これだけの部分では、「その本人の体内で循環して、RNA や DNA などを伝達している」というような感じがするかもしれないですが、
「あらゆる外部の細胞とコミュニケーションしている」
ことが今はわかっています。
少なくとも「体液や分泌物からの伝達」は日常的に起きていることだと考えられます。
たとえば、最近、2011年の医学論文を知りまして、「ヒトの唾液、血漿、母乳のエクソソームには RNA が含まれている : マクロファージによる取り込み」というタイトルのものですが、概要から抜粋しますと、以下のようになります。
論文「ヒトの唾液、血漿、母乳のエクソソームには RNA が含まれている : マクロファージによる取り込み」より
Human saliva, plasma and breast milk exosomes contain RNA: uptake by macrophages
ncbi.nlm.nih.gov 2011/01/14
概要
バックグラウンド
エキソソームは、多数の細胞によって生成されるエンドサイトーシス (※ 細胞が外部から栄養物質や情報分子を取り込む機構)起源の 30~ 100 nm の膜小胞である。
それらは、抗原提示を含む多様な生物学的機能を媒介することができる。最近、エクソソームには機能的な RNA が含まれており、他の細胞に送達できることが示された。したがって、エキソソームは、細胞との表面間の相互作用、または細胞への機能的 RNA の送達のいずれかによって、生物学的機能を媒介する可能性がある。
私たちのこの研究の目的は、ヒトの唾液、血漿、母乳のエキソソーム中の RNA の存在と、これらのエキソソームがマクロファージによって取り込まれるかどうかを判断することだった。
方法 (※ 方法はあまりに用語が難解ですので、割愛します)
結果
3つの体液すべてのエクソソームで RNA が検出された。血漿エキソソームで検出された RNA の一部は、mRNA として特徴づけられた。
この結果は、健康なヒトにおけるエキソソームの特性評価を拡張し、ヒトの唾液および血漿エキソソームにおける RNA の存在を確認し、母乳エキソソームにおける RNA の存在を初めて報告する。
この結果は、唾液と母乳のエクソソームがヒトのマクロファージに取り込まれる可能性があることも示している。
結論
唾液、血漿、母乳中のエクソソームにはすべて RNA が含まれており、いくつかの供給源のエクソソームに RNA が含まれているというこれまでの発見が裏付けられた。
さらに、エキソソームはマクロファージに容易に取り込まれ、エキソソーム RNA が細胞間を行き来できるという考えが裏付けられた。
ここまでです。
少なくとも、
「唾液、血漿、母乳などを介して、mRNA は伝達され、他者の細胞に取り込まれる可能性が非常に高い」
ということです。
これは、2011年の研究で、ずいぶん以前から知られていたことなのですね。
一昨年から、「妊娠されている女性」や「授乳されている女性」については、接種について非常に注意深くなるべきであることを書いていましたけれど、この 12年前の論文を読んで、「伝播はほぼ確実」だと言えることがわかりました。
[記事] 授乳中のお母さんたちへ
In Deep 2021年9月4日
つまり、すでに現在、「エクソソームによる大規模な《他者同士の細胞間の mRNA の情報伝達》が続いている状態かもしれない」ともいえそうなのです。
血漿はともかくとしても、赤ちゃんとお母さんなどのコミュニケーションは常に「唾液や母乳」で媒介されます。
それがどんな RNA であろうと、親(あるいは子ども)が持つ遺伝子は、エクソソームを介して、近い関係にある人たちの間で「共有される」ようになっていくのだと理解します。
問題は、
「自然の mRNA の寿命は大変に短いが、人工の装飾がされた mRNA (たえば、ファイザーやモデルナ等によるもの)は、大変に寿命が長い」
ということです。
2017年にサイエンスに掲載された論文では、
「(自然の) mRNA の半減期の中央値は約 2分だった」
とあります。
それがどんなものであれ、自然の mRNA であれば、その程度の時間で、わりとあっという間に分解・消滅してしまうのです。
ところが、ファイザー社などが、シュードウリジンというもので修飾した(組み換えた) mRNA の寿命は、いろいろと研究はありますが、2022年3月に発表された研究では、
「接種 60日後にリンパ節で mRNA を発見した」
とあり、本来は 2分程度で消滅するものが、2ヵ月後まで残っているような頑丈な構造を得たのです。もう何倍とか何十倍の差ではなく、途方もない差なのですが、この「 mRNA の強さ」が問題だと思われます。ずっとスパイクタンパク質の生産を続ける。
今のところは、いつ消滅するのかがわかった研究はありません。
これについては、以下の記事で記しています。
[記事] 「メッセンジャーRNAではなく、これは modRNA」と知り、納得する、巨大な人類への悪意とその顛末
In Deep 2023年4月25日
その頑丈な mRNA から作られるスパイクタンパク質には、さまざまな作用がありますが、代表的なものとして以下のようなことがあります。
・ヒトヘルペスウイルスを再活性化させる (記事)
・血管内皮への影響 (記事)
・ミトコンドリアの損傷 (記事)
・免疫の抑制との関係 (記事)
・神経疾患や精神疾患と強く関係するMAOというものに結合する (記事)
他にもいろいろとありますけれど、こういう影響が徐々に浸透していきますと、たとえば、乳幼児など小さな子どもの場合、時間の経過と共に健康に関する問題として表面化してくるものだと思うのです。
最近の記事で、南米やインドで、子どもを中心に感染症の爆発が収まらなくなっていることを取り上げさせていただきました。
[記事] 南米の状況は次の日本の冬を示唆している? ブラジルをはじめ多くの国で小児のウイルス性感染症の爆発により公衆衛生上の緊急事態に
In Deep 2023年7月3日
[記事] インドで子どもの発熱患者数が急増中。原因は報道により様々で、詳細は不明ながら、複数のウイルスが同時に流行中の模様
地球の記録 2023年7月5日
日本でも現在、子どもの感染症の急増がおさまらなくなっています。
・ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱など、日本各地に5つの感染症アラートが発出中 (2023/07/04)
感染症アラートが発出されているのは、ほぼすべて「子どもと赤ちゃんの病気」です。
エクソソームのこのような働きを改めて思いながら、今年の秋からの「接種に関する厚生労働省の指針」を思いますと、次第に事態はどうにもならなくなっていく可能性があるのではないでしょうか。
エクソソームの働きというのは、本来は、自然と自然、あるいは「人間と他の生物」が遺伝子などの情報を共有し、共に地球上の生物として、何らかの、そして「かなり根本的な生命の情報の共有」を行ってきたものだと思います。
たとえば、先ほどご紹介した 2011年の論文の中に、以下の部分があります。
> この結果は、唾液と母乳のエクソソームがヒトのマクロファージに取り込まれる可能性があることも示している。
これは、
「お母さんが赤ちゃんに授乳するという行為そのものが、《お母さんの遺伝子的要素を赤ちゃんに伝えている》」
と言えると思います。
お母さんが赤ちゃんにオッパイをあげるだけで、お母さんの遺伝要素が子どもに受け継がれていく。母乳の栄養素の重要性とか、そういうことを超えて、「遺伝子の要素を子に伝えている」ことになると。
そのような、かなり根本的なメカニズムの中に、人類史上初めて人工的なものが絡んだということになりますが、この代償はどこまでのものとなるのか… 。
ちなみに、冒頭の写真は、初めてエクソソームが確認されて、論文に掲載された際の画像ですが、これは、
「今から 40年前の 1983年の論文からのもの」
なのでした。
エクソソームの働きがわかったのは、2007年のことだったそうです。
ずいぶんと以前から、このエクソソームというものの存在と働きはわかっていたようです。
「なるほど、そこに介入したか…」
と、納得するなりできなかったりしながら、目に見えぬエクソソームの働きを想像する日々です。
世代まとめて宇宙からバチがあたるようなことをしてしまったのかもしれません。
今後社会がどうなっていくのかは、時間が示してくれるはずです。