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妹(いも)が見し、あふちの花は散りぬべし。
わが泣く涙、いまだ干なくに。 (山上憶良)
「妹」は愛する女性のことで、ここでは亡くなった妻のこと。前半の文末の「~ぬべし。」は、完了の「ぬ」が強意で用いられたものに推量の「べし」が付いたもので、「きっと~だろう。」という意味になります。後半の文末の「~なくに。」は「~ないのに。」の意味。全体では、「亡くなった妻が見た楝(センダン)の花はまもなく散ってしまうだろう。妻を思って流す私の涙はまだ涸れないのに。」という意味になります。この歌は、上司である大伴旅人の妻の死を悼む歌で、憶良が旅人の立場で詠んだ歌です。
妹(いも)が見し、あふちの花は散りぬべし。
わが泣く涙、いまだ干なくに。 (山上憶良)
「妹」は愛する女性のことで、ここでは亡くなった妻のこと。前半の文末の「~ぬべし。」は、完了の「ぬ」が強意で用いられたものに推量の「べし」が付いたもので、「きっと~だろう。」という意味になります。後半の文末の「~なくに。」は「~ないのに。」の意味。全体では、「亡くなった妻が見た楝(センダン)の花はまもなく散ってしまうだろう。妻を思って流す私の涙はまだ涸れないのに。」という意味になります。この歌は、上司である大伴旅人の妻の死を悼む歌で、憶良が旅人の立場で詠んだ歌です。
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