第四十二章 七人目の仲間
「ここの人間の死人のような表情を見ると、ヤラベアムが天国のように見えてくるな」
オランプが帰った後で、ピオがそう呟いた。
「ここに比べれば、アドラムもそう悪くはありませんよ。ここでは、人々は生きるのにぎりぎりな分以外は、すべて税金に取り上げられていて、動物とほとんど変わらない暮らしをしている。自由ってもんがほとんどない」
マキルがそれに答えた。
「カリオスが魔力を持っているなら、自分たちの贅沢に必要な物をすべて魔法の力で出しゃあいいじゃないか。何も、貧しい人々から搾り取らなくたって……」
メビウスが、吐き捨てるように言った。
「どうですかね、リリアさん、魔法って奴は、人間を幸福にはできねえ物ですかね」
ザキルがリリアをからかうように言った。
「魔法は人間の精神を外部の力に変えるだけよ。善人が使えば良い魔法になるし、悪人が使えば悪い魔法になるだけ」
リリアは素っ気なく答えた。嫌いなザキルとはあまり話もしたくないのである。
翌日、まだ朝早くオランプが洞窟に再びやってきた。
「ミゼルさん、ピオさん、役人たちがあんたたちを探してますよ。早くこの町を出たほうがいい」
オランプの言葉で、ミゼルたちはこの洞窟から出ることにした。
道案内をしていたオランプが、ミゼルを振り返って言った。
「俺もあなたたちに付いていっていいかな。あんたたちがカリオスを倒してくれたら、この国のためになる。俺も、そのために一働きしたいんだ」
「それはかまわんが、まず、生きて帰れる保証はないぜ」
ピオがミゼルに代わって答えた。
「どうせ、生きていたって、奴隷同然の、惨めな一生を送るだけさ。俺には養う家族も泣いてくれる恋人もいないからいいんだ」
「なら、大歓迎だ。この国の言葉を流暢に喋れる人間がいるのは助かる」
ミゼルはオランプの手を握って笑顔を見せた。
「ここの人間の死人のような表情を見ると、ヤラベアムが天国のように見えてくるな」
オランプが帰った後で、ピオがそう呟いた。
「ここに比べれば、アドラムもそう悪くはありませんよ。ここでは、人々は生きるのにぎりぎりな分以外は、すべて税金に取り上げられていて、動物とほとんど変わらない暮らしをしている。自由ってもんがほとんどない」
マキルがそれに答えた。
「カリオスが魔力を持っているなら、自分たちの贅沢に必要な物をすべて魔法の力で出しゃあいいじゃないか。何も、貧しい人々から搾り取らなくたって……」
メビウスが、吐き捨てるように言った。
「どうですかね、リリアさん、魔法って奴は、人間を幸福にはできねえ物ですかね」
ザキルがリリアをからかうように言った。
「魔法は人間の精神を外部の力に変えるだけよ。善人が使えば良い魔法になるし、悪人が使えば悪い魔法になるだけ」
リリアは素っ気なく答えた。嫌いなザキルとはあまり話もしたくないのである。
翌日、まだ朝早くオランプが洞窟に再びやってきた。
「ミゼルさん、ピオさん、役人たちがあんたたちを探してますよ。早くこの町を出たほうがいい」
オランプの言葉で、ミゼルたちはこの洞窟から出ることにした。
道案内をしていたオランプが、ミゼルを振り返って言った。
「俺もあなたたちに付いていっていいかな。あんたたちがカリオスを倒してくれたら、この国のためになる。俺も、そのために一働きしたいんだ」
「それはかまわんが、まず、生きて帰れる保証はないぜ」
ピオがミゼルに代わって答えた。
「どうせ、生きていたって、奴隷同然の、惨めな一生を送るだけさ。俺には養う家族も泣いてくれる恋人もいないからいいんだ」
「なら、大歓迎だ。この国の言葉を流暢に喋れる人間がいるのは助かる」
ミゼルはオランプの手を握って笑顔を見せた。
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