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うつそみの人にある我や、
明日よりは二上山(ふたかみやま)をいろせと吾が見む。 (「万葉集」大来皇女)
「うつそみ」は「うつせみ」と同じで、「現実、現世」の意味ですが、同時に「空蝉」つまり蝉の抜け殻のようなはかないイメージを持った言葉です。愛する弟を失った私は、今日からは、弟が処刑されたあの二上山を弟と思って眺めよう、という意味の裏に、自分がもはや蝉の抜け殻のような存在である、という思いがあるように思われます。「いろせ」は兄弟の意味で、弟の大津皇子のことです。
うつそみの人にある我や、
明日よりは二上山(ふたかみやま)をいろせと吾が見む。 (「万葉集」大来皇女)
「うつそみ」は「うつせみ」と同じで、「現実、現世」の意味ですが、同時に「空蝉」つまり蝉の抜け殻のようなはかないイメージを持った言葉です。愛する弟を失った私は、今日からは、弟が処刑されたあの二上山を弟と思って眺めよう、という意味の裏に、自分がもはや蝉の抜け殻のような存在である、という思いがあるように思われます。「いろせ」は兄弟の意味で、弟の大津皇子のことです。
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