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未来社会を空想する

前にも転載したと思うが、「ババ・バンガ」の予言は、荒唐無稽なものと同時に、実現可能性が高いものが含まれており、特に科学的事件に関しては、あと100年くらいの間で実現されるものが多いのではないかと思う。それらの中から、私が、実現時期の予言だけを変更して想定してみる。

1)地球の軌道が変わる。(2023年)→これは、大昔から変わり続けていると思う。それが地球の気象に大きな影響を与えているのは、一人の人間が生きている間くらいでは分からない。
2)新エネルギーの発見。飢餓の克服。(2028年)→この両者にはタイムラグがあるだろう。前者は2020年代に発見されるだろうが、飢餓の克服は2050年ころになる。
3)金星への有人宇宙船(2028年)→火星への有人宇宙船が先。2100年ごろ。
4)極地の氷が溶け、水のレベルが上がる。→地球はしだいに太陽との距離が離れていくので、起こらない。
5)すべての身体器官が人造肢体や人造臓器で置き換えられることが可能になる。(2046年)→この予言は当たりそう。時期もこのくらい。
6)人工太陽(2100年)→地球の寒冷化が問題となるのが2050年くらいからと見て、「人工太陽」計画もそのころから検討されるなら、2100年ごろにそれが実現してもおかしくない。その「人工太陽」は、単に太陽の光を中継して地球に送るものか、原子力を利用したものか、それ以外のものか、いろいろ考えられそうである。
7)人間のロボット化、アンドロイド化(2111年)→これも当たりそう。脳以外は機械化された人間が出現する。ただし、そうなることを志願するのは、最初は身体障碍者がほとんど。最初は、脳というよりは、頭部だけが人間で、後は機械、という形になるかと思う。
8)火星のコロニーの反乱(2183年)→その前に、火星移住計画が2110年から実行され、2150年には火星移住第一陣が火星に到着する。火星コロニーの「独立宣言」や反乱もあるかもしれない。
9)海のコロニー(2195年)→2040年ころから小規模なものは実験的に行われ、2100年ごろには小さな都市レベルのものが南太平洋を中心に多数できる。その前に、「気象操作」も実現され、台風はほとんど生じなくなる。
10)地球寒冷化の進行(2201年)→熱帯でも冬は雪が降るのがふつうになり、温帯は亜寒帯、亜寒帯は寒帯となる。このころから、ドーム都市が増えてくる。


まあ、ほかにも、人類の生活を大きく変えるような発明や発見はあるだろう。老化を止める方法が発明される可能性も高いと思う。出生は人工授精が普通になるのではないか。DNAに問題のある精子や卵子は最初から「受精資格無し」である。子供は家庭ではなく、政府施設で育てられる。まあ、このあたりは、ハックスレーの「素晴らしき新世界」の予言が当たると思う。
酒、煙草は無くなり、それに代わる「健康な麻薬」が一般的になるだろう。病気の大半は存在しなくなるのではないか。生産的な仕事はほとんど機械化され、人類の大半は遊んで暮らすことになる。体もほとんど人工肢体か機械化されるので、スポーツをやるのは馬鹿かキチガイだけになる。娯楽は麻薬だけである。文学的な娯楽も死滅する可能性は高い。麻薬による幻覚と興奮を楽しむことが一番の娯楽になる。
どうも、ユートピアなのかディストピアなのか、よく分からない未来である。
働く必要は無いが、遊ぶのもつまらない、という世界では、人はどう生きればいいのだろうか。



(以下引用)

ババ・バンガの予言

2011.10.29




盲目の予言者と呼ばれるババ・バンガはブルガリアで生まれ、12歳のとき竜巻で視力を失った。16歳のときより予言を行い、その予言を求めてヒトラーを含む多くの政治家が訪れたという。予言のビジョンは別の次元の生物から与えられるとのことだ。1996年に亡くなった。

彼女の予言の中でも特に有名なものは911のことを表していると思われる次の一節である。
「恐怖!恐怖!アメリカの兄弟は鉄でできた鳥に攻撃され崩壊する。ブッシュ(やぶ) の中から狼が吠えている。多くの無実の血が流される。」
アメリカの兄弟がツインタワー、ブッシュはブッシュ大統領を意味していると言われている。この予言は1989年のものである。

以下に彼女の具体的な予言を記載しておく。(下記のサイトの予言をそのまま翻訳した。またすでに過去となったものもあるがそのまま掲載しておく。)

http://www.theastralworld.com/prophecies/babavanga.php

バンガの未来の予言

2008年:4人の元首が暗殺を計画され、インドネシアで紛争が発生する。これが第3次世界大戦の原因の1つとなる。(これは「インドネシア」ではなく「インド」が間違って訳されたのではないかいう人たちも多いようです。)

2010年:第三次世界大戦は2010年11月に始まります。それは、核兵器と化学戦争に進行します。バンガは戦争が2014年10月まで続くと述べています。

2011年:戦争の結果として、放射能により北半球のほぼすべての生活が破壊されます。残りのヨーロッパ人は化学兵器を使用するイスラム教徒からの脅威に直面することになります。

2014年:戦時中の化学物質と核兵器の別の結果、世界中で皮膚癌や皮膚病が蔓延するでしょう。

2016年:ヨーロッパは、ほぼ無人となります。

2018年:中国は新しい超大国なります。搾取者が搾取されます。

2023年:地球の軌道が変わります。

2025年:ヨーロッパは依然過疎の常態です。

2028年:新エネルギー源が発見されます。飢餓が克服されます。金星に向けて有人の宇宙飛行が出発します。

2033年:極地の氷冠が溶け、世界の水のレベルが上昇します。

2043年:経済は良好です。イスラム教徒がヨーロッパを動かすこととなります。

2046年:すべての身体器官が簡単で一般的な方法で再現可能となります。

2066年:アメリカが、気象兵器をイスラム教徒に使います。

2076年:共産主義が処理を引き継ぎます。

2084年:自然が生まれ変わりました。(??)

2088年:新しい病気は人を数秒で老いさせます。

2097年:ファーストエイジング病が治療されます。

2100年:人工太陽が地球の暗がりを点灯します。

2111年:人々はロボットになります。それはおそらくアンドロイドのようなものです。

2123年:小さな国間の戦争が起こります。大きな国はそれに手を出しません。

2125年:宇宙からの信号はハンガリーで受信されます。

2130年:エイリアンの助けを借りて、水中で生活する文明が生まれます。

2164年:動物が半分人となります。

2167年:新宗教。

2170年:大きな干ばつ。

2183年:火星のコロニーが核保有国になると地球からの独立を要求します。

2187年:2つの大きな火山噴火の停止が成功します。

2195年:海のコロニーがエネルギーと食糧を持つことになります。

2196年:アジア人とヨーロッパ人は完全にミックスされま​​す。

2201年:太陽の熱プロセスが遅くなると気温がぐっと下がります。

2221年:地球外生命の探索で、人間は恐ろしい何かに遭遇することになります。

2256年:宇宙船は地球に新たな病気をもたらすでしょう。

2262年:惑星の軌道が徐々に変化します。火星は、彗星に脅かされるでしょう。

2271年:物理学の法則が変更されます。

2273年:白人、黒人と黄色人種が1つの新しい人種を形成します。

2279年:電源が無から得られることになります。(おそらく真空またはブラックホール。)

2288年:タイムトラベルが可能になります。エイリアンの遭遇があります。

2291年:太陽が一段と涼しくなり、再びそれが熱くなるよう試されます。

2296年:太陽で強力な爆発があり。重力が変化します。古い宇宙ステーションや人工衛星が落ちてきます。

2299年:フランスでは、イスラムに対する抵抗運動が大きくなります。

2302年:宇宙の重要な法則と秘密が明らかにされています。

2304年:月の秘密も明らかにされます。

2341年:恐ろしい何かが宇宙から地球に近づいていきます。

2354年:人工太陽の事故で干ばつになります。

2371年:世界の飢餓。

2378年:急成長している新しい人種。

2480年:2つの人工太陽が衝突し地球を暗闇にします。

3005年:火星との戦争により地球の軌道が変更されます。

3010年:彗星が月に衝突します。地球は岩石や灰のリングで囲まれます。

3797年:地球上のあらゆるものが死んでしまいます。しかしこのときの人間の文明は、新しい星系に移動出来るほど進んでいます。

3803年:少しずつ新しい恒星系に移住が始まります。人々はお互いが合うことが少なくなります。新しい惑星の気候は、人々の生物影響を与え変異することになります。

3805年:食料を求め戦争が起きます。半分以上の人が絶滅します。

3815年:戦争が終わります。

3854年:文明の発展は事実上停止します。人々は獣のように生きることになります。

3871年:新しい預言者が宗教、道徳的価値を人々に伝えます。

3874年:新しい預言者が人口のすべてのセグメントからの支援を受けています。新しい教会を組織します。

3878年:教会と一緒に再訓練されます。新しい人々は科学を忘れます。

4302年:新都市は世界で成長している。新教会は、新しい技術と科学の発展を奨励しています。

4302年:科学の発展により、科学者は生物のすべての疾患に影響するものを発見します。

4304年:どんな病気も克服できる方法を見つけます。

4308年:突然変異により、人はついに自分の脳の34%以上を使用し、完全に悪と憎しみの概念が亡くなります。

4509年:人は最終的に神と通信できるレベルに達します。

4599年:人々は不死を達成します。

4674年:文明の発展はピークに達しています。別の惑星に住む人々の数は約3400億人となります。エイリアンとの同化が始まります。

5076年:境界宇宙。誰もが知らないもの。

5078年:人口の約40%が反対するのですが、宇宙の境界を去る決意をします。

5079年:世界の終わり。


予言の内容としては荒唐無稽とも言え想像が難しいものも含まれる。また、それぞれの予言は科学的なものも含まれており、本当にこの内容の予言を1911年生まれのバンガが行ったのかどうかについては疑問が残る。

しかしながら、奇しくも2011年の放射能汚染を予言していることは単なる偶然なのだろうか?
時々思うことなのだが、未来はそれぞれが少しずつ違う世界にいくつにも枝分かれしており、予言者はそのうちのひとつのビジョンを見ているのかもしれない。故に完全な予言というものは不可能なのであるが、微妙にずれた世界が実現されることとなるのかもしれない。



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「運命の人」www

別のブログに書いたものだが、長年の疑問に解答が出たような気がするので、ここにも掲載しておく。結婚の「守操義務」というのは軽いものではない、と私は思っている。不倫は家庭を崩壊させるものだし、不倫するなら結婚している意味はない。一生独身で、いろんな男や女と関係していればいいだけである。




若い女性が不倫に至る心理を推測する 2017/01/28 (Sat)
私は昔から、若い独身女性が既婚男性と不倫をする神経が理解できなかったのだが、要するに、自分に都合のいい理屈をつけて自分自身を納得させるのだろう。
実際には

1)セックスしたい、あるいは恋愛したい。
2)手ごろな独身男性が身近にいないか、いても魅力がない。
3)低レベルの独身男性と交際して結婚に至るのは嫌。
4)でもセックスはしたい。恋愛はしたい。
5)ほどほどに魅力がある既婚男性で、金はあり、地位もあるなら、セックスしても安全そう。嫌になったら別れたらいいし、結婚を迫られることもないし、奢ってくれそう。
6)奥さんより自分がいい、と思われるのは優越感をくすぐる。
7)いざとなれば、不倫関係をばらすと相手を脅迫して金を搾り取ることもできる。

といったもろもろの要素があるのだが、そういう「自分が最低の人間である」ことを示す要素は心の表面には浮かんでこない。つまり、精神分析で言う「自己防衛機制」である。
で、その代わりに持ち出される都合のいい理屈が

1)相手が私を深く愛しているし、私も愛しているのだから、不倫も仕方がない。
2)それはつまり、相手は私にとって「運命の人」なのだ。

ではないか。




            
2016年10月12日

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有能性とモラル

脳学者の池谷裕二のウェブ記事の一節である。彼の著作は一冊しか読んでいないが、彼の文章の引用はネットで時々見る。どれもたいていは面白い。

昔から、渋滞時に(法律違反であるところの)路側を強引に走って渋滞を抜けようとする車には外車や高級車が多い、という事実は指摘されている。
つまり、「社会的地位が高い人ほどモラルは低い」わけだが、なぜそうなるかは簡単な話で、資本主義社会では基本的にモラルが低い人間ほど社会的地位が上昇しやすいからだろう。

つまり、どんな手段を使っても出世してやる、という人間は、モラルに反する行動をしてまで出世したくない、という人間より出世しやすいのは当然の話で、また後者は、出世欲が無い代わりに真面目に働く(つまり、勤労モラルがある)わけだから、下に置いておいたほうが、上の人間にとっては使いやすいわけだ。逆に、組織としては、モラルに反する行動のできない人間は「使えない」という場面も出てくるから、そうした人間を重要なポストにつけることは組織にとっての「不利益行動」になる。
悪人にはできない行動は無い(道徳にかなった行動も、必要ならできる)のに対して、善人にはできない行動だらけなのである。もっとも、悪人でいることは強い精神力が必要でもあるから、誰でも悪人になれるわけではない。兵隊が一人死んだくらいで泣くような将軍の下では、作戦遂行などできないだろう。会社経営だって同じようなものだ。組織である限りは、「人間が道具化する」ことが要請されるし、道具がモラルを持っていては困るのである。
まあ、人の命を救うのが使命の病院だって、患者が死ぬたびに医者や看護婦が泣くわけではない。つまり、「人間であることを捨てる」ことが、有能な道具の使命なのである。

もっとも、有能な人間はすべてモラルが無い、とか、無能な人間はすべてモラルが高い、と言っているわけではまったくない。私は無能だから、無能者の自己弁護でいい気分になっている、というところは確実にあるはずだ。つまり、それが脳の基本性質の「自己防衛本能」なのである。

モラルとは、人工的なものであり、弱者を強者から守るという面が強い。まあ、弱虫の私でも、原始時代に生まれていたら、他の原始人と食物を奪い合って殺し合いをするのにやぶさかではない。ただ、文明世界にいるかぎり、個々人がモラルを守らないと文明社会の崩壊につながるだろう。物質文明は栄えるかもしれないが、精神文明は滅びる。




(以下引用)


社会的地位が高い人ほどモラルは低い?

最後に「上流階級バイアス」を紹介しましょう。簡単にいえば「金持ちはマナーが悪い」という傾向です。


意外にも思いますが、これもまた認知バイアスの一つです。これを証明したのがカリフォルニア大学のピフ博士らです。原著論文には、これを支持する実験証拠を七つ発表しています。ここでは三つ選んで紹介しましょう。


まずピフ博士らは運転マナーについて調査しました。車のレベルが社会的ステータスを反映していることはよく知られています。博士らは、車のランクを高級車から大衆車まで五つに分類し、階級別に交通規則をどれほど守っているかをモニターしました。


すると、横断歩道で手を上げている歩行者を待たずに通過してしまう確率は普通車35%のところ、高級車は47%であることがわかりました。また、交差点で相手の車を待たずに割り込む率は普通車12%のところ、高級車は30%と2.5倍にもなったのです。


次にピフ博士らはボランティア参加者を集めた実験を行いました。たとえば、参加者に面接官になってもらいます。就職希望者とうまく交渉しながら採用者の給料を決定するのです。この際、重要な事実があります。志願者は長期的で安定した職を求めていますが、実は、今回の採用ポジションは近々廃止予定なのです。さて、面接官は志願者にこの不都合な真実を告げるでしょうか。


実験の結果、下流階層の人は素直に事実を告げて志願者と交渉する傾向が強かったのですが、社会的ステータスの高い人は事実を隠したがることがわかりました。「あとから状況が変わったことにすればよい」という作戦でしょうか、ともかく騙してでもいいから、自分に有利に交渉を進めるわけです。


ピフ博士らが最後に行った実験が、もっとも象徴的です。「自分は社会的地位が高い」と思って行動をしてもらう実験です。すると、下流階級の人でも貪欲さが増し、非道徳的な態度になります。つまり、モラルの低さは生まれつきではなく、その地位が作ったものだと言えそうです。


さらに面白いことは、「金欲があることは悪いことでない」と付け加えると、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」はどこへやらで、下流階級者の尊大ぶりは、実際の上流階級よりもひどいものになりました。


単に有頂天で「天狗になっている」のか、あるいは、普段受けている仕打ちへの腹癒せなのかはわかりませんが、醜悪な心理を、見事に浮き彫りにした実験結果だと言えます。

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組織が必然的に持つ人間疎外

これを読んだ大半の人は、ひどいブラック企業だなあ、と思うだろうし、私もそう思う。
だが、仮に私がこの企業の経営者や幹部社員だとしたら、「自分の子供が大怪我をしても休まない」と答える求職者や、そもそもそうなる可能性の無い、独身の人間を優先的に採用するのではないか、という気もする。
それがつまり「組織悪」というものであり、組織が求める目的は、たいていの場合、他の人道的な選択肢より優先されてしまうのである。企業の場合、目的は、利益を得ることであり、利益を得ることの障害になる要素はどんどん排除される。
それを人間疎外、と言ったのはマルクスだっただろうか。

もちろん、組織の中にあってこそ人間関係が深まる、ということもあるだろう。たとえば運動部の部活を通じて友情が育まれたりすることも多いと思う。だが、「勝利こそが、この組織の目的である」と信じる指導者がいれば、その組織は明確な目的を持っている以上、他の組織より強くなる可能性は高いだろうが、そこに人間疎外もまた生じるはずである。
逆に言えば、勝利を目的としないスポーツということ自体が矛盾的な存在でもあるのだ。
まあ、結論めいたことを言うなら、「中庸こそが常に最善の選択である」ということか。

カマヤン1192(昔漫画家だった人) Retweeted

以前パートの面接で「お子さん男の子ですよね?男の子は大きなケガもするでしょう。もしそうなったら仕事休みますか?どうですか?」と質問されたけど、そんなの休むに決まってるだろう。時給700円ポッキリで雇おうとしてるパートにどんだけ高望みしてるんだ。わたしは休むと答え、あっさり落ちた。



(夢人注)「大辞林」の説明らしい。赤字部分は夢人による強調。


にんげんそがい【人間疎外】

人間が機械の部分品のように扱われて、人間らしさが無視されること。社会が巨大化し複雑化するにつれて、人類の発展のためという本来の目的を忘れ、人間性を失っていくことへの警告として生まれた語。







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生(自然)のシステムと学校(教育)のシステム

「現代ビジネス」記事の一部を転載。
武道だけの話にとどまらない、示唆的なものがあるインタビューだが、ここに書かれた、「教育すると弱くなる」という部分は、特に興味深い。
教育によって、精神や肉体の、或るシステムを受け入れると、それ以前のシステムが失われる」ということだろう。それは、ある特定の場(ボクシングならボクシングという競技)では有効なシステムだが、それ以前のシステムを弱くする(失わせる)ため、全体として(戦う、ということの全体において)弱くなるということだと思う。
これは格闘技だけの問題ではない。学校で「社会適合のルールやシステム」を学ぶことで、我々は自分の生にとってより大事な何かのシステムを失っているのかもしれない。DQNや不良のほうが学校優等生より概してバイタリティがあるのは、その「生のシステム」を本能的に優先させてきたためだ、と考えることもできそうだ。それだけ動物に近く、自然に近いわけだ。まあ、もちろん、どちらも一長一短だが。女性がDQN好き不良好きなのも、女性も自然に近い存在だからだろう。



(以下引用)




教育すると、人間は「弱く」なる! 各界から大注目の武術家・光岡英稔が明かす「強さ」のヒミツ
独占・最強インタビュー(1)
         光岡英稔,尹雄大

教育したら、人はすぐに弱くなる

−−思想家の内田樹さんとの対談『荒天の武学』(集英社新書)で、何も学ばずとも「ナチュラルに」強いハワイアンのエピソードが紹介されていました。そういう強さは、彼らの時間感覚とも関係しているのでしょうか。


そうだと思います。時間を知らないからこその彼らの強さについて、多少なりとも考えが及んだのは最近のことです。


初めはどうして彼らがナチュラルに強いのかわかりませんでした。けれども、「どうしたら弱くなるか」は早い段階でわかりました。

−−どういうことでしょう? 指導しているのに弱くなるんですか?


教育したら人はすぐ弱くなります。「物事はこうでなければいけない」と教えたら、弱くなるのです。


学校をはじめほとんどの教育の内実は「こうでなければいけない」と刷り込んでいきます。もともとの才能を潰さずに教育するのは本当に難しい。


たとえば、私のもとで習っていた友人にジェームズという喧嘩屋がいました。彼は一時期、よそでボクシングを習い始めました。コーチは彼のパンチ力やヘビー級らしからぬスピードをみて「マイク・タイソンにも匹敵するスピードとパワーを秘めた逸材だ」と半ばスカウトして、彼をボクシングの世界に誘いました。


すると、それまで喧嘩では負け知らずのストリートファイターだったジェームズは、あっという間に弱くなっていったのです。


生の強さを活かせたらいいのに、下手にやり方やルールを教えてしまうとてきめんに弱くなる現象は、けっこう見られました。野性味あふれる強いファイターだと、周囲は「技術を学べばもっと強くなるだろう」と期待し、教育します。それがもともとの才能を潰すことになるのです。


これは個人だけでなく国家の規模で見ても同様で、だから異なる文化を持ち込むときには気をつけないといけない。異なる文化圏のルールやテクノロジーを持ち込むだけで簡単に固有のよさを潰してしまえます。


−−なんでもありのストリートファイターが、四角いリングの中での立ち回り方やセオリー学ぶことで、必然的に弱くなっていく。学ぶことで臨機応変に対応できなくなるということですか。


はい。だから強い人は練習しなくていい。もともと持っているものを生かせるようにすればいいだけです。彼らは大まかなルールをわかればいいだけで、練習するとしても慣らすくらいで十分なんです。


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自分を健常者と思い込んでいる異常者たち

「いつか電池が切れるまで」というブログから転載。
「人生経験マウンティング」という言葉が面白い。
まだ読んでいないが、この記事の中で言及されている「あいつ友達いなさそう」というのがなぜ罵言や嘲笑として成立するのか、という考察も読んでみたい。何か、そこに「健常者という異常者たち」のサイコロジーのヒントがあるかもしれない。
下の考察で一番感心したのは、こういう「人生経験マウンティング」が、その被害者には今さら変えられない「過去」をネタにした強圧行為だということで、つまり「民族差別」や「人種差別」「性別差別」と同じ構造だ、ということを示唆しているところだ。自分ではどうしようもないことで攻撃を受けることは「出口なし」の苦しみだろうし、そういう攻撃は、卑怯だろう。
まあ、石田衣良という作家も、この発言で自分という人間の正体をさらけだしたわけで、まさに「口は災いのもと」である。


(以下引用)


2017-01-06

「人生経験マウンティング」したがる人たちについての一考察


www.news-postseven.com
news.biglobe.ne.jp




この石田衣良さんの言葉を読んで、僕もなんだかすごく嫌な気分になったんですよね。
君の名は。』が気に入らないのなら、作品を批判すればいいのに、なんで監督の人生経験を(勝手に想像して)揶揄するのだろう?
でも、こういう手合いに、わざわざ新海誠監督が反応してしまっているのをみると、こういう「人生経験マウンティング」みたいなのは、やられたほうには、けっこう「効く」のも事実なんですよね。
少なくとも、僕はイヤだな、それが事実であろうがなかろうが。
記憶のなかに手を突っ込まれて、かき回されるだけで不快です。
そもそも、世の中の大部分の人は、一般的に「青春時代」と言われているような年代における自分の経験に、満足しているわけではないと思うし。




まあ、こういう「人生経験マウンティング」って、石田さんの「芸風」ではあるんですけどね。


fujipon.hatenadiary.com




こういうのを読むたびに、ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」なんて言葉を思い出したりするのですが、そういうことを言いたがることそのものが、「童貞っぽい」のだろうな、うーむ。




正直なところ、こういう「人生経験マウンティング」というのは、飲み会などでのネタとして、けっこう耳にすることがあるんですよね。




「でもアイツ、学生時代モテなかっただろうな〜」
「そうそう、友達いなさそう!」




こういう会話を聞いたことがない、という人は、あまりいないのではなかろうか。




fujipon.hatenadiary.com




「恋愛」も「友達」も、本人の性格とか趣味嗜好だけでなく、環境とか運の要素が強いのですよね、基本的に。
もちろん、「恋人や友達をつくりやすい人」っていうのは存在するわけですが。




この石田衣良さんの新海誠さんに対する「楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか」というコメントって、まさに「人生経験マウンティング」ですよね。
「俺はしたけど」みたいな優越感が伝わってくる。
そして、新海さんが今、どんなに素晴らしい作品をつくって、商業的に成功していても、結婚していても、「高校時代の恋愛経験」を上書きすることはできない。
もう、いまさらどうしようもないのです。
過去は、いくらでも美化できる。
そして、そういうのって、けっこうコンプレックスを刺激されるものではある。
もちろん、「人による」のだろうけど。




まあ、これに対しては、「じゃあ、石田さん、いま、ベストセラー出してみてくださいよ」って言ってしまえばいいのに!とも思うのですが、それもまた「おとなげない」ですしね。
というか、石田さんのこの「人生経験マウンティング」って、「僕の周りにもたくさんいるオッサンの典型像」でしかない。
「俺も昔は悪かったんだぜ」みたいな。
それ自慢かよ!でも「すごいですね!」って言わなきゃいけないんだよ、こっちもそんな人といちいち喧嘩したくもないからさ。




そもそも、宮崎駿っていう、みんなが批判できないアイコンを比較対象にもってくるのが筋悪だよなあ。
宮崎監督も、「そんなにアウトドア派じゃないからこそ、自然に幻想を抱き、美化して作品に昇華している人」なのだと思うけど。
東映に入社してから、自分のすべてをアニメのために燃やしてきたような人なんだから。
本当に好きなものをつくったら、『紅の豚』とか『風立ちぬ』みたいな「戦闘機モノ」になってしまう人なのに。




押井守さんは、著書『立喰師、かく語りき。』のなかで、こんな辛辣な宮崎駿評を書いておられます。


押井:この間の『ハウルの動く城』だって、「CG使ってないんだ」って宮さん(宮崎監督)は言い張ってたけど、現場の人間は使いまくってるよ。あの人が知らないだけだよ。まるきり裸の王様じゃないか。それだったら、自分の手で(CGを)やったほうがよっぽどましだ。いや、わかりやすくて面白いから、つい、宮さんを例に出しちゃうんだけどさ(笑)。




 いかに中性洗剤使うのやめたって言ったところで、結局は同じことじゃない。宮さん、別荘に行くとペーパータオルを使ってるんだよ。そのペーパータオルを作るために、どれだけ石油燃やしてると思ってるんだ。やることなすこと、言ってることとやってることが違うだろう。そこは便利にできてるんだよね。自分の言ったことを信じられるってシステムになってるんだもん。


 その宮崎駿監督も、CGへの本格的な挑戦が伝えられているんですけどね。
 そして、「自分の言ったことを都合よく信じられるシステム」がないと、クリエイターっていうのは、何かを創る、というのは難しいのもわかるのだけれど。
 それは、石田衣良さんにも、新海誠さんにも、同じようなところはあるのだと思います。
 あちらもこちらも立てようとすれば、結局、みんな倒れてしまう。




 藤子・F・不二雄先生について、長年のパートナーだったA先生がこんな話をされていたことを思い出します。




fujipon.hatenablog.com




 このA先生の話、大変興味深いものなので、ぜひ読んでみていただければと思います。


 漫画は頭で考える部分と、自分の実体験をふくらませる部分とがあります。もちろん、最初から最後まで空想で描く場合もありますが、ある程度現実が基になっていると、読者もリアルに感じて納得してくれるわけです。




「途中下車」の主人公のおじさんなんて、僕が現実に見た顔を絵にして描いたから、何ともいえないリアルな感じが出てると思うんですよ。読者も、ああ、本当にこういうことがあるかも知れないと。漫画に気持ちが入るというか。


 藤本氏はおそらく、全部、彼の想像力で考えていた。これは天才にしかできないことなんです。僕も最初はそうでしたが、だんだんと体験の部分が大きくなっていきました。最初はまったく同じスタートで出発した二人でしたが、次第に路線が分かれていった。トシをとるにつれ、経験をつむにつれ、二人の個性がはっきりしてきて別々の”まんが道”を進むようになっていったのです。


 「童貞の妄想」って、よく使われる悪口なのですが、「妄想を作品にできる」というのは、「天才にしかできないこと」なんですよね。
 そういう意味では、石田さんは「経験で書く」タイプで、「想像力で作品をつくってしまう」作家のことが理解できないのでしょう。
 だから石田さんが悪い、というのではなくて、タイプが違う、というだけのことなのですけど。
 そして、この石田さんのコメントって、「経験からしか書けない人間のコンプレックス」の裏返しなのかもしれませんね。




 そういう「作家としてのタイプ」はさておき、「人生経験マウンティング」って、される側には不快なものなんですけどね。
 とくに「過去のこと」については、改善の余地がないからなおさら。
 ただ、正直なところ、そこまで自分の人生経験に自信が持てるって、うらやましいなあ、とも思うんですよね。
 僕は、これでよかったのかなあ、って考え込んでしまうことばかりだから。
 


 『読者ハ読ムナ(笑) ~いかにして藤田和日郎の新人アシスタントが漫画家になったか~』という本のなかで、藤田先生は、こう仰っています。


 もし「キミの描く女の子に魅力ないのは、女の子と付き合ったことがないからだよ」とかって言われたら、作品だけじゃなくておれの人生も人格も全部否定された、と思うかもしれない。でも、待て待て。そうじゃない。そこで質問するんだよ。「はあ……付き合ったコトないんですけど……どんなカンジなんですか?」とかね。そしたら、なにかが返ってくる。そのなにかが、編集の求めているものの片鱗かもしれない。編集者が漫画家に対して人生経験云々を持ち出すときに言わんとしていることは、キャラクターの掘り下げ、具体的なエピソードのあるある感なのだから、ほかの映画や小説で十分勉強できることしかないと言っていい。そう思ってな。キミが女と付き合ったことがないのなら、しかたがないでしょ? 体験したコトがないから描けない、なんて言ってたら、おれは妖怪退治なんかしたことないけど、妖怪退治漫画で20何年食ってんだから。「経験がないからダメ」というその理屈で言ったら、おれはアウトでしょ? ね?(笑)

 少なくとも、現時点でのクリエイターとしての勝負では、新海監督や藤田さんの「勝ち」だと僕は思います。






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自分で自分の思考と感情をコントロールすること

私はこういう「生活の技術」とか「普通人のための心理学」の話が大好きなので、転載しておく。
「ROI」というのは何か知らないが、文脈的にFDTD氏の大好きな「生産性」の意味かと思う。まあ、「何のために働くのだ」「遊ぶためだ」「ならば最初から遊べばいいじゃないか」というように、人生における生産性の意味は何かを考え始めると話は難しくなるわけだが、「幸福になるにはカネが必要だ」「カネを稼ぐためには本人自身が生産性の高い人材になるのが一番だ」、というのは世間の常識に合致しているだろう。
しかし、

「コントロール不能の不毛な思考と感情に流されていると、どんどん気力を消耗していく。不毛な思考と感情を止めることで、気力が充実し、バイタリティが高まっていく。」

と書いているのはFDTD氏自身、「コントロール不能の不毛な思考と感情に流されていると、どんどん気力を消耗していく。」ということをしばしば体験しているということだろうから、氏も人間なのだなあ、と少し安心した。
生産性云々は抜きにしても、


「ほとんどの人は、人生のほとんどの時間、自分が何にどんな感情をいだき、どんな意味のある思考をし、どんな意味のある行動をしているか、ばくぜんとしか自覚しないまま過ごすし、そこに内在する問題を自覚的に修正することもしないで過ごし、気がついたら、自分を変える力が残っていないほど老いている」

というのは、まさにその通りだろうと思う。まあ、そういう生き方が必ずしも悪いかどうか議論の余地はあるだろうが、「世間有用の人材」になるのであれば、まずここから変えねばならないだろうし、そのためには

「人は、惰性で思考していると、思考の大部分が不毛な思考になる。だから、惰性で思考していると、人生は不毛になっていく。不毛な思考を止める最も効果的な方法は、今この瞬間の自分の思考が不毛かどうかを、高い解像度で、認識し続ける能力を鍛え続けることだ。」

というのは、正しい処方箋だろうと思う。
ただし、そういう生き方が唯一の選択肢でもないし、それで幸福な人生になるのかどうかもまた別問題だろうと思う。何だか、成功する前にストレスで参ってしまうのではないか、という気もするのだが、もちろん、これで「成功した人生」になる確率は非常に高いだろうし、成功すれば満足し、幸福になる確率も高いのだから、この処方箋は万人に(特に青少年に)勧めて良いものだろう。それが不要なのは、最初から「幸福なアホ」である人々だけだ。社会的には、彼らの(我々の、か)存在も生き方も「不毛」かもしれないが、幸福であることが人生の最大の収穫であるのだから、不毛であることが不幸でもある場合にのみ、この処方箋は成り立つだろう。
世界には生まれて数分で死んでいく子供も無数にいるわけで、自分の人生が不毛だとか不幸だとか考える余裕があるだけでも、幸福なのではないか。まあ、自分の有り金がいきなりゼロになったら、私も即座に意見撤回、カネの無いのは首が無いのも同じ、という意見になるだろうが。


(以下引用)



fromdusktildawn @fromdusktildawn 1月7日

  1. コントロール不能の不毛な思考と感情に流されていると、どんどん気力を消耗していく。不毛な思考と感情を止めることで、気力が充実し、バイタリティが高まっていく。
  2.  
    1. 自分が不毛な思考や感情を抱いているとき、その不毛さを高い解像度で認識し続けることに全力で集中し続けると、あれほどコントロール不能に思えた不毛な思考と感情が、奇跡のように収まって、静かになっていく。
    2.  
    1. 人は、惰性で思考していると、思考の大部分が不毛な思考になる。だから、惰性で思考していると、人生は不毛になっていく。不毛な思考を止める最も効果的な方法は、今この瞬間の自分の思考が不毛かどうかを、高い解像度で、認識し続ける能力を鍛え続けることだ。
    2.  
    1. ほとんどの人は、人生のほとんどの時間、自分が何にどんな感情をいだき、どんな意味のある思考をし、どんな意味のある行動をしているか、ばくぜんとしか自覚しないまま過ごすし、そこに内在する問題を自覚的に修正することもしないで過ごし、気がついたら、自分を変える力が残っていないほど老いている
    2.  
    1. 「自分がいましている行動の意味」を評価するのは比較的簡単。難しいのは「自分の今この瞬間の思考は、ムダな思考かどうか」を評価し続けること。さらに難しいのは、「自分が今、どのような感情を抱いているか」を高い解像度で見つめ続けること。
    2.  
    1. 「自分が今、何をしているのか」を自覚することは、そんなに難しくない。難しいのは、「自分が、今、やっている行動は、本当に今やるべきこうどうなのか?」を『評価』すること。それよりも更に難しいのは、評価に基いて実際に行動を、瞬時に切り替えること。
    2.  

  1. 自分を有能にする、一番の近道は、「自分がムダなことを喋っていることに気づく能力」「自分がROIの低い思考をしはじめたことに気づく能力」「自分がROIの低いor優先順位の低い行動or作業をしていることに気づく能力」などの、「自己行動気づき能力」を鍛えること。


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