第十九章 吉報
ゼフィルを連れてアブドラの屋敷に戻ると、エルロイもロザリンも、ゼフィルがミゼルの手に戻った事を非常に喜んだ。
「私、この馬に一度乗りたかったんだ」
ロザリンの頼みで、ミゼルはロザリンがゼフィルに乗るのを許した。
アブドラの屋敷の中庭でゼフィルに乗ったロザリンは、思いもかけない見事な騎乗ぶりを見せた。
「あの子は、庶民ではないな。武芸の心得があるようだ」
エルロイが呟いた。
ロザリンに続いて、エルロイも乗ってみる。こちらも鮮やかな手並みである。
「いや、驚いた。この馬は、乗り手の気持ちが分かっているみたいだ。こちらの考え通りに、すぐ反応する。やはり、最高の名馬だ」
ゼフィルから下りたエルロイは、そう感想を述べた。
やがて、宮廷から戻ったアブドラが、ミゼルに吉報を伝えた。
「ロドリグ王と会えることになりましたよ」
ミゼルたちは、歓声を上げた。
「ヤラベアムからの旅人とは珍しい、ということでお会いするそうです。ただし、ご承知の通り、このアドラムとヤラベアムは敵対していますから、どんな目に遭うかは分かりませんが、それでもいいですか?」
ミゼルは仲間たちの顔を見た。
「もちろんですよ。この旅に出た以上、どんな危険も承知の上です」
ゲイツが仲間を代表して言うと、他の仲間も頷いた。
「で、ロドリグ王との賭けの賭け代に何をするのか、決まりましたかな?」
アブドラが聞いた。
「やっぱり、ここは私を賞品にすべきじゃない? もしもこの程度の顔でご不満なら、魔法で凄い美女に化けてもいいわよ」
と、ロザリン。
「いや、ゼフィルを賭ける方が安全だろう」
と、ミゼルは言った。せっかく手元に戻ったゼフィルと別れるのは、身を切るより辛いが、ロザリンを危険にさらすわけにはいかない。
「では、出たとこ勝負で行きましょう。ロドリグ王が目を付けた方を賭け物にするのです」
ゲイツの提案に、一同は頷いた。
ゼフィルを連れてアブドラの屋敷に戻ると、エルロイもロザリンも、ゼフィルがミゼルの手に戻った事を非常に喜んだ。
「私、この馬に一度乗りたかったんだ」
ロザリンの頼みで、ミゼルはロザリンがゼフィルに乗るのを許した。
アブドラの屋敷の中庭でゼフィルに乗ったロザリンは、思いもかけない見事な騎乗ぶりを見せた。
「あの子は、庶民ではないな。武芸の心得があるようだ」
エルロイが呟いた。
ロザリンに続いて、エルロイも乗ってみる。こちらも鮮やかな手並みである。
「いや、驚いた。この馬は、乗り手の気持ちが分かっているみたいだ。こちらの考え通りに、すぐ反応する。やはり、最高の名馬だ」
ゼフィルから下りたエルロイは、そう感想を述べた。
やがて、宮廷から戻ったアブドラが、ミゼルに吉報を伝えた。
「ロドリグ王と会えることになりましたよ」
ミゼルたちは、歓声を上げた。
「ヤラベアムからの旅人とは珍しい、ということでお会いするそうです。ただし、ご承知の通り、このアドラムとヤラベアムは敵対していますから、どんな目に遭うかは分かりませんが、それでもいいですか?」
ミゼルは仲間たちの顔を見た。
「もちろんですよ。この旅に出た以上、どんな危険も承知の上です」
ゲイツが仲間を代表して言うと、他の仲間も頷いた。
「で、ロドリグ王との賭けの賭け代に何をするのか、決まりましたかな?」
アブドラが聞いた。
「やっぱり、ここは私を賞品にすべきじゃない? もしもこの程度の顔でご不満なら、魔法で凄い美女に化けてもいいわよ」
と、ロザリン。
「いや、ゼフィルを賭ける方が安全だろう」
と、ミゼルは言った。せっかく手元に戻ったゼフィルと別れるのは、身を切るより辛いが、ロザリンを危険にさらすわけにはいかない。
「では、出たとこ勝負で行きましょう。ロドリグ王が目を付けた方を賭け物にするのです」
ゲイツの提案に、一同は頷いた。
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