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親子は理解しあえるか

講演全体が非常に興味深い内容だが、長いので親子の確執の問題の部分だけ転載する。

(以下引用)


2017年10月22日

女子美術大学特別公開講座「仕事を決める、選ぶ、続ける」レポート


2017年10月2日(16:30~17:50)に開催された萩尾望都先生特別公開講座に行ってきました。今回は女子美術大学1年生向けの公開講座です。ほとんどが若い学生さんでしたが、一部(60名)に一般公募による熱心なオールドファンが参加されていました。その中の一人として紛れ込みました。


「仕事を決める、選ぶ、続ける」というタイトルで、萩尾先生が若い学生さんに向けて、これから仕事を決める、続ける上で大切なことを話されました。とても個人的なことを、かなり深く突き詰めてお話され、私も伺ったことがないお話も出てびっくりしたりしました。「イグアナの娘」のプレゼントのエピソードは実体験だそうですが、あの作品、それだけではありませんでした。それから山岸凉子先生の霊感バリバリのお話もとても興味深かったです。


聞き手は女子美術大学 アート・デザイン表現学科メディア表現領域の内山博子先生。私はいつものようにメモと記憶で書いていますので抜けや思い込みはあるかもしれませんが、大間違いはないと思います。ご容赦ください。





flowers 2016年7月号40年前に描いた「ポーの一族」という作品に最近新しいエピソードを描きました。「春の夢」というのですが、そのときの『flowers』という本の表紙です。そのときの編集の人に「読み切りで描きます」と言ってたのですが、約束というのは往々にして破られるものでして、1回では話が入りませんので、続きを描かせてくださいと言って、今年の春ぐらいからまた残りを描きました。最終的に「ポーの一族 春の夢」という単行本になりました。
みなさん、読んで下さってありがたいと思います。40年ぶりに描くものですから、顔も全然違っていて「何このかつらは?」と言われたり。仕事しながらアシスタントたちが山口百恵の「イミテーションゴールド」という歌があって、去年の彼と今年の彼を比べて「声が違う、年が違う」という歌なのですが、「顔が違う、身長が違う」と歌われていたのです。職場はいつもシビアです(笑)。



〔先生が20代のときの、マンガ家としてちょうど売れ始めた頃の写真。現在探索中です。萩尾先生が自転車を引いてる記事でした〕
この頃は12時~4時くらいまでずっとマンガ描いていました。職業としてマンガ家を選んだ理由は、本当にマンガが好きだったからです。マンガ家になって何が大変だったかというと、編集とのバトルでもないし、アイディアが出ないことでもなく、とにかく親との関係が非常に大変でした。


私の両親は二人とも大正生まれで、マンガなどは全然読まないで育ってきた人たちです。ですから私がマンガを読んで育ってマンガ家になりたいと言い出したときには、頭から大反対です。何故そんなくだらないことをするのか。童話の挿絵画家ならまだ認められるけれど、マンガなんてひらがなを読めるようになったら卒業するものと思っています。それくらい意識のギャップがあるのです。


でも私はどうしてもなりたくて、投稿して、デビューして、マンガ家になりました。原稿料をもらえるようになって、母は少しは認めてくれたのですけれど、どのみちつまらないことをやっている、という意識は変わりません。ずっと「いつやめるの?どうしてまだ描いてるの?どうして親の言うことを聞かないの?」と延々10年も言われ続けました。


「ビアンカ」
ビアンカ扉これはまだ実家の大牟田にいる頃に描き上げた作品です。実家で描き上げて編集部に送っていました。デビューしてから編集さんに描きたいエピソードをプロットにして送るのですけれど、もっと小学生向けのかわいらしい頑張る女の子の話を描いて欲しいと言われ、ボツにされてしまいます。私自身が「頑張る」女の子ではなく、うじうじしている子でした。そういう子を描いたらいけないのかな?と思いながら描いたのが「ビアンカ」です。これはボツにならずにいいよと言ってもらえたのです。ビアンカはおうちに不幸があって、親戚の家に預けられていて、空想ばっかりして森で踊っている、ちょっと変わった女の子です。私にとってはすごく好きな作品です。


●マンガ家になるまで
新選組高校2年生の終わり頃の冬、お年玉で手塚治虫の「新選組」という本を買って読みました。手塚治虫の本は子供の頃からとても好きで、たいていのものは読んでいたのですが、その作品には「ガーン」と頭を打たれるようなショックを受けてしまいました。主人公たちの幕末の世界にのめり込んで、1週間ぐらいそのことで頭がいっぱいになってしまいました。自分はあの作品にこんなにショックを受けたのだから、誰かにこのショックを返したいと思って、マンガ家になろうと決めたのです。


それまでもマンガは描いていて、肉筆同人誌などをやっていました。今はちゃんと印刷した同人誌がたくさん出ていますが、当時は印刷技術などなかなか一般の高校生の手元にはなかったので、みんなで描いた原画を閉じて、グループで配って読んでいました。そういう同人には入っていて、マンガ仲間はいました。いつもマンガを読んで、あの話はおもしろいね、この話はどうなるのかな?という話ばかりしていましたが、親には内緒でした。
マンガ家になりたいと思っても親に知られたら絶対に反対される、投稿して少しずつ実績を得てお金を稼げるようになってから、少しずつ言おうと作戦を考えました。母は私のマンガ友達を嫌っていましたので、友達から送られてくる本を別の友達のところに一度送ってもらって、そこへ受け取りに行ったりしていたほどです。


点子ちゃんとアントン本については、親がいいと言った本はご褒美で買ってもらいましたが、それ以外はこっそり学校や友達の家で読んでいました。あるとき、本屋さんで好きな本を買ってよいとめずらしく母が言いました。私は喜んで書棚から「点子ちゃんとアントン」※というすごくかわいらしい表紙の絵の本を見つけて買いたいと言ったら、即座に却下されてしまいました。替わりにこれを買うようにと言われたのは「ナイチンゲール物語」です。結局「パスツール伝記」にしました。偉人伝を読むようによく言われました。
※エーリヒ・ケストナー著、挿絵はヴァルター・トリーア。


そんなふうに母は大変厳しい人でしたが、私も好きになったものは諦めません。母も頑固ならば私も頑固なので、言うことを聞きません。当時は家でマンガをこっそり描いていました。でも消しゴムのカスが机の上にいっぱいあるので母は気付いてしまいます。「勉強しないで何してんの!」と叱られました。そんな状況でしたので、母に原稿は絶対に見せませんでした。描いたものは鍵のかかる引き出しに入れていました。


ビアンカ「ビアンカ」はデビューして5作目か、6作目位です。原稿料がちょくちょく振り込まれてきました。当時は大体1枚1,500円くらいでしたでしょうか。母もお金が稼げるのなら大目に見ようという感じで、私がアルバイトでもしているような感覚だったのです。



●デビューについて
当時の大牟田にはマンガ家が結構住んでいました。私は大牟田北高校に行っていましたが、少し離れたところに不知火学園という高校があり、そこに平田真貴子さんという方がいらして、高校2年生のとき『少女フレンド』でデビューしていました。そういう人がいるという話を聞きつけて、同人誌の友達と一緒に平田さんに会いに行きました。「お仕事はどうですか?学校に行きながら仕事するの大変ですよね」というような話をしました。「卒業した後はどうするのですか?」と聞いたら「講談社が上京して来いって言ってるから行くわ。」とおっしゃった。それで平田真貴子さんを通して講談社に紹介してもらったのです。


高校を卒業して専門学校の1年生のときにお小遣いを貯めて上京しました。講談社に紹介してもらうと担当さんがついてくれて「私宛に原稿を送ってください」と名刺を渡されました。「すぐ描いて送ります」と言って半月くらいで20枚ほど描いて送りました。せっかくのチャンスですから、ここで頑張らないといつ頑張るんだと思って必死でした。「送ります」と言ってなかなか送ってこなかったら見捨てられてしまうと思ったのです。


1作目は「ルルとミミ」という作品でしたが、1作載ったら順調に載るというわけにはいきませんでした。編集に「こういうのを描きたい」とストーリーを送ったのですが、ダメだと言われて、随分ボツにされました。その中でも「ビアンカ」はOKをもらえたのです。


そのあと、編集さんが「上京してマンガを描きなさい」と言ってくれたので上京して住もうとしたのですが、両親が厳格だったので「東京で一人暮らしなんてとんでもない」と頭ごなしに反対されました。ちょうど上京したときに知り合った竹宮惠子さんが、当時は桜台にお住まいだったのですが、「萩尾さんはいつ上京してくるの?」と。「親が女の子が一人暮らしをするなんてダメだと許さないので、まだちょっとわかりません。」と答えると「じゃあ二人で住みませんか?」と言ってくれたのです。非常にありがたかったです。親にも「ちゃんと女の子と住むから」と言って、上京を許してもらいました。共同生活を2年くらいしました。


●会社をたてた頃
ポーの一族1巻「ポーの一族」を描いたのは共同生活は解散していまして、近場(井草)に住んでいたときです。連載中はあまり好評ではなかったのですが、単行本になりましたらちゃんと売れて本当にホッとしました。「ポーの一族」の後にちょっとブランクがあって「トーマの心臓」を始めたのですが、これを描いた頃は埼玉県の田舎の方に半軒家みたいのを借りて住んでいました。


その頃からだんだん単行本のお金も入って、通帳にお金が貯まり始めました。ちょうど退職した父が通帳の管理をしてあげるから会社にしようと言ってくれました。私もお金の計算をするのは面倒くさいし、お父さんがやってくれるのならと思って頼んだのです。それで望都プロダクションという会社をつくり、父が社長になりました。父は母とともにマンガを描くことに反対していたのですが、こんなふうに協力してくれるなんて、ありがたいと思ったのです。でもそれからが大変でした。


父は毎月上京してきて、家に来ます。家では私は仕事をしていてアシスタントさんたちが来ています。そうすると父の寝る場所がないから旅館に行ってもらうのですが、父はそれが不満なのです。母から怒りの電話がかかってきます。「あなた、お父さんがせっかくあなたの手伝いをするために上京しているのに家に泊めずに、他の人泊めてるんですって?」「いやあの人たちお手伝いしてるから」「その人たちに帰ってもらいなさい」「そうすると仕事できないから」「じゃあその人たちを旅館に泊めればいいじゃない」「それも仕事にならないから」と毎回なだめて旅館に行ってもらいました。苦労しました。


仕事が終わってアシスタントさんたちにお給料を払います。父がそれを横で見ていて、みんなが帰った後「どうしてあの人たちにお金払うの?あの人たちはあなたのお弟子さんでしょう?」まぁお弟子さんと言えばお弟子さんですが。「普通はね、お弟子さんがお金をもってくるんだよ。」と言うのです。「私は絵の塾を開いているわけじゃないから。」と何度言ってもわかりません。定期的にそう聞いてくるのです。「みんなそうしているんから」と言っても、2ヶ月くらいするとまた「何故あの人たちにお金を払うんだ?」と同じことを言うのです。


そういうのが積もり積もって、あるとき大げんかしたのです。とうとう親が怒ってしまって「親をないがしろにして言うことを聞かないのは仕事なんかしてるからだ、やめなさい。」と父と母が言ってくるわけです。もう私も腹が立って、少しは応援してくれると思ったから、社長になってもらったり、好意をもとうと思ったのに、結局最後はやめなさいかと思って、完全に決裂しました。それが1979年頃です。


それまでも両親は、アシスタントさんたちのことであの人をやめさせたいだの、この人はダメだとか、勝手なことを言っていました。また父が勝手にどこかの教室の宣伝など変な仕事をもってくるのです。私はそんなもの描く暇ないからと言うと「じゃあお父さんが描いてあげよう」ということもありました。


そのケンカの後、3年ほど両親とは口をききませんでした。一生口をきかなくてもいいわ、葬式にだって出てやらないと思ってました。でもお中元とか年賀状とか、そういったものはしていました。明太子を送ったら「結構なものをいただきまして、ありがとうございます。こちらもなにやら送りましたから。」と電話がありました。「そちらの方はどうかね?通帳はお父さんが管理してやろう。」「いや結構でございます。」そんな状態が3年続きました。3年で終わったのは私が交通事故に遭ったからです。


●モスクワでの事故
1982年の年末、バレエやオペラを観る冬のモスクワ旅行に参加しました。そこで観光バスが雪道で除雪車と正面衝突してしまったのです。そのままモスクワ郊外のポトキン病院というところに入院しました。頭蓋骨骨折と手首のねんざと、足を7~8針縫いました。でも頭蓋骨骨折の方は帰国してからわかったのです。ポトキン病院でレントゲンを撮ったのですが、現像したものが真っ黒なのです。お医者さんが今日の枚数はもう撮れないから、また今度にしようと言うような状態でした。ポトキン病院はすごく大きな病院で、4階建、5階建てのアパートメントみたいなものがたくさん建っていてそれが全部病棟で、近代化されていたのですが。病院のある一角に日本人の患者が全部収容されていて、そこにエレベーターが3機あるのですが1機しか動いていなくて、それも床にぴったり止まらず少しあがったりさがったりするのです。当時ソビエト連邦だったのですが「ソビエト連邦の崩壊は近いのではないか」と内心思いました。でも入院費は全部タダなのです。社会主義国というのは悪いことばかりではないと思いました。


2週間入院していましたが、頭を打っているので意識が朦朧としていて、1日に2~3時間しか目が覚めずにあとはずっと寝ている状態でした。ご飯を食べて、寝てしまう。あとは日本人の患者に川崎さんという人がいたのですが、この人はバスの運転席の近くに座っていて、足の指とか全部で11カ所も骨折したのでベッドに縛り付けられていて、私の病棟の1階上にいたのです。私はちょっと目が覚めると川崎さんのお見舞いに行って顔を見て帰ってくる。そんな毎日でした。


ですが、2週間がたったとき、いきなりパチッと目が覚めたのです。それで一日中起きられるようになりました。無事に帰国して、もう一回診てもらおうと順天堂病院に行きました。そこでレントゲンを撮ってもらったら、お医者さんに「頭蓋骨骨折をしている」と言われました。骨折と言ってもヒビが入っている状態です。その先生は編集がつてをたどって頼んでくれた世界で五本の指に入る脳の手術の権威のお医者さんだったのですが、「変だなぁ。普通ここを骨折すると脳みそが豆腐みたいにぐちゃぐちゃになるんだよ。」と。丈夫な頭蓋骨でよかったです。


この事故については、不思議なことがありました。私が事故にあったのは12月30日の朝の11:30くらいです。同じ12月30日の11:30くらい、日本時間なので実際はタイムラグがあるのですが、この時間に母が自転車から落ちて頭部を打撲しているのです。頭が痛くて年末正月は寝ていたそうです。私が事故に遭って頭を打ったという話を少し後に聞いて、私が帰国した際に羽田か成田に両親が「無事で良かったね」と迎えに来てくれたのですが、そのときに母が自分が自転車から落ちた話をしました。「あなたはね、お母さんのおかげで助かったのよ。お母さんが頭を打ったから、あなたは軽くて済んだ。」と、言われてみるとそうかもしれないとちょっと思わず思ってしまいました。シンクロニシティのようなものがあるのかもしれません。


この後の親との関係では「マンガのことはちょっととりあえずおいておこう」という感じでした。マンガの話をすると私が怒ることがわかっているので、親もマンガの話は極力しないようになり、やめろとは言わなくなりました。その話は箱に入れて蓋をして、当たり障りのないところでコミュニケーションをとるようになりました。



「イグアナの娘」
イグアナの娘親になんとかマンガを描くことを認めてもらおうと思って、心理学の本をずっと読んでいたのですが、どう言ったら理解してもらえるのか、わかりませんでした。結局、占いの本を読んだら「相性が悪い」と書いてありました。相性が悪いのならどうしようもないなと思いました。そして、親と話しても話しても通じないのは、話している言葉が違うのではないか。もしかしたら私は人間ではないのかもしれない。人間ではないから、いくら話しても通じないのだと思いました。人間ではないのなら、私はいったい何なのだろう?。ふと「イグアナかもしれない」と思い、「イグアナの娘」という話が生まれました。これは自分はイグアナだと思っている女の子の話です。


イグアナの娘2あるお母さんが子どもを産んでみたら、イグアナでした。強いショックを受けます。家に連れていって育てるのですが、その子のことを好きになることができません。お母さんにはイグアナに見えても、まわりの人には人間の赤ちゃんに見えているのです。


イグアナの娘3そのうち妹が生まれます。お母さんはやっとかわいい子が生まれてほっとします。ですが、イグアナに生まれた方の子はお母さんにずっと疎まれて、嫌われて育ちます。


イグアナの娘4大きくなってもお母さんはなにかというと妹と差別して、チクチクといじわるします。イグアナのリカちゃんは仕返ししようとします。ここで妹を殴ってますが、これはやられたことはやり返すという心理学の構図です。


イグアナの娘5お父さんがお母さんに、あまりリカをいじめるなと、かわいいじゃないかというのですが、お母さんの目にはイグアナに見えているので受け入れられません。「あの子はまるでイグアナよ」というお母さんの声を聞いて、リカちゃんは「私はイグアナだからお母さんに愛されないのか」とショックを受けます。


イグアナとして生まれた以上、親に嫌われるのはしょうがない。もし子どもがイグアナでうまれてきたら、多分親はこんなふうに反応するのではないかというお話です。


イグアナの娘6リカちゃんはお母さんの誕生日にプレゼントを買ってきます。それがお母さんは気に入らない。こんなものいらない、と突き返します。これは私が実際に母にやられて、怒られた話です。母が言ったのは「無駄遣いをするな」ということだったのですが、一事が万事そういう感じでした。


イグアナの娘7リカちゃんが「私はイグアナだからかわいくないんでしょう?と」お母さんに言います。お母さんは「あの子はイグアナみたいだ」と言っていますが、本人が「私はイグアナだから嫌われているのだ」と言うのはイヤなのです。周りの人に知られるかもしれない、と思ったからです。「二度とイグアナなんて言葉を使ってはいけません」と強く怒られてしまいます。


イグアナの娘8リカちゃんは、自分は何をしてもダメで、イグアナなのにイグアナと言ってもダメ。しょうがなくて、お母さんに突き返されたプレゼントを川に捨てて、「私はきっと間違って人間の世界に生まれてしまったのだ。誰と間違えたのだろう?本当はお母さんが生むはずだった人間の子と間違えて、こちら生まれてしまったのだ。人間の子はガラパゴス諸島のどこかに生まれて、多分お乳をもらえず、すぐ死んでしまっただろう。だから私のお母さんはきっとガラパゴス諸島にいるに違いない。大きくなったらガラパゴス諸島に私の本当のお母さんを探しに行こう。」と思います。これは夢です。小さい頃お母さんに叱られると、こんなふうに夢を持ちます。これは本当のお母さんではない。もっと美人で素敵なお母さんがいるに違いない。私を迎えに来るんだと。リカちゃんは自分でいつか探しに行こうと思うのです(私が母に返されたプレゼントはお店に返しにいきました)。


イグアナの娘9リカちゃんは成長していきますが、その中で妹と和解します。お母さんがいつもあの子はダメだダメだ出来が悪いと言っているものだから、妹もそう思って「お姉ちゃんは本当に出来が悪い、迷惑だわ」と思っていました。ところが、そのお姉ちゃんはいい大学に進むことになりました。妹が私もそこにすると言ったら、学校の先生から「あなたは成績が悪いから行けない」と言われます。「でもお姉ちゃんが行ってるから。」「お姉さんはいいけど、あなたはね。」と言われて初めて家だけの価値ではなく、客観的な学校や社会の価値でお姉さんは私より頭がいい、と気付きます。


おもしろい話があって、母が私をあんまり怒るものですから、私の妹は長い間私のことを本当に頭の悪い、こういう言葉を使われたのですが「白痴」だと思っていました。私がマンガ家になってこういう作品を描くようになってから、あるとき妹からしみじみと言われたのです。「私、お姉さんはね、ずっとお母さんがダメだダメだと言ってるから、お姉さんは白痴だと思っていたわ。」と。


兄弟が何人かいると怒りの矛先が向きやすい子というのがいるのです。最近「ADHD」と言う注意力散漫な子の障害が知られるようになりましたが、私も学校で決められたものがもっていけない、すぐ忘れる、本を読み出すと他の人の声が聞こえてこないといった欠陥があったものですから、その度に母にものすごく叱られていました。同じことをやっても姉や妹は私ほどは叱られません。姉はおっとりした人で叱られると泣くからは母は叱れない。妹は甘え上手でかわいらしいものですから、母の憤懣は全部私に向かってくる。そういう三姉妹の谷間に落ち込んでいるという状態になりました。
※ADHD=注意欠如多動性障害


わりあい最近のことですが、ある場所の控室に母が遊びにきていました。そこに内山先生もいらしたのですが、母は、娘は自分のものだと思っているので、無断で近づいてくる人が許せないのです。ですから内山先生をきちんとご紹介して打ち合わせをと言ったのですが、「何故私を差し置いて打ち合わせをするんだ」と睨んでいるのです(内山先生、本当に怖かったのです、と繰り返していました)。上京してから下宿先に母が遊びに来たとき、食事を用意したりお風呂に案内したりします。そのとき「どうして親の前であんなに遠慮してるの?」と何度も周りの人に言われました。「そう見えるのか、怒らせないようにしてるだけなんだけど」と思いました。


母はもう亡くなっているのですが、未だにどう対処していいかわからないのです。


イグアナの娘10リカちゃんは優しい人と結婚して赤ちゃんができました。自分はイグアナだからイグアナを生むだろうと思っていたのに、人間の子を生みました。イグアナの私がはたして人間の子を愛せるだろうか。どうしてもかわいいと思えないので、彼女はすごく悲しむのです。お母さんに邪険にされたという記憶があるので、自分に自信がないのです。めいっぱい子どもを愛する自信がない。それでずっと葛藤していましたが、お母さんが亡くなったという知らせが入ります。私のマンガはすぐお母さんを殺すのです(会場笑)。


イグアナの娘11彼女が急いで実家に帰ると、和室にお母さんが寝ています。親戚のおばさんに「死んだお母さんの顔を見てあげなさいと」言われます。リカちゃんが白い布をとってお母さんの顔を見ると、なんと!イグアナだったのです。あんなに「あんたはダメだダメだ、イグアナだ」と言っていたのに、お母さんがイグアナだったわけ?とパニックを起こしてキャーキャー言っています。「お母さんの顔、私にそっくり」と言ったら、おばさんが「うん、似てるわよね。昔からそっくりだって言うんだけど、言うと怒るのよ」と事情を知らないのでしゃらっと言います。


イグアナの娘12この後、リカちゃんはガラパゴスの夢を見ます。一匹のイグアナが王子様に恋をします。イグアナは魔法使いのおばさんのところに行って「人間の王子様のところに行きたいから、私を人間にしてください」とお願いします。「わかった。人間にしてあげよう。その代わり絶対にイグアナだとばれないようにしなさい。そうしないとすべてを失うよ。」と言って送り出すのです。お母さんは人間になって、お父さんと結婚して、もう安心だわと思ったら、イグアナの娘が生まれました。イグアナがいるのはダメだ、自分がイグアナであることがバレてしまう。そうするとすべてを失ってしまう、と恐怖でいっぱいです。娘なんか愛せません。


イグアナの娘13このお話は子どもが親の欠点をもっている場合、親が自分で自分のイヤだと思っているものを子どもに見ると、本当にその子どもがイヤになるという心理学のエピソードに基づいています。子どものここが腹が立つといろいろと言って相談にくるお母さんが、実際にその欠点を全部もっている。自分では欠点を見たくない、もしくは自覚していない、克服できない。なんとか隠しているのに、子どもに見えてしまう。そうすると、隠してくるものがあらわに見えてしまうので、腹が立ちます。イグアナだと隠して生きてきたのに娘がイグアナにうまれてしまったので、お母さんは腹が立ちました。だから私も、母がこんなに私に厳しいのは、母のもっている欠点を私が受け継いでいるからではないかと考えるようになりました。


イグアナの娘14その後、リカちゃんは生まれた子どもがかわいく思えるようになりました。お母さんの気持ちが少しわかった。お母さんが何を怖がっていたか、何を隠そうとしていたか、そういうことがわかったので、理解できた。だからと言ってお母さんを許したわけではありません。でも、それで子どもをかわいがることが出来るようになりました。


●両親について
この「理解する」ということと「許す」ということは微妙に違います。母は亡くなりました。親子の事情を知っている人から「お母さんは亡くなったけれど、お母さんがやったことは全部もういいやと思えるようになった?」と聞かれました。(もういいやと)そう思おうと思ったのですが、時々昔のことを思い出して、床下から畳がバーンと上がるように、ムカーっと怒りがこみ上げてくるんですよ。これはダメだなと思いました。仕方がないので、バーンのままにしておこうと思います。


両親は私が両親が認めない、早くやめろという仕事をしていることが気に入らないのでした。なぜ言うことを聞かないのか。言うことを聞かないということは自分たちをないがしろにしている、バカにしていることだとずっと怒っていました。ところがその母があるとき謝ってきました。何がきっかけかというと、NHKの朝の連続テレビ小説でやっていた「ゲゲゲの女房」というドラマです。このドラマはマンガ家の水木しげるさんの奥さんがマンガ家である夫の仕事を支える苦労話を描いたものです。水木しげるさんはもう亡くなられましたが、「ゲゲゲの鬼太郎」「墓場鬼太郎」といった日本の妖怪がたくさん出てくる、とてもおもしろい妖怪マンガをたくさん描いていらした方です。ドラマでは水木しげるさんが一生懸命仕事をしている姿が出てきます。母があるとき私に電話をかけてきて「あんね、お母さんはゲゲゲの女房ば見とったよ」「NHKの朝の連続ドラマ小説ね。お母さん、NHK好きだもんね」「そしたらね、そこで水木しげるさんが一生懸命仕事しよんなったたい」「あぁ、マンガ家の仕事しよんなったたいね」「あんたも仕事しとったんね」「そうですね」「お母さんはね、知らんかったたい。失礼いたしました。」ええ?今頃?


本当にびっくりしたんですよ。このとき初めて、この人は自分が間違っていると思ったら、すみませんでしたと言える素直な人なんだなと思ったのです。それはとてもありがたかった。私は母に仕事をしているところも、アシスタントさんがいるところも見せています。仕事場で「これ描いたらお相手しますから、待っていてください」と待たせたこともあります。目の前で仕事している姿は見せていたのです。でも母はずーっとくだらないことをしていると思っていました。ですが、NHKの番組で水木しげるさんがせっせと仕事をしているのを見て感心したんですね。「お母さん、水木しげるさんはずっと仕事しよんなった?」「うん。しよんなった」「アシスタントさん、おんなった?」「うん、おんなった」「水木しげるさん、アシスタントさんにお金払ってた?」「払いよんなった」。こんな感じです。やっと仕事を理解してもらえて、本当によかったなと思いました。ですが母は以後周辺の人に「私はね、娘のマンガに反対したことは一度もございません」と言いました。これを聞いて、親にはかなわないと思いました。


不思議なのは父で、父も母と一緒にずっと反対していたのですが、私が送った絵や単行本を全部応接間に飾っているのです。絵などはきちんと額に入れて飾っていて「これは娘の描いた絵です。これは娘の本です」と家に来る人にずっと自慢しているのです。あるときなど、私の最新の作品が収録された雑誌をもって、私の出身高校である大牟田北高校までわざわざ行って校長先生にお会いして「これはうちの娘の描いたマンガです」と見せてきたり。なのに私には「マンガははやくやめなさい」と言う。このギャップが私にはわからないのです。父は母と違い「ゲゲゲの女房」を見てもあまり変わらなかったのですが、母ほどキツくは言わない。だから、やぶ蛇にならないように、マンガの話はしないようにしていました。そのまま父は亡くなりました。


父の一周忌くらいの頃、お母さんはわかってくれたのだけど、お父さんはあんなに単行本を飾ったり人に自慢しておきながら、何故ずっと早くやめなさい、いつまでやっているんだ、と私に言い続けたのか、と考え出したのです。父は音感がすごく敏感な人で、16の頃からバイオリンを習っていて一時はバイオリニストになりたがっていたのですが、両親が亡くなり専門的な授業を続けられずに会社員になりました。会社ではオーケストラでずっとバイオリンを弾いていて、音楽的な素養の高い人でした。父は好きなことをやっていて、音楽を愛していました。だったら私がマンガを愛していることをわかってくれてもいいのではないかと思うのですが、父はクラシック音楽は崇高なものだけど、マンガはくだらないものだと、そこで区別をするのです。最後まで理解してもらえませんでした。お父さんはわかってくれなかったなと思いながら一ヶ月くらい過ごしていました。すると、あるお食事会で山岸凉子先生とお会いしました。皆さんでお話をしている中で、ある人が「恐山に行った人に会った」といい出しました。巫女さんに「亡くなったお父さんはどうなったのか」と聞くと「お前は元気か?わしも元気でやっているよ」とわりと一般的なことを話していたと。あれは亡くなった人が安心するために話を聞くんだよね、などという話をしていました。


すると、隣に座っていた山岸さんが「萩尾さん、あなたのお父さんはね、今、あなたのことがわかったのよ」と突然言うのです。私はその場で父の話など一言もしていないので、びっくりしました。「あなたのお父さんはね、本当はずっとあなたになりたかったの。お父さんはね、あなたみたいに世の中に認められて、作品を発表したりする仕事をしたかったの。だけどそうならなかった。だから言ってみればずっとあなたに嫉妬していたの。でも嫉妬していることをお父さんは気付いていなかったわ。亡くなってから気付いたの。亡くなってからやっとわかったの。」「山岸さん!どうしてそんなことが今わかったのです?」「うーん、今、急に来たの。」とおっしゃる。山岸さんが私にそんなこと言うのは初めてのことです。山岸さんの作品にはそれっぽいお話はありますが、普段そんなオカルトの話など出ないのです。だから本当にびっくりしました。「お父さんは亡くなってから、あなたのことがわかったの」「私の何がわかったというのですか?」「あなたがちゃんと仕事をしていることとか、仕事が好きなこととか、そういうことがわかったのよ」


山岸さんの話を聞いて、父が部屋中に本を飾ったり絵を飾ったりしていながら、私に仕事をやめるように言う理由がなんとなくわかりました。ある意味、私は父の代理です。娘が有名になって作品を発表したりすることを自慢する。一方で、自分がそうなりたかったという嫉妬の部分で「早くやめなさい。お前はいつまでもそんなことをしているのだ。マンガはくだらない」と言う。人間は不思議なものですね。こういった二つの感情を一緒に持っているのですね。


に萩尾先生のご両親、妹さんとお姉さんのインタビ


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藤原正彦による「論理の否定」論

米原万里の「打ちのめされるようなすごい本」の中で、右翼的数学者の藤原正彦の「国家の品格」からその思想を幾つか抜き出してある。これだけ読めば「国家の品格」を読む必要も無いかもしれないwww まあ、私は読んでいないのだが、しかし、米原万里が抜き出した、藤原の思想は、或る意味数学者らしい「論理性に基づく、論理の否定」という趣があって面白い。そして私はその思想に共感する。ただし、私は右も左も肯定し、また右も左も否定する人間である。
で、その「抜き出し」を、少し短縮して紹介する。

1:先進国で進行する荒廃の根源に近代的合理精神、西欧的な論理の偽善と破綻がある。
2:共産主義も市場原理も実力主義も徹底していくと人間社会は必然的に破綻する。
3:あらゆる論理には4つの限界が内在する。
①人間の理性には限界があるため、論理の本質を見抜けず、大衆に行き渡るのはワンステップの単純化された論理で、論理以外のファクターは排除されるため、愚かな論理がまかりとおる。
②人間にとって最重要なことは論理だけでは説明できない。たとえば人殺しはいけないということは論理的には説明不能で、「駄目だから駄目」という論理以前の基本的倫理に属する。
③論理には出発点が必要で、この出発点の選択は、論理ではなく、人間の情緒という、人間の総合力から生まれる。(情緒力が無く、論理だけの人間は最悪。)
④純粋論理は0か1かの二者択一の世界だが、一般の世の中には絶対的な正しさも絶対的な間違いも存在しない。だから論理では人間社会の深淵に到達できない。

*論理の出発点が情緒だというのが面白い。まあ、これは「何を問題とするか」という部分だろうと思う。同じ問題が或る人には死ぬほど切実に思え、他の或る人にはまったく関心を呼ばないというのはよくあることである。たいていの人には他人の不幸は他人事で、自分の不幸は、それが足の小指の痛みでも最大の問題である。他人への共感力(情緒力)の無い人間が社会の上位にいる社会は一種の地獄だろう。



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エメラルド・タブレットと陰陽思想

「大摩邇」所載の「in deep」記事から転載。
「エメラルド・タブレット」の中の「すべての物はこのひとつのものに起因している」の「このひとつのもの」が何か、明確に言われていないが、それは物質ではなく「法則」、それも「(精神界も含め)全宇宙を成立させる法則」のようなものではないか。まあ、この種の思考はいろいろあり、その中でも古代中国の「陰陽の原理」というのはかなり的を射ているように私には思える。数学・物理における「プラスとマイナス」など、まさに陽と陰である。
「陰陽原理」は、私の解釈では、陰と陽のどちらが優れているとか上位にあるという話ではなく、陰と陽の相互作用や交替により、世界は変化する。つまり、ある意味では「変化」が基本だと考えてもいい。それを示すのが「易」という言葉だ。「易」は「変化」の意味で、すべては変化する、というのが易の基本思想である。(ただし、「易経」では陽を陰より上位と見る階級思想がある。しかし、その陽も陰に駆逐されることもある。

そのように考えると、「エメラルド・タブレット」が示す思想は、実は古代中国の思想のバリエーション、あるいはその「錬金術」的解釈だろうという気がする。旧約聖書の「伝道の書」や仏教の「空」の思想などは易の「無常観」とほぼ同質であると私は思う。ただ、易のほうが、宗教性が薄く、世界や歴史(人生を含む)を陰と陽の「サイクル」と捉えている点で、単なる「すべては空だ」とする思想より勇気と元気を人に与えるのではないか。栄えている者を戒め、不幸な者に希望を与えるのが、「変化こそが常である」という思想である。



(以下引用)記事中の引用文の中の赤字は夢人による強調。


ちょっと前にやや妙な「月と女性のサイクルのリンク」についてのような記事を書きました……以下の記事です。


 


[記事] 「夜空の月と、地上の月」 : ワクチンでの月経異常の拡大から思う「古代からの月のサイクルと女性のサイクルのリンク」の崩壊
 In Deep 2022年10月16日


 


そこに、「エメラルド・タブレット」というものを載せています。


『薔薇十字団の秘密の教え』の最終ページにあるエメラルド・タブレット

Die geheimen Figuren der Rosenkreuzer


 


この内容を示した「文章」は、このイラストが掲載されているページの下にラテン語で書かれているのですが、Wikipeida - エメラルド・タブレットにもありますし、そこに、アイザック・ニュートンによる英訳を日本語に訳したものもあります。


ただ、それもまた「下なるものは上なるもののごとく」というような文語調でして、どうも私は文語調の日本語をよく読めないのですよ。それで、以前、「ですます調」で、訳したことがあるのです。11年くらい前のこちらの記事にあります。


ちょっと長いですが、転載します。最後のほうに出てくる「ルメス・トリスメギストス」というのは、伝説的な錬金術師だそうです。


 



エメラルド・タブレット (ニュートン訳より / 1680年)

これはまったく偽りのない真実です。


唯一となる奇跡の実現のためには、下のものが上のように、あるいは上のものが下のように。


そして、すべてのものはたったひとつの適合によってひとつからやってきます。


なぜかというと、すべての物はこのひとつのものに起因しているからです。


「太陽」がその父で、「月」がその母、「風」はそれを胎内に宿し、「大地」はその乳母です。全世界の、すべての完全性の父がここにいます。


その作用と力は完全です。それが地に転換されれば、偉大なわざによって大地から火をつくり、粗雑なものを精妙なものに変えることができます。


それは地上から天へ昇り、また再び地へと戻り生まれ変わります。
そして、上のものと下のもの両方の力を身につけるのです。


そして、あなたにとって世界の奇跡は自らのものとなります。
あなたからすべての曖昧な概念は消え去るでしょう。


これはどんなものより力強く、どんなフォースよりパワフルです。どんな精妙なものも、どんなに堅くて強いものも貫き通します。


こうして世界は創造されました。


希有な結合、そして多くの驚くべき奇跡によって。


このため、私はヘルメツ・トリツメギストスと呼ばれています。
私は全世界の知恵の三つの部分をマスターしています。


私が錬金術の偉大さについて言いたいこと、すなわち、太陽の作用について私が言わなければならないことはこれで終わりです。




 

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宗教と論理

別ブログに載せていた記事だが、今読んでも面白いので、ここにも載せておく。統一教会問題を機に、宗教、特にキリスト教やその関係の宗教について少し考えてもいいのではないか。仏教にしても、コメント157など、洒落ていると思う。

(以下自己引用)
まあ、常識の類のスレッドだが、コメントの中には私の知らなかった知識もあるから載せておく。

(以下引用)


       
       
       
1: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:22:53.83 ID:YHbYEey7d
日本の各地でザビエルは布教するのですが、
出会った日本人が彼に決まって尋ねた事があります。
それは、「そんなにありがたい教えが、なぜ今まで日本にこなかったのか」ということでした。

そして、「そのありがたい教えを聞かなかったわれわれの祖先は、
今、どこでどうしているのか」ということだった。
つまり、自分たちは洗礼を受けて救われるかもしれないけれども、
洗礼を受けず死んでしまったご先祖はどうなるのか、
やっぱり地獄に落ちているのか・・・・・
当時の日本人はザビエルにこういう質問を投げかけた。

元来、キリスト教においては、洗礼を受けてない人は皆地獄ですから、
ザビエルもそう答えました。すると日本人が追求するわけです。
「あなたの信じている神様というのは、ずいぶん無慈悲だし、無能ではないのか。
全能の神というのであれば、私のご先祖様ぐらい救ってくれてもいいではないか」

ザビエルは困ってしまいまして、本国への手紙に次のように書きました。
「日本人は文化水準が高く、よほど立派な宣教師でないと、
日本の布教は苦労するであろう」と。当時の中国にも、韓国にも、
インドシナにもこうしたキリスト教の急所(?)を突くような人間はいなかったわけです。

引用元: https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1629408173/

2: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:23:18.52 ID:YHbYEey7d
この他にも、『もし神様が天地万物を造ったというなら、なぜ神様は悪も一緒に造ったのか?(神様がつくった世界に悪があるのは変じゃないのか?)』などと質問され答えに窮していたようです。

ザビエルは、1549年に日本に来て、2年後の1551年に帰国しますが、
日本を去った後、イエズス会の同僚との往復書簡の中で
「もう精根尽き果てた。自分の限界を試された。」と正直に告白しています。

集団原理の中で生きてきた日本人にとって、魂の救済という答えは
個人課題ではなく先祖から子孫に繋がっていくみんなの課題であったはず。
「信じるものは救われる」=「信じない者は地獄行き」
といった、答えを個人の観念のみに帰結させてしまうキリスト教の欺瞞に、
当時の日本人は本能的に気づき、ザビエルが答えに窮するような
質問をぶつけたのではないでしょうか。
187: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:50:58.96 ID:NCHwEayer
>>2


まあ所詮(カトリックに限らず)「人工の宗教」だからな

別に無神論者ではないが「人の手が入った体系だった宗教」は信用出来ん
5: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:24:56.29 ID:jNbiaVU10
普通にキリシタン増えとったが
6: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:25:13.98 ID:cZSMXsJKM
ひろゆきの祖先やろ
9: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:26:06.36 ID:0meykNpD0
キリシタンって要は現代で言うポカホンタスのことだよな
11: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:26:23.08 ID:YHbYEey7d
長いから三行で要約すると

土人感覚で日本人に布教しようとしたら
白人より精神的レベルが高くて
ザビエルびっくり
14: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:26:30.88 ID:s1SY3CYZ0
こんな疑問誰でも思いつくやろ
24: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:28:49.20 ID:YHbYEey7d
>>14
北米「グエー」中南米「グエー」アフリカ「グエー」インド「グエー」東南アジア「グエー」中国「グエー」

日本人「そのキリスト教おかしくね?」ヨーロッパ「あばばばば」
45: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:32:07.84 ID:Krbw+BggM
>>24
別に北米もインドも中国も宗教で支配したわけじゃないし
北米は現地人あんまおらんし、インドも中国もキリスト教そんな信仰してないし
15: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:26:56.30 ID:BeuwAP7f0
キリシタン騙されやすいアホだった説
17: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:27:06.80 ID:mq2vVnzQ0
いやキリシタン増えて人攫いされてた定期
19: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:27:44.50 ID:zvR9q1I40
揚げ足取りだけは世界一上手い民族だからな
20: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:28:00.31 ID:2+qjWVmOd
女を奴隷として船で運ばれてたんだよね…
92: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:39:27.10 ID:uLCLEWXlr
>>20
豊臣秀吉自身が奴隷所有者だったんだよなぁ...
23: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:28:26.48 ID:e38J0CMwM
長崎の出島にきた白人が日本人を奴隷にして本国に送っててそれにキレた秀吉が宣教師追放令出したって経緯が教科書に載らないの闇だよな
26: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:28:56.95 ID:64Bnnswn0
これヨーロッパ含め世界中で突っ込まれてるからな
それで煉獄とかいう後付け設定生やした
27: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:29:08.40 ID:DsKLFQ4J0
このタイミングで鉄砲伝来していなかったらあっという間に植民地になっていた説あるよね
34: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:30:44.70 ID:mq2vVnzQ0
>>27
せやな
鎌倉以降は武士社会やからそこまでやろうけど
29: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:29:45.42 ID:GyBagEsu0
嘘つくな
侵略されかけてたからキリスタン禁止令出して守っただけじゃい
44: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:31:54.52 ID:YHbYEey7d
>>29
他のアジア諸国、アフリカ諸国、アメリカ諸国が次々やられてく中、日本だけは支配出来なかった模様
76: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:37:57.11 ID:jNbiaVU10
>>44
イギリスの傀儡だった長州と薩摩で明治政府作ったやん
31: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:30:20.04 ID:nQR8kzNDd
南無阿弥陀仏だけで救われるで
日本人「えっ!」
32: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:30:35.99 ID:PndO+7140
戦国時代から「それ貴方の感想ですよね?」があったのか
33: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:30:39.09 ID:QUaz87l30
実際キリストが産まれる前の人類はみんな地獄に落ちたって考えられてるの?
38: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:30:59.79 ID:XeiyJm/Da
普通にキリシタンは増えてた定期
ただキリストをお釈迦様、聖母マリアを如来などと勝手に仏教擁護でに置き換える独自解釈しだして宣教師の頭を悩ませてた模様
133: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:44:42.96 ID:YcEuprSa0
>>38
大昔からカレーうどんたらこパスタとやってること一緒やねんな
40: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:31:29.08 ID:U5F4ek0Ga
切支丹を潰してくれた秀吉と家康には感謝やな
41: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:31:34.30 ID:eozwWAGy0
庶民も宗論とか大好きだったんやね
48: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:32:58.27 ID:bQvSBP1y0
ヴォルテールはキリカスが調子乗って日本に嫌われたとか書いてたな
50: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:33:20.46 ID:BC3Yend90
松永久秀「詐欺だぞ」
52: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:34:23.60 ID:TG9EOQU90
当時の中国にも韓国にもって書いてるけど別に中国や朝鮮もキリシタン弾圧はしてたやん
キリスト布教を使っての侵略をされなかったってのを根拠にこういう逸話を言ってるならそれは中国や朝鮮にも当てはまる事やろ、何で中国朝鮮は失敗して日本だけが矛盾ついた!みたいに言うてんのや????
53: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:34:40.71 ID:3wqjziNR0
すぐ南のフィリピンはいつのタイミングで侵略されたんや?
キリスト教で英語使うやろ
70: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:36:56.83 ID:o9RccRPm0
>>53
1500年代半ばくらい
107: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:41:25.79 ID:Krbw+BggM
>>53
あいつらも武力で支配されて、植民地時代が長すぎて、文化も移されたパターンやからな
145: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:46:33.74 ID:wARnGywh0
>>53
比叡山が信長に燃やされたころにマニラに総督府作られてた
55: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:35:08.09 ID:o9RccRPm0
キリシタンが多かったのは九州各地の税の重さがほぼ原因やろな
58: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:35:53.04 ID:im9fVbHD0
ザビエルが河童の元ネタなのは余り知られてはいない
60: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:35:58.90 ID:XjaYPGvt0
というか日本は元々そういう一神教的な「真理」なんてない
漢字を訓読みと音読みにわけるという特殊な言語体系な時点でジャック・ラカンは「日本人は倒錯者」言ってる
188: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:51:01.28 ID:TG9EOQU90
>>60
日本すげええええええ
61: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:36:17.63 ID:LGNwwD/E0
仏教も厳しい修行をして極楽浄土へ行けるって教えやったんやろ
信者獲得のために祈ればOKになって最後は何もしなくても誰でも行けるようになった
63: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:36:24.70 ID:Qx5EzeDd0
そもさんせっぱだろ
問答があったからこそ
突き詰めると仏教が一番まともな真理なんだろな
68: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:36:43.30 ID:VT2puhJn0
キリスト教のカスってマジでこんなもん信じてるの?
アホでも引っかからんレベルやろ
72: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:37:22.99 ID:cmPKKg7S0
南米で大虐殺してた時に日本来てて同時期なんだよな
何で日本だけ普通に交易してたんだ
82: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:38:54.93 ID:XjaYPGvt0
>>72
遠過ぎて本国から軍隊出せなかっだけでは
104: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:40:43.38 ID:xL8aOREq0
>>72
せやから布教しようとしたイギリスとかはガン無視して宗教より貿易優先のオランダと国交するようになるやん
78: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:38:30.01 ID:LlwvdoUd0
隠れキリシタンやってるうちに土着信仰とどんどん融合して明治の頃にはキリスト教とはまったく違った宗教になってて話好き
84: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:38:58.24 ID:o9RccRPm0
>>78
いまだに隠れキリシタンやってんのは闇
95: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:39:49.07 ID:LlwvdoUd0
>>84
ご先祖様以来の信仰やからしゃーない
80: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:38:48.70 ID:hSDshG8i0
でもハゲてるじゃん
81: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:38:52.09 ID:f7sEdIDY0
宣教師「めんどくせーな…せや神を疑う事は罪ってことにしたろ!」
83: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:38:55.06 ID:VsdIiYsq0
オランダ人がスペインを信用するな侵略の手先と助言したんじゃなかったか
87: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:39:04.90 ID:zloNG8FQd
キリスト教の人は他の宗教の奴はみんな地獄へ行くと思ってんの?
91: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:39:26.32 ID:QClekEM50
これは嘘だと思うが実際普及しなかったから豊臣の勝ち
94: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:39:45.58 ID:mLeBPVIgM
なおキリスト教国の黒船来襲にはビビってしまった模様
101: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:40:35.02 ID:o9RccRPm0
>>94
やっぱ神より暴力のが怖いわ
116: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:42:27.13 ID:VsdIiYsq0
>>94
太平の期間が長すぎたんや
戦国時代がヤバすぎる。
鉄砲が伝わってからある程度立つとヨーロッパ全土の総数よりも量産されてたとか
100: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:40:32.66 ID:WxbytAmc0
あなたの信じている神様というのは、ずいぶん無慈悲だし、無能ではないのか。
全能の神というのであれば、あなたの髪ぐらい救ってくれてもいいではないか
103: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:40:42.89 ID:5qlcng8+p
遠藤周作の沈黙の映画のイッセーおがたがかっこいいよ キリスト教は日本人の身体には合わない服なのじゃみたいなこと言ってる
112: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:41:47.89 ID:hd7Q8mUHM
なお改宗した人間を奴隷として扱っていた為秀吉にブチギレられる模様
115: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:42:23.68 ID:v00Ch2KLM
神を試してはならない
これ敗北宣言やんな?
119: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:42:51.16 ID:LlwvdoUd0
ガキの頃読んだ歴史漫画だと島原の乱が敬虔なキリシタンによる宗教戦争みたいに描いてる無茶苦茶なのあったな
120: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:42:52.37 ID:Yxlb4K0p0
鉄砲の所有数で見ると世界有数の軍事大国だったんだろ
122: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:43:04.70 ID:34S0KXZ2a
中韓にもキリスト教広まってないやん
雑魚やん
134: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:44:46.60 ID:v00Ch2KLM
>>122
韓国はキリスト教徒多いぞ
クソ宗派やが
137: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:45:34.77 ID:o9RccRPm0
>>134
赤い十字架こわい
149: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:47:02.35 ID:7tLZ2KUuM
>>122
日本にあるキリスト教会とか主催者韓国人だらけやぞ
167: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:48:26.39 ID:LlwvdoUd0
>>149
教会の前の今週のミサのテーマみたいの見ると韓国人名の牧師担当多いよな
136: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:45:14.65 ID:xL8aOREq0
そういや天下統一されて戦がなくなった武士が海外に雇われて戦線に投入されて結構頑張ったみたいな話どっかで聞いたな
ソース忘れたけどどこかに転がってへんやろか
140: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:45:54.52 ID:izlUaRg70
日本は天災で何度も我に返るからなぁ
146: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:46:37.69 ID:v00Ch2KLM
>>140
数年おきにやっぱ神様なんておらんやんけ!って実感させられるのは強いわ
159: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:47:48.35 ID:1Zk6PdR1d
>>146
天災は神道とかでは神の怒りとかなんやないの?
175: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:49:44.43 ID:v00Ch2KLM
>>159
悪い神様の仕業や
だから祀って機嫌取って悪さしないようにお願いするんや
Godを神って訳したのは悪手やわあっちとは意味合いが違う
148: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:46:56.45 ID:DadYjEwx0
今のインフルエンサー(笑)に胸酔する連中みてるとホンマかどうか疑わしいけどな
154: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:47:21.00 ID:LlwvdoUd0
途中から「あーもうお前がキリシタンでもええからここは踏み絵踏んだ振りだけしとけ」とか言い出してるのホンマ好き
176: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:49:54.23 ID:g8/+qbns0
>>154
裁く側も「頼むから踏んでくれー!」って思ってたらしい
前線で実際に処刑する人達には信仰の違いで死刑はかなりメンタルにダメージがあったんやって
157: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:47:47.57 ID:rpOMw0/Qd
ブッダ「神なんておらん自分を高める修行しなはれ」
日本人「はえーブッダさん拝んでおこぼれもらお」
204: 名無しさん 2021/08/20(金) 06:52:54.44 ID:nQR8kzNDd
>>157
修行はきついからしゃーないね

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山上問題

ここ数日アニメ「サイコパス」を見ているのだが、哲学的な内容で面白い。(「サイコパス」とは、このアニメでは、いわば「精神パスポート」「精神合格ライン」とでも言うべきもので、機械測定で「犯罪係数」が或る基準を上回るものは、即座に犯罪者として処理される、そういう社会の話である。映画「マイノリティリポート」に少し似ている。あれは、未来予測が可能な社会で、未来に犯罪を犯すことが予測された者は逮捕されるというような話だったと思う。)
で、それを見ているうちに思ったのが、「山上問題」とでもいうような問題である。
「法律が犯罪者を不当に保護している場合、法に従うことは正義か」という問題だ。
現実には、権力者が警察や軍隊という暴力装置をバックにして犯罪的行為をするのだが、その場合、法律や裁判所はその権力者のバックアップをすることになる。
その時、権力を持たない庶民が「正義の執行」のためにできるのは、個人的テロ行為しかないだろう。それを私は「山上問題」と名付けたわけである。
さて、これは悪だろうか、正義だろうか。

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アファンタジアという「才能」www

私がまさにこれなのだが、そのために、「個人的問題で悩む」ということがおそらく非常に少ないのではないかと思う。つまり、一種の天与の恩恵と私は捉えている。
私のブログの記事が、社会的問題や哲学的問題で埋められているのは、そうした性向によるものだろう。自分自身の個人的問題など、私には些末事項なのである。その反対に、たとえばアニメや漫画などの細部に感心したら、それを論じたくなる。考察、それ自体が娯楽だからだ。
まあ、極論だが、「欠陥も才能」という考え方は悪くないのではないか。

(以下引用)長い記事なので、途中まで転載。



アファンタジアと私


頭の中で映像が視覚化されないアファンタジアと私に関するエピソードの記録。不定期更新。









アファンタジアと私 (2022年10月14日) - 重度の自伝的記憶不全 (SDAM)






アファンタジアとSDAM(重度の自伝的記憶不全)について、ベルギー人 Maarten さんの記事(下記URL)を日本語に翻訳しました。アファンタジアな私が20年以上前から感じていた「幼少期から今に至るまで、自分に関する自伝的な出来事を思い出せない」現象を説明できる解答(仮説)を、ついに見つけました。


https://aphantasia.com/maybe-you-have-sdam/



翻訳はGoogle翻訳およびDeepL翻訳を使いました。翻訳後の【日本語訳文】にいくらか手を加えましたが、基本的には機械翻訳そのままですので、明らかな誤訳や間違いが含まれている可能性があります。あくまでオリジナル英文の雰囲気をつかむ「意訳」程度ということでご容赦ください。オリジナルの真意を読み解きたい方は英文のほうを参照ください。また、【日本語訳文】の後に【私の所感】を追記しました。読み飛ばしても構いませんが、興味がある方は参照ください。なお、英文と訳文の転載に問題ありましたらご連絡ください。速やかに対処します。



更新履歴:


2022年10月14日 v1(下書き)(私の所感を書いた部分は未推敲なので乱文注意)






Maybe you have SDAM? (もしかしてあなたはSDAM?)





【日本語訳文】もしかしてあなたはSDAM?



Aphantasia and Severely Deficient Autobiographical Memory


【日本語訳文】アファンタジアとSDAM(著しく不足してる自伝的記憶)



Maarten Serneels


【日本語訳文】マールテン・セルネール



September 19, 2022


【日本語訳文】2022年9月19日



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Like many others, when discovering Aphantasia, I was shocked at first. This started a rollercoaster of emotions in the following days and weeks, as I began talking to my partner, family, and friends about this. It ended up being a relief, as certain things started to fall into place, and I learned to understand myself and others better.



【日本語訳文】他の多くの人と同じように、自分のアファンタジア(※頭の中でイメージを視覚化できない状態)を発見したとき、私はまずショックを受けました。このことをパートナー、家族、友人に話すと、その後の数日間から数週間はジェットコースターのような感情の変化が始まりました。その結果、あることが明らかになり、自分や他人をより理解できるようになり、最終的には安心しました。



【私の所感】以下あくまで私の場合です。1998年、速読の勉強中に自分がアファンタジアであることを自覚しましたが(当時はアファンタジアという名前はまだ付いてませんでした)、とくにショックは無かったです。むしろ興味深く楽しんでいました。当時は妻(どちらかというとハイパーファンタジア寄りと推測)とそのことを深く話し合い、知られざるヒトの脳機能の違いに感動してました。ですが、当時~その後、定期的にネットで検索してもアファンタジアに該当する情報はありませんでした。「脳」「視覚」などの検索ワードを駆使してもヒットするのはハイパーファンタジア(当時はこんな名前は無かったと思いますが、いわゆる写真記憶が出来ること)のほうで、有名な画家や小説家がこの機能を有していることも分かりました。ですが、まだ名前の無いアファンタジアについては、多くの人々に認知される形での情報はありませんでした。



━━━━━━━━━━


But this didn’t explain my poor memory of my past self. This made me delve deeper, and then someone said, “Maybe you have SDAM?“



【日本語訳文】しかし、これだけでは自分の過去の記憶が乏しさ(ぼんやりした曖昧な記憶)についての説明にはなりませんでした。そこで、もっと詳しく調べてみると、ある人から「もしかしたら、あなたはSDAMでは?」と言われたんです。



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Discovering Aphantasia


【日本語訳文】アファンタジアとの出会い



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A few months ago, I started to seek help for my poor memory and distant feeling from others. I came to realize that everyone ‘sees’ things differently in their mind after a conversation with my psychologist.



【日本語訳文】数ヶ月前に、自分の貧弱な記憶と他人との距離感(疎外感)について、私は助けを求めるようになりました。私は心理学者と対話の中で、誰もが心の中では物事を異なって「見ている」ことに気づきました。



【私の所感】私も過去の記憶が貧弱で、ほとんど思い出せません。以前のコンテンツで次のように書いたことがあります。


アファンタジアとの関連は不明ですが、これまでの人生で過去の日常をあまり思い出しません。とくに20代以前の人間関係・家庭生活・学校生活・職場生活などの日常や自我(自分が自分の意識で存在を実感しているようなフィーリング)を、当時はもとより20代以降もほとんどまったく思い出さない、思い出せません。そもそも記憶として定着されてるのだろうか?とも思っています。それくらい思い出しません。


また、20代に限らず、30代以降から現在に至るまでも、やはり過去を思い出すという行為はあまりしませんし、それほどないです。ただし、自身で「昔、こういうことがあったはず」という気づきや、第三者から「昔、こういったことがあった」という情報のインプットがあれば、自分の記憶にそれが残っている場合なら可能な範囲で思い出してるはずです。


しかしながら、これまでの生活、とくに思い出せる範囲での20代以降の生活すべてにおいて、記憶や健忘などに関連してとくに困ったことはないし、とくに問題になったこともないです。仕事で支障をきたしたこともありません。



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競争という行為

まあ、人間が賢明になってきたのではないか。そもそも競争って必要なのか。「競い、争う」のだから、相手を押しのけ、足を引っ張ることになるのが普通だろう。
私は自分が無能なせいか、争い事というのが大嫌いで、勝つことに意義を見出せない。勝って、負けた人間が悔しがるのを見て楽しいのか。しかも、社会での競争は多数が相手であり、負けて泣く人間がほとんどなのである。で、競争の結果、成果を出せば会社は儲かるから、会社は競争を煽るわけだ。地位が上がると机や椅子まで少しずつ豪華になる。そんなのが嬉しいのか。地位が上がれば部下に横柄な態度が取れる。そんなのが嬉しいのか。かと言って、部下に下手に出るしかない職場なら、出世する意味も無いだろう。
要するに、競争などしなくても、真面目に働けば相応の見返りがあるという職場なら、社長がよほど無能でない限り利益は出せるのであり、上手く行かないなら社長や上層部が無能なだけだ。
なお、スポーツでの競争は、もともと素質のある人間同士が競い争うのであり、勝つのが楽しい人間、負けた相手が悔しがって泣くのを見て楽しいという人間同士の争いなのだから、別次元の話である。まあ、競走馬と同じだ。もっとも、競走馬は勝っても嬉しいと思うかどうかは知らない。


(以下引用)

若者、とうとう出世競争まで拒否をしてしまう 「平穏な生活こそ私の目標・・・」

 
WS000060

1:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:05:02.81 0
出世したくない若者が増えている|だって良いことないし

出世したくない若者が増えています。マイナビニュースによると、 「出世したくない人」が59.2%と、「出世したい人」の40.8%を上回ったとのことです。 これまで日本のサラリーマンは出世を目指して頑張ってきましたが、今の若者にとって、出世はそれほど魅力的ではないようです。

なぜ若者は、出世したくないと思うようになったのでしょうか。 ここでは出世のメリットとデメリットを検証し、出世の是非を問います。

https://www.myskc.net/o_150829.php


元記事:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/morningcoffee/1665446702




10:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:19:56.88 0
働き方改革の末路ですけん



11:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:24:04.02 0
地位や名誉に拘るなんて元来極一部の貴族階級だけがやってた事だもの



13:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:25:55.89 0
出世したってたいして給料変わらんしする意味が無い



20:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:40:50.34 0
これは若者に限らずジジイでも多いと思うが



21:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:42:02.37 0
そりゃ20年前から言われてるからな、これ



22:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:42:59.46 0
出世してもプレッシャー半端無いからな平の方が全然マシ



23:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:44:00.87 0
まるで望めば出世出来るみたいな言い方じゃないかw



25:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:45:50.11 0
今は中途半端に役職上がってもろくに給料上がらず裁量もないのに残業代なしでこき使われるだけだからな



30:名無し募集中。。。:2022/10/11(火) 09:48:32.69 0
全員が出世欲を出すと全員で足の引っ張り合いが起きてしまう
出世するのは一部の秀才だけでいいのに全員は邪魔

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酔生夢人
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それだけで人生は生きるに値します。

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