(以下「大摩邇」記事から一部引用)
医学博士の故藤田紘一郎さんが、2018年1月のプレジデント誌でのインタビューで以下のように述べています。コロナ前のことで、これは「インフルエンザや風邪などの対策」としての話です。
2018年1月18日のプレジデントより藤田紘一郎さんの言葉
人間の皮膚には、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌をはじめとする約10種類以上の「皮膚常在菌」という細菌がいて、私たちの皮膚を守ってくれています。
彼らは私たちの健康において、非常に重要な役目を担っています。皮膚常在菌は皮膚から出る脂肪をエサにして、脂肪酸の皮脂膜をつくり出してくれているのです。
この皮脂膜は、弱酸性です。病原体のほとんどは、酸性の場所で生きることができません。つまり、常在菌がつくり出す弱酸性の脂肪酸は、病原体が付着するのを防ぐバリアとして働いているのです。
皮膚を覆う弱酸性のバリアは、感染症から体を守る第一の砦です。
このプレジデントの記事のタイトルは、「"手を洗いすぎる"と風邪を引きやすくなる」というものでした。その通りなんです。
ちなみに、藤田紘一郎さんが推奨する「感染症予防対策」は以下です。
「両手を軽くこすりながら、流水で10秒間流す」
石鹸は決して使いません。消毒剤は論外です。
流水だけで洗い流す。
この理屈は、たとえば、まあ…実際には、石鹸はウイルスを殺さないですが、一応殺すとして、「石鹸や消毒剤で消毒して、ウイルスと常在菌が同時に死ぬとする」とした場合、何らかの感染症が流行している時には、環境中にいくらでもその病原体はあるわけであり、あるいは、エクソソーム経由でいくらでもやってきます(エクソソームについては最近のこちらの記事をご参照下さい)。
つまり、「病原菌は、またすぐに手や体に付着する」のです。
ウイルスなどの病原体は、いくら消毒しても、すぐに付着が始まるのですが、
「石鹸の使用後や消毒した後は、守ってくれる皮膚の常在菌が手の平にいない」
のです。
藤田博士は、
> 病原体のほとんどは、酸性の場所で生きることができません。
と述べていますが、この「バリアが消える」のです。ウイルスに対して、手の皮膚がフリーエリアとなってしまう。消毒剤を含むうがいをすると、喉がウイルスのフリーエリアになる。
死んでしまった皮膚常在菌が復活するには、時間がかかります。
結局、このメカニズムからは、ひとつのことしか言えません。
「石鹸や消毒剤を使えば使うほど、ウイルスの攻撃にさらされやすくなる」
ということです。
これは、感染症と共に「傷」にもいえることで、「傷口を殺菌すると、傷を治す細胞までも殺してしまう」のです。
ずいぶん以前の記事ですが、以下は「傷を消毒してはいけない」ということを知った時のものです。
[記事] 怪我の功名から得た「傷と止血の対処の真実」について。今までの傷治療に対しての医学常識は根本が間違っていることに気づき
In Deep 2016年6月16日
以下はある病院のウェブサイトですが、このようにちゃんと考えて下さっているお医者さまたちもたくさんいます。
(ある医院のウェブサイトより)
> 消毒液は悪い菌を殺しますが、創を治す細胞まで殺してしまうため創自体を消毒するのは間違いで、創の周りだけを消毒するのが正解ですが、菌やウイルスは至る所に居て無菌にできるはずが無いので消毒自体が無意味で、水道水で洗浄するだけで十分ですが、いまだに大学病院などでも不勉強な医師達が創を消毒しています。
>
> ポビドンヨードうがいは、喉に炎症がある時は同じ理由で逆効果で、予防的にも口内の善玉菌まで殺されて免疫が下がり、逆に風邪に引きやすくなりますので使用してはいけません。
人間の身体というのは、
・有害な病原体から各部位を守るシステム
・損傷した部位を自己修復するシステム
を共に備えています。
しかし、実際には現代医療は、「その自然のシステムに逆らった方法」でおこなわれており、だから、状況が改善しない。
現世人類の歴史は 16万年程度でしかないにしても、その中で絶滅しないで増え続けてきたのは、この「最強の身体システム」のお陰です。本来であれば、人類という存在は、地球の生物の中で究極的な進化の形を持つものだったのです。
現代医療とその概念が、それを破壊し続けている気がします。