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古典の花園23 第三章5


 磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど、
 見すべき君がありと言はなくに。 (「万葉集」大来皇女)

 花を手折って見せるという行為も、姉弟の間柄よりは恋人同士にふさわしいように思われます。そして、その見せるべき相手はこの世にもはやいないのです。時間的には、2の歌の前後でしょう。おそらく、少し後ではないかと思いますが、末尾の「言はなくに」は「言わないのに」の意味です。当時、死んだ人に逢ったと慰める風習があったようですが、罪を得て処刑された場合には、それをはばかったので、誰も死んだ大津皇子に逢ったと言わない、ということです。

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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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