第六章 ナナミの運命
一方、同じようにエル・ハザードに転がり込んだ陣内ナナミの方は、兄ほど幸運ではなかった。
エル・ハザード西部の大砂漠に出現した彼女は、真たち同様に、やがてここがまったくの異世界であることに気が付いたが、とは言っても元の世界に帰る方法は分からない。旅のキャラバン隊に拾われた後、彼女はキャラバン隊の雑用係、炊事係としてこき使われながら、元の世界に戻る機会を待つことにした。うら若い娘が男の集団の中にいたら、普通ならすぐにでも貞操の危機に見舞われそうなものであるが、どういうわけか男たちはナナミにまったく興味を示さなかった。べつに女に興味が無い連中というわけでもなさそうなのだから、その点が不思議と言えば不思議である。(まあ、この話全体が、日本人の女性は外国人にとって魅力的だが、男性はそうではないという事実の逆パターンである。)
「とにかく、働いてお金を稼ぐのよ、ナナミ。金は世界のパスポート、金さえあればどこに行ったって何とかなるわ」
そう決心して、彼女はひたすら働きまくり、小金を溜めまくるのであった。
一方、同じようにエル・ハザードに転がり込んだ陣内ナナミの方は、兄ほど幸運ではなかった。
エル・ハザード西部の大砂漠に出現した彼女は、真たち同様に、やがてここがまったくの異世界であることに気が付いたが、とは言っても元の世界に帰る方法は分からない。旅のキャラバン隊に拾われた後、彼女はキャラバン隊の雑用係、炊事係としてこき使われながら、元の世界に戻る機会を待つことにした。うら若い娘が男の集団の中にいたら、普通ならすぐにでも貞操の危機に見舞われそうなものであるが、どういうわけか男たちはナナミにまったく興味を示さなかった。べつに女に興味が無い連中というわけでもなさそうなのだから、その点が不思議と言えば不思議である。(まあ、この話全体が、日本人の女性は外国人にとって魅力的だが、男性はそうではないという事実の逆パターンである。)
「とにかく、働いてお金を稼ぐのよ、ナナミ。金は世界のパスポート、金さえあればどこに行ったって何とかなるわ」
そう決心して、彼女はひたすら働きまくり、小金を溜めまくるのであった。
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