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内田樹式「コミュニズム」思想

「内田樹の研究室」から転載。
私は内田樹という人間が「お利口さん」すぎて、偽善的に感じるのであまり好きではないが、この一文は社会主義者である私としてはほぼ賛同する。ただ、懸念するのは、こうした思想が「金融資本主義支配者」の特権的地位を安泰にし、「あるべき闘争」を有耶無耶にする可能性が高い(まあ、そこまで行くこともなく、どうせ不発に終わる運動だとは思うが、理念としての話だ。)ことである。あるいはそこが「ユダヤシンパ」の内田の狙いかww
もちろん、その「あるべき闘争」は膨大な弱者(人類の99.999……%)が少数の強者に勝てるかどうかという奇妙な戦いで、やってみないとどうなるかは分からない。私の未完小説「聖痕」は、そのファンタジー小説である。
なお、冒頭部分の「貧乏くさい」は、私なら「下品」の一言で片づける。どのような大金持ちでも貴族階級(上級国民)でも品性が下劣なら下品に決まっている。ひろゆき、ホリエモン、橋下徹など、すべて下品である。いくら美人のタレントや芸能人でも下品は下品だ。品格は顔や服装の問題ではない。


(以下引用)


『だからあれほど言ったのに』所収の一文であるが、これをブログに上げたのは、ある学習塾の小学校六年生対象の模試に以下の文章が使用されたからである。これを小学校六年生に読ませたのか・・・と思うと驚く。世の中は変わりつつあるのかも知れない。



 現代日本の際立った特徴は富裕層に属する人たちほど「貧乏くさい」ということである。富裕層に属し、権力の近くにいる人たちは、それをもっぱら「公共財を切り取って私有財産に付け替える」権利、「公権力を私用に流用する権利」を付与されたことだと解釈している。公的な事業に投じるべき税金を「中抜き」して、公金を私物化することに官民あげてこれほど熱心になったことは私の知る限り過去にない。
 税金を集め、その使い道を決める人たちが、公金を私財に付け替えることを「本務」としているさまを形容するのに「貧乏くさい」という言葉以上に適切なものはあるまい。今の日本では「社会的上昇を遂げる」ということが「より貧乏くさくなること」を意味するのである。
 いや、ほんとうにそうなのだ。現代日本の辞書では、「権力者」というのは「公権力を私用に使い、公共財を私物化できる人」のことなのである。そういう身分になることを目標にして、人々が日々額に汗して努力している以上、国があげて「貧乏くさく」なるのも当然である。
 私はもうこの貧乏くささにうんざりしている。貧しくてもいい。「貧乏くさくない社会」に暮らしたい。
 それなら、どういう社会が「貧乏くさく」ないのか。とりあえず私が敗戦後の日本で見聞した「共和的な町内」はそうだった。他人の富裕を羨まない、弱者を見捨てない、私財を退蔵せずに分かち合う、公共財ができるだけ豊かになるように努力する。言ってみればそれだけのことである。現に大人たちがそのようにふるまい、それが「ふつう」なのだと子どもたちが思うなら、その社会は、たとえ物質的に貧しくても、「貧乏くさく」はない。私はできるならそのような社会に暮らしたい。
「公共財」を英語では「コモン(common)」という。原義は「入会地・共有地」のことである。囲いのない森や草原で、村落共同体が共有し、共同管理する。村人はそこで家畜を放牧したり、魚を釣ったり、鳥獣を狩ったり、果樹を摘んだりする。個人の私財が乏しい村人でも、豊かなコモンを持つ共同体に属していれば、豊かな生活を送ることができる。
 ヨーロッパでは中世からどの国でも「コモン」に類するものがあった。代表的なのはフランスの「コミューン(commune)」で、これはカトリックの教区が基本となる行政単位で、構成員100名くらいの小さなコミューンからマルセイユのような構成員100万人というサイズのコミューンまでさまざまなものがあるが、どれも行政単位としてのステイタスは等しい。コミューンの中心には教会があり、広場をはさんでその向いには市庁舎があり、市議会が開かれ、市長が選ばれる。
 ドイツには古代から「マルク協同体(Markgenossenschaft)」というものがあった。土地は部族共同体で共同所有され、生産方式も強く規制されており、土地の売買は禁止され、収穫物は基本的に共同体内で消費され、木材や肉やワインの共同体外への持ち出しも禁止されていた。土地は誰のものでもなく、それゆえ収穫物が誰かの私財になることもなく、その結果、支配―被支配という関係は生じなかった。晩年のマルクスがあるべき「コミュニズム(コミューン主義)」社会を思い描いた時に、その構想の素材はゲルマンのマルク協同体にあったと斎藤幸平は『人新世の「資本論」』の中で論じている。
「豊か」というのは、私財についてではなく、公共財についてのみ用いられる形容詞であるべきだと私は思う。仮にメンバーのうちの誰かが天文学的な富を私有して、豪奢な消費活動をしていても、誰でもがアクセスできる「コモン」が貧弱であるなら、その集団を「豊かな共同体」と呼ぶことはできない。身分や財産や個人的な能力にかかわらず、メンバーの誰もが等しく「コモン」からの贈り物を享受できること、それが本質的な意味での「豊かさ」ということだ。マルクスはそう考えていたし、私もそう考える。私財の増大よりも、メンバー全員を養うことができるほどにコモンが豊かなものになることを優先的に気づかう態度のことを「コミュニズム」と呼ぶのだと私は思う。個人的な定義だから一般性は要求しないが、それでよいはずである。
 貧富は個人について言うものではない。共同体について言うものである。私たちにとってほんとうに死活的に重要なのは、われわれの社会内にどれほど豊かな個人がいるかではなく、われわれの社会がどれほど豊かなコモンを共有しているかである。豊かであるか貧しいかを決定するのは、リソースの絶対量ではない。その集団の所有する富のうちのどれほどが「コモン」として全員に開放されているかである。
 この定義に従うなら、日本だけでなく、いまの世界はひどく貧しい。世界でもっとも裕福な8人の資産総額は世界人口のうち所得の低い半分に当たる37億人の資産総額と等しい。これを「豊かな世界」と呼ぶことに私は同意しない。
 だが、そのことに気づいて、もう一度日本を「豊かな」社会にしようという努力を始めている人たちがいる。それは別にGDPをどうやって押し上げるかという話ではない。どうやってもう一度「コモン」を豊かにするかということである。
 最近、私の周囲でも、私財を投じて「みんなが使える公共の場」を立ち上げている人たちをよく見かけるようになった。私自身も10年ほど前に自分で神戸に凱風館という道場を建てた。武道の稽古だけではなく、能舞台としても使えるように設計してもらったので、畳の上に座卓を並べてゼミをしたり、シンポジウムをしたり、映画の上映会や浪曲、落語、義太夫などの公演もしている。ささやかではあるけれども、これも一つの「コモン」だと私は思っている。
 そういうささやかなコモンを日本中で多くの人たちが今同時多発的・自然発生的に手作りしている。そういう人たちの活動は別に聴き耳を立てなくても、自然に耳に入るし、思わぬところで出会う。そして、気がつけばずいぶん広がりのあるネットワークがかたちづくられている。
 この手作りの「コミュニズム」はかつてのソ連や中国の共産主義と本質的なところでまったく違うものだと思う。というのは、この新しい「コミュニスト」たちは富裕者や社会的強者に向かって「公共のために私財を供出しろ。公共のために私権の制限を受け入れろ」とは強制しないからである。公共をかたちづくるためにまず身を削るのは「おまえ」ではないし「やつら」でもない。それは「私」である。
 そう思い切ることからしか豊かな社会は生まれない。同意してくれる人はまだ少ないけれど、私はそう確信している。


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反天皇主義の愚劣さ

いや、私は人がどのような政治思想を持とうがその人の自由だと思うが、問題は、その意見にどれほどの意義があるかだ。天皇を否定することで何が生まれるのか。新たなアメリカ的な「新自由主義の極限」の国にしかならないだろう。これまでの日本の伝統を捨てて、どのような国ができるというのか。
私はDSを含めた外敵の侵略に最終兵器として対抗できるのは天皇という存在だけだろうと思っている。それだけの重みが天皇という存在にはあるというのが私の考えだ。だからこその尊皇主義であり、あくまでプラグマチックな思想である。
私はプーチンが大好きで、歴史上最大の偉人だと思っているが、天皇という存在は、その地位にいるだけでプーチンレベルの偉業が可能ではないか、というのが私の思想であり、「尊皇主義」だ。それは明治維新で、「錦の御旗」だけで幕軍が総崩れになった事例で分かるし、また天皇制の下で「廃藩置県」という歴史的偉業がほとんど何の抵抗もなく実現した事例でも分かる。これは外国の政治学者たちが心から驚いたことだ。だからこそ米国も日本統治手段として天皇制を存続させたのである。
ある意味では、米国が心底怖れているのは、天皇の米国への造反だろう。だが、それは最後の最後の手段であり、危険な賭けである。天皇が、「戦後80年近くもなって日本がまだ米国占領下にあることへの不満」を表明したら、国民がそれに反応して、すべてが変わる可能性もあるのではないか。愚劣な反天皇主義より、天皇という「玉」をいかにして生かすかこそが賢い道だろう。(私のこうしたプラグマチズムこそ不敬の極みかもしれないが、政治とは現実主義以外の何物でもない。)

(以下引用)

【画像】ひろゆき「天皇ってあいつら日本人じゃないんですよ!」←無事大炎上




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1: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:13:56.57 ID:kdgiTcL60● BE:389296376-2BP(2000)
5: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:15:59.88 ID:xEmvHisN0

どんどん哀れになるな


11: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:20:24.32 ID:JxhUFtpN0

あ、これは駄目だわ
やっちゃったなひろゆき
3: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:15:24.72 ID:t00PczPq0

そもそも神だから人間じゃない


4: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:15:32.43 ID:FstnXN9E0

ひろゆきってフランス人やろ?


6: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:16:59.91 ID:kfUJ0Cwz0

日本の建国記念日がなんの日かも知らなそう。


24: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:25:04.09 ID:23dSu8Mx0

>>6
なんの日なん?



39: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:31:00.72 ID:kfUJ0Cwz0

>>24
神武天皇の即位日が日本の建国の日とされてる。
日本は天皇ありき。



7: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:18:00.67 ID:YszPQAjy0

国より天皇のほうが先やぞ


10: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:19:51.82 ID:7vP3kgCb0

島国にあちらこちらから人間がやってきたと思うのだが、いつからが日本人となるの


12: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:20:31.75 ID:ERDGcF3A0

フランス人には相手にされないから日本にベッタリですな


14: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:21:54.04 ID:pgxHY4tZ0

論破王から論破され王になってる


17: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:22:34.03 ID:PHjWTuYd0

ひろゆきは何人の立場から言ってるの?


18: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:22:45.86 ID:q7dcMozF0

イザナギがルーツであるのだから人間ですら無い


23: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:24:55.08 ID:OwhBAwWs0

超えちゃいけないライン大幅に飛び越えたな
炎上狙いにしても筋が悪すぎる



25: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:25:32.31 ID:1CoR41aC0

もう立派な老害


30: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:28:50.57 ID:wDNax9Kg0

すみません
あいつ馬鹿だから言葉が足りてないんです
日本の象徴だけど日本国民ではないって小学生でも知ってるような事をドヤりたかっただけなんです
許してあげてください



43: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:32:15.08 ID:xQ9GzvRI0

いい加減さメディア関係者はこいつ起用するのやめろよ


44: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:33:00.38 ID:qyXRI4kG0

この人はこの釣りパターンが多いな
日本人じゃないと人が聞けば
外国人とでも言うのか!と怒る事を期待して言ってる

オイラ一言も外国人だなんて言ってないですよね
皆が勝手に想像して炎上してるだけ
想像するって事は何か理由があるんですかね?
とやる

でも今回は「あいつら」のインパクトが強すぎて
上手く行かないと思います



45: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:33:09.45 ID:RJVNeBEX0

メンタルやっちゃってね?これ


62: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:43:20.27 ID:WDtTmtEi0

ここまで来ると
相手にする奴がバカ



70: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:47:05.75 ID:vuZo5NVF0

ひろゆきはタブー関係なくどんどん突っ込んでいくスタイル
いつか自滅するわなー



74: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:49:01.84 ID:O8y3gYFP0

若いヤツならともかくいいオッサンが
何を言ってるんだ(´・ω・`)



80: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:51:43.01 ID:G2Vkbo6h0

ひろゆき 右翼にロックオン!


81: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:52:17.16 ID:8AUfXeRu0

これはやっちまったなー


88: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 11:56:23.04 ID:TCY+8Dkw0

これは完全に喧嘩売ってしまったな


110: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 12:23:14.73 ID:22gzViN20

だからって外国人ってわけでも無いからな
日本人かどうかっていう言い方が間違ってるだけ



123: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 12:36:31.19 ID:eSW1Lpew0

炎上商法か


126: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 12:38:18.16 ID:Iq9ZwHaw0

キレがなくなったら
今度は自爆系か。



135: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 12:43:31.48 ID:o5GUdPOR0

カコタソかわえーし


143: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 12:52:10.66 ID:m6+Eamo60

だいたい、このひろゆきの発言いつの話なの?
そうとう前の話じゃないの?
ひろゆきなんか昔から放言しまくってるじゃん
炎上するんならもっと早くしないといかんよ

ひろゆきなんか、今生きてられるだけでもすごいレベルでアンチいるし



165: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 13:17:14.52 ID:NTDqTrVq0

神やからなぁ


182: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 13:50:43.50 ID:JFcy+GWs0

ちゃんとした動画を見てからにするわ


187: 以下、名無しにかわりましてネギ速がお送りします 2024/05/04(土) 13:59:48.28 ID:d6ahVcHd0

小学生がいいそう

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東海アマ氏による「ヘーゲル思想」解説

「東海アマ」ブログ記事の一部だが、ヘーゲルの「絶対精神」なるものは、私には直観的に大馬鹿思想に思えるのだが、批判的に論考する気力も無いので、アマ氏の文章を転載して、思考素材として提供するだけにする。
まあ、プラトンのイデア論と仏教の輪廻思想とユダヤ的神秘思想と弁証法をミックスしたら、こんな奇妙な思考になるのだろう。
で、この世界のどこに、絶対精神を実現した存在がいるのだ? 何億年の輪廻の果てに、まだひとつも絶対精神など世界に生まれていないではないか。そもそも、「すべての存在」が究極は絶対精神になるのなら、とっくの昔に世界は絶対精神で満杯だろう。猫も鼠も糞も石ころもすべてが絶対精神、つまり神になるのか? まあ、「世界=神」という思想なら、少しは面白い。我々は神の見ている夢の中の存在だ、というわけだ。


(以下引用)


 私は、高校生のころから哲学に関心を持ち、マルクスやヘーゲルを学ぶ機会があった。
 そして、ヘーゲルの「絶対精神論」こそ、宇宙と人生の究極の本質を示すものと確信を抱いた。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B6%E5%AF%BE%E7%B2%BE%E7%A5%9E

 「絶対精神」というのは、一人の人生でもいいのだが、原理的には宇宙のすべてのものが「合理性」というエネルギーポテンシャルに導かれて、変化(否定の否定・対立の統一)を繰り返し、やがて絶対精神=イデーという終着駅に達するというもので、人生の場合は、「輪廻転生」を繰り返して、あたかも双六のように運動しながら、最期にはイデーという「上がり」に到達するというものだ。

 輪廻転生で矛盾のカルマを克服し、すべての矛盾を克服したとき、人(モノ)は、やがて超越的存在=神の領域に至るというもので、絶対精神に向かうプロセスこそ、人生の本当の意味であるというものである。

 つまり、人は神になるために生きて死に、次々に生まれ変わるのである。輪廻転生によって新しい人生で過去のカルマを解消し、少しずつ矛盾のない完成された人格に向かって歩み続ける。
 人はたくさんの失敗を繰り返し、たくさんの人生を経験することで人格が完成してゆき、最期には、転生不要の絶対精神が待っているわけだ。

 こう考えると、自分の過去の間違いや愚かな所業に苦しんでも、「次の人生で克服すればいいのさ」と気楽に考えることで大いに救われるのである。
 私など、ひどい失敗だらけの人生だったから、そんな自分でも、やがてイデーに到達できると約束してもられるのなら、本当にありがたい。

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人々が「民主主義の罠(代議制民主主義)」に身を投じる理由

前にも、ドストエフスキーの「カラマーゾフ兄弟」大審問官のダイジェストとして引用した「Megblog」から、一部抜粋、一部改変して、「民主主義」論にしておく。
要するに、人々は自由(と責任)という重荷に堪えかねて、自ら「大審問官」(政治執行者)に自分の自由を委ねるのだ、ということである。
もちろん、自由と責任は原理的には二律背反だが、現実世界は見事にその二律背反の同居(一身二面性)が強制されることで社会が成立しているのである。まあ、「自由とは特権階級だけのものだ」と言い換えてもいい。下級国民は自由を捨てることで責任も「少し」軽くなる。その少しの軽減(奴隷の手錠と足縄と首輪のうちひとつを許す程度の軽減)が貴重なのである。


(以下「大審問官的民主議論」)なお、文中の「徽宗」は酔生夢人のこと。



「自由」と聞くと、私たちは手放しでそれを肯定しそうになってしまいますが、そこには大きな責任や苦悩が付き纏うということが語られます。


「自由」は高尚であれど、そもそも人間にとって重すぎるものなのではないか。
自分で全てを選択するということが、必ずしも人々にとって最善とは限らない。
何事も自分で考え、決断をするという労力が生じてしまうからだ。


と大審問官は言います。


もともと人間はキリストの教えに応えられるほど高尚な存在ではなく、むしろ弱く卑しい存在であるとも語られます。


人から言われたことをやっているだけの方が、あれこれ考える必要が無くて、結果的に楽ということはよくありますよね。


自由にはすべからく「不安」と「孤独」がつきものです。


自らに関する一切のことを自分で決定するという重荷に耐えられなかった人々たちは、その後自由を自らの意思で教皇(徽宗:「支配者」「政府」に読み替える)に差し出すようになり、その支配下に入ることで「自由」を獲得し、幸福を得た。


というのが大審問官の主張です。


ではなぜ人々はこのような一見不合理な選択をしたのかということについては、さらに詳細に語られます。

「自由」と「支配」

(以下、民主主義論には少し縁遠い話が長いので見え消しにする)
相反するこの二つが両立することを可能にする論理を、大審問官はこう述べます。


人々はただ無理解のまま自らの自由を教皇に差し出したというのではなく、本当の「自由」とは離れていくことを知った上で、なおキリストのために教皇の支配下に入ることを決めたのだと。


自由が辛く厳しいものであることを人々は理解しているからこそ、罪に堪えながらもその自由を取りまとめてくれる教皇たちへの尊敬の念を禁じ得なくなる。


この事実を踏まえた上で、人々のために「嘘」をつき続ける自分たちに愛が無いとは言えないだろう。


というのが大審問官の主張です。


ただここに教会側の中にはキリストへの「欺瞞」が残るとも言います。


教会や教皇などの支配する側は、真の意味でキリスト教の教えに準じていないことに、心のどこかで気づいているということですね。


そしていずれ人々はキリストの掲げた崇高な理想よりも、目の前の食糧や生きていくための「安定」を優先してしまうようになります


今で言うと政治を政府に任せきりになることや自らの労働力を会社に委ねるようなことでしょうか。


ここに関しては、いつの時代も変わらない人間の性質を感じることができます。

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ガザ虐殺は「ユダヤ教(ユダヤ民族)思想」が根源

「櫻井ジャーナル」記事で、概ねは世界政治(主にガザ問題)の話だが、ユダヤ教との関係もあるので、「文化論」系雑談漫談ブログを自認するこちらのブログに載せておく。
「ラベンダーのかほりがする相手は殺せ」か。

(以下引用)
2024.04.10
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 イスラエル軍はアメリカ政府やイギリス政府などの支援を受け、ガザで建造物を無誘導爆弾で破壊し、3万数千人から4万人と推計される住民を殺した。その約4割が子ども、女性を含めると7割に達すると言われているが、​その殺戮で2種類のAI、「ラベンダー」と「ゴスペル」が使われていることが明らかになった​。人間は機械の決定に「ゴム印」を押すだけで、事実上、チェックする機能はないようだ。



 階級や軍事的重要性に関係なくハマスとPIJ(パレスチナ・イスラム聖戦)の軍事部門に所属するとみなされた全員を標的にするとイスラエル軍は決定、ラベンダーはガザに住む230万人のデータを収集、分析して危険度を評価、ランク付けした上で暗殺リストを作成。約3万7000人のパレスチナ人がリストに載せられた。ゴスペルで攻撃対象の建造物を選ぶとされている。



 許される民間人の巻き添え死の数は下級戦闘員でひとりあたり15名から20名、司令官の場合は100名以上に設定した。暗殺の場所は自宅が選ばれている。そのため家族は皆殺しだ。イスラエル軍はジャーナリスト、医療関係者、支援活動のメンバーを狙っているが、これも「AIの指示」ということなのだろう。



 暗殺リストにのされた人の1割程度は戦闘集団と無関係の住民だとされているが、そうしたことをイスラエル政府は気にしていない。昨年10月7日、ハマスとの戦闘という口実で始められたのだが、その直後、​ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出し、パレスチナ人虐殺を正当化している​のだ。



 聖書の中でユダヤ人と敵だとされている「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を彼は引用、「アマレク人」をイスラエルが敵視しているパレスチナ人に重ねたのである。その記述の中で、「アマレク人」を家畜と一緒に殺した後、「イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神は命じている。



 サムエル記上15章3節には「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」と書かれている。これこそがガザでイスラエルによって行われていることだと言えるだろう。ネタニヤフによると「われわれは光の民であり、彼らは闇の民」なのである。



 イスラエル軍はAIを利用し、ガザに住む全ての人びとに関するデータを集めて分析、危険度を評価して暗殺リストを作成したわけだが、すでにアメリカ国防総省では1980年代からそうしたシステムの開発を進めていた。



 拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』(三一書房、2005年)でも書いたことだが、同省のDARPA(国防高等研究計画局)で開発されていたTIA(総合情報認識)では個人の学歴、銀行口座の内容、ATMの利用記録、投薬記録、運転免許証のデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、電子メールに関する記録、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録、クレジット・カードのデータなどあらゆる個人データが収集、分析されていた。



 2001年9月にはMATRIXと名づけられた監視システムの存在が報じられた。フロリダ州を拠点とするシーズント社が開発したもので、スーパー・コンピュータを使い、膨大な量のデータを分析して「潜在的テロリスト」を見つけ出すことを目的にしていた。



 どのような傾向の本を買い、借りるのか、どのようなタイプの音楽を聞くのか、どのような絵画を好むのか、どのようなドラマを見るのか、あるいは交友関係はどうなっているのかなどを調べ、個人の性格や思想を洗い出そうとしたのだ。図書館や書籍購入の電子化、スマートテレビの普及などと無縁ではない。勿論、インターネット上でのアクセス状況も監視されている。街中に張り巡らされた監視カメラもこうした種類のシステムに繋げられる。顔認証で追跡することも可能だ。



 アメリカの国防総省にはCIFA(対諜報分野活動)というデータ収集活動があった。TALON(脅威地域監視通告)というデータベースに情報を記録、このデータを分析することで情報活動をモニターし、将来の脅威を見通すのだという。TALONは2007年9月に中止されたとされているが、事実かどうかは不明である。(William D. Hartung, “Prophets Of War”, Nation Books, 2011)



 日本の場合、住民基本台帳ネットワークやマイナンバー制度が個人情報の集中管理に利用されることは間違いない。そのために導入されたのである。健康保険証と一体化させることで健康状態の監視にも利用できる。デジタルID導入の背景には、2015年9月に国連で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」で示された「SDGs(持続可能な開発目標)」がある。



 デジタルIDはチップ化されるが、それを体内にインプラントする計画がある。例えば、​WEFのクラウス・シュワブは2016年1月にスイスのテレビ番組に出演し、そこでマイクロチップ化されたデジタル・パスポートについて話している​。チップを服に取り付けるところから始め、次に皮膚や脳へ埋め込み、最終的にはコンピュータ・システムと人間を融合、人間を端末化しようと考えているようだ。



 人間をサイバー・システムの一部にしようということだろうが、シュワブたちは、そのサイバー・システムにコンピュータ・ウィルスを蔓延させ、「パンデミック」を引き起こそうとしている疑いがある。



 内部告発支援グループの​WikiLeakは2017年3月、CIAによる電子的監視やサイバー戦に関する文書「Vault 7」を公開した​。その情報からCIAと関連機関はサイバー攻撃をした際、さまざまな国を示す「偽の指紋」を残せることが明らかになった。



 CIAにも電子情報活動を行う部門があるが、アメリカにはNSAという電子情報機関が存在、その姉妹組織としてイギリスのGCHQがある。このNSAとGCHQを中心として、アングロ・サクソン系5カ国はUKUSAを組織している。イスラエルの電子情報機関8200部隊はUKUSAと緊密な関係にある。



 この8200部隊は「民間企業」を設立し、情報活動に利用してきた。そうした企業のひとつ、サイバーリーズンは8200部隊の「元隊員」3名によって2012年に設立された。重要なインフラへのサイバー攻撃からの防御を謳っているが、攻撃側ではないかという疑惑があるのだ。



 ジョー・バイデンの再選は困難だと言われているアメリカの大統領選挙が近づいてくるが、その前に送電網や銀行システムが麻痺、あるいは選挙システム自体がハッキングされ、そのまま戒厳令というシナリオも懸念されている。

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賢さと可愛さ(美しさ)は一致するか

いや、下の引用記事は実にどうでもいい話で、私は川勝知事(辞任表明したが、後任が決まっていないから現知事だろう)は好きでも嫌いでもなく、その「リニア反対」には賛成している。赤塚不二夫風に言えば「反対の(に)サンセーイ」である。しかし、人柄はかなり問題ありで、政治家としては不用意な発言が多いようだ。まあ、私も舌禍事件の経験はあるから、ご同輩ではある。
ここに、下の記事を載せるのは、単に面白いからだ。何で、立場の高い偉い人がこれほど素直に、自分の趣味を語ってしまうのかwww 
なお、私は賢いことを言うからきれいに見えるとはまったく思わない。女性の賢いのは「魅力的」だが、それと美醜は別問題だ。それに馬鹿なほうが可愛く見えることも多い。犬や猫や幼児は馬鹿なことをするとかえって可愛い。マリリン・モンローなども出演作品での馬鹿キャラとして人気があったのである。
なお、ここに書いたのは「哲学」のジャンルの話だ。美も賢さも哲学の問題である。


(以下引用)

川勝知事2021「顔のきれいな(女の)子は賢いこと言わないときれいに見えない」

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引用元: https://nova.5ch.net/test/read.cgi/livegalileo/1712266662/

1: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:37:42.58 ID:tHtrwzQz0
「静岡文化芸術大学」の学生について、「8割ぐらい女の子なんです。でも11倍の倍率を通ってくるんですから、もうみなきれいです」とか、「めちゃくちゃ顔のきれいな子は賢いこと言わないとなんとなくきれいに見えないでしょう。ところが全部きれいに見える」などと、女性の学力と容姿を結び付けるような発言をしていました。

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/73151.html
2: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:38:22.19 ID:tHtrwzQz0
知性の高い話と違ってこの話は撤回した模様
4: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:39:18.50 ID:bdcvTILX0
知性は事実だけど顔の良し悪しは個人の感想だからな
5: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:39:31.77 ID:lJaVWbV/0
いい年したおっさんが自分の性癖をベラベラ
6: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:41:22.49 ID:zBH3bFnA0
知識だけはある学者だけれど知能と品性が無い
12: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:48:34.78 ID:YusSD7r90
森喜朗の後継者やな
14: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:49:34.82 ID:q9b+Jkpo0
これ言ってる意味わかる?
18: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:50:52.26 ID:etoqZsvy0
>>14
顔の綺麗な子が喋って頭悪そうだとブスに見えますねって話や
17: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:50:23.12 ID:hGfsyyCy0
顔のきれいな子は何言ってもかわいい
19: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:51:40.34 ID:bslqSI4B0
我が闘争みたいな語録やな
20: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:51:53.87 ID:WtFAId130
これが勝てる静岡ヤバくない?
なんでこんなんが人気あるの?
23: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:53:24.04 ID:KQ2cS/Xa0
>>20
4回当選や
22: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:53:23.92 ID:9MqGEYih0
まあ間違っちゃいないけど公に言うたらあかんやろ
24: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:54:49.86 ID:WfG/axSod
なんかくさそう
とかそういうレベルの話だよな?
26: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 06:56:44.90 ID:FfhaJ6UXH
マジレスすると女は賢い方がブスに見える
31: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 07:01:37.07 ID:9tPWeCL+0
愛知県知事とか名古屋市長ガッツポしてたで
32: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 07:02:26.22 ID:q9UIqTD6r
川勝任期長いから余裕で打線組めそう
35: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 07:03:17.09 ID:f2Wltq7M0
わざとやろこれもう
36: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 07:04:09.49 ID:YVZZjZIXd
ガキの頃からいらんこと言い続けて嫌われてたのがめっちゃ想像できる
29: それでも動く名無し 2024/04/05(金) 07:00:39.53 ID:15mYpTM40
こいつ何時も失言してんな

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言葉と文化

昨夜は、寝る前に恩田陸の「蜜蜂と遠雷」の文庫本下巻を読み始めて、つい10時過ぎまで起きて最後まで読んだのだが、感想は「完璧性に欠ける大傑作」というものだ。これは、文章で音楽を描くという超難事業に挑んだ当然の結果であるが、単純に、雑誌掲載作品だったため、締め切りに追われて執筆に余裕が無かったためではないかと思う。具体的には、或る音楽の楽曲を長編小説にたとえて説明した部分で、ここはまったく説得力が無いと私は感じた。たとえば、ベートーベンの「田園」あるいは「戦争交響曲(ウェリントンの勝利)」、あるいはチャイコフスキーの「1812年」などは小説的な印象も持つだろうが、それは「田園風景」や「戦争の情景」を連想させるだけで、「長編小説」ではない。
それ以外の音楽描写は見事なもので、文章で音楽を描くということをここまで達成した例は稀有だろう。筆者自身が音楽演奏経験者だったことが大きいようだ。

で、この小説の中で、或る「音楽(ピアノ)コンテスト」での上位入賞者と言うか、第三次予選出場者の12人のうち4人が韓国人だったという記述があり、それはおそらく、この作品のモデルとなったコンテストの或る回の事実に即している面もあったのではないかと思う。ピアノを習うことができるというのは「上級国民」の特権であるとすれば、韓国には上級国民層が生まれて育っていたということになる。もちろん、最近の韓国の経済的退潮から見て、その状況が続くかどうかは分からない。(いちいち調べるのも面倒なので、ここに書いたことは、すべて記憶によって書いたいい加減なものである。)

で、今朝目覚めて、まだ早いので枕元に置いてあった、市民図書館から借りてきた「少女小説」とされて出版されたシュトルムの「三色すみれ」の冒頭部分を少し読んだが、文章がですます調の敬体で書かれていて、これは翻訳上の選択の結果だろうな、と思った。原文のドイツ語に常体と敬体の区別があるとは思えないからだ。

そして、ベッドから起きてコーヒーを淹れながら考えたのが、目覚めの時の思考の影響か、「韓国語」のハングル表記は、科学には向いていないのではないか、ということで、これは中国語の漢字表記にも同様のことが言える。つまり、科学は数字を扱う分野だが、オール漢字表記で数字(数学)は扱えないと断定していいかと思う。日本語の表記も同じで、これがアジアで科学が発達しなかった最大の理由だとも考えられるというのが私の説だ。
欧米的に横書き、左から右への表記にすることで、アラビア数字との一体性は出せるが、科学における欧米の「先行者特権」を揺るがすのはかなり困難だろう。植民地同様、文化の面でも「欧米植民地化」が地球全体に広がっているのである。

無理やりに冒頭の記述とつなげるならば、音楽は言語とはほとんど無関係だから、或る種の「世界共通文化」でもあるわけで、文化的後進国でも音楽では先進国と肩を並べられるわけである。ただし、そこには「文化にカネをかけることができる」特権階級(上級国民)の存在が必要になる。





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