第四十九章 ドラゴンとの戦い
ドラゴンは、ミゼルたちに向かって大きく口を開けた。その巨大な口の中には、ぞっとするような牙が鋸の歯のように並んでいる。牛一頭でも丸呑みに出来そうな口だ。もちろん、人間など一噛みで食いちぎるだろう。
「皆、空を飛ぶわよ。でも、私の思念の集中は三百数える間だけしか続かないから、危なくなったら逃げて」
リリアの言葉が、各自の心の中に響いた。と同時に、ミゼル、ピオ、マリスの体がふわりと宙に浮いた。
最初は空中での動きに戸惑った三人だが、ちょうど、水の中を泳ぐような要領で空中を動けることに気づくと、三人はドラゴンの周りに分散した。
目標が分かれて、どれを攻撃したらよいのか迷ったドラゴンに、まずピオが後ろから斬りかかった。ピオの剣は、ドラゴンの背中の固い皮を切り裂いたが、その巨大な体の表面を三十センチほど斬っただけでは、相手に何の痛手も与えない。
続いて、マリスが今度はドラゴンの首に剣を突き立てた。しかし、これも棘が刺さった程度にしか感じないようである。だが、ドラゴンは、これまで受けた事の無い傷に憤怒して、ピオとマリスを叩き落とそうとして体に比して小さなその両手を振り回した。
「ミゼル、俺があいつの的になるから、弓であいつの目を射ろ」
ピオが叫んで、わざとドラゴンの正面に回った。
ドラゴンは目の前の敵に向かって両手を振り回したが、ピオがそれを巧みに交わす。その間に、ミゼルはドラゴンの両目に、続け様に矢を射た。
矢は過たず、ドラゴンの両目に突き立った。
ドラゴンは苦悶の叫びを上げた。
と同時に、ミゼルたちが空中を浮遊する力が衰え、ミゼルたちは着地した。
視力を失ったドラゴンは、もはや脅威ではなかった。敵の姿が見えず、ただむやみに手や尾を振り回して相手を打ち倒そうとするドラゴンを、ミゼルたちは遠巻きにして眺めているだけで良かった。
ドラゴンは、ミゼルたちに向かって大きく口を開けた。その巨大な口の中には、ぞっとするような牙が鋸の歯のように並んでいる。牛一頭でも丸呑みに出来そうな口だ。もちろん、人間など一噛みで食いちぎるだろう。
「皆、空を飛ぶわよ。でも、私の思念の集中は三百数える間だけしか続かないから、危なくなったら逃げて」
リリアの言葉が、各自の心の中に響いた。と同時に、ミゼル、ピオ、マリスの体がふわりと宙に浮いた。
最初は空中での動きに戸惑った三人だが、ちょうど、水の中を泳ぐような要領で空中を動けることに気づくと、三人はドラゴンの周りに分散した。
目標が分かれて、どれを攻撃したらよいのか迷ったドラゴンに、まずピオが後ろから斬りかかった。ピオの剣は、ドラゴンの背中の固い皮を切り裂いたが、その巨大な体の表面を三十センチほど斬っただけでは、相手に何の痛手も与えない。
続いて、マリスが今度はドラゴンの首に剣を突き立てた。しかし、これも棘が刺さった程度にしか感じないようである。だが、ドラゴンは、これまで受けた事の無い傷に憤怒して、ピオとマリスを叩き落とそうとして体に比して小さなその両手を振り回した。
「ミゼル、俺があいつの的になるから、弓であいつの目を射ろ」
ピオが叫んで、わざとドラゴンの正面に回った。
ドラゴンは目の前の敵に向かって両手を振り回したが、ピオがそれを巧みに交わす。その間に、ミゼルはドラゴンの両目に、続け様に矢を射た。
矢は過たず、ドラゴンの両目に突き立った。
ドラゴンは苦悶の叫びを上げた。
と同時に、ミゼルたちが空中を浮遊する力が衰え、ミゼルたちは着地した。
視力を失ったドラゴンは、もはや脅威ではなかった。敵の姿が見えず、ただむやみに手や尾を振り回して相手を打ち倒そうとするドラゴンを、ミゼルたちは遠巻きにして眺めているだけで良かった。
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