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ハンナ、聞こえるかい

28日の「地球の鉄の時代は終わりブロンズの時代に向かうか?」に載せた動画を昨日は全部見たが、なかなか面白かった。
もちろん、私は英語の聞き取りは苦手なので(書くのはまったく駄目で、読解は一応中卒レベル)理解できたのはたぶん3割から4割程度だと思うが、理解できた範囲でも十分に面白い。英語の得意な人はもちろん、得意でない人もご覧になることをお勧めする。音声は全部英語だが、下に英語字幕が出るので、気になる部分はストップにして字幕を確認するというのもいいだろう。
何人かのスピリチュアル系の人物かと思われる人々が交互に語る合間にさまざまな映像が流れる形式だが、その複数の人物の語りが、まるで一人の人間が語るかのように自然に流れて、心地よいのである。映像も音楽も気持ちがいいから、ヒーリング効果もありそうだ。
私は自分がスピリチュアル系だとはまったく思っていなかったのだが、これを見ると、私とよく似た考えだ、と感じるところが多い。
たとえば、「我々は大きな海の水滴の一つ一つのようなものであり、いわば同一の存在なのだ」という考えは、ネットを通じて同じ考えが共有され、やがて世界は止揚されていく、という私の考えに近い。自我やオリジナリティ、我欲を私が否定的に見ていることは何度か書いてきたはずだ。
この動画の中でも印象に残ったのは、デビッド・アイクの、「すべては選択の問題である。愛を選ぶか、恐怖を選ぶかの」という趣旨の言葉である。
私はこれまで愛という言葉がどちらかと言えば嫌いであった。それは、男女の間では性欲の偽装であり、またあらゆるジャンルの大衆芸術の中で商業的に利用され汚れ切った言葉だ、と思っていたからである。もちろん、スピリチュアル系の人々がやたらに愛という言葉を言うのも気に入らなかった。むしろいかがわしさを感じていたのである。
しかし、我々がそれぞれ大海の水の一滴であるならば、愛はむしろ自然なことである。愛は引力であり、恐怖は斥力だ。水滴と水滴の間には引力しかなく、斥力は無い。
我々は恐怖によって支配されてきた。
恐怖すべきは恐怖そのものであり、それを乗り越えれば、恐怖の支配者のみじめでちっぽけな真の姿が見えるかもしれない。そして、恐怖に満ちた世界より、愛に満ちた世界に生きるほうが幸福であることは言うまでもない。

チャップリンの『独裁者』の最後は、ハンナという恋人に呼びかける愛の言葉であった。
その『独裁者』のラストシーンでのチャップリンの「人類史上最高に感動的な演説」をここに引用しておく。どこのサイトから採ったか失念したが、そのサイトの管理者による訳文も付けておく。




(以下引用)



人類史上最も感動的なスピーチ
JUGEMテーマ:反戦・非戦




I'm sorry but I don't want to be an emperor.
That's not my business.
I don't want to rule or conquer anyone.
I should like to help everyone if possible; Jew, Gentile, black men, white.
We all want to help one another.
Human beings are like that.
We want to live by each others' happiness, not by each other's misery.
We don't want to hate and despise one another.
In this world there is room for everyone.
And the good earth is rich and can provide for everyone.
The way of life can be free and beautiful, but we have lost the way.

Greed has poisoned men's souls; has barricaded the world with hate; has goose-stepped us into misery and bloodshed.
We have developed speed, but we have shut ourselves in.
Machinery that gives abundance has left us in want.
Our knowledge has made us cynical; our cleverness, hard and unkind.
We think too much and feel too little.
More than machinery we need humanity.
More than cleverness, we need kindness and gentleness.
Without these qualities, life will be violent and all will be lost.
The aeroplane and the radio have brought us closer together.
The very nature of these inventions cries out for the goodness in man; cries out for universal brotherhood; for the unity of us all.

Even now my voice is reaching millions throughout the world, millions of despairing men, women, and little children, victims of a system that makes men torture and imprison innocent people.
To those who can hear me, I say "Do not despair."
The misery that is now upon us is but the passing of greed, the bitterness of men who fear the way of human progress.
The hate of men will pass, and dictators die, and the power they took from the people will return to the people.
And so long as men die, liberty will never perish.

Soldiers!
Don't give yourselves to brutes, men who despise you and enslave you; who regiment your lives, tell you what to do, what to think and what to feel!
Who drill you, diet you, treat you like cattle, use you as cannon fodder!
Don't give yourselves to these unnatural men---machine men with machine minds and machine hearts!
You are not machines!
You are not cattle!
You are men!
You have a love of humanity in your hearts!
You don't hate!
Only the unloved hate; the unloved and the unnatural.

Soldiers!
Don't fight for slavery!
Fight for liberty!
In the seventeenth chapter of St. Luke, it’s written “the kingdom of God is within man”, not one man nor a group of men, but in all men!
In you!
You, the people, have the power, the power to create machines, the power to create happiness!
You, the people, have the power to make this life free and beautiful, to make this life a wonderful adventure.
Then in the name of democracy, let us use that power.

Let us all unite.
Let us fight for a new world, a decent world that will give men a chance to work, that will give youth a future and old age a security.
By the promise of these things, brutes have risen to power.
But they lie!
They do not fulfill their promise.
They never will!
Dictators free themselves but they enslave the people!
Now let us fight to fulfill that promise!
Let us fight to free the world!
To do away with national barriers!
To do away with greed, with hate and intolerance!
Let us fight for a world of reason, a world where science and progress will lead to all men’s happiness.
Soldiers, in the name of democracy, let us all unite!

Hanna, can you hear me?
Wherever you are, look up Hanna!
The clouds are lifting!
The sun is breaking through!
We are coming out of the darkness into the light!
We are coming into a new world; a kind new world, where men will rise above their hate, their greed, and brutality.
Look up, Hanna!
The soul of man has been given wings and at last he is beginning to fly.
He is flying into the rainbow.
Into the light of hope!
Into the future!
The glorious future!
That belongs to you, to me, and to all of us.
Look up, Hanna!
Look up!

≪和訳≫

私は皇帝になんかなりたくない。
そんなことは私のやりたいことではない。
私は人を支配したり征服したりするのは嫌いだ。
できれば人の手助けになりたい。
ユダヤ人であれ、キリスト教徒であれ、黒人であれ、白人であれ。
みんなお互い助け合いたい。
人間とはそういうものだ。
人の不幸によってではなく幸せによって生き たい。
お互い軽蔑したり憎しみあったりしたくない。
この世界はみんなのものだ。
地球はすべての人に豊かさを与える。
人生は本来自由で美しい。
しかし、われわれは道を誤った。

貪欲が人の心を蝕んだ。
憎悪が世界を遮断した。
人を機械人間にして悲惨な戦争と流血に巻き込む。
生活は効率的になったが、みな殻に閉じこもってしまった。
豊かさを与えるはずの機械は欠乏を生み出した。
知識は人を皮肉屋にしてしまった。
賢さは堅苦しい不親切を生み出した。
人は考えるばかりで、感じることをやめ てしまった。
われわれには機械よりも人間性が大切だ。
賢さよりも親切心や優しさが必要だ。
これがなければ人生は暴力に満ち溢れ、すべてが失われる。
飛行機やラジオのおかげでお互い身近になった。
これらの発明はまさに人間性を求めている。
普遍的な兄弟愛、そしてみんなが一体となることを求めている。

私の声は今でも世界中の人たちに届いている。
数百万の絶望した男性、女性、子供たち、そして人を苦しめ無辜の人たちを投獄する社会の犠牲者たちが聞いている。
私の声が聞こえる人たちに言う、「絶望してはいけない。」
今降りかかっている不幸は一時的な貪欲と、人間の進歩を恐れる人たちの恨みによるものである。
人間の憎悪は永遠ではない。
独裁者は必ず死ぬ。
そして人民から奪った権力は人民に返される。
人間が死を免れない以上自由が滅びることは決してない。

兵士よ!
野蛮人に身をゆだねてはならない。
彼らは君たちを軽蔑し、奴隷にし、統制し、ああせよ、こうせよと命令して考え方も感じ方も鋳型にはめてしまう。
君たちは猛訓練にあけくれ、減食させられ、牛馬のごとく扱われ、間に合わせの人間にされてしまう。
このような非人間を信じてはならない。
機械の心を持った機械人間は信用できない。
君たちは機械ではない。
家畜でもない。
人間だ!
君たちの心は人間性を求めている。
憎悪することではない。
憎悪するのは愛をなくした人間だけだ。
愛をなくした者と非人間だけが憎悪するのだ。

兵士よ!
奴隷になるために戦ってはならない。
自由のために戦おう。
ルカ書十七章にこうある、「神の王国は人の心の中にある。」
人の心とはみんなのことである。
君のことである。
君たち民衆こそが権力を持っているのである。
機械を作る権力。
そして、幸せを作る権力を。
君たち民衆こそがこの世を自由に美しくする力、この人生をすばらしい冒険にする力を持っているのだ。
今こそ民主主義の名においてその力を行使しようではないか。

みんなで団結しよう。
新しい世界を作るために戦おう。
人に労働のチャンスを与え、若者に未来を与え、老人に安全を与えるまともな世界を作るために。
独裁者はこういう約束をしながら権力を握った。
しかし、彼らはうそつきだ。
約束を守らない。
絶対に守らない。
独裁者は自分自身を自由にするが民衆を奴隷にしてしまう。
さあ、約束を果たすために立ち上がろう。
世界を開放するために立ち上がろう。
国家間の壁を打ち破るために。
さらば、欲と憎悪と非寛容!
科学と進歩がすべての人を幸せに導く理性の世界を作るために立ち上がろう。
兵士よ!団結しよう!民主主義の名の下に!

ハンナ、聞こえるかい。
どこにいてもいい、空を見上げるんだ、ハンナ!
雲が晴れていくのが見えるだろう?
太陽が輝き始めた。
われわれはようやく闇から抜け出し光の中にいる。
新しい世界に入ったのだ。
人間が憎悪、貪欲、残忍を克服した優しい新世界に。
見上げてごらん、ハンナ!
人間の魂が翼を持ち飛び立とうとしているんだ。
ほら、虹の中に飛んでいく。
希望の光の中に!未来の中に!
この輝かしい未来は君のものだ。
私のものだ。
そして、みんなのものだ。
いいかい、ハンナ、見上げるんだ。













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地球の「鉄の時代」は終わり、「ブロンズの時代」へ向かう?

「ハートの贈り物」というところに載っていた動画である。
長いのでまだ最初の10分くらいしか見ていないし、私は英語の聞き取りが苦手なので、言われたことの10分の1しか理解できないが、なかなか面白そうなので転載しておく。
要するに、アセンションはさりげない形で起こったのではないか、という私の妄想を補強するような内容に見えるから、我田引水のために転載するわけだ。(笑)
だからと言って、私が「あっち側」つまり、チャネラーとか神秘思想家の側に行ったわけではない。私は、易の話などもするが、「完全に否定されていないことは存在する可能性がある」という信条であるだけで、まずは現実を実際に変えていくことが大切だと思っている点では大多数の現実主義者と同様である。
ブログを書くことも、一つの「怠惰な社会改善活動」のつもりなのである。まあ、趣味や娯楽として書いているというのが半分だが。












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牢獄の中で味わう自然

「内田樹の研究室」に素晴らしい文章が引用されていたので、それを転載する。
ある政治犯であった人物が、かつての獄中体験の一部を語ったものだが、これがまるで散文詩なのである。実に美しい文章だ。
後の方に内田樹の訳も載せるが、中学三年生から高校一年生くらいでもだいたいは読める平易な英文であり、英文で読む方が美しさをより感じられると思う。意味の分からない単語が出たら、辞書など引かず、前後関係からだいたい推測できる言葉を当てはめればいいのである。





(以下引用)



2012.12.26


朴聖煥先生のこと




I have been in the prison for 13 and half years as a political prisoner.
When I was first imprisoned, I was cast in a tiny solitary cell for the first six months without being permitted even a book to read. I was hungry and so lonesome.
But the greatest hardship I met with in prison was that there was no music there. But later on I came to know that music was there. In summer, when it began to rain at a distance, first came the smell of dust and then the sound of rain. It came nearer and nearer to my attentively listening ears. The sound became bigger and bigger and bigger. And suddenly the rain began to pour down and drummed violently on the tin-roofs of the old prison buildings. Then there were the sound of the water gushing out of the gutters and the creaks of the iron bars and the gates. Throughout the prison there was a flood of music. And suddenly the lightening came running across the sky and the thunder a little later, making the musical performance more dramatic. What a spectacular music it was!

In the yards and in every nook and cranny there grew various kinds of plants. Even out of the cracks on the high concrete fence there were living tiny wild plants. They had their four seasons. In spring, they awoke and raised their green fists. In summer, they boasted of their exquisite flowers. In autumn, if a careful observer, you could watch how they were busy with the harvest. And in winter, the thin dry stalks of wild plants, high up on the top of the concrete wall, were waiting for the spring to come enduring steadfastly the piercing north wind.
The winter in prison was terribly cold. There were no stoves, no heating system whatsoever. The temperature in the room was almost the same as that of the outside of the building. If you put a bowl of water in your room, you would find a lump of ice in there in the morning. In the freezing night I was cold and lonesome. Yet my consciousness became so still and so concentrated and my senses so keen and vulnerable. My breathing became silent prayers. When there was a full moon in the cold sky, the moonlight flooded in through the small window of my cell and painted blue waves of the ocean on the opposite wall. I arose and tiptoed to look out at the trees in the yard. In the moonlight they were thrilling with joy as well as with cold, just as I was. I said ‘Hi’ to them in a low, quiet voice and they returned ‘Hello’ in a shy motion, we could have long consoling talks with each other.
But, alas! Since I was released, I have lost that stillness in the routine of daily life.



























私は政治犯として13年半獄中にありました。
私が最初に投獄されたとき、私は六ヶ月間狭い独房に放り込まれました。そこでは一冊の本を読むことも許されませんでした。私は飢えて、そして孤独でした。
監獄にいていちばんつらかったことはそこに音楽がないことでした。けれども、やがて私はそこにも音楽があること知りました。夏になって、遠くに雨の気配がした時のことです。最初は埃の匂いがして、それから雨音が聞こえたのです。雨音は聞き耳を立てている私の耳元までしだいに近づいてきました。音はしだいに大きく、大きく、大きくなりました。そして突然雨が降り注ぎ始め、古い獄舎のトタン屋根を荒々しく叩き始めたのです。雨樋を流れ落ちる水音と鉄格子と鉄の扉をきしませる音が響き渡りました。次いで稲妻が空を切り裂き、少し遅れて雷鳴が轟き、この音楽の演奏をさらに劇的なものとしたのです。なんとみごとな音楽だったことでしょう!

庭にも隅にも割れ目にもさまざまな種類の植物が繁茂していました。高いコンクリート壁の亀裂からさえ生命力あふれる野生の植物が生えてくるのです。植物たちにはその四季があります。春には、植物たちは目覚め、その緑の拳を突き上げます。夏には見事な花を誇らしげに咲かせます。秋には、子細に観察すれば、彼らが収穫に忙しい様子が見て取れるはずです。そして冬になると、その細く乾いた茎は、コンクリート壁のはるか上で、刺し通すような寒風にしっかりと耐えながら、春の到来を待つのです。
冬の監獄は恐ろしい寒さでした。そこにはストーブも、およそ暖房器具に類するものは何一つありませんでした。室温はほぼ外気温と同じでした。ですから、室内の器に水を張っておくと、翌朝にはそれが氷の塊になっているのです。凍えるような夜、私は冷え切って、ひとりぼっちでした。しかし、私の意識は鎮まり、深まり、五感はひりひりするほど鋭敏でした。私の息づかいは沈黙の祈りに似たものとなっていました。寒空に満月が浮かぶと、月光は独房の小さな窓を通して獄舎のうちに溢れかえり、反対側の壁に大海原の青い波を描き出します。私は起き上がり、つま先立ちになって庭の木々を眺めました。月光を浴びた木々は喜びと寒気で震えていました。私もそうでした。「やあ」と私は低い、静かな声で彼らに呼びかけました。「やあ」と彼らははずかしそうに身をよじって返答してくれました。そんなふうにして私たちは長い間、心を慰めるおしゃべりを交わしたのです。

しかし、何と言うことでしょう!あの静けさは釈放されてから後、日々の生活の営みにまぎれているうちにかき消えてしまったのでした。







(追記) 私自身の英語力が中学生レベルであることは何度か言っている。先ほど、MIKEという人から英文のコメントが届いたが、内容がほとんど理解できないので非公開にさせてもらった。





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クリスマスは人が少し優しくなれる日

このブログを読んでくださっている皆さんへのクリスマス・プレゼントである。
この前から、今後の世界のキーワードは「ほんの少しの優しさを」あるいは「ほんの少しだけでいい」ということにしようと勝手に決めているのだが、これは昔聞いたオーティス・レディングの「Try a little tenderness」が私の深層心理の中から浮かび上がってきたのだろう、というわけでその歌をユーチューブから拾って転載する。
最初にCMが入っているのがウザいが、ステージ版よりレコード版の方がこの歌に関しては優れているので、レコード版と思われるこの動画にした。
ディケンズの『クリスマス・カロル』も、いわば「ほんの少しの優しさで世界は変わるよ」、という話と読めないこともない。クリスマスは、世界中がそうした優しさに包まれる日だと考えれば、無神論者でも大いにクリスマスを祝っていい。
なお、後でもう一つ動画を追加する予定である。







「ポップス名詞撰30」より(解説文章および訳は夢人による)


22 「少しの優しさを」(「トライ・ア・リトル・テンダーネス」)

Try a little tenderness

She may be weary
Woman do get weary
Wearing thethe same shabby dress
And when she is weary
Try a little tenderness
(彼女は疲れている
女は本当に疲れるものだ
いつも同じ着古したドレスを着て
そして彼女が疲れている時には
少し優しくしてあげなさい)

You know she is waiting
Just anticipating
Things she may never passes
While she‘s without them
Try a little tenderness
(彼女が待っているのは分かるだろう
期待しているんだ
それ無しではいられない物を
彼女が持たない時には
少しの優しさを見せてやりなさい)

It‘s not just sentimental
She has her greef and care
And a word that‘s soft and gentle
Makes it easier to bear
(それはただセンチメンタルなことじゃない
彼女には自分の苦悩や心配事がある
そして優しく親切な一つの言葉は
それらを耐え易くする)

You won‘t regret it
Woman don‘t forget it
Love is their whole happiness
It‘s all so easy
Try a little tenderness
(君はそれを後悔はしないさ
女は君がしてくれたことを忘れない
愛は彼女たちの幸福のすべて
それは本当に簡単なことなんだ
少しの優しさを試してごらん)


1933年のテッド・ルイスとかいう歌手のヒット曲だが、ほとんどの人は知らない歌だろう。ただし、オーティス・レディングのカバー曲で知っている人もいるかもしれない。
オーティス・レディング版では、第二連の意味不明の「thethe same」が「that same old」となっていたような気がする。辞書を引いても「thethe」なんて語は出てこないから、これはこの歌詞を拾ったインターネットサイトの誤記だろう。
ポップスの歌詞としては珍しく、男女の恋愛ではなく、一種の博愛をテーマとしている。
それも、仰々しい博愛行為ではなく、「少しの優しさを」というところがいい。我々の社会生活の軋轢のほとんどは、この「少しの優しさ」で解決できるところを、それぞれの「少しの強欲」が逆に増幅している気がする。歌に社会改革の力を求めるつもりはないが、案外と、こうした歌が心に残って、何かの影響を社会に及ぼすこともあるのではないだろうか。




その2

「小さな」「少しの」つながりで、バート・バカラックの「Pray a little prayer for you」がうまく使われた「My best friend's wedding」中の私の好きな場面を、同じくユーチューブから拾って転載する。この映画は音楽の使い方が実に私好みで、楽しい映画であった。ジェローム・カーンの「今宵のあなた」が出てきた時には、驚いたものである。まあ、主人公の女の自己中ぶりがうんざり、という人も多いだろうが、そういう話なのだから、これでジュリア・ロバーツを嫌っては可哀想である。なお、ネタバレだが、ジュリア・ロバーツとダンスをしている男は、実はホモであり、彼女とは友情関係なのである。彼女の暴走を引き止め、救う役柄だ。ここでも「少しの優しさ」がすべてを救うということである。
もしもクリスマスに見る映画に迷っているなら、ディズニーの実写・アニメ融合映画の『魔法にかけられて』などがお勧めである。あの中の公園での楽しい群舞シーンだけでも、見る価値はある。もちろん、全体に楽しい映画であり、クリスマスは感動映画か楽しい映画に限る。

*動画そのものを貼る予定だったが、指定の場所に動画が来ないので、動画のアドレスだけ貼っておく。

http://www.youtube.com/watch?v=4Jjedn__Wxk&feature=player_detailpage




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希望は希望に満ちている

徽宗皇帝のブログにも書いたが、選挙期間内のネットでの選挙活動を禁じた公職選挙法のために、しばらくは選挙関係の記事は自粛である。そういうように自粛させ、国民を萎縮(おっ、「自粛」と「萎縮」で洒落になった!)させるのが政治権力の狙いであり、たとえば国政選挙の供託金制度によって貧乏人が最初から政治に関与できないようにされているように、日本は様々な手段で国民が政治から遠ざけられているのである。

私の持論は、国民が日常的に政治について快活に語れるようになった時に、政治自体の次元上昇が起こる、というものである。つまり、党派や思想の違う人間同士が政治論争をしても、それで人間関係が壊れることは無く、むしろそれで楽しい時間を過ごせた、という快さが政治議論に欲しいということだ。
これも何度か書いているが、「床屋政談」でいいのである。床屋政談こそ民主主義の土台であり、政治が専門家やインテリだけの専有物では民主主義の真の実現など永遠に不可能だ。
私の理想は、これも何度か書いているのだが、子供のころに読んだ『小公子』の世界である。この中に、アメリカの初期民主主義の理想的状態が描かれている。無学な雑貨店店主の老人(中年か?)と、まだ10歳かそこらのセドリックが大真面目に政治を論じるのである。
私には、これが政治の理想像だと思える。
その逆の例が「鼓腹撃壌」の話だ。ここでは、平和な世の中に満足した庶民が、それが為政者のお陰であることにも気づかず、「政治など俺に何の関係がある」と嘯き、それを見た為政者が、それで良い、と微笑むのだが、これは「民は依らしむべし。知らしむべからず」を象徴しており、国民が主体的に政治を決めていく民主主義の対極である。
国民主権や民主主義は実現不可能なファンタジーである、という考えもあるが、私はそういうペシミズムは採らない。

これも何度も書いているように、「絶望の虚妄なること、希望に相同じい」(魯迅)なのであり、希望も実は虚妄ではあるかもしれないが、同じ虚妄でも絶望よりは生産的で、「希望は希望に満ちている」(笑)のである。
まあ、それでうまいことを言ったつもりか、という幻聴も聞こえるが、「最後まで耐え抜いた者は救われる」(ドストエフスキー)と信じたい。もっとも、この言葉も「最後まで耐え抜いたならば、それが救われていることは自明ではないか」と言われればそうなのだが、言葉というものは意味や論理だけに価値があるのではない、ということもしばしば言ってきたことである。






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日本政界の今後と易

今朝の記事「水を得たオリーブの木」の補足と訂正をしておく。
私が易で占って「木」と「水」がキーワードだ、と出たのは去年後半の日本の政治について占ったものだった。だが、まあ、「日本の政治の今後」という卦として出たといい加減に解釈しておこう。卦は「風水渙」で、易では風は木をも意味する。つまり、「木と水」である。
再掲載しておこう。
もう一つ、現在の状況とつなげて言えば、「王中に在るなり」が、小沢が「日本未来の党」で黒子になることを意味していると解釈できる。
まあ、すべてこじつけだが、なかなか面白いのではないか?



(以下、昨年6月末の記事)


今年後半の日本を占う


私は趣味で易占をやっているので、未曽有の大危機にある日本の今年後半を占ってみた。

卦は「風水渙・三爻」と出た。

「渙」とは水が風に吹き散らされる様子だが、そのように大きく物事が変化していくことだ。
卦の言葉は「渙は亨る。王有廟に仮(至)る。大川を渡るに利あり。貞(正)しきに利あり」となっている。
仮の字を「いたる」ではなく「借る」と読めば、まさしく「菅」総理が総理の座を仮に拝借しているという今の状況そのものである。つまり「渙=菅」。有廟とは朝廷のこと。
卦の爻というのがあって、補足的な説明になっているが、爻は六三で、その言葉は「その身を渙す。悔無し」というもの。
ここで「渙=換」と考えれば、菅総理が本来の総理となるべき人物に自らの地位を譲り渡せば、すべてが適正に治まる、ということになる。
彖という説明文によれば「王有廟に至るは、王すなわち中に在るなり。大川を渡るに利あるは、木に乗りて功あるなり」とある。
水に関係のあるのは「小沢」だろうが、「木」に関係のある人物がこれからのキーパーソンになるかもしれない。
いずれにしても、日本はこれから良い方向に変わっていきそうだ。
良かった良かった。
まあ、私というへぼ易者の占いによればだが。

易で遊ぶというのは、こういうふうにこじつけを楽しむということで、おおげさなものではない。



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黎明への挨拶

なぜかしら、昔読んだ詩の一節を思い出したのだが、その正確な内容をネットで調べると、これがデール・カーネギーの本に引用されたものであったことが分かった。もちろん、私自身デール・カーネギーのその本で読んだのだろうが、訳し方が私の記憶の中のものとは少し違う。
詩はインドの作家カリダサ(カーリダーサ)の「黎明への挨拶」である。その後半部分が特に好きなのだが、現在の訳は今一つ好きになれない。
もうほとんど覚えていないので、現在の訳を元に、私が少し変更したものを先に書き、その元になったものを後に転載することにする。





「黎明への挨拶」後半


昨日は夢にすぎない。
明日は幻でしかない。

だが精一杯に生きた今日は
すべての昨日を幸せな夢に変え
すべての明日を希望に満ちた幻とする。

だから、今日という日を見つめよう。
これが私の黎明への挨拶である。












(参考とした訳)


昨日は夢にすぎず
明日は幻でしかない
精一杯に生きた今日は
すべての昨日を幸せな夢に変え
すべての明日を希望の幻と化す
だから目を開こう、今日に向かって!
黎明への挨拶はこれだ。




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HN:
酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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