レジ袋の有料義務化を目指す環境省の動きに対し、小売業界は「国が決めるなら従う。早く決めてほしい」(コンビニエンスストア大手幹部)と議論の行方を注視する構えだ。自主的な有料化では無料の競合店に客が流れかねないため、政府主導の義務化には歓迎のムードも漂っている。
レジ袋の有料化は既に主な総合スーパーで自主的に行われているが、中小の食品スーパーは依然無料の店が多い。ユニー・ファミリーマートホールディングスの高柳浩二社長は「有料と無料の店が出ると(競争上)難しい。どうやって足並みをそろえられるかがポイントだ」と話し、国の規制などによる一律の有料化が望ましいと指摘する。
無料提供を続けるコンビニも環境問題や海外の規制の動きは意識しており「有料化の流れは止められない。不公平にならないように(国に)縛ってもらった方がいい」(業界関係者)と義務化を望む声が上がる。
小売り各社が注視するのは有料化の対象となる店の業種や規模。詳細は今後の議論で詰められる見通しだが、不透明なのは料理を持ち帰りできる飲食店、弁当店が含まれるかどうかだ。来年10月の消費税増税後は税率8%に据え置かれる持ち帰り弁当類の需要が増えることが見込まれている。外食業が「小売りではない」として除外されればコンビニ業界などの反発は必至だ。