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これが日本の選良の知性水準

「阿修羅」から転載。
一日に何度も記事を書くと読む方もうんざりだろうが、これは拡散する必要がある記事だろう。
いやはや、みなさん、いい笑顔だこと。人がテロで殺され(たかどうか真実は不明だが、現状そういう建前になっている。)というのに、また日本全体がテロに巻き込まれるかどうかの瀬戸際なのに、晴れ着を着てみんなで笑顔、というのは無いでしょう。カレイドスコープ氏の言うように「知性ゼロ」と見做されても仕方がない。
仮に彼らが知性ゼロではないとするならば、彼らの行動を正当化できる説明は、彼らは「湯川遥菜は本当は死んでいない」という情報をどこかから得ていた、ということだ。安倍総理が財界の新年会に出席するという緊張感ゼロの行動を取ったのも、同じ理由だと考えれば。すべて説明できる。
クソコラグランプリの方は、まだ少しのユーモアもあったが、これはユーモアですらない。伊吹文明の言葉は、その非論理性から言って老人性痴呆症以外の何物でもないし、ここに集まった議員たちは最初から知性が猿並みだったとしか思われない。


(以下引用)



「晴れ着」でテロに抗議? もはや知性ゼロの国会議員(カレイドスコープ)
http://www.asyura2.com/15/senkyo178/msg/757.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 28 日 08:10:10: igsppGRN/E9PQ
   
 
   

「晴れ着」でテロに抗議? もはや知性ゼロの国会議員
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-3330.html
2015.01.28 カレイドスコープ


【ハフィントン・ポスト】
http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/27/waso-giren_n_6552514.html


1月26日、超党派からなる「和装振興議員連盟」が国会正面玄関前で記念撮影を行った。
議連会長の伊吹文明前衆院議長(自民)は過激組織「イスラム国」によるとみられる邦人人質事件を踏まえ、「国民衣装である着物を着て、国民が一致結束してテロ組織に対応している姿を示す」と記者団に語った。


■「テロ組織に対応している姿を示す」のなら喪服でなければならない


「着物を着て、国民が一致結束してテロ組織に対応している姿を示す」
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201501/2015012600647&g=pol


超党派の「和装振興議員連盟」が26日、国会正面玄関前で通常国会召集日恒例の記念撮影を行った。


議連会長の伊吹文明前衆院議長(自民)は過激組織「イスラム国」によるとみられる邦人人質事件を踏まえ、「国民衣装である着物を着て、国民が一致結束してテロ組織に対応している姿を示す」と記者団に語った。


民主党の福山哲郎幹事長代理も「人質解放については政府を後押しする」と伊吹氏に同調。ただ、「方向性が見えた時点で(政府の対応を)検証しなければいけない」と、くぎを刺すことも忘れなかった。(2015/01/26-17:50)


「国民衣装である着物を着て、国民が一致結束してテロ組織に対応している姿を示す」・・・って、テロに対してゆとりがないことを示してどうする?
これで、ますます国民生活への危険が増すことが理解できないらしい。彼らには、猿ほどの知能しかない。


【J-CAST ニュース】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150127-00000005-jct-soci
「晴れ着」でテロに抗議?「呑気だな」「なぜ喪服を着ない」 超党派の「和装振興議員連盟」恒例の記念撮影会が大炎上」


【ハフィントン・ポスト】
http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/27/waso-giren_n_6552514.html
「着物でテロに対抗」議員たちが記念撮影 恒例行事が物議醸す




まったく、そのとおり。
「テロなんか、カンケーねぇ」、「人質が殺されてもカンケーねぇ」、「日本がテロのターゲットになったってカンケーねぇ」と世界に発信する日本の国会議員。
こんなことなら、「着物姿で、あでやか登院して何が悪いの?」と、開きなおったほうが良かった。


和装振興議員連盟の活動
http://www.kimono-consul.org/activity/federation.html
「和装振興議員連盟では、1999年(平成11年)以来、通常国会開催日に和装振興議員連盟の先生方をはじめ、衆参両院の先生方が超党派で和装で登院されるなど活発な活動を行っています。」


【産経新聞】
http://www.sankei.com/photo/story/news/150126/sty1501260014-n1.html
着物姿であでやか登院 通常国会招集で和装振興議員連盟


安倍の私物メディアと化した産経新聞でも、これはさすがに書けない。記事なし写真だけにするしかなかったんだろう。


カジノ議連の事務局次長を務めている三原じゅん子センセも大張り切り。昔から、自民党の女性議員には知性など求められていません。時の権力者にいかに従順か、ほどほどにおバカか、それが求められています。
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-3312.html
しかし、この人は、どーにもならんです。
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-3250.html


これは去年。「さつきチャンネル」ですと。


猿にも衣装か・・・もう笑うしかないでしょう。いや、泣くしかない。


狂犬・イスラム国に、狂猿軍団かいな。日光の猿軍団のほうが強そうだ。



 



 

 

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2015年不思議の世界(2月10日追記あり)

すでにあちこちのブログで取り上げられた「エコノミスト」の「2015世界はこうなる」の表紙について、私も少し考察してみる。
まず、一番明瞭に思えることだのに、誰も言っていない(と思う)のだが、右上の擬人化された地球の絵は、向かって右側の鼻の高い青白い顔が西側諸国、左側の鼻の低い黄色い顔が東側諸国を表しているのは間違いないだろう。そして、西側諸国の顔が東側諸国の顔を睨んで、苦々しい顔をしてるのは、これも明らかに西側の衰退と東側の繁栄を表していると思う。
面白いのは、画面の中心部分を占める人物群像(明確に東側と西側に、顔色で区別されている。西側はゾンビ的な青白さで、「西側は実は既に死んだも同然」という自嘲がここにはあるのだろう。)の中で、中国の習主席やミャンマーのアウンサンスーチーは青白い顔、つまり「西側の人物」として描かれていることだ。これも「陰謀実在論者」なら、納得できる話だろう。中国のあの異常な発展は西側の後押しあってのものだったはずだ。
習の後ろにいてオバマを見ているスナイパー風の男は、アジア人の茶色い顔で描かれているが、顔貌は安倍総理に似ている。だが、「西側」には入れてもらえないようだ。(笑)なぜスナイパー風なのかと言えば、彼の右翼性が西側から警戒されている、ということか。つまり、オバマにとって、彼はスナイパー的人物と見られている、ということだろうか。プーチンは「西側」の青白い顔色で描かれているが、サングラスで目を隠している。つまり、西側にその本心を見せていない、ということの象徴だろう。
その他、「シンガポール」と書かれているらしい幕を持ったアジア人とか、良く見えないが「青白い顔色」らしく見えるISIS兵士などが人物像として描かれている。仮に青白い顔色で描かれているなら、これはかなり大胆な告白、世界への嘲弄であるが、そこまで冒険的な表現をするかどうか。シンガポール(かどうかは分からない)が今年何か、世界的に重要な意味を持つのかもしれないが、今の段階では推測もできない。しかし、わざわざ字幕を持たせるくらいだから、大きな意味はあると思う。
これらの人物群以外に描かれたものは、「不思議の国のアリス」中のキャラクターとか、「ハメルンの笛吹き」とか原爆とかロケットなどがあるが、一番分かりづらいのが、「スパイダーマン」の意味だろう。2015年が「不思議の国」的な混沌状態(実は、数学的な論理性と整合性が裏にある)になるというのがこの表紙絵にアリスの絵を書き込んだ理由だろうし、ハメルンの笛吹き的な「偽旗作戦」が人々を破滅の方向に向かわせる、というのは既に「シャーリー・エブド」事件などで実現している。だが、スパイダーマンが大きく描かれた意味は分からない。
ネットで拾った画像だと、拡大しても良く見えない細部があるので、今のところ私にできる分析はこれくらいである。私の居住地区は書店などすらない「陸の孤島」なので、「エコノミスト」を買うのもなかなか難しいのである。後は、その雑誌を手元にお持ちの方に分析はお任せしたい。

(追記)人物群の最後列でISIS兵士(これが厳密には最後列か)の前にいる、両手を上げ、白いマスクをして警察官風の帽子をかぶったアジア人の男も目立つが、これは何者か、まったく分からない。しかし、その頭上(左手の上)にある四枚のプロペラを持った奇妙な物体は「ドローンヘリ」というものらしい。先ほど、気まぐれで買った日刊ゲンダイ記事でそれが分かった。その記事は、このエコノミスト表紙の話とはまったく無関係に、「双葉電子工業」の持つラジコン機器技術が世界的に注目されている、という株式投資関連の記事である。そこに載っていたドローンヘリの写真が、まさしくこのエコノミスト表紙の絵と同じであったのである。この表紙には経済関連の事物は少ないから、これはドローン(ラジコンの小型飛行機やヘリ)が、今年中に軍事的に用いられる、ということではないかと私は推測する。まあ、そうでないにしても、アマゾンがドローンヘリを使った配達を実現しそうだ、という話もあるから、株をやる人は双葉電子工業を買っておくのもいいだろう。私のような貧乏人には無縁の話だが。
しかし、早朝に書いたブログ記事と関連する記事(それも滅多にあるような内容ではない。)のある新聞を偶然にその日のうちに買うというのは、これこそシンクロニシティというものだろう。(私は新聞を取っていないし、プロ野球のシーズンが終わってからはスポーツ紙すら買っていない。新聞を買うのは、二、三か月ぶりであった。)


(2月9日追記)「播州武侯祠偏照院」記載の「日本は世界の最先端」記事中に「安倍らしき人物」の拡大画像があったので、私の上記文を少し訂正する。その拡大画像で見ると、安倍のマスクはスナイパーのスコープではなく、「ヴァーチャルリアリティ」を見させる器具のようだ。つまり、安部は現実を見ずに仮想現実のみを見ている阿呆、と嘲笑しているわけである。
なお、以前掲載してあったエコノミスト表紙写真がいつのまにか削除されていた。後で、再掲載できるかどうか試してみる。こんなところにまでネット検閲は及んでいたようだ。
なお、この画像で向かって右後ろにいるISIS兵士は、やはり「青白い顔」、つまり、西側の人間として描かれていた。(笑)図々しいというか、大胆なものである。



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逆鳥居強右衛門

私が言わんとしていることは、「引用2」の鳥居強右衛門の項を読めば明瞭だろう。
まあ、私は武士道など、武士統制のために作られたフィクションだと思っているが、たとえフィクションでも、それを信じて行動した人間の中には超人的かつ崇高な行為をした人間もたくさんいた。だからこそ、そうした武士の話は現代でも人の心を打つのだろう。平田弘史の漫画などは、武士の世界のそうした「狂気」と「侠気」の極限を描いているから面白いのである。(彼の漫画の幾つかは「電脳マヴォ」という無料ネット漫画誌で読めます。)
なお、この鳥居強右衛門の話は、アレンジされて山本周五郎の短編小説になり、またそれを見事に換骨奪胎したものが、現代を舞台にした宮谷一彦の傑作漫画「ワンペア・プラス・ワン」になっている。

<「イスラム国」拘束>「後藤さん24時間以内殺害」新警告

毎日新聞 1月27日(火)23時37分配信

 【カイロ秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に拘束されているジャーナリスト、後藤健二さん(47)の新たな静止画が27日、インターネット上に投稿された。英語の声の主は、ヨルダンで拘束されているサジダ・リシャウィ死刑囚を24時間以内に釈放させなければ、後藤さんとヨルダン軍パイロットの2人が殺害されると警告した。正確な声明発表の時刻は明らかではない。日本政府は映像の信ぴょう性の確認を急いでいる。

【ヨルダンでは圧倒的に「パイロット優先」】

 ISは24日、後藤さんとリシャウィ死刑囚の「捕虜交換」を要求する声明を出していた。日本政府はヨルダン政府と連携しながら対応策を検討している。

 リシャウィ死刑囚は、ISの前身組織のメンバーで、当時の最高指導者の側近の姉妹とされる。

 声の主は「私はケンジ・ゴトウです。私の妻と日本国民、日本政府に対してのメッセージです。これが私の最後のメッセージになると言われた。少しでも遅れればヨルダン政府はパイロットの死に責任があり、私はそれに続くことになる」などと話した。

 24日夜にはネット上に湯川遥菜さん(42)が殺害されたとみられる映像が公開されていた。後藤さんは24日夜、湯川さんの遺体とみられる写真を手に持たされた映像に登場。男性の声で湯川さんの殺害とともに「もはや金は求めていない。ヨルダンで拘束されている女が釈放されれば私はすぐに解放される」と英語で訴えていた。内容の信ぴょう性や声の主は不明だ。

 後藤さんは昨年11月ごろ、シリア北部でISに拘束された。昨年8月に拘束されたとされる湯川さんの救出や取材が目的だったとみられている。

 ISとみられる犯行グループは20日に2人の殺害を予告する映像を公開し、政府に対して「72時間以内に2億ドル(約236億円)を支払え」と要求。政府は国際社会の協力を得ながら解決の糸口を探っていた。




(引用2)

鳥居強右衛門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

鳥居 強右衛門(とりい すねえもん、天文9年(1540年) - 天正3年(1575年5月16日(もしくは17日))は、戦国時代足軽奥平家の家臣。名は勝商(かつあき)か。


生涯[編集]

長篠城を密かに脱出する鳥居強右衛門
月岡芳年画)

強右衛門が歴史の表舞台に登場するのは、天正3年の長篠の戦いの時だけで、それまでの人生についてはほとんど知られていない。現存する数少ない資料によると、彼は三河国宝飯郡内(現在の愛知県豊川市市田町)の生まれで、当初は奥平家の直臣ではなく陪臣であったとも言われ、長篠の戦いに参戦していた時の年齢は数えで36歳と伝わる。


奥平氏はもともと徳川家に仕える国衆であったが、元亀年間中は甲斐武田氏の侵攻を受けてその傘下に従属していた。ところが、秘匿されていた武田家当主・武田信玄の死亡を察した奥平氏は再び徳川家に寝返り、信玄の跡を継いだ武田勝頼の怒りを買うこととなった。


奥平家の当主であった奥平貞能の長男・貞昌(後の奥平信昌)は、三河国の東端に位置する長篠城徳川家康から託され、約500の城兵で守備していたが、天正3年5月、長篠城は勝頼が率いる1万5000の武田軍に攻囲された。5月8日の開戦に始まり、11、12、13日にも大小の攻撃を受けながらも、周囲を谷川に囲まれた長篠城は幸いにも防衛を続けていた。しかし、13日に武田軍から放たれた火矢によって、城の北側に在った兵糧庫を焼失。食糧を失った長篠城は長期籠城の構えから一転、落城寸前にまで追い詰められた。このため、貞昌は最後の手段として、家康のいる岡崎城へ使者を送り、援軍を要請しようと決断した(一方、家康もすでに武田軍の動きを察知しており、長篠での決戦に備えて同盟者の織田信長に援軍の要請をしていた)。しかし、武田の大軍に取り囲まれている状況の下、城を抜け出して岡崎城まで赴き、援軍を要請することは不可能に近いと思われた。


この命がけの困難な役目を自ら買って出たのが強右衛門であった。彼は雑兵軽輩の類であったとされるが、一刻を争う非常事態である以上、身分をとやかく言っていられなかった。14日の夜陰に乗じて城の下水口から出発。彼は水泳を得意とする男で、川を潜ることで武田軍の警戒の目をくらました。翌朝、長篠城からも見渡せる雁峰山から烽火を上げ、脱出の成功を連絡。15日の内に岡崎城にまで赴いて援軍を要請した。この時、幸運にも家康からの要請を受けた織田信長が武田軍との決戦のために自ら3万の援軍を率いて岡崎城に到着しており、織田・徳川合わせて3万8000の連合軍は翌日にも長篠へ向けて出発する手はずとなっていた。これを知って喜んだ強右衛門は、城の仲間たちにこの朗報を一刻も早く伝えようと、急いで長篠城へ向かって引き返した[1]。16日の早朝、往路と同じ山で烽火を掲げるが、さらに詳報を伝えるべく入城を試みた。ところが、城の近くの有海村(城の西岸の村)で武田軍の兵に見付かり、捕らえられてしまった。烽火が上がるたびに城内から上がる歓声を不審に思う包囲中の武田軍は、警戒を強めていたのである。

城中に援軍が来ることを伝える鳥居強右衛門
楊洲周延画)明治26年(1893年

強右衛門への取り調べによって、織田・徳川の援軍が長篠に向かう予定であることを知った勝頼は、援軍が到着してしまう前に一刻も早く長篠城を落とす必要性に迫られた。そこで勝頼は、命令に従えば強右衛門の命を助けるばかりか武田家の家臣として厚遇することを条件に、「援軍は来ない。あきらめて早く城を明け渡せ」と城に向かって叫ぶよう、強右衛門に命令した。こうすれば城兵の士気は急落して、城はすぐにでも自落すると考えたのである。強右衛門は勝頼の命令を表向きは承諾し、長篠城の西岸の見通しのきく場所へ引き立てられた。しかし、最初から死を覚悟していた強右衛門は、城内に向かって「あと二、三日のうちに織田・徳川の援軍が来る。それまでの辛抱である」と、勝頼の命令とは全く逆のことを大声で叫んだ。これを聞いた勝頼は激怒し、その場で強右衛門を殺したが、強右衛門の決死の報告によって援軍が来ることを知った長篠城の城兵たちは大いに士気が上がり、援軍が到着するまでの2日間、武田軍の攻撃から城を守り通す事に成功した。





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ギリシア「左翼」政権誕生を喜ぶ

「櫻井ジャーナル」から転載。
相変わらず、勉強になる。ギリシアの財政赤字の原因は、要するに富裕層(例によって背後にはユダヤか)と、それと結託した政府によって作られたものだ、ということだろう。ならば、新政権のやるべきことはただ一つ。借金返済を要求するIMFやらEUやら何やらに対して「金なら払えん」と堂々と居直ることである。ツィプラス(今はチプラスという表記らしい)は実際、そうする意向のようだ。頑張れ!(笑)

(以下引用)



2015.01.26
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 1月25日にギリシャで行われた総選挙で急進左翼進歩連合が圧勝した。「国境なき巨大資本」がギリシャの支配層と手を組んで作り上げた「危機」の尻ぬぐいを「緊縮財政」という形で押しつけられた庶民の怒りが形となって現れたと言えるだろう。

 こうした政策をアメリカを中心とする西側支配層は世界規模で推進しているが、支配層の内部にもその問題を理解している人は少なくない。前のIMF専務理事、ドミニク・ストロス-カーンはそうした人びとを「狂人」と呼んでいる。理解しても声を上げないのはアメリカの支配層を恐れてのことだろう。

 ストロス-カーンは2011年4月にブルッキングス研究所で演説を行い、その中で失業や不平等は不安定の種をまき、市場経済を蝕むことになりかねないと主張、その不平等を弱め、より公正な機会や資源の分配を保証するべきだと語った。進歩的な税制と結びついた強い社会的なセーフティ・ネットは市場が主導する不平等を和らげることができ、健康や教育への投資は決定的だと語っただけでなく、停滞する実質賃金などに関する団体交渉権も重要だとしている。

 ストロス-カーンはアメリカの傀儡と見なされ、だからこそ出世したわけだが、こうした主張を強欲なアメリカの支配層は許さない。演説の翌月、アメリカで逮捕される。レイプ容疑だったが、限りなく冤罪に近いようだ。ストロス-カーンの後任がクリスティーヌ・ラガルドである。

 ギリシャの危機は、新民主主義政権が隠蔽していた財政赤字が発覚した2010年に始まり、欧州委員会、IMF、欧州中央銀行は公務員給与の削減、年金のカット、増税、私有化などを強要して社会を破壊することになった。

 こうした政策は庶民から富を奪うことになるわけだが、収入を基本的に国内で消費に使う庶民が貧しくなれば国内経済が冷え込むことは当然のこと。問題は1970年代から急速に進んだ富の集中にある。集中した富は隠され、投機市場へ流れ込む。

 ギリシャの庶民からしてみると、自国の一部エリートが外国の投機集団と手を組み、自分たちの知らないところで多額の借金を作り、その借金を押しつけようとしているということになる。しかも、混乱の切っ掛けは、「格付け会社」(投機集団の仲間だが)ギリシャ国債の格付けを引き下げたことにあった。

 富を隠す仕組みが整備されたのは1970年代のこと。ロンドン(シティ)を中心とするオフショア市場のネットワークが整備され、巨大企業や富豪はこのネットワークを使って資産を隠して税金を回避できるようになった。スイス、ルクセンブルグ、オランダといった伝統的なタックス・ヘイブンもあるが、ロンドンを核とするネットワークは資金の追跡が困難で、質的に違うと言われている。

 このネットワークに対抗するため、1980年代に入るとアメリカのIBF(インターナショナル・バンキング・ファシリティー)や日本のJOM(ジャパン・オフショア市場)が出現し、犯罪組織や独裁者も重要な顧客になっている。

 ギリシャのエリートたちも例外ではなく、HSBCのジュネーブ支店にあるギリシャ人の口座のリストをフランス政府は2010年にギリシャ政府へ知らせている。そのリストには船主、実業家、芸術家、政治家などが含まれていた。その情報をギリシャの当局は調査しなかった。

 ちなみに、HSBCはロンドンに本店がある金融グループで、1991年に香港上海銀行を母体として創設されたのだが、香港上海銀行はアヘン戦争(1840年から42年)とアロー戦争(1856年から60年)の後、1865年に香港でトーマス・サザーランドによって設立されている。1866年には横浜にも支店が作られた。

 銀行口座に関する情報をギリシャで出されているホット・ドック誌の編集者、コスタス・バクセバニスは2012年10月28日に公表したところ、「市民の個人情報」を公開したとして捜査当局は速やかに編集者を逮捕した。税金を回避している巨大企業や富豪は黙認するが、そうした人びとにとって都合の悪い人間は厳罰に処すということのようだ。

 こうしたことはギリシャだけでなく、アメリカでも巨大資本が破綻しても「大きすぎて潰せない」だけでなく、犯罪行為が露見しても「大きすぎて罰せられない」と言われている。これは新自由主義。

 ギリシャの問題を考える場合、ナチスや米英による支配や内政干渉を無視することはできない。第2次世界大戦の際にはドイツが占領、1944年にドイツ軍が撤退するとレジスタンスの主力だったEAM(民族解放戦線)が主導権を握る。

 これを嫌ったイギリスはEAMを弾圧、内乱を経てアメリカやイギリスの意向に添う体制、つまり傀儡政権をつくることに成功するのだが、思惑通りに進まない。平和運動の参加していた政治家のグリゴリス・ランブラキスが米英両国にとって邪魔な存在だったが、1963年5月に暗殺されてしまう。

 そして1967年に軍事クーデターがあり、秘密警察のトップだったディミトリオス・イオアニデス准将の軍事政権が成立した。NATO加盟国で軍事クーデターがあったにもかかわらず、アメリカは反応しない。クーデターの背後にアメリカが存在していたということだ。1968年に行われたアメリカの大統領選挙ではギリシャの軍事政権からリチャード・ニクソン陣営に資金が提供されたとも言われている。ギリシャの軍事独裁は1974年に終わるが、その影響はその後も続き、軍備への出費が財政を圧迫する一因になった。

 2001年にギリシャが通貨をユーロに切り替えるのだが、本来なら財政状態の問題で認められなかった。そこで登場したのがゴールドマン・サックスで、財政状況の悪さを隠す手法を教え、ギリシャの債務を膨らませたわけだ。こうした状況を欧州委員会は遅くとも2002年に気づいていたと言われているが、問題は放置された。




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泳幸の栄光と社員・会社の不幸

前回引用した記事もそうだが、「ビジネスジャーナル」は立て続けにヒットを飛ばしている。経営方針に変更でもあったのか。元からそうなのか。表向きは大企業立て直し請負人、実はブラック企業的経営者の暗部をこれほど明白にした記事も珍しい。
(引用2)で、原田泳幸のウィキペディアによる経歴紹介記事を転載する。東海大学という三流大学(失礼。だが東大よりはマシかもしれないw)出身者がこれほど、大企業を渡り歩けること自体に不自然なものを感じるが、秘密のカギは、社会人になって後、ハーバードで学んだことか。おそらく、彼を「ユダヤ的人材だ」と見込んだユダヤが、彼をスカウトしてハーバードで学ばせ、ユダヤ精神、ユダヤ式経営(非情な経営)を叩き込んだ後、目を付けた大企業に送り込んでいるのだろう。それでなくては、なぜ彼がまったくの異業種に次から次へと迎えられ、独裁的経営ができるのか、理解できない。
彼の経営はまったくの利益至上主義であり、社員はそのために奴隷化されるようだ。その結果、一時的に業績は上がるが、無理が祟って会社は疲弊し、やがて衰亡していく。社員も会社も使い捨て、である。これがユダヤ式経営の本質だ。本質的に彼らは「吸血鬼」なのである。


(以下引用)

マックでは怪文書、ベネッセでは再就職斡旋パンフ…原田氏の破壊的切り捨て経営

ビジネスジャーナル














© Business Journal 提供

 昨年6月にベネッセホールディングス(HD)会長兼社長に就任した原田泳幸氏が打ち出した構造改革は、ダイレクトメール(DM)に頼らない新しいマーケティング戦略と新規事業の展開だ。700人の配置転換で新規事業に大量の人材を投入する一方、300人の希望退職で社員数を適正化し、販売管理費の削減、高コスト構造の刷新を図り、業績をV字回復させるというシナリオだ。ベネッセグループの正社員は約2万人。退職日は3月末で、特別退職金を支給する。そのため、リストラ関連費用50億円を構造改革費の名目で特別損失として計上している。

 さらにベネッセHDは、 1月中をメドに11人の執行役員のうち6人を外部から招く。最高法務責任者(CLO)にパナソニックで情報セキュリティ本部長を務めた金子啓子氏が昨年10月1日に就いたほか、今年1月1日付でマッキンゼー・アンド・カンパニー出身の上田浩太郎氏が最高戦略責任者(CSO)に就任した。最高財務責任者(CFO)は外国人2人を起用する。データベースの保守・運営のために立ち上げる子会社のトップも外部から招聘する。

 ベネッセグループ社員が進研ゼミ会員の相談に乗る施設「エリアベネッセ」も開設する。4月までに全国500カ所に設置する予定だ。これまで主力にしてきたDMによる新規会員獲得からエリアベネッセでの営業活動にシフトするという触れ込みだ。グループ各社から700人をエリアベネッセと介護子会社ベネッセスタイルケアに3月末までに移籍させる。今後、グループ各社の人事・経理など間接部門の機能を統合し、900人いる間接部門の人員を450人に半減する。併せて本社やグループ40社の間接部門から300人の希望退職者を募集する。ベネッセHDが希望退職者を募るのは、1955年の創業以来初めてのことだ。

 幹部を総入れ替えして、人員を減らし、社員の再配置を行う。ベネッセグループを根底から変えようとする荒療治だ。


 昨年12月2日の発表資料には「既にこれまでで最大規模の公募を実施済みで150人が異動、12月付で250人が決定しており、1月までに合計700人の異動を完了する予定」と書いてある。「40歳以上の社員には再就職斡旋のパンフレットが配られている」(ベネッセグループ社員)という。発表文には「転進支援については、希望者に対して期間無制限で行います。これにより社員が自分のキャリアの選択の道をグループ内外に持つことができるように支援します。選択は全て社員の意思に委ね、会社はそのサポートに徹します。退職勧奨はしません」とうたっている。ちなみに昨年7月に発覚した顧客情報流出事件を受け、社内の指名・報酬委員会で役員報酬の引き下げが検討されたが、「原田氏がこれにストップをかけた。2億円以上とされる自らの報酬を下げて、本社社員、グループ会社の社員と痛みを共有する気など原田氏にはない」(ベネッセグループ関係者)という。

●敵を徹底的に攻撃

 原田氏が日本マクドナルドHDのCEO(最高経営責任者)に就いたのは2004年5月。米アップルコンピュータ日本法人社長と米本社副社長を兼務していた原田氏は、米マクドナルド本社にヘッドハンティングされた。当時、日本マクドナルドHDは債務超過50億円という、どん底状態にあった。同社の体質を根底からつくり替えるのに、うってつけの人物ということで原田氏は送り込まれた。

「今から新しいバスが出発する。新しいバスのチケットを買いたい人は買え。買いたくない人は乗らなくてかまわない」

 原田氏が同社本社の全社員を集めて発した第一声だ。原田氏の経営手法は、味方と敵を明確にして、敵に攻撃を仕掛けるところに特徴があるとされる。原田氏が最大の敵と定めたのは日本法人の創業者で初代社長の藤田田氏だ。原田氏は藤田氏がつくり上げた経営システムと人脈を、ことごとく破壊した。多くの社員の役職を解き、新たな仕事を与えるなどの荒療治に、身内から反発が噴出。「米国の手先、原田の横暴を許すな」と書かれた怪文書まで流れる事態となった。

 しかし原田氏はそうした反発をものともせず、フランチャイズ店(FC店)拡大を経営刷新の柱に据えた。直営店をFC店に切り替えることで、3割にも満たなかったFC店比率が7割を超えた。既存の直営店をFC店に転換させるスキームは利益を膨らませる妙案だった。店長がFC店に移籍することで人件費が減る。FC化に伴う店舗売却により利益を計上した。直営店のFC化には、もうひとつの狙いがあった。

 原田氏は10年2月、大胆な店舗改革を打ち出した。向こう1年間で全店舗の1割に当たる433店舗を一気に閉鎖。その後、5年以内に633店を集客が見込める立地の良い場所に移転する、というものだった。店舗の大量閉鎖の狙いは創業者の藤田田の子飼いのFC店を一掃することにあった。藤田氏は社員が将来生活していけるように、のれん分けのような制度を取り入れた。その制度を利用して店長たちは独立して、FC店を開いた。社員の独立をマックの増収につなげる、一石二鳥の善政であった。彼らは、一国一城の主に引き上げてくれた藤田氏の信奉者になった。原田氏が脱藤田路線を打ち出した時に最大の抵抗勢力となったのが、こうしたFC店のオーナーたちだった。


●一時的に利益、現場は荒廃

 07年11月、FCオーナーの店舗で、サラダの賞味期限偽装事件が起きた。性急なFC化の歪みが出たと原田氏は批判された。事件は原田氏にとって大打撃になるはずだったが、事件を逆手に取った。

「オーナーの中には、ブランドを傷つけることを外に向かって行う人がいる。これまで目をつぶってきたが、時機が到来した。そういう方には撤退してもらいます」

 こう宣言し、藤田氏子飼いのFC店を一気に淘汰したのである。経営陣もバスから降ろされた。原田氏の社長就任時代に役員は3回転し、藤田時代の役員はすべて去り、原田氏が外部からスカウトしてきたメンバーも今はまったく残っていない。

 原田氏が日本マクドナルドHDで行った構造改革に対しては、「彼は破壊屋であって再生屋ではない。一時的に利益をもたらしたが、現場は荒廃した。マックの今日の窮状はこうして起こった。見せかけの利益を出すために、店舗のリニューアルはしていない。メニューだけでなく店舗が劣化してしまった」(同社関係者)との批判も多い。そのため、原田氏が去った後のベネッセHDも同様に荒れ地になってしまうとの見方もある。
(文=編集部)





(引用2)

原田泳幸

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はらだ えいこう
原田 泳幸
生誕1948年12月3日(66歳)
日本の旗 日本長崎県佐世保市
出身校東海大学工学部通信工学科
ハーバード・ビジネス・スクール Advanced Management Program
職業ベネッセホールディングス代表取締役会長兼社長
ベネッセコーポレーション代表取締役社長
日本マクドナルドホールディングス取締役会長
日本マクドナルド株式会社取締役会長
配偶者谷村有美

原田 泳幸(はらだ えいこう、1948年12月3日[1] - )は、株式会社ベネッセホールディングス代表取締役会長兼社長。株式会社ベネッセコーポレーション代表取締役社長。日本マクドナルドホールディングス株式会社取締役会長日本マクドナルド株式会社株式会社取締役会長。ソニー株式会社社外取締役。


来歴[編集]

長崎県佐世保市出身。元アップルコンピュータ株式会社代表取締役社長兼米国アップルコンピュータ社副社長[1]。妻はシンガーソングライター谷村有美2005年6月から「原田泳幸」を自称(それ以前は「原田永幸」。戸籍上の名前も永幸のまま)。 マクドナルドから社長として迎えるという打診があり、マクドナルドからヘッドハンティングされた事で、Macintoshの略称・愛称「マック」から、「原田氏、マックからマックへ転身」等と報道された。


2009年GQ MEN OF THE YEAR 2009を受賞[2]


毎朝約10キロ走るなど、ランニングを趣味としている。東京マラソンに2011年から3回連続で参加し、ベストタイムは2012年の4時間2分。


2013年6月に、ソニーベネッセホールディングスの社外取締役に就任した。


2013年8月27日付けで日本マクドナルド(事業会社)の社長をサラ・カサノバに譲り、原田は持ち株会社である日本マクドナルドホールディングスの会長兼社長と事業会社の会長に留まった[3]。また、2014年3月25日にサラ・カサノバが日本マクドナルドホールディングスの社長に就任したため[4]、原田は両企業の代表権を持たない会長になった[5]


2014年6月21日、前年から社外取締役として在任しているベネッセホールディングスの代表取締役会長兼社長に就任した[6][7][8]


2014年6月下旬、ベネッセHD代表取締役会長兼社長として就任直後に、2000万件余の個人情報が漏えいしたベネッセ個人情報流出事件が発覚した[9]。流出を公表した7月9日の会見では、金銭的な謝罪を考えていないことを強調するとともに、流出情報を利用した他の通信教育会社の倫理を問う発言を繰り返したが[10]、同17日の会見では報道陣から「ベネッセは被害者か加害者か、どちらなのか」との辛辣な質問が飛び、「これだけ迷惑をおかけしたという意味では、加害者と思っている」と述べたほか[11]、一転して200億円の原資を用意して金銭補償する方針を表明するなど対応が揺れた[10]。また同年7月下旬には、古巣である日本マクドナルドのナゲットに使用されている、中国からの肉の中に賞味期限切れが使われていることも発覚した[12]


同年10月1日から、グループ全体の変革とベネッセコーポレーションの変革を一体的に進めるため、同社代表取締役社長も兼任する[13][14]

マクドナルド経営[編集]

2004年より、日本マクドナルドCEOとなる。前任の創業者社長である藤田田が進めてきたバリュー戦略の見直しを次々に打ち出し、行き過ぎた安売りで失墜したマクドナルドのブランドイメージの建て直しに奔走、短期間で建て直した[15]。その経営手腕の評価から、2009年12月に「GQ Men of the Year 2009」の一人に選ばれ、2011年10月には日本経団連の関連組織である経済広報センターより「企業広報経営者賞」を受賞した。


2012年10月1日から「待ち時間の短縮のため」として実施したレジカウンターにおけるメニュー表の撤廃について、「利用者のことを考えておらず、不便になっただけである」という意見もあったが[16]、価格はわかっている人の意見として問題はないという意見もあった[17]。また、2013年1月4日から60秒で商品を提供できなかったら無料券を渡すというキャンペーンを実施し、「店員が時間制限に焦り、バーガーの形が崩れている」という報告もネット上にあったが[18]、「面白い試み」という意見もあった[19]2013年7月に、1日限定・数量限定で単品1000円のハンバーガー「クォーターパウンダージュエリー」を販売。マクドナルド史上一番高い価格であった。


上述のようなマーケティング改革などに辣腕を振るったが、その一方で、行きすぎたFC化が弊害も生み[20]訴訟に発展した他、幹部級の人材の流出も相次ぐなどして[15]、2013年11月第3四半期累計(1 - 9月)の連結経常利益は前年同期比39.1%減の108億円に落ち込み、通期計画の195億円に対する進捗率は55.6%にとどまり、5年平均の75.8%も下回った[21]。このような状況から同社が強みとしていた現場力も低下し、12年12月期以降の業績続落の原因となったとも指摘されている[22]。CEOを辞した直後の2014年にマクドナルドは初の170億円、11年ぶりの赤字決算となった[23]


また、大量のリストラを行ったことでも知られる。リストラは幹部だけでなく、現場の社員も対象となり、4段階あり、上から2番目という平均的な評価を得ている人の中でダーゲットを決めて、一気に評価を一番下にして、自主退社を促していたとされる[24]

学歴[編集]

職歴[編集]









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誘拐事件とその対応

「ギャラリー酔いどれ」から転載。
私は墨子やキリストではないから、人間を無差別に愛したり、敵を愛したりはできない。と言って、「あいつは敵だ。敵は殺せ」という、現実政治や人間社会を支配する「憎悪と戦いの思想」にはもちろん与しない。まあ、敵に対しては、近づかない、こちらに関わってくれば戦う、という無難な思想である。もっとも、世間には「何となく嫌いなやつ=敵」と見做す好戦的な人間が無数にいることも承知している。だから、夏目漱石ではないが「とかく世間は住みにくい」ことになる。
さて、無駄話はさておき、例の人質事件だが、あれは「金を出してもムダ」というのが私の考えだ。心やさしい人々は、「金を出すべきだ」と主張なさっているようだが、そもそも、相手側は金を受け取る気は無いだろう。いくら日本政府が金のばら撒き外交をやっているとはいえ、「72時間以内に2億ドル準備しろ」は無茶苦茶だし、「いったいいつの時点から72時間なのか」という肝心の点が分からない。(これは2ちゃんねるでも揶揄されている。)それに、金の受け渡しはどうするのか。金を受け取りに来たら、その場で相手(犯人)を皆殺しにすればいい。口座振り込みなら、その口座の所有者を逮捕して死刑にすればいい。どちらも簡単なことだ。誘拐事件ならば、相手は明確な犯罪者であり、犯罪者にはそういう対応をするのが当然だ。「イスラム国」など国家でも何でもなく、犯罪者集団でしかないのである。そのことは彼ら自身、本当はよく知っているはずだ。で、金の受け取りができないことは先に書いたとおり自明であるから、この要求は最初から無理は承知の無茶振りであり、「日本政府が金を払わなかった。だから殺した」という口実のもとに日本を対テロ戦争に引きずり込んでいくというのがシナリオだろう。もちろん、シナリオを書いたのはISISではなく、その背後のユダヤ・イスラエル・米国である。
まあ、金は出してもいいが、私はケチなので、どうせ政府の金だから、とは思えない。政府の出す2億ドルは税金から出るものだ。それを軍事オタクのオカマのために使うのは気分が悪いのである。後藤氏は一見まともに見えるが、彼もどうも裏がありそうな存在だ。
だが、政府がとりあえず「2億ドルは出す」と言っておくのも交渉の上では悪くはない。「だが72時間では無理だ。人質解放手段と金の受け取り方法は話し合おう」と公式声明を出しておけば、人質奪回への時間稼ぎができるし、人質が殺されても(実はすでに死んでいる可能性が大だが)政府としては大義名分は立つ。もっとも、政府自身がこのやらせ事件のスタッフ・俳優である可能性の方が大きいから、私がここに書いたのはまったく無意味だろう。この事件自体は猿芝居である。ただ、その結果は「第三次世界大戦」への日本の参加というとんでもないことになる可能性が非常に大きいから、こうした警告記事を書く意義はあると考えている。
結論を言えば、日本政府は「2億ドルは払います。そして中東問題には二度と口出ししません」と声明文を出すのが(政府がまともなら)もっとも賢明だ、となるだろう。それだけが「テロとの戦争」から免れる方法ではないだろうか。


(以下引用)


いい分析だと思う、さもありなん、

◆http://my.shadowcity.jp/2015/01/post-6411.html#more
ネットゲリラ (2015年1月22日)
非正規雇用 使い捨てのスパイw


SISに捕まった二人なんだが、「アベシンゾーが雇った工作員」じゃないか? 
と言ってる人がいます。まぁ、その可能性はある。
ジャーナリストと称する人間が怪しいというのは世界の常識で、
東南アジア行って「おいらはジャーナリスト」なんて言うと、
CIAのマワシモノだと思われるw 
日本にもいますね。アメリカのTV局の特派員とか称してやたら出ているヤツがw 
(デーブ・スペクター)


  ☆http://critic20.exblog.jp/23360557/
  世に倦む日日  2015-01-21
  ◎後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係

  私は、これは安倍晋三とJ-NSAがJ-CIAの海外拠点を創設し、
  機関工作員を養成するプロジェクトの一端を示すものではないかと疑い、
  Blogでそう書いてきた。湯川遙菜は、その機関工作員の初代の見習生で、
  言わばテスト・パイロットだったのではないか。
  最も危険な地域に送りこみ、リスクがどの程度あるか、
  その瀬踏みをさせる使い捨ての派遣道具だったのではないかと、
  そのように想像を巡らせている。
  見習生を現地実習で教育するには上司たる教官が要る。
  その中東における上司教官が、インディペンデント・プレスの
  ジャーナリストである後藤健二ではなかったのか。


おいらは、自分の経験から書いている。
おいらも、自分のカネで、年間何回もアジアを歩いたんだが、バッグパッカーじゃない、
普通の旅行をするというのはカネがかかる。
それもその間、仕事を休んで、収入が減るわけで、
年収1000万以上あっても、貯金を使い果たす感じです。


ところが、やっていた自営業が破綻してカネのないはずの偽オカマが、
何度も渡航しているわけだ。英語もしゃべれないのに、どうやって旅行していたのか? 
実は、後から捕まった「自称ジャーナリスト」が、常時、同行していた
というのが明らかにされているわけで、二人はセットだったんじゃないか? 

もともと偽オカマは、タボガミ人脈で、偽オカマの「軍事会社」の顧問をやっているのが
自民党の元県議、タボガミの「全国行動委員会」支部代表だしw 
政府が雇っている工作員というと、公務員wという事になるわけだが、
非正規雇用の公務員というのもいるわけで、
恩給も付かないし、いつカネが途切れるかも不安定。
それでも権力大好きで、権力者にすり寄って小銭で動く「自称ジャーナリスト」とか、
いくらでもいる。そういう人物、何人も知ってます。

なので、偽オカマがアベシンゾーの雇ったスパイだったとしても驚かない。
つうか、ISISの諜報能力は高いので、連中、最初から知ってますね。
ついでなんだが、ジャーナリストと同じように怪しいのは、
NPO関係者というヤツです。







(夢人追記)さきほど読んだ「世に倦む日々」の記事が素晴らしいので、転載しておく。ただ、「二重思考」の部分(後半)は、焦点がぼやけるので割愛した。また、中田考氏については、私は完全には信用していない。それこそCIAお抱えの道具ではないか、と疑っているのだが、現在、政府がこの人質事件を本気で解決する気があるのなら、ISISとのパイプとしては使える人材ではあるだろう。政府が「パイプが無い」と言っているし、中田本人も使われる気満々なんだから、それを使わないこと自体、政府の意図は見え見えだ、となる。


(以下引用)

人質を見殺しにする安倍晋三の不作為 - 「人命第一」の二重思考

政府から事件について厳重な報道管制を受けているマスコミは、2日目の昨日(1/21)、後藤健二を美化する特集でニュースを埋めた。本人がどこかの学校で講演した逸話を持ち上げ、10/25に自身がシリアで撮影した動画を出して、「何が起こっても責任は私自身にあります。どうか日本の皆さんもシリアの人たちに何も責任を負わせないでください」というメッセージを流し続けた。NHKも、テレ朝も、TBSも、判を押したように同じ映像を流し、後藤健二を絶賛するコメントを並べて論調を纏めた。日本のマスコミ報道ではよくあることで、慣例で常態の光景ではあるけれど、この報道が意図的な上からのお仕着せのもので、何度も畳みかけて国民に刷り込み、意味づけを一つにする情報操作であることは誰でも分かる。後藤健二が10/25に録画したビデオメッセージが残っていたのなら、その情報こそ、事件初日の1/20にマスコミが報道するべき素材だったはずだが、一日置いて、編集と演出を入念に一つに固めて、パッケージにして一斉に全放送局で流した。それは後藤健二を聖人に仕立て、英雄に祭り上げる<物語>の前編だ。本人が殺害された後、イスラム国を憎悪する国民感情が爆発するように、次の展開のために仕組んだ戦略的な布石である。昨夜の「特集」は明らかに政府が制作している。われわれは、政府とマスコミの魂胆を見抜く必要がある。情報操作に乗せられて後藤健二を英雄視するのはやめよう。

政府が全放送局を使って美談化のために流した映像の中で、後藤健二は、「責任は私自身にあります。どうか日本の皆さんもシリアの人たちに何も責任を負わせないでください」と言っている。マスコミはこの言葉にフォーカスし、たとえ殺されても相手を恨まない清浄な心ばえと、自己責任を素直に受け入れる姿勢を褒めちぎった。だが、不具合を感じたのは私だけだろうか。「責任は自分にあります」と言っているが、今回、イスラム国に捕縛されて身代金を要求され、仮に2億ドルが払われるときは税金なのである。後藤健二は自ら責任のとりようがないではないか。外務省が渡航を禁じているシリアに潜入し、イスラム国にのこのこ入って行って捕らえられ、世界中を騒がせ、家族と国民に心配をかけて、この男はどういう責任をとるという認識なのだろう。カネの問題や家族の問題だけではない。ジャーナリストを称する英米の者が幾人も首を斬られ、そのネット動画に刺激されて、厭戦気分だった米国の世論が変わり、「イスラム国」との全面戦争の情勢になった。同じ事件が日本人ジャーナリストを標的に起これば、日本が「イスラム国」との対テロ戦争に突入し、多くの日本人が命の危険にさらされる事態になるではないか。現に今、安倍晋三は、神風の到来とばかり、嬉々としてその方向へ動いている。そうなったとき、当の本人はどう責任をとれるのか。後藤健二の「責任は自分にあります」には何の意味もない。

あまりに軽薄で無責任な言葉であり、一人よがりな自己顕示の録画だろう。このビデオメッセージは、立入禁止の雪山に踏み込んでバックカントリーのスキーを愉しもうとする者が、規制ロープを跨ぐ前にスマホで自撮りし、「何が起こっても責任は私自身にあります」と言っているのと同じだ。傲慢な言い訳だ。遭難すれば、関係者が命がけで捜索しないといけない。ヘリを飛ばして救出活動しなくてはいけない。そこには過酷な職務があり、人命救助の責任があり、税金の出費が発生する。後藤健二の言う「責任」とはどういう意味なのか。今、後藤健二はジャーナリストの鏡のような立派な男だとマスコミは美化しているけれど、実は最も無責任で、思慮分別のない身勝手な行動で多くの者に迷惑をかけていて、教育材料としては反面教師なのがこの男の行動だ。美化できる余地などどこにもなく、模範にするなど狂気の沙汰なのだ。前の記事に書いたとり、私は、後藤健二が個人的な責任感や使命感の動機で、湯川遙菜の救出に動いたとは思えない。また、熟練の後藤健二があえなくイスラム国側に捕縛されたのには、かなり複雑な理由があっただろうと推理する。そして、そのことを日本政府はよく知っているはずだし、家族もよく知っているに違いない。一つの仮説は、後藤健二の正体がバレていたということで、湯川遙菜が尋問で真実を白状してしまっていたということだろう。ただのジャーナリストではない素顔を持っていたということだ。

残り時間は24時間を切ったが、安倍晋三と政府はこの事件の解決に向けて全く動こうとしていない。人質の救出に関心がない様子で、人命が奪われる焦燥感は微塵も感じられない。「テロには屈しない」「関係国に協力を依頼して解放に全力」のフレーズを機械的に繰り返しているだけだ。何もやってない。政府が何もやってないことをマスコミが叩かない。マスコミの論者たちは、藤岡信夫のように安倍晋三から指示された「解説」を垂れるか、惠村順一郎のように安倍晋三による制裁を恐れて無味乾燥なフレーズを並べるだけだ。マスコミは、政府が不作為を合理化するために言うところの「イスラム国とのパイプがない」を、そのまま「事実」として報道で認めている。政府とマスコミがこの事件への不作為と傍観を貫徹し、救助の具体策を話題にせず、殺害後の動きに関心を移してしまっている。その態度を「テロとの戦い」と自己責任論の二つの意義づけで正当化している。実は有効なパイプが存在し、中田考が全権でイスラム国に赴いて交渉すれば、人質は無事救出されるだろう。中田考はイスラム国の高官と信頼関係があり、スンニー派の学究として尊敬を受けている。本来なら、この非非常事態にこそ政府は中田考を活用すべきで、「文明の衝突」から局外中立に立つ日本の位置を明らかにして国益を守るべきなのだ。政府は中田考の経歴と能力を熟知しながら、眼中にないかのように無視と排斥を続けている。人質の命が刻々と危うくなっているのに、それを救うことに努力をしない。

安倍晋三と政府の言うことは、「テロに屈しない」と「人命第一で全力を」の二つだ。「テロに屈しない」には中身がある。だが、「人命第一」は嘘で空っぽだ。ただ期限までの時間稼ぎをしているだけで、早く処刑を済ませてくれと言わんばかりに無為無策を続けている。安倍晋三の頭の中は人質殺害後のプログラムでいっぱいで、どうやって犠牲の言い訳をするか、どうやって「テロとの戦争」を宣言して国民の支持を集めるか、どう集団的自衛権の行使第1号の実行に持ち込むか、中東での自衛隊の作戦と配置をどうするか等々、事件後の「対テロ戦争」の政治計画ばかりに熱中している。安倍晋三にとって今回のテロ事件はまさに天佑なのだ。これまで、9条改憲の理由づけについては、「日本をめぐる安全保障環境の変化」と抽象的に言い、具体的には中国の脅威を誇張して敵意を煽り、右傾化し反中化した世論の下でその政策を正当化してきた。人質殺害後は、それに加えて「テロの脅威」を柱に据えることができる。集団的自衛権の行使が地球の裏側に及ぶ問題についても、従来は急所で弱点であったものが、事件により意味づけが一変して、逆に反論を押しのけて正当化できる根拠となる。北岡伸一と谷内正太郎は笑いが止まらない神風だろう。昨年末、報ステの映像に登場した新米のジャパンハンドラーが、米国がイスラム国を軍事壊滅させた後、イラクでのPKFを日本に担当してもらうと、そう任務を「マスコミ辞令」する場面があった。イラク戦争のときの米軍の役割だ。自衛隊にとって初のブーツ・オン・ザ・グラウンド。

今回のテロ事件と、オバマの対イスラム国戦争の宣言と、二つが重なった状況で、この集団的自衛権行使の「任務」を回避すべしとする国内の反戦世論がどこまで高まるか、マスコミの言論がどうなるか、今後の状況は予断を許さない。2/18にはDCで主要国の首脳が集まり、イスラム過激派に対して「対テロ戦争」で連携する会議が予定されている。議事進行をリードするホストはオバマとオランドだったが、おそらく安倍晋三を加えたトロイカとなり、日本の軍隊の派遣が組み込まれたシナリオとなるだろう。







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壮大かつ空疎な虚構の塔

東京大学准教授池内恵の「中東・イスラーム学の風姿花伝」から転載。
政府寄りの発言は東大教授(ほぼ全員御用学者)の使命のようなものであり、また日本の知識人はいわゆる欧米的価値観が根っから体に染み付いた「植民地の欧米御用達現地知識人」であるのが常だから、下の発言は、そういう発言でしかないが、(つまり、欧米による中東収奪の歴史や、ユダヤによる偽旗作戦・グラディオ作戦の可能性をまったく考慮しない、要するに問題の根本点をわざと無視した発言でしかないが、)これから日本の「テロとの戦争」参加を推進していく上で、戦争推進者側がどういう論拠を持ち出すか、その参考になるものとして引用するわけである。
なお、この記事はfromdusktildawn氏が褒めていたので読んでみたが、冷静客観を装って一方(ユダヤ・欧米)を利するだけの論弁である、と私は思う。ただの直観だが。
この文章にはあれこれ「主張」はあるが、「根拠」は特に言っていない。ただ、自分が専門家であることだけを、これらの主張の根拠として認めろと言っているかのようである。もちろん、この程度の短文では論拠まで示すのは難しいとはいえ、それならば、読者がそれらの主張を信じるかどうかも、読者自身の知識を根底に置いての直観しかないだろう。

とりあえず、一点だけ批判しておく。(一事が万事、とまでは言わないが。)


「イスラーム国」側の宣伝に無意識に乗り、「安倍政権批判」という政治目的のために、あたかも日本が政策変更を行っているかのように論じ、それが故にテロを誘発したと主張して、結果的にテロを正当化する議論が日本側に出てくるならば、少なくともそれがテロの暴力を政治目的に利用した議論だということは周知されなければならない。


これは、現在の安倍批判の意見を巧妙に封殺する言葉である。だが、安部批判の声が、なぜ「テロを正当化する」議論となる、と彼は言うのか。安倍批判の意見のどこにも、テロを擁護する声は無い。あるとしても、冗談の類いである。私自身、テロを日本で起こすなら、首相官邸か国会議事堂か霞が関にしてくれと言ったが、もちろん冗談だ。そもそも、ISISはユダヤがスポンサーなのだから、その手下である安部に不利なことはしない。今回の事件も、テロリスト側は安部批判をしながら、結果的には日本のユダヤ・イスラエルへの協力を強化させる方向にしか行っていないのである。それは実際には安部の後押しをもしているということだ。
なお、エルサレムでの安部声明は、日本がISISとの戦いにはっきり参加するという表明であり、その意味では「政策変更」はあったのである。それを「変更」ではなく、従来の「戦争推進政策の進化と深化」と言おうが、同じことだ。それが今回の人質殺害予告事件のいい口実になったのも誤魔化しようの無い事実だ。
要するに、ISISその他のテロリストの親玉やスポンサーがユダヤ及び西側首脳陣であるという根本(これを示す証拠は「櫻井ジャーナル」や「マスコミに載らない海外記事」その他に無数にある。)を無視した議論は、空中楼閣にしかならない、ということだ。




(以下引用)



そもそも「イスラーム国」がなぜ台頭したのか、何を目的に、どのような理念に基づいているのかは、『イスラーム国の衝撃』の全体で取り上げています。

下記に今回の人質殺害予告映像と、それに対する日本の反応の問題に、直接関係する部分を幾つか挙げておきます。

(1)「イスラーム国」の人質殺害予告映像の構成と特徴  
 今回明らかになった日本人人質殺害予告のビデオは、これまでの殺害予告・殺害映像と様式と内容が一致しており、これまでの例を参照することで今後の展開がほぼ予想されます。これまでの人質殺害予告・殺害映像については、政治的経緯と手法を下記の部分で分析しています。

第1章「イスラーム国の衝撃」の《斬首による処刑と奴隷制》の節(23−28頁)
第7章「思想とシンボル−–メディア戦略」《電脳空間のグローバル・ジハード》《オレンジ色の囚人服を着せて》《斬首映像の巧みな演出》(173−183頁)

(2)ビデオに映る処刑人がイギリス訛りの英語を話す外国人戦闘員と見られる問題
 これまでイギリス人の殺害にはイギリス人戦闘員という具合に被害者と処刑人の出身国を合わせていた傾向がありますが、おそらく日本人の処刑人を確保できなかったことから、イギリス人を割り当てたのでしょう。欧米出身者が宣伝ビデオに用いられる問題については次の部分で分析しています。

第6章「ジハード戦士の結集」《欧米出身者が脚光を浴びる理由》(159−161頁)

(3)日本社会の・言論人・メディアのありがちな反応
「テロはやられる側が悪い」「政府の政策によってテロが起これば政府の責任だ」という、日本社会で生じてきがちな言論は、テロに加担するものであり、そのような社会の中の脆弱な部分を刺激することがテロの目的そのものです。また、イスラーム主義の理念を「欧米近代を超克する」といったものとして誤って理解する知識人の発言も、このような誤解を誘発します。

テロに対して日本社会・メディア・言論人がどのように反応しがちであるか、どのような問題を抱えているかについては、以下に記してあります。

第6章「ジハード戦士の結集」《イスラーム国と日本人》165−168頁

なお、以下のことは最低限おさえておかねばなりません。箇条書きで記しておきます。

*今回の殺害予告・身代金要求では、日本の中東諸国への経済援助をもって十字軍の一部でありジハードの対象であると明確に主張し、行動に移している。これは従来からも潜在的にはそのようにみなされていたと考えられるが、今回のように日本の対中東経済支援のみを特定して問題視した事例は少なかった。

*2億ドルという巨額の身代金が実際に支払われると犯人側が考えているとは思えない。日本が中東諸国に経済支援した額をもって象徴的に掲げているだけだろう。

*アラブ諸国では日本は「金だけ」と見られており、法外な額を身代金として突きつけるのは、「日本から取れるものなど金以外にない」という侮りの感情を表している。これはアラブ諸国でしばしば政府側の人間すらも露骨に表出させる感情であるため、根が深い。

*「集団的自衛権」とは無関係である。そもそも集団的自衛権と個別的自衛権の区別が議論されるのは日本だけである。現在日本が行っており、今回の安倍首相の中東訪問で再確認された経済援助は、従来から行われてきた中東諸国の経済開発、安定化、テロ対策、難民支援への資金供与となんら変わりなく、もちろん集団的・個別的自衛権のいずれとも関係がなく、関係があると受け止められる報道は現地にも国際メディアにもない。今回の安倍首相の中東訪問によって日本側には従来からの対中東政策に変更はないし、変更がなされたとも現地で受け止められていない。

そうであれば、従来から行われてきた経済支援そのものが、「イスラーム国」等のグローバル・ジハードのイデオロギーを護持する集団からは、「欧米の支配に与する」ものとみられており、潜在的にはジハードの対象となっていたのが、今回の首相歴訪というタイミングで政治的に提起されたと考えらえれる。

安倍首相が中東歴訪をして政策変更をしたからテロが行われたのではなく、単に首相が訪問して注目を集めたタイミングを狙って、従来から拘束されていた人質の殺害が予告されたという事実関係を、疎かにして議論してはならない。

「イスラーム国」側の宣伝に無意識に乗り、「安倍政権批判」という政治目的のために、あたかも日本が政策変更を行っているかのように論じ、それが故にテロを誘発したと主張して、結果的にテロを正当化する議論が日本側に出てくるならば、少なくともそれがテロの暴力を政治目的に利用した議論だということは周知されなければならない。

「特定の勢力の気分を害する政策をやればテロが起こるからやめろ」という議論が成り立つなら、民主政治も主権国家も成り立たない。ただ剥き出しの暴力を行使するものの意が通る社会になる。今回の件で、「イスラーム国を刺激した」ことを非難する論調を提示する者が出てきた場合、そのような暴力が勝つ社会にしたいのですかと問いたい。

*テロに怯えて「政策を変更した」「政策を変更したと思われる行動を行った」「政策を変更しようと主張する勢力が社会の中に多くいたと認識された」事実があれば、次のテロを誘発する。日本は軍事的な報復を行わないことが明白な国であるため、テロリストにとっては、テロを行うことへの閾値は低いが、テロを行なって得られる軍事的効果がないためメリットも薄い国だった。つまりテロリストにとって日本は標的としてロー・リスクではあるがロー・リターンの国だった。

しかしテロリスト側が中東諸国への経済支援まで正当なテロの対象であると主張しているのが今回の殺害予告の特徴であり、重大な要素である。それが日本国民に広く受け入れられるか、日本の政策になんらかの影響を与えたとみなされた場合は、今後テロの危険性は極めて高くなる。日本をテロの対象とすることがロー・リスクであるとともに、経済的に、あるいは外交姿勢を変えさせて欧米側陣営に象徴的な足並みの乱れを生じさせる、ハイ・リターンの国であることが明白になるからだ。

*「イスラエルに行ったからテロの対象になった」といった、日本社会に無自覚に存在する「村八分」の感覚とないまぜになった反ユダヤ主義の発言が、もし国際的に伝われば、先進国の一員としての日本の地位が疑われるとともに、揺さぶりに負けて原則を曲げる、先進国の中の最も脆弱な鎖と認識され、度重なるテロとその脅迫に怯えることになるだろう。

特に従来からの政策に変更を加えていない今回の訪問を理由に、「中東を訪問して各国政権と友好関係を結んだ」「イスラエル訪問をした」というだけをもって「テロの対象になって当然、責任はアベにある」という言論がもし出てくれば、それはテロの暴力の威嚇を背にして自らの政治的立場を通そうとする、極めて悪質なものであることを、理解しなければならない。

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