧社会主義のどっちを選ぶのかという命題を突きつけるのである。この提起自体が根本的に間違っていて、人々をあらぬ方向へ誘導するトリックとなっている。例えば、竹中氏が決して口にしないワードに新自由主義や修正資本主義(混合経済)がある。ミルトン・フリードマンの名前も彼は口にしないのではないだろうか。


彼が決して口にしないこれらの言葉こそが彼の本性を物語っている。分かりやすく言えば、修正資本主義とは 貧困、失業、恐慌など資本主義経済に原則的に付随する弊害を国家の積極的な介入や資本相互間の自主的調整(規制)によって緩和し、資本主義体制を維持しようとする理論や政策である。


砕けて言えば、なまの資本主義は弱肉強食の暴力性が跋扈する社会、すなわち「北斗の拳」の舞台背景のような世界になるから、国家がケインズ的に介入して、その暴力性を制御する体制である。ほどよく制御され(統御され)た資本主義体制こそ世界が平均的に望むあり方である。グローバリストたちはこの制御的な資本主義体制が「1%対99%」の支配構造を阻害し、傾斜配分から公平配分復古への動きになることを知っているので、絶対に自ら「修正資本主義」なる概念を口にしない。それを言ってしまえば、彼らが金科玉条とする単線的な進歩史観が成り立たないからだ。


同時に自分たちがイノベーションなる言葉で志向しているものが、新自由主義体制であることも絶対に言わないのだ。だから、騙されてはならない。グローバリストたちが言う抵抗勢力との戦いや既得権益体制の打破とは、旧体制(実は修正資本主義)の悪いところを破壊すると言って、良いところまで破壊してしまうことである。


それに加え、桁違いにあくどいところは、創造的破壊の後に待ち受けているものが、国民生活にとって有意義かつ建設的な経済体制ではなく、新自由主義体制の敷設なのであり、ここにはグローバル企業の日本収奪が待ち構えている。「政官業」トライアングルを既得権益というのであれば、修正資本主義体制を破壊した後に出てくる「米官業」トライアングルは桁違いに破壊的な性格を有している。これが小泉構造改革、安倍構造改革の本質なのである。

ここから導き出さされることは、安倍首相や竹中平蔵氏の言う岩盤規制のドリル破砕が、どれほど危険な規制緩和かお分かりだと思う。岩盤規制とは国富収奪を目論むグローバル企業にとっての規制障壁であり、それが緩和されれば国民生活に回復不能な大打撃を与える。


だから、竹中平蔵氏が繰り返している基本テーゼ、『イノベーション社会か、それとも旧社会主義体制か?』という二項対立は、言い換えれば『新自由主義か、それとも修正資本主義か?』という話に他ならない。答えはおのずと修正資本主義に決まっている。グローバリストたちの詐術に騙されてはならない。



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